- 更新日 : 2026年1月20日
子供を扶養に入れる条件は?共働き・大学生の年収基準や手続き方法を解説
子供を親の社会保険(健康保険・厚生年金)の扶養に入れると、子供自身の社会保険料の負担がなくなります。共働きのご家庭や、アルバイトをする大学生の子供を持つご家庭にとって、「子供が扶養に入れる条件」や「どちらの扶養に入れるべきか」は重要な検討事項です。
この記事では、子供が社会保険の扶養に入れる年収条件や年齢の基準、両親が共働きの場合の判断基準、具体的な手続きまでをわかりやすく解説します。
目次
子供は親の社会保険の扶養に入れる?
子供は小さいうちは当然親の扶養に入れることができますが、ある程度大きくなってからも扶養に入れ続けてよいのでしょうか。まずは、子供を親の扶養に入れ続けられるのかどうかを考えてみましょう。
18歳未満の子供の場合
社会保険の被保険者に子供が生まれた場合、その子供は扶養に入れることができます。子供を扶養に入れるためには、「被扶養者(異動)届」を提出します。
被扶養者(異動)届は、被保険者によって生計を維持されている親族を扶養に入れる場合や、生計維持要件を満たさなくなるなどして扶養から外す場合に使用する書類です。事業主を通じて、事実があった日から5日以内に、日本年金機構の事務センターまたは管轄年金事務所に提出します。
18歳以上・大学生などの場合
一度行った扶養に関する手続きの効力は、新たな手続きを行わない限り継続します。
18歳以上でも学生などで生計維持関係が継続する場合は社会保険の扶養から外す必要はなく、手続きを行う必要もありません。ただし、アルバイトなどで一定以上の年収を得ると、被扶養者としての要件を満たさなくなります。その場合は社会保険の扶養から外れ、子供が自分で国民健康保険に加入しなければならなくなります。
関連記事|社会保険における扶養・被扶養者とは?年の途中の手続きや加入条件も解説
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社会保険で子供が扶養に入れる条件は?
子供が社会保険の扶養に入るための条件は、大きく分けて「収入要件」と「生計維持要件」の2つがあります。これらを体系立てて理解しましょう。
子供が親の社会保険の被扶養者として認定されるには、健康保険法で定められた厳しい条件をすべて満たす必要があります。
子供の年収が130万円未満であること
子供の年間収入が130万円未満であること(障がい者の場合は180万円未満であること)が条件となります。また、この年間収入とは、過去の収入ではなく、今後1年間の収入の見込み額を指します。
なお、扶養認定日が令和7年10月1日以降で、扶養認定を受ける方が19歳以上23歳未満の場合は、税法上の特定扶養控除の見直しに合わせて「年間収入150万円未満」に変わります。
関連資料:日本年金機構 19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件が変わります
また、勤務先や勤務条件によっては、年収106万円以上で社会保険への加入が義務付けられ、親の扶養を外れることに注意しましょう。
親が子供の生計を維持している関係であること
収入要件以外に、親が子供の生活費を支えているという事実も不可欠です。
原則として、同居している必要はありません。別居していても、仕送りの事実があり、仕送りの額が子供の年収未満であれば扶養は認められます。ただし、仕送りの事実や金額を証明できる資料が必要となる場合があります。
親(被保険者)より収入が少ないこと
子供の収入が、扶養に入れる親(被保険者)の収入を下回っていることも重要な条件です。
同居している場合は「年間収入が親(被保険者)の年間収入の2分の1未満」であることが原則です。
ただし、この基準を超えていても、その世帯の状況を総合的にみて親が世帯主として生計を維持していると認められる場合は、扶養が認められるケースもあります。
別居している場合は、「年間収入が130万円未満」であることに加え、「親からの仕送り額よりも子供自身の年間収入が少ない」ことが条件となります。
関連記事|配偶者や親族の扶養に入るためには?手続きや条件を解説!
両親が共働きの場合、子供はどちらの扶養に入る?
共働き夫婦の場合、子供の扶養は原則として年間収入が多いほうの親に入れることになります。この決定は、夫婦間の話し合いではなく、健康保険組合や協会けんぽのルールに基づきます。
将来見込み収入で判断する
扶養の判断では、過去、現在、将来の収入などから算出した「今後1年間の収入の見込み額」で比較、年間収入の見込みが多いほうの親の扶養とします。
収入差が少ない場合は、夫婦の年間収入の差が概ね1割程度である場合は、被保険者や世帯の状況を考慮して、届出により主として生計を維持する者の扶養とすることができます。
育休・パートで扶養が変わる場合は?
夫婦の働き方や収入に変化があった場合は、扶養の扱いが変わる可能性があります。
その場合は、「被扶養者(異動)届」を提出し扶養の移動手続きを行う必要があります。
- 夫が育児休業を取得し、妻が復帰
子供は妻の扶養に入ります。育休中の親は、育児休業給付金を受け取っていても収入の計算上「無収入」とみなされるためです。 - 妻がパート勤務となり収入が激減
子供は夫の扶養に入ります。収入の比較により、夫の収入が多い場合に変更されるためです。
関連記事|共働き世帯の子供はどちらの扶養に入れるのがお得?扶養制度を利用するコツを解説
子供を扶養に入れるために必要な書類
子供を社会保険の扶養に入れる手続きには、子供との関係や収入状況を証明するための書類が必要です。親の勤務先の指示に従い、必要な書類を揃えて提出します。
1. 続柄確認のための書類
- 続柄が書面上で確認できる必要があります。
- コピーは認められないため、原本の添付が求められます。
- 親と子供の双方のマイナンバーが被扶養者(異動)届に記載され、上記の書類により続柄を確認した旨が事業主により被扶養者(異動)届に記載されている場合には、続柄確認のための添付書類を不要とすることができます。
2. 収入要件確認のための書類
また、別居している16歳以上で学生でない子供の場合は、仕送りの事実と仕送り額が確認できる書類の添付が必要です。
子供を扶養に入れるための手続きは?
子供を親の扶養に入れるためには、被扶養者(異動)届を提出します。
被扶養者(異動)届は社会保険の被保険者について、親族を扶養に入れる場合や、扶養から外す場合に用いる書類です。
子供を扶養に入れる場合は被扶養者(異動)届に必要書類を添付し、事業主を通じて提出します。提出期限は事実があった日から5日以内で、提出方法は窓口持参・郵送。電子申請のいずれかです。窓口持参の場合は事業所を管轄する年金事務所に、郵送の場合は事務センターに提出します。
関連資料|健康保険被扶養者(異動)届記入テンプレート
関連資料|社労士が解説! 社会保険・労働保険の手続きガイド ‐入社・退職・異動編‐
子供がアルバイト・パートを始めた場合の扶養は?
子供がアルバイトやパートを始めた場合、収入額によっては親の扶養から外れることになります。これは、とくに学生の子供を持つご家庭が注意すべき点です。
子供のアルバイト収入が社会保険の扶養の基準を超える見込みとなったら、速やかに扶養を外す手続きが必要です。
扶養判定は子供の収入の見込み額
扶養の判定は、将来の見込み収入に基づいて行われます。
そのため、単月の収入が高くても一時的なものであれば生計維持関係は崩れませんが、継続的に高い収入が見込まれる場合は、「自分で生計を立てられる」と判断されてしまいます。
たとえば、夏休み期間の短期集中アルバイトで月収が130万円を単純に12で割った額(約10万8千円)を超えても、年間収入見込みが130万円未満であれば扶養を継続できる場合もあります。
扶養を外すと健康保険や年金はどうなる?
子供が親の社会保険の扶養を外れた場合、子供自身の健康保険と年金について考える必要があります。扶養から外れたにもかかわらず、国民健康保険への加入などの手続きを怠ると、医療費が全額自己負担になったり、将来の年金受給資格に影響が出たりする可能性があります。
- アルバイト先の社会保険に加入する(106万円または130万円の壁を超えた場合)
- 勤務先で加入しない場合は、国民健康保険に加入する
- 国民年金に加入する(20歳以上の学生は学生納付特例制度を利用できる)
関連資料|被扶養者異動届 記入例
関連資料|税理士が解説!給与担当者が知っておきたい 税金の基本がよくわかるガイド
社会保険の扶養と税法上の扶養控除との違いは?
社会保険の扶養と税法上の扶養控除は、全く別の制度であり、それぞれの基準で判断されます。判断基準が異なるため、「税法では扶養に入るが、社会保険では扶養から外れる」といった状況が起きることもあります。
税法上の扶養控除とは?
税法上の扶養控除では、子どもを扶養親族として扱うための基準が「所得58万円以下(給与収入のみの場合は123万円以下)」と定められています。
これはあくまで所得税の計算上、親の税負担を軽減するための制度で、対象となる子どもが一定の所得以下であることが条件になります。
社会保険(健康保険・年金)の扶養とは?
社会保険の扶養は、保険料の負担なく健康保険に加入できるかどうかを判断する制度で、収入基準が大きく異なります。
一般的な目安は以下のとおりです。
- 基準となる金額:年収130万円未満(60歳以上・障害者は180万円未満)
- 扶養の判断基準:将来の見込み収入で判定
16歳未満でも健康保険では扶養にできる理由
税法上の扶養控除では、子どもが扶養親族として認められるのは16歳以上です。
そのため、15歳以下の子どもは所得税の控除対象にならず、「扶養控除は受けられない」という扱いになります。
しかし、健康保険ではまったく別の考え方が採用されています。
健康保険の扶養においては、年齢による制限はなく、生計をともにしていれば0歳の子どもでも扶養として認められます。これは、健康保険制度が「保険料負担の公平性」と「生活保障」を目的としており、年齢による線引きをせず、 被保険者が主に生活を支えている家族であることを重視しているためです。
そのため、税法上は扶養控除の対象にならないが、社会保険上は扶養にできるというケースが子どもについては一般的に起こります。
関連資料|給与所得者の扶養控除申告書 記入例
関連資料|源泉徴収や年末調整のミスをゼロに! 扶養控除等申告書 取り扱いガイド
親を子の扶養に入れる場合
子供が会社員で社会保険に加入している場合、病気や介護などで働くことが難しくなった親を、自分の扶養に入れることもできます。親を自分の扶養に入れる手続きは、子供を扶養に入れる場合とほぼ同じですが、収入条件などが異なります。
健康保険で親を扶養にできる条件
親を健康保険の扶養に入れる場合の収入基準は、60歳以上であるかどうかで変わります。
親の年齢が60歳未満の場合は年間収入の見込みが130万円未満、親の年齢が60歳以上の場合は年間収入の見込みが180万円未満であれば健康保険で親を扶養に入れることができます。
この収入には、年金収入も含まれます。また、子供と同居しているか別居しているかによっても、判断基準が異なります。別居の場合は、仕送り額が親の収入よりも多い必要があります。
税法上の扶養にできる条件
親を税法上の扶養に入れる場合は、「控除対象扶養親族」の条件を満たす必要があります。
親の合計年間所得金額が58万円以下(年金収入のみなら、65歳未満で108万円以下、65歳以上で158万円以下が目安)の場合は税法上の扶養に入れることができます。
また、70歳以上の親を扶養に入れる場合は、通常の扶養控除額よりも多い「老人扶養親族」として控除を受けられる特例があります。
必要書類や手続きは?
親を扶養に入れる手続きも、勤務先を通じて「被扶養者(異動)届」を提出します。
親を扶養に入れる場合の必要書類は、親の続柄(戸籍・住民票)と年金振込通知書などの収入証明がとくに重要です。
別居している場合は、子供からの継続的な仕送りの事実を証明する書類(銀行の振込明細など)が必要となるため、日頃から記録を残すようにしましょう。
関連資料|給与計算のための「控除ルール」早わかりガイド
関連記事|親を社会保険の扶養に入れることはできる?条件や保険料を解説!
よくある質問(FAQ)
Q1. 子どもは何歳まで社会保険の扶養に入れますか?
A. 年齢による上限はありません。
健康保険の扶養では、18歳・20歳といった年齢制限は設けられていません。
成人していても「生計維持関係がある」「収入が基準未満」であれば扶養のまま加入できます。
ただし、18歳以上で収入が増えると扶養から外れるケースもあります。特にアルバイトを始める高校生・大学生は注意が必要です。
Q2. 子どもがアルバイトをして収入が増えた場合、いつ扶養から外れますか?
A. 年間収入が130万円以上(または106万円以上)になる見込みがあると外れる可能性があります。
社会保険では「これから1年間の収入見込み」で判定するため、数ヶ月連続して月収が一定額を超えれば、扶養から外れる場合があります。扶養を外れた場合は、子ども本人が国民健康保険に加入するか、勤務先で社会保険に加入する 手続きが必要です。
なお、令和8年4月以降は年間収入の取扱いを「労働条件通知書等の労働契約の内容」によって判定することになり、労働契約における年間収入が130万円(106万円)未満であれば、被扶養者認定を行うことになりました。
関連資料 厚生労働省 令和7年10月1日事務連絡(年間収入の取扱いに係るQ&A)
関連資料|給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 記入例 パート
関連記事|社会保険における「130万円の壁」とは?扶養条件や103万円の壁との違いを解説
Q3. 両親が共働きの場合、子どもはどちらの扶養に入れるのが正しいですか?
A. 原則として、年間収入が多いほうの親の扶養に入ります。
ここでいう年間収入は「今後1年間の見込み額」を指し、ボーナスなども含めて判断されます。
また、育休中やパート勤務などで収入が変動する場合は、その時点で最も生活を支えている親が扶養者になるケースもあります。
関連記事|給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の配偶者の有無の書き方とは?条件を解説
Q4. 子どもが扶養に入ったまま確定申告が必要になるケースはありますか?
A. アルバイト収入がある場合など、一定条件を満たすと確定申告が必要です。
扶養のままでも以下のようなケースでは確定申告が必要になる可能性があります。
扶養であるかどうかと「本人が確定申告をする必要があるか」は別の判断基準で決まります。
関連記事|〖2025年〗子供がいる場合の年末調整における扶養控除の書き方
Q5. 親を自分の扶養に入れたい場合、子どもと同じ条件ですか?
A. 子どもの場合とは基準が異なります。
健康保険で親を扶養にする場合は、年間収入が180万円未満(60歳以上または一定の障害がある場合)、生計維持関係(同居または仕送り)が認められることが必要です。
税法上は、所得58万円以下(公的年金の場合は別基準)であれば扶養控除の対象になる可能性があります。
Q6. 子どもが就職した場合、いつまでに扶養を外す必要がありますか?
A. 就職が決まった時点で速やかに手続きが必要です。
就職先で社会保険に加入する場合、 被扶養者のままでいることはできません。 健康保険の被保険者や共済組合等の組合員になったとき(一般的に「就職日」)に扶養から外す届出(非該当の届出)を行うのが一般的です。
関連資料|従業員の「わからない」はコレで解決! 年末調整でよくある質問&回答集
関連記事|社会保険において扶養が外れる条件とは?外れるタイミングや手続きも解説!
子供を扶養に入れるための要件や手続きを理解しよう
親によって生計を維持されている子供は、親の社会保険の扶養に入ることができます。被扶養者として認められるためには、子供の年間収入が130万円未満(障がい者の場合は180万円未満)であることが必要です。学生がアルバイトなどで収入要件を満たさなくなった場合は、扶養から外さなければなりません。
要件を満たして扶養に入れる場合は、被扶養者(異動)届を提出します。手続き方法を理解し、きちんと届け出ましょう。
関連資料|家族手当申請書(ワード)
よくある質問
子供は社会保険の扶養に入れますか?
要件を満たせば、子供を親の扶養に入れることができます。詳しくはこちらをご覧ください。
子供が親の社会保険の扶養に入れる条件を教えてください。
収入要件として、子供の年間収入が130万円未満(障がい者の場合は180円未満)であることが求められます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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