• 更新日 : 2026年10月5日

派遣社員の年末調整はどこで受ける?必要書類や流れ、2026年分の変更点と確定申告との違いを解説

Point派遣社員の年末調整はどこで行う?

派遣社員の年末調整は、就業先ではなく雇用契約を結んでいる派遣会社(派遣元)が行います。

  • 年末調整の窓口は派遣会社(派遣元)
  • 案内は一般社員より早く届く傾向あり
  • 2026年分は基礎控除など税制改正あり

Q. 12月に就業していない場合、年末調整はどうなる?

A. 12月に給与の支払いがない場合は年末調整の対象外となり、自分で確定申告が必要になります。

派遣社員の年末調整は、就業先ではなく派遣会社が行う手続きです。本記事では、派遣社員が年末調整をしてもらう場所や必要書類、STEP形式の手続きの流れに加え、2026年(令和8年)分の税制改正のポイント、年末調整の対象外になり確定申告が必要になるケースまでまとめて解説します。

派遣社員の年末調整は誰が行う?

派遣社員の年末調整は、本人ではなく給与を支払う会社が行う手続きです。年末調整は所得税法で定められた事業者の義務であり、社員が個人で処理することはできません。

年末調整は、毎月の給与から源泉徴収した所得税額と、1年間の給与総額から計算した本来の所得税額との差額を精算する手続きです。会社には従業員へ毎月給与を支払う際に税額表に基づいた所得税を源泉徴収する義務があり、その年最後の給与支払いにあわせて1年分の精算を行うことも法律上の義務となっています。給与収入が一定額を超える人や、年の途中で海外へ転出した人など一部の例外を除き、会社はすべての従業員を対象に年末調整を行わなければなりません。

年末調整と確定申告の違い

年末調整は会社が行う手続きで、確定申告は個人が税務署に対して行う手続きという点が大きな違いです。会社を退職して年末に在籍していない場合や、副業収入がある場合など、年末調整で精算できない所得税がある人は、翌年に自分で確定申告をして納税額を確定させる必要があります。

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派遣社員の年末調整はどこで受ける?

派遣社員の年末調整は、就業先の企業(派遣先)ではなく、雇用契約を結んでいる派遣会社(派遣元)が行います。

派遣社員は、実際に働く現場である派遣先企業と、雇用契約や給与の支払いを行う派遣会社という、2つの会社に関わっています。年末調整は源泉徴収した所得税を精算する手続きのため、毎月の給与から源泉徴収を行っている派遣会社が窓口となります。派遣先企業と接する機会の方が多い派遣社員も少なくありませんが、年末調整の連絡や書類提出はあくまで派遣会社(派遣元)宛てに行う点を覚えておきましょう。

派遣社員の年末調整の流れは?

派遣社員の年末調整は、案内の受け取りから還付金の確認まで、大きく4つのSTEPで進みます。派遣会社によって細かな時期や方法は異なるため、案内が届いたら早めに確認することが大切です。

STEP1 派遣会社から年末調整の案内を受け取る

年末調整の案内は、一般的な会社員より早い時期に派遣会社から届く傾向があります。

一般的な会社員の年末調整は11月下旬から12月中旬に行われることが多いのに対し、派遣会社は給与計算や書類回収の事務作業を前倒しで進める都合上、案内の時期がやや早まりやすいのが特徴です。連絡を見落とさないよう、11月に入ったら派遣会社からの通知をこまめに確認しておきましょう。

STEP2 必要書類を準備する

年末調整で提出する主な書類は、扶養控除等(異動)申告書・基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書・保険料控除申告書の3種類が基本です。

書類名 主な記載内容
扶養控除等(異動)申告書 扶養している家族の情報
基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書 本人の所得見積額、配偶者、19〜22歳の特定親族に関する情報など
給与所得者の保険料控除申告書 生命保険料・地震保険料・社会保険料などの控除情報

これらの申告書に加え、生命保険料控除証明書や地震保険料控除証明書など、各種控除の適用に必要な証明書類を準備し、派遣会社の案内に従って提出・提示しましょう。証明書類は各保険会社から年末調整の時期にあわせて送付されるため、届いたものを整理し、記入した申告書とあわせて提出できるよう準備しておきましょう。なお2026年(令和8年)分からは税制改正にあわせて申告書の様式が一部変更される見込みのため、派遣会社から案内される最新の様式を使うことが重要です。

STEP3 書類を期限内に提出する

記入済みの申告書と証明書類は、派遣会社が指定する提出期限までに提出することが欠かせません。

派遣社員は派遣会社に直接出向く機会が少なく、提出方法も郵送やオンラインシステムに限られることが多いため、提出できる期間は決して長くありません。期限を過ぎると年末調整に間に合わず、確定申告が必要になる場合もあるため、案内を受け取ったらできるだけ早く準備を進めましょう。

STEP4 還付金・追加徴収額を確認する

年末調整の結果生じた還付金や追加徴収額は、12月の給与とあわせて受け取れることが一般的です。

ただし派遣会社によっては、還付や追加徴収の反映が翌年1月の給与になる場合もあります。12月または1月の給与明細を受け取ったら、還付・徴収の金額や年末調整済みである旨の記載を確認しておくと安心です。

2026年(令和8年)分の年末調整で押さえておきたい変更点は?

2026年(令和8年)分の年末調整からは、税制改正により所得税の基礎控除や給与所得控除、扶養親族等の所得要件が見直されます。控除額が拡大される改正のため、還付額が例年より大きくなる従業員も増えると見込まれています。

具体的にどのような改正が行われる?

主な改正内容は、基礎控除額の引き上げ、給与所得控除の最低保障額の見直し、扶養親族等の所得要件緩和の3点で、これにより給与収入ベースの所得税の課税最低限は178万円まで引き上げられます。

改正項目 主な内容
基礎控除 本則58万円から62万円に引き上げ、所得に応じて最大42万円の特例上乗せ
給与所得控除 最低保障額の引き上げ
扶養親族等の所得要件 所得要件が緩和され、扶養控除の対象となる家族の年収基準が引き上げ

これらの改正は原則として2026年12月1日に施行され、2026年分以後の所得税に適用されます。2026年11月までの毎月の源泉徴収には変更がなく、12月に行う年末調整で1年分をまとめて改正後の控除額で計算し直す仕組みです。派遣会社から新様式の扶養控除等申告書などの再提出を案内された場合は、扶養家族の年間所得見積額をあらためて確認しておきましょう。

参考:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|国税庁

派遣社員が年末調整の対象外になり確定申告が必要になるケースとは?

派遣社員は、12月時点で就業していない場合や、副業などで複数の会社から給与を受け取っている場合に、年末調整の対象外となったり確定申告が必要になったりすることがあります。年末調整されないまま放置すると、還付金を受け取れなかったり、納税額が不足したりするおそれがあるため注意が必要です。

12月時点で就業していない場合

年の途中で派遣契約が終了し、そのまま年末まで再就職していない場合などは、原則として年末調整の対象外となります。

年末調整は12月の給与支払いにあわせて行われる手続きのため、給与が支払われなければ精算のしようがないというのが理由です。派遣会社によっては給与の支払いが翌月払いとなっており、11月に就業していないと12月支払いの給与が発生せず、年末調整の対象外になるケースもあります。11月以降に派遣契約が終了する見込みがある人は、自分の就業状況と派遣会社の給与支払いルールを確認し、年末調整の対象になるかどうかを事前に把握しておきましょう。

副業・掛け持ちで収入がある場合

2社以上から給与を受け取っており、年末調整をする会社以外からの給与収入と、給与所得・退職所得以外の所得金額との合計が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。

これは国税庁が定める給与所得者の確定申告義務に関するルールで、必要な申告を怠ると延滞税や無申告加算税が課される可能性があります。派遣の仕事を掛け持ちしている人や、副業で継続的な収入がある人は、年末調整だけで手続きが完了していないか、あらためて確認しておくことが大切です。

参考:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁

派遣社員の確定申告の具体的なやり方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

派遣社員の年末調整は派遣会社への早めの確認がポイント

派遣社員の年末調整は、就業先ではなく派遣会社が行う手続きです。案内は一般的な会社員より早く届く傾向があるため、必要書類を早めに準備し、期限内に提出することが欠かせません。2026年分は基礎控除や扶養親族の所得要件が改正されるため、様式や記載内容の変更点もあわせて確認しておきましょう。12月に就業していない場合や副業収入がある場合は年末調整だけで完結せず、確定申告が必要になることもあるため注意が必要です。

よくある質問

派遣社員は年末調整を自分で行えますか?

年末調整は会社が行う手続きであるため、自分で行うことはできません。詳しくはこちらをご覧ください。

派遣社員の場合、派遣先、派遣元どちらで年末調整を行えばよいですか?

派遣社員の年末調整は派遣先ではなく、派遣元である派遣会社で行います。詳しくはこちらをご覧ください。


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