- 更新日 : 2026年6月15日
無期雇用とは?正社員との違い、無期転換ルールやデメリット、契約の注意点
無期雇用とは、雇用期間に定めのない労働契約のことです。有期雇用との違いは契約期間に定めがあるかどうかであり、正社員とも異なります。有期雇用労働者は、一定の要件を満たした場合、雇用主に無期雇用を申し込むことが可能です。
本記事では、無期雇用の意味や無期雇用転換ルールの概要、デメリット・注意点を解説します。
目次
無期雇用とは?
無期雇用とは、雇用期間に定めのない労働契約のことです。契約期間がなく、契約の更新が必要ありません。そのため、就業規則などに定められた定年まで働き続けられます。無期雇用と対照的な労働契約が、有期雇用です。
ここでは、無期雇用と有期雇用・正社員との違いを解説します。
無期雇用と有期雇用の違い
有期雇用とは、契約期間に定めがある労働契約です。無期雇用とは契約期間に定めがあるかないかが異なります。有期雇用の契約期間は、労働基準法により、原則として最大3年と定められています。
例外として、高度な専門知識や技術、特定の経験がある、満60歳以上といった条件を満たす場合、5年の契約期間が認められます。
また、有期雇用でも一度契約を締結すれば、雇用期間中はやむを得ない事由がない限り、いずれの側からも原則として一方的に契約を終了できません。ただし、有期雇用契約の初日から1年を経過した後であれば、労働者側からは自由に解約可能です。
無期雇用と正社員の違い
無期雇用と正社員は異なります。
2012年の労働契約法改正により、派遣社員や契約社員、パート・アルバイトなどの有期雇用労働者は、一定の条件を満たせば無期雇用への転換を申し込めるようになりました。これを「無期雇用転換ルール」と呼びます。
無期雇用は、このような有期雇用から無期雇用へと転換した場合の雇用形態も含まれます。無期雇用に転換しても、期限の定めがなくなるだけで、正社員になるわけではありません。
給与や勤務時間、待遇は有期雇用のときと変わらない場合も多いでしょう。
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無期雇用転換ルールとは
無期雇用転換ルールとは、有期雇用から無期雇用に転換できる制度です。一定の要件を備えた有期雇用労働者が申込みを行うことで、無期労働契約が成立します。
申込みがあった場合、会社は原則として無期労働契約への転換を拒否できません。
無期契約への転換により、労働者は安定して働き続けられます。
無期雇用転換の申込権は、契約期間が1年の場合は5回目の更新後の1年間に、契約期間が3年の場合は1回目の更新後の3年間に発生します。
申込みは、口頭で行っても法律上は有効です。しかし、口頭での申込みは後日トラブルが起こりやすいため、会社側は書面での申込みを受けるようにするとよいでしょう。
無期雇用転換の日数のカウント方法
無期雇用転換ルールには「有期労働契約が通算5年を超えて反復更新されている」という要件があり、2013年4月1日以降に開始された有期労働契約が対象です。それ以前から雇用されている場合でも、5年のカウントを行うのは、2013年4月1日以降になります。
無期転換ルールの適用を免れる目的で、無期転換申込権が発生する前に有期雇用労働者の雇止め(期間満了により打ち切ること)をすることは、労働契約法の趣旨に照らして望ましくないとされています。また、契約期間の途中で解雇することは、やむを得ない事由がある場合でなければ認められません。
なお、2024年4月1日以降、無期転換申込権が発生する有期労働契約の更新時には、使用者は、「無期転換を申し込むことができる旨」を労働者に対して書面で明示することが必要になっています。
それまでは労働者に通知する義務がありませんでしたが、法改正により明示義務が定められているため、注意してください。
無期契約社員とは
「無期契約社員」とは、雇用期間に定めのない労働契約を結んでいる契約社員のことです。
無期雇用転換に申し込み、無期雇用になった契約社員を指します。
無期契約社員は、雇用が終了して転職先を探さなければならないという不安がなくなり、雇用の安定性が図られています。
その一方で、無期雇用に転換したあとも有期雇用のときと雇用条件が変わらないケースが多く、契約期間の定めがないという以外では、有期契約社員との大きな違いはほとんどありません。
無期雇用派遣とは?
無期雇用派遣とは、契約の終了を決めずに派遣社員として雇用契約を結ぶことです。派遣会社との契約が通算5年を超えると、派遣スタッフには無期雇用転換の申込権が発生し、派遣会社と無期雇用契約を結ぶことが可能です。
また、派遣会社の選考で採用されれば、有期雇用を経ずに無期雇用派遣となることもできます。
派遣先企業で活躍しても昇進・昇格に関わることはありませんが、派遣先企業の業績不振などの動向にはあまり影響を受けません。
パート・アルバイトを無期雇用契約に転換する手続き
パート・アルバイトでも、無期雇用転換の申込みは可能です。無期雇用転換ルールは、派遣社員や契約社員のほか、パート・アルバイトで働いている人を含めて雇止めの不安を解消することを目的に制定された制度です。
無期雇用転換ルールを導入することで、労働者の仕事への意欲向上や将来を見すえたキャリア形成をサポートすることを目指しています。
パート・アルバイトで働く人の無期雇用転換ルールの要件は、契約社員と同じです。同一の使用者との間で有期労働契約が継続し、2013年4月1日以降のカウントで通算5年を超えて反復更新されていれば、無期雇用申込権が発生します。
有期雇用労働者本人が雇用主に申込みを行うことで、無期雇用に転換できます。
無期雇用契約のデメリットや注意点
会社が無期雇用契約をすることで、いくつかのデメリットや注意点があります。
詳しくみていきましょう。
正社員とは異なる
無期雇用転換ルールは有期契約が無期に転換するだけで、仕事内容や待遇面については、会社の裁量に任されています。正社員と同じ雇用形態になるケースは少なく、契約内容は有期契約時と変わらないことが多いでしょう。
有期雇用労働者に無期転換の申込権が発生し、行使された場合、会社側は拒否できません。そのため、その従業員に能力が不足していたり、勤務態度が良くなかったりする場合でも、無期契約社員に転換されます。
有期雇用契約であれば契約満了時の雇止めで雇用を終了できた場合でも、無期転換をしたあとに雇用を終了させることが難しくなる点はデメリットです。
賞与などの労働条件があいまいになる恐れ
無期雇用への転換では、契約期間が有期から無期に変わるだけで、労働条件は原則として有期労働契約のときの条件と同一となります。 しかし「別段の定め」をすることで、賞与などの労働条件を変更することは可能です。
この「別段の定め」をする場合、内容があいまいであるとトラブルになることもあるため、注意しなければなりません。
解雇・クビが難しい
無期雇用になれば契約満了による雇止めをできなくなり、従業員を解雇・クビにすることは難しくなります。解雇は会社が一方的に行うもので、正当な理由が必要です。
無期労働契約に転換した従業員を定年によらずに解雇する場合には、労働契約法の解雇権濫用法理が適用されます。解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められない場合、権利濫用に該当して解雇は無効となります。
解雇した場合は解雇された従業員から裁判を起こされる可能性があり、解雇に合理的な理由がなければ、会社は敗訴することになるでしょう。
無期雇用転換ルールを把握しておこう
無期雇用転換ルールは、有期雇用で働いている人の雇用を安定させるために設けられた制度です。通算5年間更新するなどの要件を満たした有期雇用労働者からの申込みがあれば、会社は無期雇用に転換しなければなりません。
無期転換申込権が発生する有期労働契約の更新時には、申込権があることを書面で明示する義務があります。
無期雇用転換ルールを把握し、要件を満たす従業員がいる場合には適切な対応を行いましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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