• 作成日 : 2022年5月13日

年末調整における年収とは?定義と計算方法を解説!

年末調整における年収とは?定義と計算方法を解説!

その年に得た収入の合計額を「年収」といいます。年末調整は、対象の年の1月1日から12月31日までの期間の給与収入額を対象に行われるため、収入・年収・給与収入の3つの言葉は多くの場合で同じ意味で用いられます。年収にはまだ受け取っていない12月給与なども含まれるため、年末調整の書類には見込額で記入します。

年末調整における年収とは?

年末調整では、日常生活では馴染みのない言葉や、理解できない言葉がよく登場します。「年収」や「収入」、「所得」なども、難しい言葉ではありませんが、具体的になにを指しているのかはわからないという方も多いのではないでしょうか。

年末調整における年収・収入・所得の言葉には、以下のような違いがあります。

収入と年収の違い

収入は金銭を得ることや、得られた金銭を指して使われる言葉です。労働の対価として支払われる給与については、「給与収入」が用いられます。

年収は、その年1年間の収入の合計額です。年末調整は1年を単位として行われるため、収入と年収は同じものとして取り扱われます。

所得と年収の違い

収入から、その収入を得るためにかかった費用を差し引くと所得になります。

例えば、土地などを売った場合、譲渡収入から購入代金や書類作成費といった取得・譲渡にかかった費用を差し引いたものが、譲渡所得になります。しかし、給与の場合は必要経費を差し引くことができません。このため必要経費に代わるものとして給与所得控除額を定め、給与収入から差し引いて給与所得を求めます。2020年以降の給与所得控除額は以下の通りです。

給与収入額給与所得控除額
~1,625,000円550,000円
1,625,001~1,800,000円給与収入額×40%-100,000円
1,800,001~3,600,000円給与収入額×30%+80,000円
3,600,001~6,600,000円給与収入額×20%+440,000円
6,000,001~8,500,000円給与収入額×10%+1,100,000円
8,500,001円~1,950,000円

年末調整では給与収入が年収として取り扱われるため、給与収入から上の表の給与所得額を差し引いた金額が給与所得額になります。

参考:国税庁「No.1410 給与所得控除」

年末調整における年収の対象となる期間は?

年末調整で年収として計算に含むのは、その年の1月1日から12月31日までの期間の収入です。

年末調整における年収は見込み金額

年末調整は、その年の最後の給与支払時に行われ、申告書はそれより前、11月下旬から12月中旬にかけての期間に記入して提出しなければなりません。年末調整における年収は、1月1日から12月31日までの給与・賞与であるため、申告書の記入・提出後に受け取る12月賞与や12月給与も含める必要があります。およその金額を想定しての記入となるため、年末調整での年収は、見込額になります。

賞与は年末調整における年収に含む?

年末調整では、賞与も毎月の給与と同じように年収に含まれます。

年末調整における年収の計算方法

年末調整では、その年1年間に支払いを受けた給与・賞与の金額を合計して年収を計算します。年末調整における年収の計算では、以下の点に気をつける必要があります。

  • 合計するのは手取額ではなく、支給額です。
  • まだ受け取っていない分も含める必要があります。
  • 支給時期が先の12月賞与や12月給料は見込額を求めて計算に使用します。
  • 転職して前職の給与収入がある場合も、計算に含めます。

年末調整において年収を記載する箇所

年末調整で年収などを書く欄は、以下のように基礎控除申告書に設けられています。
国税庁「令和3年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」

参考:国税庁「令和3年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」

書き方は次の通りです。

①計算した年収を記入します。
②①の年収から給与所得控除額を差し引くことで求められる、給与所得額を記入します。次の速算表を用いると、簡略に計算できます。

■給与所得額速算表

年収(①の金額)給与所得額(②に記入する金額)
~550,999円0円
551,000~1,618,999円年収(①)-550,000円
1,619,000~1,619,999円1,069,000円
1,620,000~1,621,999円1,070,000円
1,622,000~1,623,999円1,072,000円
1,624,000~1,627,999円1,074,000円
1,628,000~1,799,999円年収(①)/4(千円未満切捨)→×2.4+100,000円
1,800,000~3,599,999円年収(①)/4(千円未満切捨)→×2.8-80,000円
3,600,000~6,599,999円年収(①)/4(千円未満切捨)→×3.2-440,000円
6,600,000~8,499,999円年収(①)×0.9-1,100,000円
8,500,000円~所得金額調整控除なし→年収(①)-1,950,000円
所得金額調整控除あり→年収(①)-所得金額調整控除

③給与所得以外の所得がある場合に記入します。
④給与所得(②)と給与所得以外の所得(③)の合計額を記入します。

年末調整で困らないために年収の計算・記入方法を理解しておこう

年末調整は、毎月の給料から差し引かれた源泉徴収の合計を、所得税と同じ金額にする手続きです。1年を単位として行われるため、年末調整での収入は年収と同じ意味になります。12月給与といった支払いがまだの給与・賞与も含まれるため、年末調整で年収を書く際は見込額を想定して記入する必要があります。

給与所得は、給与収入から給与所得控除額を差し引いた金額です。簡略に計算できるよう速算表が準備され、記入する場所は基礎控除申告書にあります。年収の計算・記入方法を理解して、正確に年末調整をスムーズに行えるようになりましょう。

よくある質問

年末調整における「年収」とはなんですか?

その年1年間に支払われた給与・賞与の合計額です。詳しくはこちらをご覧ください。

年末調整における年収の対象となる期間について教えてください。

その年の1月1日から12月31日までの期間です。 詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:坪 義生(社会保険労務士)

じんじ労務経営研究所代表(社会保険労務士登録)、労働保険事務組合 鎌ヶ谷経営労務管理協会会長、清和大学法学部非常勤講師、「月刊人事マネジメント」(㈱ビジネスパブリッシング)取材記者。社会保険診療報酬支払基金、衆議院議員秘書、㈱矢野経済研究所、等を経て、91年、じんじ労務経営研究所を開設。同年より、企業のトップ・人事担当者を中心に人事制度を取材・執筆するほか、中小企業の労働社会保険業務、自治体管理職研修の講師など広範に活動。著書に『社会保険・労働保険の実務 疑問解決マニュアル』(三修社)、『管理者のための労務管理のしくみと実務マニュアル』(三修社)、『リーダー部課長のための最新ビジネス法律常識ハンドブック』(日本実業出版社、共著)などがある。

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