• 更新日 : 2018年8月7日

確定拠出年金で運用できる商品の特徴とリスクを比較

確定拠出年金では、加入者自らが年金資産を運用しますが、資産運用と聞いても、初めての方には何をどのようにしたらよいのかイメージしにくいかもしれません。

しかし、確定拠出年金には「運営管理機関」が運営上の中核的な役割を担っていて、法律で定められた条件を満たす形で、いくつかの運用商品を選定してくれます。

加入者は自分が委託している運営管理機関が選定した商品を比較し、そのなかから1つ、もしくは複数の商品を選んで、確定拠出年金としての運用を始めることとなります。

では、実際の運用商品にはどのようなものがあるのでしょうか?

今回は確定拠出年金の運用商品について、その特徴とリスクなどを比較します。

「元本保証型」と「リスク運用型」

確定拠出年金の運用商品には、掛金が保証される「元本保証型」と保証されない「リスク運用型」の2つの商品に大別されます。

投資信託はリスク運用型の代表的なもので、国内債券型や海外債券型、国内株式型、海外株式型の4つに分かれます。

また、複数ある資産それぞれに分散投資を行う商品を「バランス型」と呼び、投資リスクを比較的低く抑えることができます。

今回は「元本保証型」と「リスク運用型」として代表的な「投資信託」について、それぞれの特徴を比較して見ていきましょう。

元本保証型:ノーリスク、低リターン

確定拠出年金の運用商品のラインナップには、法令上必ず1つは元本保証型の商品が用意されることになっています。

預貯金や保険商品、保証付きの国債・地方債などを扱った商品が元本保証型に該当します。

元本が保証される代わりに、利回りも低くなります。預け替えは、国債などの債券を除けばいつでも元本のほとんどが確保されるため、リスク運用型と比較した場合、かなり安心感を与える商品と言えるでしょう。

ポートフォリオ(※)が元本保証型商品100%ならば、掛金を貯蓄していることと実質同じになります。投資する割合を抑えたいときは、元本保証型商品の割合を高くします。
(※)自分の資産を複数の金融商品に分散投資したときの組み合わせのこと。投資割合。

投資信託 国内債券型:低リスク、低リターン

債券とは国や地方公共団体、企業などが発行する、いわゆる公社債のことを指します。

債券投資によって収益を得る商品のことを「債券商品」といいます。国内で発行される債券に投資をするものを国内債券型商品と呼びます。

債券に投資をすると、前もって取り決められた金額分の利息が支払われますが、市場金利や格付けの変動によって価格(金利)変動リスクや信用リスクが発生します。期間の長い債券にはインフレリスクも起こります。

一般的に元本が保証されていないことが多いですが、利回りが低いため、元本保証型商品と組み合わせる人が多いようです。

投資信託 海外債券型:中リスク、中リターン

主に、外国で発行される債券に投資をする投資信託を海外債券型商品と呼びます。

国内債券型と同じように、価格(金利)変動リスクや信用リスクがあることに加え、海外債券型の場合はさらに為替リスクがあります。

国内債券型に比べると利率は良いのですが、円高・円安などの為替リスクを考慮に入れた運用が必要です。

投資信託 国内株式型:高リスク、高リターン

複数の国内企業の株式に投資する投資信託が国内株式型商品です。また、国内の証券取引所に上場されている外国株式も国内株式と同様の扱いで運用されます。

株式は価格(株価)変動があった時、とてもリスクが大きい商品です。大きな利益を生むこともありますが、その反面大きなリスクがあるということも理解しておいた方がいいでしょう。

一般的に、株式は債権と比較しても値動きが大きく、経済情勢や企業の業績などといったいろんなことが値動きに大きな影響を与えるので個別銘柄の動きが株式相場全体の動きと一致するものではありません

株の値動きにあわせて利率も動くので、リスク・リターンも激しい値動きに連動します。

投資信託 海外株式型:最高リスク、高リターン

複数の海外株式に投資する投資信託を海外株式型商品と呼びます。

国内株式型と同様、株式の値動きが激しいため価格(株価)変動リスクが高く、さらに為替の影響も加わるため、投資信託の中で最もリスクの高い商品です。

運営管理機関を選択するポイント

確定拠出年金の運用商品を選ぶということは、特に個人型の場合、自分が投資したい運用商品を選定している「運営管理機関」を選ぶことを意味します。

まず、希望する複数の運用商品への投資割合(ポートフォリオ)を決めたうえで、以下のポイントを踏まえて運営管理機関を比較します。

1.運営管理手数料
2.運用商品のバリエーションの豊富さ
3.運用商品に対する信託報酬や購入手数料
4.運用商品の利率・実績

上記4については、Webよりも資料請求した方が詳細なデータを得やすくなります。数社に絞って資料請求し、データを比較するとよいでしょう。

まとめ

確定拠出年金の運用商品には、さまざまなバリエーションがあることがお分かりいただけたでしょうか。

確定拠出年金の運用期間は中長期に及びます。加入されている方やこれから加入を考えている方はご自身のライフプランをよく考えたうえで、上記のリスクに気をつけながら運用商品の比較・選定を行って下さい。

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