• 更新日 : 2024年8月29日

在勤及び給与証明書の書き方や帰化申請について解説(テンプレート付き)

在勤及び給与証明書は、企業への在籍状況や直近の給与の証明になる書類のことで、外国国籍の方が帰化をして日本国籍を得るために必要な書類です。本記事では、在勤及び給与証明書の書き方や帰化申請について解説します。ダウンロードが可能なテンプレートもご紹介するので、ぜひご活用ください。

在勤及び給与証明書とは?

在勤及び給与証明書とは、企業への在籍状況や直近の給与の証明になる書類のことで、外国国籍の方が帰化をして日本国籍を得るために必要です。

在勤証明」と「給与証明」の2つの役割を果たし、在勤及び給与証明書を確認すれば、対象者の勤務先や得ている給与額がわかるものです。

外国国籍の方が帰化をして日本国籍を取得するためには、日本で安定した仕事に就き、自立して生活するために必要な、十分な収入を得ていることを証明する必要があります。そのため、納税証明書などのほかに在勤及び給与証明書を提出します。

在勤及び給与証明書の対象者

在勤及び給与証明書は申請者の分だけでなく、給与等の収入を得ている「配偶者や生計を同じくする親族」がいる場合は、その配偶者や親族の分も必要です。

雇用形態についても、会社員に限らずパート・アルバイトも対象です。また、法人の役員や経営者も、提出の必要があります。

在勤及び給与証明書は勤務先の企業に記入を依頼する

在勤及び給与証明書は、勤務先の企業に記入を依頼する書類です。申請者本人が記入するわけではありません。会社印が必要なため、勤務先企業を経由する必要があります。

会社印は、在籍証明の会社名の後に押してください。この会社印は、法務局に登録されている必要があります。

帰化申請においては直近1ヶ月のものが必要

帰化申請の場合は、直近1ヶ月分の在勤・給与証明書の提出が求められます。たとえば5月に帰化申請をする場合は、在勤・給与証明書に4月分の給与を記載する必要があります。

給与明細書との違い

ここまでお伝えした、帰化申請に必要な書類である在勤及び給与証明書と、一般的に知られる給与明細書の違いは、主に以下の3点です。

  • 発行目的
  • 発行義務の有無
  • 記載内容

下記表に、それぞれの内容をまとめました。

在勤及び給与証明書給与明細書
主な発行目的帰化申請のため従業員が給与や控除額を確認する
発行義務なし(従業員からの依頼を受け任意で作成)あり
記載内容など
  • 申請者の住所・氏名・職種
  • 在籍証明
  • 会社印
  • 給与の支給額(基本給や各種手当など)
  • 控除額(税金額や社会保険料など)
  • 出勤情報
  • 給与の支給額(基本給や各種手当など)
  • 控除額(税金額や社会保険料など)

在勤及び給与証明書の作成に必要な情報

在勤及び給与証明書の作成にあたって必要なのは、主に給与明細です。「給与関係」の枠内に給与明細のうち、勤怠情報を除いた内容を転記するイメージです。

そのほか在勤及び給与証明書は、勤務証明書や在籍証明書のような役割も果たします。しかし「在籍証明」として記入するのは、申請者の住所や氏名、職種などの基本情報であるため、勤務証明書や在籍証明書のような詳しい情報は不要であるといえるでしょう。

在勤及び給与証明書のひな型・テンプレート

在勤及び給与証明書のフォーマットは法務局で取得できるため、帰化申請者に用意してもらうのがおすすめです。それが難しい場合は、すでに用意されているテンプレートを利用するのが賢明でしょう。

在勤及び給与証明書のテンプレートのダウンロードを希望される方は、下記フォームにメードアドレスや事業区分などをご入力ください。入力していただいたメールアドレスに、テンプレートのURLをご案内いたします。

在勤及び給与証明書の書き方・記入例

ここからは、在勤及び給与証明書の書き方や記入例を解説します。

在勤及び給与証明書の書き方・記入例

在勤及び給与証明書は、上の3分の1程度が「在勤証明」、下が「給与証明」にあたる内容です。

記入する項目は、以下のとおりです。

  • 住所
  • 氏名・生年月日
  • 職種
  • 入社年月日
  • 所属部署
  • 勤務先の企業名・所在地・代表者氏名
  • 記入年月日
  • 基本給や手当など
  • 税金や社会保険料など
  • 差引支給額

各項目の書き方を、上から順番にみていきましょう。

住所

帰化申請を行う申請者の住所を記入します。申請者の勤め先企業の所在地を記入しないように注意しましょう。

氏名

記入するのは、基本的には帰化申請を行う申請者の氏名です。帰化申請する妻の勤務先に、在勤及び給与証明書の作成を依頼する際には、妻の氏名を記入します。生年月日は西暦ではなく、元号で記入してください。

職種

担当している仕事を、「営業」「経理」「翻訳」「システムエンジニア」など、具体的に書きます。必ず、職種と在留資格が一致するように記入してください。

たとえば在留資格が「技術・人文知識・国際業務」であるにもかかわらず、職種が「調理師」では法務局から指摘が入る可能性が高いでしょう。

入社年月日

入社日の欄には、帰化申請者が実際に入社した日を記入します。

所属部署

所属部署には、帰化申請者が現在勤務している部署の名称を記入してください。「営業第2部営業第2課」「総務部法務課」「情報システム部」といったように、課があれば課まで書きます。

勤務先の企業名・所在地・代表者氏名

勤務先の企業名と所在地、代表者氏名は、ゴム印でも問題ありません。企業名の右横の「印」の欄には、法務局に登録した会社印を押しましょう。

記入年月日

在勤及び給与証明書を記入した年月日を記入します。

基本給や手当など

ここから下は「給与関係」として、給与証明に該当する内容です。基本給や時間外勤務手当など、基本的には給与明細書を見ながらすべての項目を書き写していけば問題ありません。「給与関係」と記載されたすぐ下に、対象の日付を書く欄があります。見落としやすい箇所であるため、記入漏れをしないように注意しましょう。

税金や社会保険料など

源泉所得税や健康保険など、基本給を支給する際、額面の金額から控除する税金や社会保険料を記入します。

差引支給額

最後に差引支給額の欄に、額面金額から控除額を引いた手取り額を記入します。

在勤及び給与証明書を発行する際の注意点

在勤及び給与証明書を発行する際は、以下の2点に注意しましょう。

  • 帰化申請する家族の分も発行する必要がある
  • 特別永住者の場合は、基本的に提出する必要がない

それぞれ解説していきます。

帰化申請する家族の分も発行する必要がある

在勤及び給与証明書の対象者は帰化申請する本人だけではなく、給与等の収入を得ている「家族や生計を同じくする親族」がいれば、その方の分も発行する必要があります。たとえば帰化申請者の妻を雇用している企業は、自社の従業員が直接帰化申請するわけではないですが、在勤及び給与証明書を発行します。

特別永住者の場合は、基本的に提出する必要がない

外国国籍の方が日本に帰化する際に必要となる在勤及び給与証明書ですが、特別永住者の場合は基本的に提出する必要がありません。特別永住者とは、入管特例法にもとづく在留資格を持つ永住者のことで、在日韓国人や朝鮮人、在日台湾人と呼ばれる人たちを指します。

特別永住者は、歴史的背景を考慮し日本での生活における配慮がされており、帰化申請の手続きの簡略化もその1つです。特別永住者は在勤及び給与証明書を用意する必要はなく、前月の給与明細書の提出と、法務局担当者への社員証の提示で代替できます。

在勤及び給与証明書の作成を依頼されたらすぐに対応しよう

在勤及び給与証明書とは、企業への在籍状況や直近の給与の証明になる書類のことです。外国国籍の方が帰化をして日本国籍を得るために必要です。帰化申請者本人が記入するのではなく、勤務先の企業が作成します。帰化申請の場合、直近1ヶ月分の在勤・給与証明書の提出が求められるため、従業員から依頼されたらすぐに対応しましょう。

よくある質問

在勤及び給与証明書とは何ですか?

企業への在籍状況や直近の給与の証明になる書類のことです。詳しくはこちらをご覧ください。

在勤及び給与証明書の対象となる方は誰ですか?

帰化申請者のほか、給与等の収入を得ている「配偶者や生計を同じくする親族」がいる場合は、その配偶者や親族も対象になります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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