• 更新日 : 2021年11月4日

マイナンバーカードがポイントカードになるって本当?

マイナンバーカードは顔写真付きのICチップ内蔵カードとなっているため、個人番号が記載された身分証明書として使用できる以外に、電子証明書として使用することも可能です。
マイナンバーカードに記録されている電子証明書とは、それまで紙ベースでやり取りされていた身分証明書をデータ化したもので、インターネット上で電子署名やユーザー認証を行なうことができます。
また、マイナンバーカードはポイントカードとしても利用が検討されています。ここでは、マイナンバーカードに搭載された電子証明書をポイントカードとして利用するための仕組みや民間事業者の参入方法という点、国の政策としてどのような活用が計画されているのかという点について解説していきます。

マイナンバーカードがポイントカードになる仕組みとは?

前述したとおり、マイナンバーカードに記録されている電子証明書を使用することにより、多目的利用が想定されています。
電子証明書を使用して本人確認を行なうサービスを「公的個人認証サービス」といい、現在はe-Taxによる電子申告や住民票の写しの交付(一部市区町村等の自治体)といった行政サービスに限定されていますが、公的個人認証サービスを民間開放することによって、ポイントカードとして利用できるようになります。
民間事業者が公的個人認証サービスを利用するためには、総務大臣の認証を受ける必要があり、総務大臣の認定を受けるための手順は大きく5つに分けることができます。

1.書類審査準備
2.認定審査申請及び審査書類提出
3.認定審査受付
4.書類審査
5.認定可否判定及び結果通知
公的個人認証サービス申請の流れ

(出典:公的個人認証サービス利用のための民間事業者向けガイドライン
では、総務大臣の認定を受けた民間事業者がマイナンバーカードを利活用した場合、わたしたちの生活にどのようなメリットがあるのでしょうか。

銀行口座開設時の本人確認が不要に

マイナンバーカードの公的個人認証サービスを使用すれば、署名用電子証明書や電子署名機能によって申込者の情報を確認することができるため、本人確認書類の提出などが不要となります。

公的個人認証サービス利用によるメリット①安価で迅速な顧客登録

(出典: マイナンバーカードを活用したオンライン取引等の可能性について|総務省自治行政局住民制度課

ポイントカードを何枚も持たなくて済む

マイナンバーカードがポイントカードになることによって、各会社のポイントカードを持ち歩く必要がなくなります。

公的個人認証サービス利用によるメリット④お客様カードの代替

(出典:マイナンバーカードを活用したオンライン取引等の可能性について|総務省自治行政局住民制度課

住所変更等の手続きが簡単に

マイナンバーカードの公的個人認証サービスを利用すれば、引っ越し後の住所情報を署名用電子証明書や電子署名を送信することによって、ユーザー変更手続きが可能となります。

公的個人認証サービス利用によるメリット②顧客情報の異動の契機の把握

(出典:マイナンバーカードを活用したオンライン取引等の可能性について|総務省自治行政局住民制度課

マイナンバーカード 今後の計画予定

マイナンバーカードの多目的利用として、市区町村による行政サービスから順次実施されていますが、将来的にはマイナンバーカードのワンカード化の実現や、生体認証などの最先端技術にも対応したITイノベーション社会の実現に向け、さまざまな検討や働きかけを民間事業者に対して行なう計画となっています。
次にポイントカードとして利用する以外に、どのような利活用が検討されているのかを紹介します。

身分証明書

国家公務員身分証とマイナンバーカードとの一体化を進めながら、地方公共団体や独立行政法人、国立大学法人等の職員証との連携を推進していきます。将来的には民間企業の社員証等としての利用の検討も視野に入れています。

ワンカード化

マイナンバーカードを、キャッシュカード、クレジットカード、デビッドカード、ポイントカード、医療機関の診察券などとして利用できるようにします。
またATMからマイナポータルへアクセスできるようにするなど、民間事業者との検討を重ねていきます。またマイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにする他、お薬手帳としての利用も検討しています。

公的資格証明書との一体化

マイナンバーカードと運転免許証、医師免許、教員免許などと一体化することによって、更新期限を見落とすことなく、確実に更新することが可能となります。
また卒業証明書と一体化させることによって、学歴証明として利用することも可能となります。

年齢確認・本人確認機能

マイナンバーカードの公的個人認証サービスを活用して、タバコやお酒の自動販売機の年齢確認機能に対応できるようにします。
また本人確認が必要な興行チケットや携帯電話会社との契約時に、マイナンバーカードが利用できるようにします。

利用範囲拡大に向けた法制度整備

公的個人認証法を見直すことによって、住民票を有しない在留邦人や訪日外国人へもマイナンバーカードを交付することが可能となります。
また選挙制度や旅券制度を見直すことによって、海外転出者にマイナンバーカードの継続利用を認めることによって、在外邦人がネットで投票できる仕組みが実現します。

社会保障・税の手続きの簡素化および利便性向上

マイナンバーカードとマイナポータルを連携させることによって、
・国税、地方税の電子申告と納税
・年金保険料免除申請のワンクリック化免除
医療費控除の簡素化
などが実現し、オンラインサービスの拡充と利便性向上を期待することができます。

まとめ

現在、マイナンバーカードの作成は任意であるため、ポイントカード以外にも普及させるための構想がたくさん用意されています。
ICカードから電子証明書情報を読み取るためにはICカードリーダー・ライターといった機器が必要となりますが、マイナンバーカードの券面にQRコードを記載することでICカードリーダー・ライターを使用しない運用方法も予定されています。
公的個人認証サービスの民間開放は平成28年1月に始まったばかりです。これからのマイナンバーカードの動向に期待しましょう。


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