• 更新日 : 2022年11月4日

マイナンバーが導入されることになった目的とは

マイナンバーが導入されることになった目的とは

マイナンバーが保険証の代わりになるなど、生活での利用シーンが広がっています。マイナンバーの目的や使用用途について、イマイチピンとこない方もいらっしゃるでしょう。

ここでは、マイナンバーの基本情報や目的についてわかりやすく解説します。マイナンバーカードの発行申請などで迷っている方は、情報を整理する際の参考にしてください。

マイナンバーとは?個人番号と同じ?

マイナンバーとは、国民一人ひとりに割り振られた12桁の番号のことです。マイナンバーは、国内に住民票を持つ人すべてに付与されており、これまで医療や社会保険、税制などでそれぞればらばらに管理されていた情報を効率的に運用し、利便性向上を図ることを目的に「マイナンバー(個人番号)制度」が導入されました。マイナンバーは、結婚や引っ越しを機に変更されることはありません。生涯にわたって使用する、まさに「個人番号」といえます。

マイナンバーの使用目的

マイナンバーの使用目的は、以下の3つに限られています。

  • 社会保障
  • 災害対策

これらの分野での事務手続きにおいて、マイナンバーを活用することで、より迅速に・簡素な方法で手続きをすることができます。たとえば、これまで縦割りだった行政機関でも、マイナンバーを用いれば、別の部署・機関と情報連携をすることが可能です。マイナンバーがあることで、複雑だった事務処理がスムーズになり、結果として人々の利便性が高まります。

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平成22年度税制改正大綱で掲げられた当初の目的とは

平成22年度税制改正大綱には「納税者主権の確立に向けて」という副題が入っています。納税者主権を確立するために、まずは政府への信頼回復を図るとともに、国民が安心して暮らせるための社会保障制度の抜本的な改革が必要です。そのため、具体的な改革方法として、社会保障と税に関して番号制度というインフラを整備することが必要であるという表現が出てきます。

さらに詳しく掘り下げると、平成22年度の現状として、税制の複雑化や既得権益者の発生によって、本来の税制にあるべき「公平、透明、納得」の3原則を維持することができず、国民不安に直結しているという背景があることが記されています。そして、国民が納得できる形にするためにも新しい社会保障制度が必要であり、納税者の立場から論議を推し進めることが必要であるとされています。

そのような背景の中で、納税環境整備の具体的な改革の方向性として、社会保障と税金の共通番号制度の導入が目的として盛り込まれました。マイナンバー法が成立するまでの経緯については、以下の資料で時系列を追いながら確認することができます。

参考:マイナンバー法案|内閣官房HP

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平成22年度税制改正大綱公表後に寄せられたパブリックコメント

平成22年度税制改正大綱が平成21年12月22日に公表されたことを受け、平成22年7月16日から1か月間にわたりパブリックコメントを募集しました。

マイナンバーは、税、社会保障、災害分野において共通番号で管理することが目的となっていますが、A案(税務分野のみ)、B案(税務分野と社会保障)、C案(幅広い行政範囲で利用)のなかでもっとも多く寄せられた意見はC案の「幅広い行政範囲で利用」でした。A案に寄せられた意見としても「最終的にC案にもっていくためにA案からスタートさせる」となっており、番号ひとつですべての手続きが済むという利便性に多くの国民が賛同した形になっています。

また、マイナンバーをどのような番号にするべきかという点においては、基礎年金番号や住民票コードを活用する方法よりも新しい番号を付番する方法がもっとも多い回答でした。理由として、基礎年金番号は全員に付番されている状況ではないことや、住民票コードはプライバシー性が高すぎるとの見地から消去法で選ばれた形になりました。さらにセキュリティを考慮して一元管理ではなく分散管理となっていることも、パブリックコメントの影響を受ける結果となりました。

一元管理のほうが責任所在の明確化が図れるというメリットがある一方で、情報の漏えいが起きたときに被害が甚大となるデメリットがあります。分散管理は既存システムをそのまま活用することができるためコストを抑えることができることもあって、分散管理方法が採用されることになりました。

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マイナンバーシンポジウムを開催した目的

国民一人ひとりに唯一無二の番号が通知されるマイナンバー制度を導入するためには、国民の理解が必要不可欠です。そこで、マイナンバーをスムーズに導入する目的を果たすために番号制度創設推進本部によって全国47都道府県においてマイナンバーシンポジウムが開催されました。

マイナンバーシンポジウムでは、

  • マイナンバー制度の基本方針
  • マイナンバーを導入することによってできるようになること
  • パネリストによるパネルディスカッション
  • 質疑応答

などが中心に行なわれました。

パネリストによるディスカッションでは、諸外国では既に導入されていることや東日本大震災の際にマイナンバー制度が導入されていれば行政機関がもっと迅速に対応できたのではないかという声が寄せられていることや、憲法で保障されている人権が複雑な制度のために活用できないままになっている現状の説明が行われました。マイナンバーシンポジウムを開催したことにより国民の不安や懸念を払しょくする目的を果たした経緯もあって、現在マイナンバー制度が導入されています。

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マイナンバーの現在 – 健康保険証との連携など

2022年10月現在、マイナンバー制度は新設されたデジタル庁の管轄となり、利用範囲の拡大やマイナンバーカードの健康保険証との併用など、普及推進が行われています。

マイナンバー制度の3つの目的

「税」「社会保障」「災害対策」分野で活用するというマイナンバーの基本指針に今のところ変更はありません。その上で、内閣府のウェブサイトではマイナンバー制度の3つの目的を以下のように説明しています。

  1. 国民の利便性の向上
  2. 行政の効率化
  3. 公平・公正な社会の実現

引用:マイナンバーとは – 高知市公式ホームページ

「国民の生活の利便性」「行政の手続きの簡素化・効率化」「不正給付の防止等」が主な活用目的です。

マイナンバー制度とは(社会保障・税番号制度)

引用:マイナンバー制度とは(社会保障・税番号制度) | 千代田町

マイナポータル

マイナポータルとは、行政手続きの電子申請や、個人の所得税・住民税などの確認ができるサイトです。マイナンバーをもとに利用者登録を行います。マイナンバーを活用することで、安全かつ正確に行政の手続き・税金の管理を行うというのがマイナポータルの狙いです。

さらに、国税庁の「e-tax」、日本年金機構の「ねんきんネット」等の外部サイトとの連携も可能となっています。

参考:マイナポータルとは?|マイナポータル

マイナンバーカード

マイナンバーカードとは、マイナンバーが記載された身分証明書を兼ねた顔写真付きカードのことです。マイナンバーの掲示が必要な場面で証明する書類として認められています。ほかにも、コンビニで住民票の写しなどを取得するときに活用できるほか、健康保険証としての利用も可能です。

参考:マイナンバーカードでできること|マイナンバーカード総合サイト

マイナンバーの今後の広がり

2022年10月、政府は2024年の秋に紙ベースの健康保険証を廃止し、マイナンバーカードとの一体化を進めるという方針を発表しました。また、運転免許証についてもマイナンバーカードとの一体化を進める方針が示されています。ほかにも、スマホでの行政手続きや、引っ越しにまつわる手続きのオンライン申請など、マイナンバー・マイナンバーカードが生活のさまざまなシーンで広がっていくことが予想されます。

【マイナンバーカードの使用用途例】

  • 健康保険証(2022年10月現在、マイナンバーカードで実施済み)
  • 運転免許証
  • 図書館カード
  • 高齢者交通補助費

ただし、健康保険証とマイナンバーカードの一体化など、現時点では政府方針が示されているだけであり、そのほかのマイナンバーカードの使用用途も構想段階です。政府だけでなく、自治体との連携も必要となるため、現時点ではどこまでマイナンバー制度が広がりを見せるのかは確定していません。

マイナンバーカードの普及など制度の行方は

マイナンバーカードの利用用途を含め、マイナンバー制度自体が今後も発展・変化していく可能性は高いでしょう。

マイナンバーの利用用途の拡大で人々の生活の利便性が向上する一方、マイナンバーカードを取得できない・取得しない人への対応も課題として挙げられています。制度の普及状況によっては、企業実務にも何らかの変化を及ぼす可能性があるため、定期的に情報をアップデートする必要がある話題といえるでしょう。

よくある質問

マイナンバーとは何ですか?

個人に割り振られた12桁の番号を指し、住民票のある人全員に割り振られています。マイナンバーは、税・社会保障・災害対策の分野で活用され、行政手続きの迅速化や国民生活の利便性向上を目的としています。詳しくはこちらをご覧ください。

マイナンバーの目的について教えてください。

政府は、行政手続きの迅速化・国民生活の利便性向上・公平で公正な社会の実現の3つを目的に掲げています。マイナンバーをさまざまな行政手続きと連携させることで、正確かつ迅速に手続きが行えるようになります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:加治 直樹(経営労務コンサルタント)

銀行に20年以上勤務し、融資融資から資産運用、年金相談まで幅広く相談業務の経験あり。中小企業の決算書の財務内容のアドバイス、資金調達における銀行対応までできるコンサルタント。退職後、かじ社会保険労務士事務所として独立。現在は行政で企業及び労働者の労働相談業務を行いながら、セミナー講師など幅広く活動中。

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