- 更新日 : 2024年12月2日
定額減税は育休中や産休中どうなる?詳細をわかりやすく解説
「育休中の定額減税はどうなるのか知りたい」とお悩みの方は多いでしょう。原則、令和6年6月1日時点で在職者(基準日在職者)であれば育休中の従業員も対象となります。ただし、育休復帰が令和6年中であるかによって事務処理が異なります。
今回は、育休などで休業している従業員について、定額減税のポイントを解説します。
育休中・産休中の定額減税はどうなる?適用される?
育休や産休を取得している期間中で、給与の支払いが停止されている場合でも一定の条件を満たせば定額減税の対象となります。
定額減税の月次減税の対象となるのは、以下のような人です。
- 日本国内に住所を有している
- 令和6年分の合計所得金額が1,805万円以下である
育休や産休で休業していても、上記の条件に該当し、基準日である令和6年6月1日に会社に在職中(基準日在職者)で「扶養控除等申告書」を提出している場合には、定額減税が適用されます。
育休中の定額減税はいつ・どこで引かれる?
通常、育休中の従業員に対する給与支払いはないため、定額減税の月次減税事務の対象になる給与等も存在しません。
しかし、育休中の従業員が夫の扶養に入っている場合であっても「国内に住所を有し、かつ合計所得が48万円以下である」という条件を満たさない限りは、自身の勤めている会社における定額減税の対象者となります。
参考:
給与等の源泉徴収事務に係る 令和6年分所得税の定額減税のしかた |国税庁(p2、p4)
育休中だが6月以降に復職する場合
令和6年中に育休から復帰し会社から給与支払いを受ける場合には、令和6年6月1⽇以後に初めて⽀払う給与等があるため、その給与から月次減税事務が開始されることになります。
例えば令和6年9月に育休から復職する従業員のケースで考えてみましょう。9月以降の給与や賞与で月次減税額が調整され、控除しきれない分は翌月以降に繰り越されます。
さらに、年内に定額減税で控除しきれないと見込まれる場合には、控除しきれない額を1万円単位で切り上げ、調整給付金として市区町村から支給されることとなっています。
参考:「定額減税しきれないと見込まれる方」への給付金(「調整給付金」)のご案内|内閣官房
育休中のため2024年に給与所得がない場合
育休中で2024年内に職場復帰の予定がない従業員の場合は、年内の給与所得がないため定額減税の月次減税の適用はありません。所得税は本年の所得に基づき課税され、支払い給与がないと減税ができないためです。
職場復帰が2025年以降になる場合は、年末調整にて減税を行います。年末調整は、休職や休業をしている人でも対象となるため注意が必要です。
従業員の育休復帰時期を見極めよう
定額減税が始まったことで、会社の給与計算における処理をどうしたらよいか悩んでいる企業担当者は少なくありません。育休で休業している人のように給与が発生しない場合は、所得税が発生しないので月次減税の対象とはなりません。
しかし、令和6年中に復帰し給与が発生すると、その時点から月次減税事務を行う必要があります。また、復帰が年明け以降になる場合には年末調整が必要です。
令和6年中に復帰するかどうかによって、定額減税の扱いが異なります。適切に事務処理を行うためにも、育休中の従業員とコミュニケーションをしっかり取って、復帰時期を把握することが大切です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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