• 更新日 : 2023年8月18日

メルクマールとは?意味やビジネスにおける使い方

メルクマールとは中目標や小目標のことで、マイルストーンは進捗度の指標、ベンチマークは比較対象を指します。メルクマールはビジネスシーンでよく使われますが、医療や法律では違う意味で用いられます。メルクマールは最終目標への確実な到達を目的として、最終目標設定・メルクマール設定・短期目標設定の3つのステップで設定されます。

メルクマールとは?

ビジネスシーンでよく用いられるメルクマールは、指標や基準という意味です。大きな目標の達成に至るまでに設定する、中間目標や小目標を指す言葉として使われます。意味の似た言葉にベンチマークやKPI、マイルストーンなどがありますが、厳密にはそれぞれ異なる意味を持ち、使い方も異なるため注意が必要です。

メルクマールの語源

メルクマールの語源は、ドイツ語の「merken」です。merkenは「思い出す」や「気づく」を意味することから、メルクマールは「物事を見分ける目印になるもの」を指す言葉として用いられます。法律や医療の世界でも用いられますが、それぞれ異なる意味で使われます。

ビジネスにおけるメルクマールの意味

ビジネスにおけるメルクマールは、最終目標に到達するまでの中間目標という意味です。売上高を最終目標として設定した場合は、新規顧客獲得数や新規見込み顧客への架電件数といったものをメルクマールとして設定し、目標達成を目指します。ビジネスでは、最終目標の達成を確実にするための途中経過を確認するチェックポイントとして用いられます。

メルクマールとベンチマークの違い

ベンチマークは、基準点や水準点という意味で使われます。比較する際の基準となるものです。メルクマールは最終目標へ向かう過程で設定する中間目標であり、その達成度を示すために設定する指標です。ベンチマークは計測のために設定するものであるのに対し、メルクマールは最終目標を確実に達成するための指標として設定するものである点が異なります。

メルクマールとKPIの違い

KPIは「Key Performance Indicator」の頭文字を取った言葉で、重要業績評価指標という意味です。最終的な目標達成に向けて、きちんとしたプロセスで進んでいるかどうかを示す指標で、売上高や顧客満足度などが挙げられます。KPIは、選択したプロセスが正しかったかどうかを判断する基準にもなります。

メルクマールとマイルストーンは同じ意味?

もともとマイルストーンは、距離がわかるように1マイルごとに置かれた石という意味でした。それが転じて、どのぐらい進んだかを示す言葉として使われるようになりました。ビジネスにおいて、マイルストーンは最終目標到達までの進捗度合いを測定するための指標として用いられるのに対し、メルクマールは達成したい目標に対する達成度を示す指標として設定されるという違いがあります。

他の領域で使用されるメルクマールの意味

メルクマールは、医療用語や法律用語としても使われています。それぞれどのような意味で用いられているのか、説明します。

医療におけるメルクマールの意味

医療におけるメルクマールは、評価指標という意味です。治療後の経過観察において、検査結果の数値から行った治療の効果が見られるかどうかを判断する際に、メルクマールが用いられます。

法律におけるメルクマールの意味

法律の世界では、メルクマールは判断基準という意味で使われます。裁判で判決が下されたり、控訴・上告を行ったりする際に、判断の目安となるものです。

ビジネスにおいてメルクマールを設定するメリット

ビジネスにおいて、メルクマールは最終目標を確実に達成する目的で設定されます。メルクマール設定は最短で目標を達成するために行われ、それによって確実かつ最速で最終目標の達成が可能になります。メルクマールの設定には、以下のようなメリットがあります。

KPIの代わりになる

メルクマールに定量化したものを設定することで、KPIの代わりになります。定量化した目標をメルクマールとすることで、KPIと同じように最終目標の達成までに必要な各プロセスの進捗度合いがわかるようになります。

課題が明確になる

メルクマールによって目標達成までの過程で到達できたもの・未到達のものを判別でき、課題が明確になります。中間地点で課題が明らかにされることで、早期の軌道修正が可能になります。

メルクマールの設定方法

メルクマールを以下の3つのステップで設定すると、効率的かつ効果的に定めることができます。各ステップでやるべきことや注意点は、以下の通りです。

ステップ1:最終目標を設定する

そもそもメルクマールは、最終目標を達成するために設定するものです。そのため、メルクマールを設定する前に最終目標を設定する必要があります。設定する最終目標は実現可能であり、具体的でなければなりません。

達成が不可能でないことはもちろんですが、容易すぎないことも求められます。達成難易度が適切でない最終目標は、モチベーション低下を始めとするさまざまな悪影響の原因になります。

具体的であるためには、定量的・定性的の両面でわかりやすい目標とする必要があります。数値でわかりやすく示すことができ、アプローチ方法も理解しやすいものにしなければなりません。

ステップ2:メルクマールを設定する

最終目標を定めたら、いよいよメルクマールを設定します。メルクマールは最終目標に向かう中間地点で機能するものであることに留意し、そこから外れないように気をつけて設定しなければなりません。

最終目標と同じように、メルクマールも定量的・定性的にわかりやすいものにすることが大切です。達成すべき時期に達成しているかどうかを確認できるようなメルクマールを設定しましょう。

ステップ3:短期目標を設定する

メルクマールを設定した後は、短期目標を設定します。短期目標設定はメルクマールから次のメルクマールまでの到達を支援するために行うもので、短期目標とメルクマールの関係はメルクマールと最終目標との関係に似ています。短期目標もメルクマールや最終目標と同様に、目標としてわかりやすいものを設定することが求められます。また、短期目標からメルクマール、メルクマールから最終目標といった流れも踏まえて、最終目標までスムーズに進めるような短期目標を設定しましょう。

従業員のメルクマール達成のために人事労務単と担当者ができること

メルクマールは会社全体や部署、プロジェクト、チーム単位で設定するだけでなく、従業員一人ひとりが設定し、成長につなげることもできます。従業員が自分のメルクマールを達成できるように、会社は人事労務担当者を通じて情報共有やコミュニケーションの面で、以下のような支援を行うことが求められます。

密に情報共有を行う

組織として行うメルクマールでは仲間と同じ方向に向かえますが、従業員が個人で行う場合は目標を見失ったり、誤った方向に向かったりするおそれがあります。こういった事態を防ぐために、人事労務担当者は密に情報提供を行うことが求められます。

コミュニケーションを活発に行う

従業員のメルクマール達成を支援するためには、人事労務担当者によるコミュニケーションも必要です。従業員は孤独を感じたり、モチベーションが低下したりしないよう、声かけなどを積極的に行いましょう。

従業員のメルクマール達成に向けて、適切な支援を行おう

メルクマールとは、最終目標に到達するまでに設定する中間目標のことです。確実に、そして最速で最終目標を達成するために設定するもので、定量化したものを設定するとKPIの代わりになる、課題が明確になり迅速な軌道修正が可能になるというメリットがあります。メルクマール設定は、まず最終目標を設定し、次にメルクマール、その後短期目標を設定します。

従業員のメルクマール達成のために人事労務担当者ができることは、密に情報提供することと活発にコミュニケーションを取ることです。メルクマールのメリットや設定方法を正しく理解した上で、適切な支援を行いましょう。


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