- 更新日 : 2026年1月8日
退職金規定に開示義務はある?開示を拒否された場合の対応も解説【規定テンプレ-トつき】
企業は、従業員に対して退職金規定を開示することが、労働基準法で義務付けられています。ただし、退職金を支払うこと自体は義務ではなく、企業の任意になります。
退職金規定が開示されていないと、退職金をもらえるのか否かがわからずに不安に感じてしまうでしょう。
本記事では、退職金規定の開示義務について、必要な記載事項や開示の範囲、就業先から退職金規定の開示を拒否された場合の対処法を解説します。
目次
退職金規定とは
退職金規定とは、退職金の支給に関する条件・金額の計算方法・支払い時期などを記載したものです。企業は、退職金規定を従業員に開示することが義務付けられています。
ただし、退職金を支給するか否かについては、企業の任意となります。厚生労働省が発表した「令和5年の就労条件総合調査」によると、24.8%の企業が退職金制度を設けていません。
また、労働基準法では、「ひとつの事業場あたりの従業員数が10人以上」である企業に、退職金に関する内容を含む就業規則の制定を義務付けています。よって、それ以下の小規模な企業の場合は、就業規則自体がない場合もあります。
退職金規定の記載事項
一般的に、退職金規定には下記の内容が記載されます。
- 退職金の支給対象となる従業員(雇用形態など)
- 退職金の決定方法(勤続年数・退職理由など)
- 退職金の計算方法
- 退職金の減額や不支給の条件
- 退職金の支払い方法
- 退職金の支払い時期
多くの場合、退職金規定は就業規則とは別の規程として作成されます。その場合、就業規則には退職金規程が別途定められていることを示す条文が入ります。
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退職金規定に開示義務はある?
ここでは、退職金規定の開示義務の範囲について解説します。
従業員・退職者に対してのそれぞれの場合について解説します。
従業員への開示義務
退職金規定を作成した企業は、従業員に対してそれを開示することが、労働基準法によって義務付けられています。
また、非正規雇用の従業員に対しても退職金規定の作成・開示をすることが、パートタイム労働法によって義務付けられています。
雇用関係の無い退職者への開示義務
労働基準法では、労働者に対しての就業規則の開示を義務付けています。従って、雇用関係のない退職者への開示義務はありません。
ただし、企業が作成した就業規則は労働基準監督署に届けだされており、署ではそれが保管されています。
厚生労働省の通達(基発第354号)では「退職者でも、当該事業場との間で権利義務関係に争い等を有している者は開示要請ができる」としているため、労働基準監督署を通して退職者からの開示要請が届くケースはありえます。
退職金規定を開示しないと罰則はある?
退職金既定の開示は労働基準法にて義務付けられているため、それに反すると罰則を適用される可能性があります。具体的には、労働基準監督署の調査が入り、指導・是正勧告を受ける可能性があるので注意が必要です。
退職金既定の開示をしていないことが確認された場合は、周知義務の違反として、30万円以下の罰金が科せられます。
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退職金規定の開示を拒否された場合の対応
会社から退職金規定の開示を拒否された場合は、下記の3つの対処法を取るのが有効です。
複数人の従業員で一緒に開示要求をする
会社から退職金規定の開示を拒否された場合は、複数人の従業員で協力して開示要求をするのが有効です。複数人の従業員が動くことで、会社側はことの重要性に気付かされ、対応を迫られる可能性があります。
その際は、開示要求をする従業員の署名を集めると同時に、労働基準法第百六条「法令等の周知義務」の文面を提示するといいでしょう。
労働基準監督署に相談する
会社が退職金規定の開示に応じてくれない場合は、労働基準監督署に相談するのもひとつの手段です。労働基準監督署は、管轄企業に対して就業規定・退職金規定の開示を指導することができます。
労働基準監督署に相談する際は、自身がその企業の従業員であることを証明できるもの(社員証や名刺など)を持参しましょう。
弁護士に相談する
労働基準相談所に相談しても問題が解決しない場合は、弁護士に相談することも視野に入れましょう。弁護士は、法的な視点から会社への交渉・訴訟などのアクションを起こしてくれます。
ただ、弁護士事務所の規定の費用がかかることは、覚悟しておかなくてはなりません。
退職金規定の開示は労働基準法で義務付けられている
企業は、従業員に対して退職金規定を開示する義務があります。退職金規定には、退職金支給の対象となる条件・金額の計算方法・支払日などを記載しなくてはなりません。
既に雇用関係がない元従業員に対しては開示義務はありませんが、場合によっては労働基準監督署を通して開示要求される可能性があります。
開示義務を放棄すると労働基準法の「法令等の周知義務」に反していることになり、労働基準監督署から指導・是正勧告を受ける可能性があります。
また、会社が退職金規定を開示してくれない場合は、複数人の従業員で協力して開示要求をしたり、労働基準監督署に相談したりするのが有効です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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