• 更新日 : 2024年4月12日

サイレントお祈りとは?実態や目安となる期間、企業側のデメリットを解説!

サイレントお祈りとは、就職活動の際、企業が面接や試験の合否の連絡をしないことを指します。企業の不合格連絡にかかる事務負担軽減や辞退者発生の場合に備えるために行うことが多く、一般的には1~2週間程度放置するとサイレントお祈りととらえられます。ただし、サイレントお祈りをすると信用を失うなどのデメリットがあります。

サイレントお祈りとは?

サイレントお祈りとは就職活動において、試験や面接の結果が連絡されない状態を指す言葉です。この言葉の「お祈り」は、多くの企業が不採用を通知する際に使う「貴殿の今後のご活躍をお祈りします」という定型文に由来します。この「お祈り」の前にサイレントの語が付いていることによって「祈りが伝えられない」という意味になり、「連絡は来ないけれど不合格である」こととして用いられようになりました。

サイレントお祈りの目安となる期間は?

サイレントお祈りの目安となる期間は、一般的に1週間から2週間とされています。面接や試験について合否の結果が出るまでに1週間~10日間程度かかり、そこから連絡に1週間程度を要するとされているからです。ただし、応募者数が多い大企業や一斉採用の場合、判定や連絡に更に時間がかかるため、サイレントお祈りの期間がより長くなる可能性があります。

サイレントお祈りをする企業の割合は?

企業の採用活動について厚生労働省は、次の理由から結果は速やかに通知する必要があり、とくに不採用の場合は十分な配慮を要するとしています。

  • 応募者は非常に不安な気持ちで合否の連絡を待っていること
  • 他企業への応募を控えている場合もあること

そのためサイレントお祈りをしていると公言している企業はあまりありませんが、さまざまな就活サイトの情報や企業の採用担当者との会話などから3~4割程度の実施があると推察されます。

企業がサイレントお祈りをする理由は?

どうして企業は採用に関する面接や試験を受けた者に対して、不合格の連絡をしないのでしょうか?企業がサイレントお祈りをする理由を説明します。

連絡に時間がかかるため

企業がサイレントお祈りをする理由の1つ目には、連絡に時間がかかるため、というものが挙げられます。例えば、電話連絡する場合には、1人あたり数分間を要します。電話が通じない場合などは、さらに時間がかかるでしょう。また、メールも同様で、本文の作成、宛先メールアドレスの入力が必要となり、相応の時間を要します。

サイレントお祈りであれば、そうした時間的コストがかからないため、企業としては手間を省ける合理的な選択肢となります。今後、不合格者との関係が無くなるため、丁寧な対応が不要だと判断されがちなのです。

内定辞退に備えて人材を確保するため

内定辞退に備えた人材確保の必要がある点も、企業がサイレントお祈りをする理由の1つに考えられます。辞退者が出ると確保が必要な人数に不足が生じるため、合格者を増やさなければなりません。不合格を通知してしまった人を合格とするわけにはいきませんが、知らせていない人に対しては「連絡が遅れただけ」として合格の扱いができます。不合格であっても企業の都合で合格とできるよう、サイレントお祈りをすることがあります。

学生からの質問対応を避けるため

企業がサイレントお祈りをする理由には、学生からの質問対応を避けるという点も挙げられます。不採用を通知すると「理由を教えてほしい」「何がダメだったのか」「順位が知りたい」といった質問を受け、対応を求められることも少なくありません。こういった業務を増やさないようにするために、企業はサイレントお祈りをする場合があります。

不採用通知を誤って送信しないため

企業によっては不採用通知の送り間違いをしないようにするため、サイレントお祈りをする場合もあります。大企業・一斉採用の場合は、一度に多くの人が面接や試験を受けます。不採用通知も多くの枚数を用意しなければなりません。こうした事務負担を軽減するため、サイレントお祈りをする企業もあります。

企業がサイレントお祈りをするデメリットは?

企業がサイレントお祈りをするデメリットには、企業イメージの低下や採用にかかるコストの増加といったデメリットがあります。面接や試験を受けた企業にサイレントお祈りをされると、結果が気になって就職活動に身が入らなくなり、またストレスに感じるようになるといった悪影響が起こります。自分に不利益な取り扱いをした企業に関して良いイメージを持つことはなく、企業イメージの低下が引き起こされます。

また、合格者でもサイレントお祈りをしていると知って不信感を抱き、他の企業の選考に進む恐れがある点にも注意が必要です。結果的に採用活動が効率的に進まなくなり、コスト増加につながります。

サイレントお祈りをやめて企業イメージの低下や採用コストアップを防ごう

サイレントお祈りとは採用活動を行っている企業が面接や試験を受けた入社希望者に対して不合格の連絡をしないため、宙ぶらりんの状態になってしまっている状態を指す言葉です。連絡に時間がかかる、内定辞退に備えて人材を確保する必要がある、学生からの質問対応を避ける、不採用通知の誤送信を防ぐといった理由で行われます。

サイレントお祈りをすることによって企業には信用が損なわれる、採用コストアップにつながる、とったデメリットが生じます。不利益が生じる点を正しく認識し、サイレントお祈りはしないようにしましょう。


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