• 更新日 : 2022年4月8日

住民税の納付方法|知っておきたい住民税の基礎知識

住民税は、1年間(1月から12月まで)の所得をもとに計算され、翌年の6月から納付がスタートします。

住民税の納付の方法は、会社勤めで給与をもらっている場合と個人事業者では異なる場合があります。
それぞれについてみてみましょう。

特別徴収による住民税の納付について

会社勤めのように給与をもらっている場合、住民税は原則として給与から天引きされます。
毎月の給与から住民税を天引きすることを特別徴収と言います。

特別徴収による住民税の納付の流れは次のとおりです。

1.1月末期限:勤め先から前年1〜12月の給与支払報告書が市区町村役場へ送付される。
2.2〜5月:市区町村役場が納税額を決定し、特別徴収税額決定通知書と納付書が会社へ送付される。
3.6月〜翌年5月:給与から毎月天引きされる。

普通徴収による住民税の納付について

給与所得ではない場合(個人事業主や無職)は、納付書で一括または4期分割で住民税を納付します。
納付書で納税義務者が住民税を納付することを普通徴収と言います。

納付書による住民税の納付の流れは次のとおりです。

1.2/16~3/15日:前年(1〜12月)の所得の確定申告を行う。
 その際に、確定申告書の住民税に関する欄に必要事項を記入して提出する。
2.4〜5月:税務署から確定申告書の必要事項が市区町村役場へ送付される。
 市区町村役場では納税額を決定し、個人宛に納税通知書と納付書を送付する。
3.6月〜翌年5月:一括(納付期限は6月末まで)か4期分割(納付期限は第1期が6月末まで、第2期が8月末まで、第3期が10月末まで、第4期が翌年1月末まで)で住民税を納付する。

給与以外の収入がある場合の住民税納付について

給与所得者は基本的に住民税の徴収も納付も勤務先任せで済ませることができます。
しかし、給与以外に所得がある場合には、別途申告して住民税を納付しなければなりません。

確定申告をしている場合

所得税は、給与所得や退職所得以外の所得金額の合計額が20万円を超えている場合は、給与所得者であっても確定申告が必要となります。

この時、確定申告書第二表の「住民税に関する事項」の欄への記入で、住民税の申告と納付方法の選択を済ませることができます。

  • 「給与から差引き」に○をすれば、給与所得の住民税分に加算されて天引きされます。
  • 「自分で納付」に○をすれば住民税の納付書が送られる普通徴収になります。
  • 給与以外の収入がアルバイトのように別の勤務先から支給される場合は、支払先が給与支払報告書を市区町村へ送付します。市区町村ではこれを合算して本業の会社へ決定通知書と納付書を送付します。
    したがって、本業の勤務先にはアルバイトの副収入の存在が知られることになります。

    確定申告をしていない場合

    給与所得や退職所得以外の所得金額の合計額が20万円以下であれば、確定申告は不要とされています。一方で、住民税にはこのような取り扱いはなく、金額によらず給与以外に収入があった場合には、申告が必要になります。したがって、確定申告を行わなかった際には別途、市区町村役場に住民税のための所得申告をする必要があります。

    ここでも「自分で納付(普通徴収)」という徴収方法を選べます。これにより別途申告した所得については、給与から天引きされる特別徴収とは別に、本人に直接送付される税額通知書(納付書)で納税することになります。つまり、副業の所得にかかる住民税を、個人的に納税できるのです。

    ただし、“給与”として支払われた副業の所得は、原則として本業の会社の給与と合算され、住民税は本業の会社から特別徴収されことになります。

    副業の給与を普通徴収にできるかどうかは市区町村によって対応が違いますので、それぞれ問い合わせてください。

    年間20万円以下の給与以外の収入に対する住民税の納付について

    住民税には非課税になる控除がありません。額によらず給与以外に収入があった場合には、申告が必要になります。

    一方で、所得税では年間20万円以下の雑所得(給与以外の収入)があった際には非課税となります。
    ほかに控除があるような場合を除き、確定申告の必要はありません。

    確定申告を行わなかった際には別途、市区町村役場に住民税のための所得申告をする必要があります。

    ここでも「自分で納付(普通徴収)」という徴収方法を選べます。これにより別途申告した所得については、給与から天引きされる特別徴収とは別に、本人に直接送付される税額通知書(納付書)で納税することになります。つまり、副業の所得にかかる住民税を、個人的に納税できるのです。

    ただし、“給与”として支払われた副業の所得は、原則として本業の会社の給与と合算され、住民税は本業の会社から特別徴収されことになります。

    副業の給与を普通徴収にできるかどうかは市区町村によって対応が違いますので、それぞれ問い合わせてください。

    転職や退職した場合の住民税の納付について

    キャリア・アップや起業などで転職・退職した場合、前職を辞した時期によって住民税の納付方法が異なります。

    それぞれのケースについてみてみましょう。

    続けて次の会社に勤めている場合

    前職の特別徴収による住民税の納付を、転職後の会社に引き継ぐことができます。
    それぞれの会社の担当者による調整で済みますので、転職者が必要な手続きはありません。

    しかし、退職の状況によっては引き継ぐことができないこともあります。
    その場合には、前職の会社で普通徴収へ変更する手続きを取ってもらいます。

    転職した先で特別徴収へ変更する手続きを取ってもらえば、普通徴収になった住民税も特別徴収による給与天引きで納付することができるようになります。

    ただし、転職先で手続きをするまでに1カ月以上かかる場合には、前職の会社で退職と同様の処理をする必要があります。

    会社を1〜5月に退職した場合

    1〜5月の間は、前々年の所得に対する住民税を納付しなければなりません。
    したがって、この時期のどの日に退職しても、退職時に一括で前々年分の住民税が給与から天引きされます。

    会社を6〜12月に退職した場合

    6~12月の間の退職では、特別徴収税額の未納分について、以下のいずれかの方法を選択することができます。
    ・本人が自分で納付する(普通徴収)
    ・転職先に特別徴収税額を引き継ぐ
    ・最後の給与から差し引く

    住民税の納付方法について

    普通徴収される住民税は、納付書に指定された金融機関の窓口やコンビニエンスストア、役場の窓口などで、原則として現金で納付します。

    納付書がPay-easy(ペイジー)に対応していれば、インターネットバンキングやモバイルバンキング、ATM(現金自動預払機)を利用しての納付も可能です。

    また、一部の市区町村ではクレジットカード決済が可能です。

    クレジットカード決済ができない市区町村でも、一部の電子マネーではチャージ額から住民税の納付をすることができます。

    電子マネーでの公金払い扱いについては変更される場合もありますので、事前に店舗やサービス会社などへお問い合わせください。

    また、ふるさと納税の利用で住民税の寄附金控除の適用を受けられる場合があります。
    詳細は「ふるさと納税など個人住民税の寄附金税制|総務省」を参照してください。

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