• 作成日 : 2022年8月8日

タイムカードはエクセルで簡単に管理できる?勤怠管理の注意点も解説!

タイムカードはエクセルで簡単に管理できる?勤怠管理の注意点も解説!

給与計算時に行うタイムカードの集計は、エクセルで行うと効率化でき、また管理もしやすくなります。タイムカードのエクセル化にはコストがかからない、自由度が高い、共有しやすいといったメリットがあります。一方で正確な記録が難しい、改ざんや法律違反が起こる可能性があるといったデメリット・問題点があることに注意が必要です。

広告

タイムカードの計算はエクセルで可能?

毎月の給与計算時には残業代をつけるために残業時間を計算したり、欠勤控除をするために欠勤日をカウントしたりしなければなりません。こうした計算は、タイムカードから勤怠情報を吸い上げて行いますが、手計算では時間も手間もかかる上に間違いが起こる可能性があります。

表計算ソフトであるエクセルは、さまざまな計算に利用できますが、タイムカードの計算もエクセルで行うことはできるのでしょうか?確認してみましょう。

難しい関数やマクロを使用しなくても可能

タイムカードには、たくさんの数字や「/」「:」のマークが印字され、複雑に見えます。しかしこれらは日付や時刻を表している記録で、難しいものではありません。計算も四則演算、それも単純でわかりやすいものがほとんどです。

エクセルは多くの機能を持つ表計算ソフトで、複雑な計算も難しい関数やマクロを使って行うことができます。しかしタイムカードの計算には、そういった機能を使いこなせる必要はありません。簡単な計算式と関数が使えれば、容易にタイムカードの計算をエクセルで行うことができます。

基本的にはエクセルのタイムカードで充分

タイムカードは毎日の出勤時刻と退勤時刻の記録で、勤怠状況の把握のために導入されています。出勤時間と退勤時間の差から勤務時間がわかり、打刻されていないことから欠勤した日がわかります。給料計算の基礎として使用される大切な記録で、適切に取り扱うことが求められています。

タイムカードは、専用マシン・システムで行うことが法律で決められているわけではなく、エクセルで行っても問題はありません。前述のように、タイムカードは毎日の出勤時刻と退勤時刻の記録で、エクセルでも充分に代用は可能です。

広告

タイムカードをエクセルで作成するメリット

エクセルでのタイムカードには、どのようなメリットがあるのでしょうか?タイムカードは専用のマシン・システムではなく、エクセルで作成することができます。専用マシン・システムと比較して、タイムカードをエクセルで作成した場合、以下のようなメリットがあります。

勤怠管理システムの導入コストがかからない

エクセルはマイクロソフト社の表計算ソフトで、インストールすればすぐに使うことができます。売上管理や顧客管理などさまざまな用途で活用することができ、すでにソフトを導入している企業であれば、改めて費用を負担する必要はありません。パソコンによっては、標準で装備されている場合もあります。

タイムカードを専用マシン・システムとすると、導入コストを負担しなければなりません。合わせて必要になる勤怠管理システムなどを含めると、初期費用は数十万円にもなることがあります。

関数やマクロを使って自由に変更できる

難しい関数やマクロを使うことで、複雑な計算も容易にできるのがエクセルの特徴です。タイムカードの計算はそれほど難しいものでないことが一般的ですが、会社・部署・従業員によっては難易度が高くなる場合があります。

就業形態や勤怠ルールに合わせた計算が求められますが、市販の勤怠管理システムでは対応しきれなかったり、カスタマイズに追加料金が発生したりする場合があります。

エクセルは自由度が高く、多様な計算をさせることができます。複雑な計算も難しい関数やマクロの組み合わせで対応が可能です。使いやすくするための些細な変更も施すことができ、より快適で便利に使えるタイムカードを作成することができます。

データで管理できるため共有もしやすくなる

タイムカードは、基本的に紙で行う勤怠管理です。保管場所を準備しなければならず、なくしたり汚したり破れたりする恐れもあります。これに対してエクセルはデータとして管理できるため、紛失や破損の心配はありません。データ管理は紙での管理と比べて共有しやすく、管理も効率的にできるようになります。

広告
広告

タイムカードをエクセルで作成する手順

エクセルでのタイムカード作成は、以下の手順で行います。

関数で勤務時間を自動計算する

出勤時刻・退勤時刻などの入力欄を準備したら、労働時間が自動で計算されるようにします。計算式は「実労働時間=退勤時間-出勤時間-休憩時間」です。下図の場合はE3に「=C3-B3-D3」を設定し、他の日にもコピーしておきます。
関数で勤務時間を自動計算する

1カ月の合計勤務時間を算出する

合計勤務時間の欄を作成し、SUM関数を使用して1カ月の合計勤務時間を自動計算します。下図の場合、E34に設定するのは「=SUM(E3:E33)」です。時間表示のままだと正確な値が示されないため、セルの書式設定の変更も必要です。「セルの書式設定→ユーザー設定→[h]:mm:ss」の操作を行います。

1カ月の合計勤務時間を算出する

1カ月分の給与額を決定する

1カ月の合計勤務時間と時給との計算で、1カ月分の給与額を求めます。計算式は「合計勤務時間×時給」ですが、エクセルでは「合計勤務時間×時給×24」とする必要があります。下図の場合はE3に「=E34*E35*24」を設定し、セルの書式設定を「通貨」にしています。

1カ月分の給与額を決定する

広告
広告

エクセルで勤怠管理する際の注意点

エクセルでの勤怠管理にはメリットがある一方、デメリットもあります。どのような点がデメリットになるのでしょうか?タイムカードをエクセルで作成した場合のデメリットと注意点も確認しておきましょう。

正確な勤怠記録が難しい

タイムカードをエクセルとすると、出勤時刻や退勤時刻を入力する必要があります。一般的な専用マシン・システムでも起こる打刻漏れは、エクセルでも同じように発生する可能性があります。また専用マシン・システムでは正確な時刻が記録されるのに対して、エクセルでは時刻の入力ミスが起こる可能性があることにも注意しなければなりません。

データ改ざんが起こる可能性がある

エクセルでは入力を何度も繰り返すことが可能です。データは上書きされ、前に入力されていたデータはわからなくなってしまいます。そのためデータの改ざんが行われる可能性が否定できません。

タイムカードは給料に関する重要な書類で、適切に管理しなければなりません。改ざんがあると会社の管理に問題があるとみなされる場合があります。

法律違反にも要注意

残業代や休日出勤などに対しては、労働基準法で定められている時間外労働に対する割増賃金の支払いが求められます。法改正によって割増賃金率が変わる場合は、計算式にも変更を加えなければなりません。

ほとんどの市販の勤怠管理システムでは、有料・無料の違いはあるものの、こうした法改正時にはバージョンアップ版が提供されます。しかしエクセルでタイムカードを作っている場合は、自ら計算式や関数を変更しなければなりません。

法改正を知らなかった、あるいはエクセルに変更を加えなかった場合には、法律違反となる恐れがあります。

エクセルを使ってタイムカードを作成しよう

タイムカードは一般的に専用のマシンを使って出勤時刻や退勤時刻を記録したものを指します。しかしエクセルを用いることも可能で、集計まで行うことができます。

タイムカードの集計はそれほど複雑ではなく、使用するのは基本的に四則演算のみです。勤怠管理システムなどを導入しなくても紙ベースのものからデータ化でき、導入コストがかからない・変更しやすい・共有可能になるといったメリットがあります。

ぜひタイムカードをエクセルで作成してみましょう。ただし打刻漏れや入力ミス、上書きによるデータ改ざん、法律改正への対応などには注意する必要があります。使っていく上ではこれらのデメリットへの対策も行うようにしてください。

広告

よくある質問

タイムカードの計算はエクセルで可能?

タイムカードの集計はほとんどが簡単な四則演算のみででき、通常の場合はエクセルで充分に可能です。詳しくはこちらをご覧ください。

タイムカードをエクセルで作成するメリットは?

勤怠管理システムなど導入コストがかからない・カスタマイズが自由にできる・紙ベースのものに比べて共有しやすいといったメリットがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

タイムカードをエクセルで作成する際の注意点は?

勤怠管理が正確にしにくい・データが改ざんされる可能性がある・法律改正への対応が求められるといった点に注意が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:坪 義生(社会保険労務士)

じんじ労務経営研究所代表(社会保険労務士登録)、労働保険事務組合 鎌ヶ谷経営労務管理協会会長、清和大学法学部非常勤講師、「月刊人事マネジメント」(㈱ビジネスパブリッシング)取材記者。社会保険診療報酬支払基金、衆議院議員秘書、㈱矢野経済研究所、等を経て、91年、じんじ労務経営研究所を開設。同年より、企業のトップ・人事担当者を中心に人事制度を取材・執筆するほか、中小企業の労働社会保険業務、自治体管理職研修の講師など広範に活動。著書に『社会保険・労働保険の実務 疑問解決マニュアル』(三修社)、『管理者のための労務管理のしくみと実務マニュアル』(三修社)、『リーダー部課長のための最新ビジネス法律常識ハンドブック』(日本実業出版社、共著)などがある。

関連記事