• 作成日 : 2022年5月27日

失業保険とは?手当の受給資格と手続きを解説!

失業保険とは?手当の受給資格と手続きを解説!

毎月の給与から天引きされている「失業保険」ですが、どのようなときに受け取ることができるのでしょうか。一般的には、急な解雇や会社が倒産した際に受け取ることが可能です。また、転職のため自己都合退社した場合でも、一定条件のもと受給することができます。この記事では失業保険の受給資格や申請方法などをご紹介します。

失業保険とは?

失業保険は、健康保険や厚生年金保険と並ぶ公的保険制度の一種です。正式には「雇用保険」と言います。保険料は毎月の給与から源泉徴収されて納められ、急な解雇や会社が倒産した際に受け取ることが可能です。また、失業給付金は「基本手当」と呼ばれ、失業中に生活の心配することなく、就職活動に専念できるように給付されるものです。

基本手当については下記の記事でもご紹介しています。

基本手当を受け取ることができる日数(所定給付日数)は、離職時の年齢や被保険者であった期間、離職理由などで決まります。また、支給開始日については、7日間の待機期間の後に支給が開始されます。離職理由によっては追加で2~3ヶ月間の給付制限期間が設けられているほか、受給要件を満たしていてもすぐに貰える訳ではないため注意しましょう。

参考:基本手当について|ハローワークインターネットサービス

失業保険の受給条件

失業保険の基本手当は、下記の2つの条件を満たした被保険者が受け取ることが可能です。

  • 就職する積極的な意思や能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても就職できない「失業状態」であること。
  • 離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること。

まず1について、失業保険は基本的に「積極的に就職活動を行っていても就職できない人」に対して給付されるものなので、下記に該当する場合は支給の対象外です。

  1. 病気やけがのため、すぐには就職できないとき
  2. 妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できないとき
  3. 定年などで退職して、しばらく休養しようと思っているとき
  4. 結婚などにより家事に専念し、すぐに就職することができないとき

あくまで「就職する意思」がある場合に支給される手当なので注意しましょう。

失業保険で受け取れる1日当たりの支給額は「基本手当日額」と言います。基本手当日額は、離職日の直前6ヶ月間の月給の合計を180で割った値(賃金日額)のおよそ45~80%です。年齢によって下記の通り上限額が定められています。

(令和3年8月1日現在)

30歳未満6,760円
30歳以上45歳未満7,510円
45歳以上60歳未満8,265円
60歳以上65歳未満7,096円

また、支給開始日や所定給付日数は年齢や被保険者期間、離職理由によって異なります。

詳しく見ていきましょう。

自己都合退職の場合

自己都合退職の場合は「一般の受給資格者」に該当し、基本手当の受給が決定した日(離職日の翌日)から7日間の待機期間に加え、2~3ヶ月間の給付制限期間があります。給付制限期間は、5年間で2回までは2ヶ月、3回目以降の離職は3ヶ月となります。待機期間・給付制限期間後の所定給付日数は下記の通りです。

被保険者であった期間
10年未満10年以上
20年未満
20年以上
65歳未満共通90日120日150日

参考:基本手当の所定給付日数|ハローワークインターネットサービス

特定理由離職者の場合

「特定理由離職者」とは、期間従業員の労働契約期間が満了し、当該労働契約の更新がない離職者のことです。いわゆる「雇止め」された労働者のことで、本人が契約更新を希望したにもかかわらず合意に至らなかった場合に限られます。また、正当な理由がある自己都合による離職者も特定理由離職者に含まれます。

特定理由離職者

  • 雇止めされた期間従業員
  • 正当な理由がある自己都合による離職者

例えば、3年間契約社員として働き契約更新を希望した期間従業員が、新型コロナウィルス感染拡大の影響による経営悪化を理由に、契約更新を断られた場合などが該当します。

また、ブルーカラーの従業員が体力の衰えなどで業務の遂行が難しく、離職する場合は「正当な理由による自己都合離職者」として特定理由離職者に区分されます。

特定理由離職者の判断基準をまとめると下記の通りです。

区分1:雇止め

  • 契約書に「契約を更新する場合がある」などと記載されており、契約更新が確定していない場合(確定していたのに契約更新されない場合は「特定理由離職者」ではなく「特定受給資格者」に、契約更新なしと明示されている場合は「一般離職者」になります)
  • 労働者が契約更新を希望したにもかかわらず、会社都合で契約更新が認められなかった場合(労働者が契約更新を望まなかった場合は「特定理由離職者」ではなく「一般離職者」になります)

区分2:正当な理由による自己都合離職

  • 体力の衰えや心身の障害など健康状態を理由とした離職
  • 妊娠・出産・育児等による離職(受給期間延長措置を受けた者)
  • 両親等の介護が必要になったことによる離職
  • 扶養親族と別居生活を続けることが困難となったことによる離職
  • 次の理由により通勤不可能または困難となったことによる離職

 1.結婚に伴う住所の変更
 2.育児に伴う保育所等の利用または親族等への保育の依頼
 3.事業所の通勤困難な地への移転
 4.自己の意思に反しての住所または居所の移転を余儀なくされたこと
 5.鉄道、軌道、バスその他運輸機関の廃止または運行時間の変更等
 6.事業主の命による転勤または出向に伴う別居の回避
 7.配偶者の転勤、出向、再就職に伴う別居の回避

詳細な判断基準については、厚生労働省の関連資料とハローワークのWebページをご参照ください。

参考:
特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準|厚生労働省
特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要|ハローワークインターネットサービス

失業保険の受給条件として、「離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること」と定められていますが、特定理由離職者については「離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可」とされています。

特定理由離職者に該当する場合、7日間の待機期間の後、速やかに失業保険を受給することが可能です。給付制限期間を待つ必要はありません。

所定給付日数については、区分によって異なります。区分1の「雇止めされた期間従業員」は、下記でご説明する「特定受給資格者」と同様の基準で失業保険を受給することができます。

区分2の「正当な理由がある自己都合による離職者」は、上記でご紹介した「自己都合退職の場合」と同様です。

特定理由離職者は、受給条件・支給開始日・所定給付日数のいずれにおいても一般の受給資格者より優遇されています。

勤め先の会社が倒産もしくは急な解雇の場合

会社の倒産や、業績悪化・事業縮小などにより解雇された場合は、「特定受給資格者」として失業保険を受給することができます。詳細な判断基準については、上記でご紹介した厚生労働省の関連資料とハローワークのWebページをご参照ください。

失業保険の受給条件、支給開始日は「特定理由離職者」と同様に条件が緩和されます。所定給付日数については、「一般の受給資格者」よりも長期間に渡り失業保険を受給することが可能です。年齢区分と被保険者期間に応じた所定給付日数が下記となります。

被保険者であった期間
1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満90日90日120日180日-
30歳以上
35歳未満
120日180日210日240日
35歳以上
45歳未満
150日240日270日
40歳以上
60歳未満
180日240日270日330日
60歳以上
65歳未満
150日180日210日240日

会社の倒産や解雇など、会社都合退職した離職者については、特定理由離職者と同様さまざまな優遇を受けることができます。

失業保険の申請方法

ここからは、失業保険の「申請方法」をご紹介します。大まかな流れは下記の通りです。

  • 離職
  • 求職の申込み・雇用保険被保険者離職票-1・2の提出
  • 受給資格の決定
  • 待機期間(7日間)
  • 雇用保険受給者初回説明会

まず、離職時に会社から「雇用保険被保険者離職票-1・2」を受け取ってください。続いて居住地域を所管するハローワークに出向き、「求職の申込み」を行い離職票を提出します。提出した日が「受給資格決定日」で、この日から7日間が待機期間です。

待機期間の後、「雇用保険受給者初回説明会」に出席する必要があります。「雇用保険受給資格者のしおり」「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」が渡され、第1回目の「失業認定日」が伝えられます。説明会では失業保険受給に関する重要な説明があるため、必ず参加しましょう。

参考:雇用保険の具体的な手続き|ハローワークインターネットサービス

失業保険の受け取り方

続いて、失業保険の「受け取り方」をご紹介します。前章の1~5で申請が完了したら、下記の6、7を毎月実施する必要があります。

6. 失業認定日(4週に一度)
7. 基本手当受給(失業認定日から5営業日後)

失業保険受給中は4週に一度「失業認定」が行われます。ハローワークに出向いて失業認定申告書を提出するとともに、求職状況を確認されます。失業認定が問題なく行われたら、5営業日後に所定に金融機関に基本手当が振り込まれます。

受給中は所定給付日数を上限に、失業認定と基本手当受給を繰り返しながら就職活動を続けていくことになります。

失業保険を理解し不測の事態に備えよう

今回は失業保険の概要や受給資格、申請方法をご紹介しました。失業保険は毎月の給料から天引きで支払っているため、普段はあまり意識しないかもしれません。しかし、会社の倒産や、急な解雇などの際に生活を支えてくれる非常に重要なものです。会社都合退職に比べると条件は厳しくなりますが、転職などの自己都合退職の際にも受け取ることが可能です。この記事を参考に失業保険への理解を深め、不測の事態に備えてみてください。

よくある質問

失業保険とはなんですか?

公的保険の一種で、会社の倒産や急な解雇などの際に受給できるものです。詳しくはこちらをご覧ください。

失業保険の受給条件について教えてください

就職する意思はあるものの失業状態であること、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることが条件です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

【監修】マネーフォワード クラウド給与

給与計算に関するお役立ち情報をマネーフォワード クラウド給与が提供します。マネーフォワードクラウドは会計から人事労務までクラウドでDXを推進、バックオフィスの業務効率化を応援します。

関連記事