- 更新日 : 2025年11月20日
労働基準法で定められている休憩時間は?15分ずつなどの分割は可能?
労働条件の最低基準を定めた労働基準法には、休憩についても定められています。
事業主は6時間を超える労働に対し45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければなりません。
休憩の付与は事業主の義務ですが、15分ずつなどの分割付与も可能なのでしょうか。
この記事では労働基準法における休憩時間の扱いを解説します。
目次
労働基準法では休憩時間は15分ずつ分けても問題ない
労働基準法は労働時間や休日・休暇など、労働条件の最低基準を定めた法律です。
労働基準法には休憩についても定められており、事業主は労働者に対し一定の休憩時間を付与しなければなりません。
具体的な基準は労働基準法の第34条に規定されており、休憩の付与は法律で定められた事業主の義務となっています。多くの事業所では昼休みとして休憩を付与するのが一般的で、休憩時間は労働者が自由に利用できる権利でもあります。
なお、業務形態などの影響で一括付与が難しい場合は、分割して付与することも可能です。
業務には従事していないものの会社からは待機を義務付けられている時間、いわゆる「手待ち時間」に該当しない範囲内であれば、業務形態に合わせて自由に付与することができます。15分ずつなどに分けることも可能ですが、極端に短い休憩は手待ち時間と見なされ休憩には該当しないため気をつけましょう。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
就業規則の作成・変更マニュアル
就業規則には、労働者の賃金や労働時間などのルールを明文化して労使トラブルを防ぐ役割があります。
本資料では、就業規則の基本ルールをはじめ、具体的な作成・変更の手順やよくあるトラブル事例について解説します。
労働基準法の基本と実務 企業がやりがちな15のNG事項
労働基準法は「労働者が人たるに値する生活を営むための労働条件の最低基準」を定めた法律です。
本資料では、企業がやりがちな違法行為を軸に、最低限把握しておきたい労働基準法の基本ルールをまとめました。
就業規則(ワード)
こちらは「就業規則」のひな形(テンプレート)です。ファイルはWord形式ですので、貴社の実情に合わせて編集いただけます。
規程の新規作成や見直しの際のたたき台として、ぜひご活用ください。
就業規則変更届 記入例
こちらは「就業規則変更届 記入例」の資料です。就業規則変更届の記入例が示された資料となります。
実際に届出書類を作成する際の参考資料として、ぜひご活用ください。
労働基準法で定められた休憩時間は?
労働基準法には具体的な休憩時間についても定められています。休憩の付与は事業主に課せられた義務であると同時に、労働者にとっては重要な権利の一つです。
ここでは、労働基準法第34条に定められた休憩時間について紹介します。
6時間以上勤務する場合
労働時間が6時間を超え8時間以内の場合、事業主は労働者に対し少なくとも45分の休憩を付与しなければなりません。法律的には45分以上であれば問題ないため、労使協定などで45分以上の休憩を付与することも可能です。例えば、12時から13時までの1時間を昼休みとして付与する場合などです。なお、休憩時間は労働に従事しなくてもよいことが保障されている時間なので、労働の対価である賃金は発生しません。
8時間以上勤務する場合
労働時間が8時間を超える場合は、事業主は労働者に対し少なくとも1時間の休憩を付与しなければなりません。一方、労使間の合意がある場合は、1時間以上の休憩を付与することも可能です。予定の労働時間が8時間未満で、実際の労働時間が8時間超だった場合は、規定をクリアするため別途追加で休憩を付与しなければならない場合もあります。残業等で8時間を超えて勤務するケースについては、次章で詳しく紹介しましょう。
8時間勤務で残業する場合は15分の追加休憩が必要
8時間勤務で休憩を45分間与えられた従業員が残業した場合、追加で15分の休憩を付与しなければなりません。
前章で紹介した通り、8時間超の労働に対し、事業主は少なくとも1時間の休憩を付与しなければならないためです。一方、昼休みなどで事前に1時間以上の休憩を付与している場合は、追加で休憩を与える必要はありません。労働時間と休憩時間の関係を改めてまとめると下記の通りです。
| 労働時間 | 休憩時間 |
|---|---|
| 6時間以下 | 0分 |
| 6時間超8時間以下 | 45分以上 |
| 8時間超 | 60分以上 |
休憩は労使間合意に基づく所定労働時間に従い付与するのではなく、実際の労働時間に従い付与しなけらばなりません。
例えば、所定労働時間7時間の労働者が残業を行い9時間労働した場合、45分ではなく少なくとも60分の休憩を付与する必要があります。休憩は所定労働時間ではなく、実際の労働時間に応じて付与するという点を忘れないようにしましょう。
休憩を取る際の注意点
労働基準法には、休憩時間以外にも休憩を付与する上でのルールがいくつか規定されています。付与方式や休憩を付与するタイミングなどです。ここでは、休憩を付与する際の注意点を見ていきましょう。
労働時間の途中に休憩時間を設ける
労働基準法第34条には
「(前略)休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない」
と定められています。
言い換えると、始業前や終業後に休憩を付与することは認められていないということです。当然ですが、始業前や終業後に休憩を付与されても休憩の意味がないためです。あくまで労働時間の途中に付与しなければならないという点に気をつけましょう。特に、残業が発生した場合は注意が必要です。
例えば、所定労働時間が8時間で事前に45分の休憩を付与した場合、急な残業が発生し8時間を超えて労働を課さなければならなくなった際には、速やかに追加の休憩を15分与えなければなりません。適切なタイミングで休憩を与えないと、余計に拘束時間が長くなってしまう恐れがあるため気をつけましょう。
休憩中に業務を依頼してはいけない
加えて、労働基準法第34条3項には
「使用者は(中略)休憩時間を自由に利用させなければならない」
と定められています。
休憩時間は、業務から離れることを認められた労働者の大切な権利です。
休憩中に業務を依頼すると手待ち時間と見なされ、休憩には該当しないため気をつけましょう。
例えば、休憩中に電話対応や来客対応などをさせた場合は休憩とは見なされないため、別途休憩時間を与えなければなりません。休憩時間は労働者が自由に利用できる時間で、業務を依頼してはならないということを覚えておきましょう。
一斉に付与する
さらに、労働基準法第34条2項には
「(前略)休憩時間は、一斉に与えなければならない」
と定められています。
これは、すべての労働者に公平・確実に休憩を取得させ、管理監督しやすくするためです。ただし、労働組合もしくは労働者の過半数を代表する者との労使間合意がある場合はこの限りではありません。
いわゆるシフト勤務制など、労働形態に則した付与が可能です。さらに、一斉付与の原則に従うと不都合が生じる一部の事業については、適用が除外されています。労働基準法施行規則第31条に定められた適用除外事業は下記の通りです。
- 運輸交通業(法別表1第4号)
- 金融保険業(法別表1第9号)
- 通信業(法別表1第11号)
- 接客娯楽業(法別表1第14号)
- 商業(法別表1第8号)
- 興業の事業(法別表1第10号)
- 保健衛生業(法別表1第13号)
- 官公署の事業(法別表に掲げる事業は除く)
参考:労働基準法施行規則(第三十一条) | e-Gov法令検索
労働基準法(別表第一) | e-Gov法令検索
パートやアルバイトにも同じ基準で付与する
労働基準法に定められた休憩に関する規定は雇用形態を問わないため、正社員だけでなくアルバイトやパートタイム労働者にも適用されます。
ただし、労働時間が6時間に満たない短時間労働者には休憩時間は不要です。
さらに、労働基準法の規制を受けない「管理監督者」、いわゆる管理職についても休憩に関する規定はありません。
しかし、従業員の心身の健康を確保する観点から、適切に休憩を付与し過重労働を抑制する必要があるでしょう。また、職務内容や付与権限の観点から法律上の管理監督者に該当しない、いわゆる「名ばかり管理職」は一般の労働者と同様に労働基準法の規定に従う必要があるため気をつけましょう。
正しく休憩を付与し働きやすい職場環境を実現しよう
労働基準法における休憩時間の取り扱いを解説しました。
労働基準法は労働条件の最低基準を定めた法律で、休憩についても明記されています。事業主は労働者に対し、6時間超8時間以内の労働につき少なくとも45分、8時間を超える労働については少なくとも1時間の休憩を付与しなければなりません。
例えば、労使合意に基づく所定労働時間が7時間、休憩時間が45分の労働者が残業を行い、8時間超の労働を行った場合は、追加で15分の休憩を付与する必要があります。
ただし、昼休憩などで事前に1時間以上の休憩を付与していた場合は、追加の休憩は不要です。
一方、労働時間が6時間に満たない労働者や、法律上管理監督者に該当する従業員には休憩を付与する法的な義務はありません。しかし、従業員の健康を確保する観点から、適切に休憩を付与し過重労働を抑制することが求められます。労働基準法を順守し、従業員が働きやすい職場環境を実現しましょう。
よくある質問
休憩時間は15分ずつ分けても良い?
休憩時間の合計が労働基準法の定めを満たしていれば問題ないため、15分ずつなどに分けて付与することも可能です。ただし、極端に短い休憩時間は手待ち時間として見なされ休憩には該当しないため注意しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
8時間勤務の場合の休憩時間は?
労働時間が6時間超8時間以内の場合は45分以上の休憩を付与しなければなりません。残業等で8時間を1分でも超過した場合は合計1時間以上の休憩を付与しなければならないため気をつけましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
【社労士監修】変形労働時間制とは?種類や残業代の計算方法、就業規則の記載例など徹底解説!
変形労働時間制とは、業務に合わせて従業員の労働時間を変えられる制度です。柔軟な働き方が可能になり、時間外労働を減らす効果が期待できます。1年・1カ月・1週単位の非定型的変形労働時間…
詳しくみる有給消化中にアルバイトをしてもよい?会社にバレる?確認方法や注意点を解説
有給休暇を消化している間に別の仕事で収入を得られたらと考える人もいるでしょう。しかし、それは法律的に問題がないのか、会社に知られてトラブルにならないか、不安に感じる方もいると思いま…
詳しくみる月45時間を超える残業は年6回まで?36協定の残業上限について解説
労働基準法では、労働時間は原則として1日8時間・週40時間までと定められています。しかし、業務の都合でこれを超える残業や休日労働をさせる場合には、労使間で「36協定」を締結し、所轄…
詳しくみるサマータイムとは?制度の意味やメリット・デメリット解説
サマータイムとは、時計の針を1時間進め、日中の活動時間を伸ばす制度をいいます。主にアメリカやヨーロッパ諸国、南半球の国で導入されています。 サマータイムの実施期間は国によって異なり…
詳しくみる【早見表】月177時間は法定労働時間の範囲内!違法になるケースや有給取得時の対応を紹介
「月177時間の労働時間は違法なのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。月177時間が適法かどうかは、勤務形態や36協定の有無によって異なります。 本記事では、月177時間の法定労働…
詳しくみる夜勤明けの勤務は違法?36協定のルールをわかりやすく解説
「夜勤明けの勤務は違法ではないのか?」と夜勤後の働き方に疑問を感じるケースは少なくありません。適切な休息時間が確保されていなければ、過労や健康被害につながる可能性があります。また、…
詳しくみる


-e1762754602937.png)
