- 更新日 : 2026年6月15日
兼業とは?副業との違いやメリット・デメリット、注意点を解説!
兼業とは、本業と同等の他の仕事を掛け持ちすることです。兼業の働き方は、企業などに雇用されるものや、起業して事業主として働くものなど様々です。本記事では、兼業とは何かや副業との違い、メリット・デメリット、注意点について解説します。
兼業とは?
兼業とは、本業と同等の収入や労働時間の他の仕事を掛け持ちをして行うことをいいます。本項では、兼業の定義や副業との違いについて解説していきます。
兼業の定義
兼業という働き方に、明確な法的定義はありません。一般的には、本業の他に同等な他の仕事を兼務していることを、兼業と呼んでいます。
兼業には明確な定義がないため、兼業を禁止する法律もありません。そのため、兼業を認めるかどうかも企業の裁量で決められますが、近年では兼業を認める企業も増えています。
兼業と副業の違い
兼業・副業ともに、本業以外の仕事を掛け持ちして行うことは同じです。しかし、両方とも明確な法的定義がないため、大きな違いはなく区別することもほとんどありません。
一般的に、副業は本業よりも低い収入や短い労働時間でのサブ的な仕事と捉えられていて、兼業は本業と同等の収入や労働時間の仕事として捉えられることが多いです。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
労働時間管理の基本ルール【社労士解説】
多様な働き方を選択できる「働き方改革」が世の中に広まりつつありますが、その実現には適切な労働時間管理が欠かせません。
労働時間に関する用語の定義や休憩・休日のルールなど、労働時間管理の基本ルールを社労士が解説します。
時間外労働の管理 労基法違反から守る10のルール
年5日の有給休暇の取得が義務化され、企業には正確な休暇管理が求められています。
本資料では、有給休暇に関する基本ルールをはじめ、よくあるトラブルへの対処方法を社労士がわかりやすく解説しています。
出勤簿(エクセル)
従業員の労働時間を正確に把握することは、企業の労務管理における重要な業務です。
本資料は、日々の勤怠管理にご利用いただける「出勤簿」のテンプレートです。 Microsoft Excel(エクセル)形式ですので、ダウンロード後すぐに編集してご活用いただけます。
手作業が残る出退勤管理に
勤怠管理システムを導入していても、打刻修正の依頼や締め前の確認など、一部の業務でExcelや紙、メールの運用が残っている企業は少なくありません。
本資料では、システム外運用が残る3つの理由を整理したうえで、打刻管理から申請・承認、締め処理までを業務単位で点検できる見直しチェックリストを掲載しています。
兼業が注目される背景は?
近年働き方が多様化して、兼業を希望する方が増えています。収入を増やすため、本業だけでは生活できない、時間を有効活用するためなど理由は様々です。兼業が注目されるようになった背景に、国が働き方改革や人材の流動化のために兼業を積極的に推進していく方針があります。
本項では、兼業が注目されるようになった「副業・兼業の促進に関するガイドライン」「モデル就業規則の改訂」について解説します。
副業・兼業の促進に関するガイドライン
2018年1月に厚生労働省が副業や兼業を促進するために、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成しました。このガイドラインは、兼業を導入する企業や労働者に対して、現行の法令のもとでの注意点や、導入の方法などをまとめたものです。
このガイドラインは、安心して副業や兼業をできるようなルールを明確化するために2020年9月に1度目の改定をしています。また、2022年7月には、労働者が適切な職業の選択と、多様なキャリア形成を図っていくために2度目の改定をしています。
モデル就業規則の改訂
2018年1月のモデル就業規則の改定により、労働者の遵守事項にあった「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」 という規定を削除しています。また、モデル就業規則に、副業、兼業についての規定を新設しています。
兼業のメリットは?
従業員が兼業すると、従業員だけでなく企業も様々なメリットを得ることが可能です。本項では、従業員が兼業することによる企業側のメリットについて解説します。
従業員の知識やスキルが向上し自社へ還元される
従業員が兼業することにより、社内だけでは取得できない知識やスキルを獲得できます。その結果、知識やスキルが社内に還元され、自社の生産性が向上し事業機会の拡大につながるでしょう。
従業員の自律性や自主性を促してモチベーション向上につながる
従業員が自社以外の仕事をすることにより、自律性や自主性を促してやりがいをみつけることができます。また、兼業することで収入が増えたり、成功したり、活躍の場が増えたりすることで、本業へのモチベーションの向上にもつながるでしょう。
優秀な人材流出の防止につながる
企業が兼業を認めることにより、企業を辞めずに兼業として従業員のやりたい仕事ができるようになります。その結果、企業の満足度が上がり、優秀な人材が流出することがなくなって企業の価値も低下せずに済みます。
企業がイメージアップすることで優秀な人材の獲得につながる
兼業を認めている企業ということをアピールすることで、企業のイメージアップにつながります。イメージアップすればその企業で働きたい人が増えて、優秀な人材の獲得につながるでしょう。
兼業のデメリットは?
従業員が兼業することを企業が認めることは、企業にとってメリットだけではありません。本項では、従業員が兼業することによる企業側のデメリットについて解説します。
自社の業務への影響がある
従業員が兼業すると自社の業務以外の仕事に時間を取られることになり、少なからずとも時間や労力がかかり疲労を感じる可能性もあります。その結果、作業効率が落ちて自社の業務に影響する可能性があるため注意が必要です。
労務管理が複雑になる
従業員が兼業している場合、2社に勤務しているなどの状況によっては、自社の労働時間と他社の労働時間を通算します。時間外労働に対する割増賃金についても、自社の労働時間と他社の労働時間を通算して発生し、支払義務があるのは後から雇用契約を締結した企業です。
兼業している従業員の労働時間を把握するためには、他社での労働時間を聴取する必要があり、兼業をしていない従業員よりも労務管理が複雑になります。
機密情報漏洩のリスクがある
兼業をしている従業員が、一方の企業で他方の企業の機密情報を漏らしてしまうリスクがあります。自社の保有している技術や重要な情報などが漏洩してしまった場合には、企業が受けるダメージも大きくなるでしょう。兼業をする従業員には、事前に秘密保持契約を交わしておくことが大切です。
優秀な人材の流出につながる可能性がある
従業員が兼業をすることで、一方の企業に魅力を感じたり、独立や起業につながったりすることがあります。その結果、優秀な人材が流出してしまう可能性もあるでしょう。
企業が兼業を認める場合の注意点は?
企業が兼業を認める場合には、注意しておかなければならない様々な点があります。本項では、企業が兼業を認める場合の注意点について解説します。
就業規則に兼業のルールなどを記載しておく
兼業を認める場合であっても、兼業を認める条件や兼業する場合の届け出、企業秘密の漏洩の禁止など、兼業に関するルールを就業規則に記載しておく必要があります。就業規則にきちんと兼業のルールを記載していない場合、トラブルに発展する可能性があるため注意が必要です。
兼業についての届出制度の制定
兼業をする場合には、適切な労務管理を行うために、他社での業務内容や労働時間の届け出をしてもらう必要があります。また、情報漏洩などのトラブルを防ぐために、自社の業務に支障をきたさないための誓約書などを提出してもらうとよいでしょう。兼業を認める場合には、届出制度の制定をすることが重要です。
秘密保持義務などの確保
従業員が兼業を始める場合に疎かになりがちな、従業員の職務専念義務や秘密保持義務、競業避止義務をどう確保するかが注意点になります。
職務専念義務とは、就業時間中に職務に専念しなければならない義務のことです。秘密保持義務とは、自社の技術や機密情報などを漏洩させない義務になります。競業避止義務とは、自社に不利益になるような競業行為を禁止することです。
兼業に関するルールを徹底することが企業と従業員の双方のメリットとなる
企業が従業員に兼業を推進する場合、ルールを決めずにただ認めるだけでは、お互いの兼業に対する認識が異なりトラブルに発展する可能性があります。
一方、企業と従業員の兼業に対する双方の認識が共有できていれば、従業員のスキル向上による企業の生産性の向上、優秀な人材の獲得や流出防止につながります。
兼業を企業と従業員双方の大きなメリットにつなげるためには、就業規則などの社内規定に兼業に関するルールを記載して徹底することが大切です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
-
# 勤怠管理
中小企業の働き方改革 – 関連法や対応方法を紹介
2019年4月から施行された働き改革法案において、中小企業は一部の項目が猶予されていましたが、その後順次適用がスタートしています。取り組みの柱は長時間労働の規制の強化や有給休暇の取…
詳しくみる -
# 勤怠管理
【テンプレ付】就業規則とは?作成手順や記載項目を解説!
就業規則の作成は法律で決められた義務なのでしょうか。義務である場合、その作成手順や記載が必要な項目はどうなっているのでしょうか。 本記事では、就業規則とは何か、作成する場合の絶対的…
詳しくみる -
# 勤怠管理
「有給休暇の義務化」で予想されるトラブルは? 労務担当者が準備すべきこと
いよいよ「年5日の有休取得」の義務化まで半年を切りました。 2019年4月1日から順次施行される「働き方改革関連法案」。これに伴いこれまでの有給休暇の制度も見直され、2019年4月…
詳しくみる -
# 勤怠管理
裁量労働制を適切に運営するためのポイント
みなし労働時間と実労働時間に大幅な乖離がある場合には? 裁量労働制においては、労使協定・労使委員会決議で「みなし労働時間」を定め、実際の労働時間の長短に関わらず、みなし労働時間分働…
詳しくみる -
# 勤怠管理
【申請書テンプレ付】テレワーク導入に必要な準備 – 企業が行うこと
近年、導入が進んでいるテレワークは、通勤時間の軽減など従業員にメリットがある一方で、スムーズなテレワークの実施には事前準備が重要です。ここでは、企業がテレワークを導入する上で必要と…
詳しくみる -
# 勤怠管理
時間外労働の上限規制とは?働き方改革法施行後の変化を読み解く
そもそも時間外労働とは?残業時間との違い 時間外労働の上限規制について解説するうえで、ここではまず時間外労働がどういったものなのか考えていきましょう。 そもそも労働基準法第32条に…
詳しくみる



-e1762262472268.jpg)
