• 作成日 : 2022年11月18日

アルバイトもマイナンバー提出は義務?提出拒否をしたら?

アルバイトもマイナンバー提出は義務?提出拒否をしたら?

年末調整雇用保険の手続きの際、マイナンバーを書類に記載する必要があります。そのため、企業は従業員からマイナンバーを収集する義務を負っていますが、マイナンバーの提出を従業員本人が行わないケースも考えられます。

ここでは、アルバイトのマイナンバー提出は義務なのか、そして、提出がない場合の対応について解説します。

アルバイトもマイナンバー提出は義務?

マイナンバーは税金や社会保障の行政手続きの際に必要です。そのため、会社は従業員からマイナンバーを収集する義務があります。正社員に限らず、週の労働時間が2日、3日といったパート・アルバイトからもマイナンバーを提出してもらう必要があります。

ただし、会社側は収集する義務を負いますが、従業員の立場から考えると提出は義務ではありません。未提出であることへの罰則規定は存在しないため、提出をしなかった従業員がクビになることはありません。しかし、各種行政書類の作成ではマイナンバーの記入が必要になるため、アルバイトがマイナンバーの提出は不要と考えていると、さまざまな場面で不都合が生じる可能性があります。

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アルバイトでもマイナンバー提出はなぜ必要?

企業がマイナンバーの収集をするには、従業員に目的を明示する必要があります。マイナンバーの利用目的は法律で厳格に定められており、「従業員だから」という理由だけで会社はアルバイトからマイナンバーを収集することはできません。

アルバイトでもなぜマイナンバーの提出が必要になるのかというと、マイナンバーが必要な行政手続きがあるからです。たとえば、雇用保険。企業は一人でも従業員を雇用すれば、一部の事業を除き、事業規模や業種に関係なく雇用保険の適用事業となります。

学生を除き、パートやアルバイトでも、週20時間以上働くなど、雇用保険の被保険者となる要件を満たす場合には、加入手続きをする必要があります。雇用保険の資格取得や資格喪失などの被保険者に関する手続きには、書類にマイナンバーの記載が必要です。

ほかにも、健康保険・厚生年金保険や労災年金関係の手続き、年末調整など、書類にマイナンバーを記載する必要のある行政手続きが多くあります。

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アルバイトがマイナンバーの提出拒否をしたらどうなる?

現状、マイナンバーを提出しない従業員に対する罰則規定はありません。アルバイトが提出拒否をした場合でも、それを理由に会社が何かしらの処罰を行うことはできないのが現状です。

また、国税庁のウェブサイトによれば、マイナンバーが記載されていない法定調書でも、記載がないことを理由に不受理とすることはないとされています。

ただし、企業にとってはマイナンバーの収集は義務であることから、従業員やアルバイトからマイナンバーの提出がないからといって、1回で諦めてしまうのは望ましい対応とはいえません。提出を拒否されても、企業は従業員の理解が得られるよう説明を行うとともに、法定調書へのマイナンバーの記載は法律に定められた義務であることを伝え、提供を求める必要があります。

何度催促をしても提出されない場合には、提供を求めた経過を書類で残しておきます。提出を求めた記録が確認できることで、単なる企業の義務違反でないことが明確になります。なお、こうした記録について、国税庁は「提供をもとめたタイミング、結果として提供を受けられなかった事実」が明らかになっていればよく、個別の提出拒否理由の記載は必要ないとしています。

雇用保険の手続きをする際のハローワークの対応も国税庁と同様です。マイナンバーの記載がないことだけをもって受理をしないということはありません。従業員の理解が得られるよう説明を行うとともに、再度提供を求め、それでも提出がない場合には、収集の経過を記録に残しておきましょう。

また、健康保険・厚生年金保険の手続きでは、マイナンバーを届け出ることによって、日本年金機構が住民票の異動情報から住所等の情報を把握することが可能となり、氏名変更届、住所変更届の届出を省略することができるようになります。年金基礎番号を記載することで各種届出は可能ですが、マイナンバーの届出がない場合、変更の都度、氏名変更や住所変更の手続きが必要となるデメリットがあることも、従業員に説明しておくとよいでしょう。

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マイナンバーの提出方法は?マイナンバーカード、通知カード、それとも住民票?

従業員のマイナンバーを収集する場合は、以下の3通りの方法で確認できます。

  • マイナンバーカード
  • 通知カード
  • 住民票

それぞれの提出方法について説明します。

マイナンバーカード

12桁のマイナンバーが記載された顔写真つきのカードです。ICチップが搭載されており、生年月日や性別、氏名といった個人情報が記載されています。公的な本人確認書類としても利用可能です。

通知カード

2015年以降にマイナンバーを通知するために配布されたものです。住民票がある個人すべてに送られています。なお、2022年現在、通知カードの配布は廃止されています。したがって、自宅に通知カードがなくても現在は再発行できません。マイナンバーカードを申請してもらう、もしくは後述のマイナンバー入りの住民票の写しを提出してもらうなどの対応をしましょう。

住民票の写し

住民票の写しを取得する際に、マイナンバー入りを選択すると、マイナンバーが記載された住民票を手に入れることができます。申請には発行手数料がかかる点に注意が必要です。マイナンバーカードや通知カードを持っている場合には、そちらで確認したほうがいいでしょう。

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マイナンバーの管理を適切に行おう

各種社会保険の手続きや年末調整の手続きには、アルバイトであってもマイナンバーが必要になります。マイナンバーの収集を行う際には、利用目的を明示し、マイナンバーの確認と本人確認を実施しましょう。

なかには、個人情報の流出への懸念など、さまざまな理由からマイナンバーの提出を拒否する従業員もいます。その場合には、丁寧に目的を明示し再度連絡するとともに、最終的に提出されない場合には拒否された経緯について記録を残しておく必要があります。

マイナンバーは個人に紐づけられた重要な番号です。企業としても、セキュリティの意識を高く持ち適切な管理を行いましょう。

よくある質問

アルバイトも勤務先へのマイナンバー提出は必須ですか?

企業は、アルバイトも含め自社の従業員からマイナンバーを収集する義務があります。しかし、従業員側の立場から考えれば、マイナンバーの提出は必須ではなく、提出を拒否することも可能です。詳しくはこちらをご覧ください。

マイナンバーの提出を拒否した場合、どうなりますか?

マイナンバーの提出拒否に罰則はありません。企業は、収集目的を明示して従業員の理解が得られるよう説明を行うとともに、再度提供を求め、それでも提出がない場合には、収集の経過を書類に残しておきましょう。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:加治 直樹(経営労務コンサルタント)

銀行に20年以上勤務し、融資融資から資産運用、年金相談まで幅広く相談業務の経験あり。中小企業の決算書の財務内容のアドバイス、資金調達における銀行対応までできるコンサルタント。退職後、かじ社会保険労務士事務所として独立。現在は行政で企業及び労働者の労働相談業務を行いながら、セミナー講師など幅広く活動中。

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