• 作成日 : 2022年12月2日

厚生年金における加給年金とは?もらえる条件や振替加算についても解説!

厚生年金における加給年金とは?もらえる条件や振替加算についても解説!

厚生年金保険加入者が年金を受給できることになったときに、条件により年金額が加算されることを知っていますか?年金に加算される額のことを「加給年金」「振替加算」といいます。これらは家族の構成や家族の年齢によって受給できる条件が決まっています。ここでは、加給年金の対象者や受給条件、振替加算との関係について詳しく解説します。

厚生年金における加給年金とは?

加給年金は、厚生年金保険の被保険者が特別支給の老齢厚生年金や65歳以降の老齢厚生年金を受給できるようになったときに、被保険者に生計を維持されている配偶者や子がいて受給要件を満たしているときに支給されます。

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加給年金の対象者は?

加給年金を受給するためには、本人の受給要件の他に、次の条件を満たす対象者がいないと受給することができません。

  • 被保険者が生計を維持している65歳未満の配偶者
  • 被保険者が生計を維持している18歳到達年度末までの子、または、1級・2級の障害のある20歳未満の子
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加給年金をもらえる条件

加給年金を受けられる条件は、以下の要件をすべて満たすことです。

  • 厚生年金保険の被保険者期間が20年(共済組合等の加入期間を除く厚生年金保険の被保険者期間が40歳(女性と船員・坑内員は35歳)以降15年から19年)以上あること
  • 厚生年金保険の被保険者が65歳到達時点(もしくは定額部分支給開始年齢到達時点)で、生計を維持している下記の配偶者または子がいるときに加算されます。
    • 65歳未満の配偶者
    • 18歳到達年度末までの子、または、1級・2級の障害のある20歳未満の子

生計を維持しているとは?

生計を維持しているとは次のような条件を満たしていることをいいます。

  • 同居していること。(ただし、別居していても仕送りをしているか、もしくは、健康保険の扶養親族である場合は条件を満たします)
  • 加給年金の対象になる者の前年年収が850万円未満であること、もしくは、所得が655万5千円未満であること

加給年金の金額は?

加給年金額は以下の通りです。

対象者加給年金額年齢制限
配偶者223,800円65歳未満であること
(大正15年4月1日以前に生まれた配偶者には
年齢制限はありません)
1人目・2人目の子各223,800円18歳到達年度末までの子
または1級・2級の障害状態にある20歳未満の子
3人目以降の子各74,600円18歳到達年度末までの子
または1級・2級の障害状態にある20歳未満の子

引用:加給年金額と振替加算|日本年金機構

配偶者加給年金額の特別加算額(令和4年4月から)

受給権者の生年月日特別加算額加給年金額の合計額
昭和9年4月2日から
昭和15年4月1日
33,100円256,900円
昭和15年4月2日から
昭和16年4月1日
66,000円289,800円
昭和16年4月2日から
昭和17年4月1日
99,100円322,900円
昭和17年4月2日から
昭和18年4月1日
132,100円355,900円
昭和18年4月2日以後165,100円388,900円

引用:加給年金額と振替加算|日本年金機構

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加給年金と振替加算の関係

夫(妻)が受給している老齢厚生年金や障害厚生年金に加算された加給年金の対象者である妻(夫)が65歳になると、夫(妻)に支給されていた加給年金額が打ち切りになります。このとき、妻(夫)が老齢基礎年金を受けられるときには、受給要件を満たせば妻(夫)の老齢基礎年金に加算が開始されます。これが振替加算です。

また、妻(夫)が65歳よりも後に老齢基礎年金の受給権が発生したときには、夫(妻)が受給している老齢厚生年金や障害厚生年金の加給年金の対象者でなくても、受給要件を満たしていれば妻(夫)の老齢基礎年金に振替加算分が加算されます。

老齢厚生年金の受給資格者に加算される加給年金は、配偶者が65歳になるとともに打ち切られ、配偶者の老齢基礎年金に振替加算として支給される関係にあるということになります。

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振替加算を適用できる条件

振替加算の対象となる妻(夫)は、通常、その妻(夫)が老齢基礎年金の受給資格を得た満65歳到達時において、その夫(妻)が受給中の年金の加給年金の対象になっていた人の中で、下記の条件を満たしている方です。

  1. 大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれていること
  2. 妻(夫)が老齢基礎年金以外に老齢厚生年金、退職共済年金を受給している場合は、厚生年金保険と共済組合等の加入期間が合計して30年未満であること
  3. 妻(夫)の共済組合等での加入期間を除いた厚生年金保険の35歳以降(夫は40歳以降)に加入していた期間が、次の表未満であること
 生年月日加入期間
1昭和22年4月1日以前180月(15年)
2昭和22年4月2日から
昭和23年4月1日
192月(16年)
3昭和23年4月2日から
昭和24年4月1日
204月(17年)
4昭和24年4月2日から
昭和25年4月1日
216月(18年)
5昭和25年4月2日から
昭和26年4月1日
228月(19年)

引用:加給年金額と振替加算|日本年金機構

振替加算はいくらもらえる?金額について

振替加算の額は、以下に示す表のように、昭和61年4月1日の時点で59歳以上(大正15年4月2日から昭和2年4月1日生まれ)の方については、配偶者加給年金額と同額である223,800円で、それ以後は年齢が低くなるにつれて減額し、昭和61年4月1日時点で20歳未満(昭和41年4月2日以後生まれ)の方はゼロになるように定められています。

配偶者の生年月日政令で定める率年額(円)月額(円)
昭和2年4月1日まで1.000223,80018,650
昭和2年4月2日から
昭和3年4月1日まで
0.973217,75718,146
昭和3年4月2日から
昭和4年4月1日まで
0.947211,93917,661
昭和4年4月2日から
昭和5年4月1日まで
0.92205,89617,158
昭和5年4月2日から
昭和6年4月1日まで
0.893199,85316,654
昭和6年4月2日から
昭和7年4月1日まで
0.867194,03516,169
昭和7年4月2日から
昭和8年4月1日まで
0.840187,99215,666
昭和8年4月2日から
昭和9年4月1日まで
0.813181,94915,162
昭和9年4月2日から
昭和10年4月1日まで
0.787176,13114,677
昭和10年4月2日から
昭和11年4月1日まで
0.760170,08814,174
昭和11年4月2日から
昭和12年4月1日まで
0.733164,04513,670
昭和12年4月2日から
昭和13年4月1日まで
0.707158,27713,185
昭和13年4月2日から
昭和14年4月1日まで
0.680152,18412,682
昭和14年4月2日から
昭和15年4月1日まで
0.653146,14112,178
昭和15年4月2日から
昭和16年4月1日まで
0.627140,32311,693
昭和16年4月2日から
昭和17年4月1日まで
0.600134,28011,190
昭和17年4月2日から
昭和18年4月1日まで
0.573128,23710,686
昭和18年4月2日から
昭和19年4月1日まで
0.547122,41910,201
昭和19年4月2日から
昭和20年4月1日まで
0.520116,3769,698
昭和20年4月2日から
昭和21年4月1日まで
0.493110,3339,194
昭和21年4月2日から
昭和22年4月1日まで
0.467104,5158,709
昭和22年4月2日から
昭和23年4月1日まで
0.44098,4728,206
昭和23年4月2日から
昭和24年4月1日まで
0.41392,4297,702
昭和24年4月2日から
昭和25年4月1日まで
0.38786,6117,217
昭和25年4月2日から
昭和26年4月1日まで
0.36080,5686,714
昭和26年4月2日から
昭和27年4月1日まで
0.33374,5256,210
昭和27年4月2日から
昭和28年4月1日まで
0.30768,7075,725
昭和28年4月2日から
昭和29年4月1日まで
0.28062,6645,222
昭和29年4月2日から
昭和30年4月1日まで
0.25356,6214,718
昭和30年4月2日から
昭和31年4月1日まで
0.22750,8034,233
昭和31年4月2日から
昭和32年4月1日まで
0.20044,7603,730
昭和32年4月2日から
昭和33年4月1日まで
0.17338,7173,226
昭和33年4月2日から
昭和34年4月1日まで
0.14732,8992,741
昭和34年4月2日から
昭和35年4月1日まで
0.12026,8562,238
昭和35年4月2日から
昭和36年4月1日まで
0.09320,8131,734
昭和36年4月2日から
昭和37年4月1日まで
0.06714,9951,249
昭和37年4月2日から
昭和38年4月1日まで
0.06714,9951,249
昭和38年4月2日から
昭和39年4月1日まで
0.06714,9951,249
昭和39年4月2日から
昭和40年4月1日まで
0.06714,9951,249
昭和40年4月2日から
昭和41年4月1日まで
0.06714,9951,249
昭和41年4月2日から

引用:加給年金額と振替加算|日本年金機構

加給年金の注意点!支給停止になることはある?

加給年金は、その対象になっている配偶者に老齢年金や障害年金の公的年金を受ける権利が発生した場合、もしくは、受けられるようになった場合に支払いが停止されます。具体的には、以下のような場合に支給停止になります。

配偶者に老齢年金や障害年金を受ける権利が発生した場合に支給停止になる年金

  • 厚生年金保険法の老齢厚生年金
  • 旧厚生年金保険法や旧船員保険法の老齢年金
  • 各種共済組合等の退職共済年金や退職年金

配偶者に老齢年金や障害年金を受ける権利が発生した場合に支給停止になる年金

  • 厚生年金保険法の障害厚生年金
  • 旧厚生年金保険法や旧船員保険法の障害年金
  • 国民年金法の障害基礎年金、旧国民年金法の障害年金
  • 各種共済組合等の障害共済年金や障害年金等

参考:老齢厚生年金を受けている方の配偶者が公的年金等を受けることになったとき|日本年金機構

加給年金や振替加算は積極的な情報収集を行いましょう

年金は、老後の主な収入源になるもので、自分がいくらもらえるのかを把握することは老後の生活を進める上で大切なことです。加入年金、振替加算ともにあまり聞きなれない言葉ですが、受給対象になる人にとっては通常の年金に上乗せされる重要な収入源です。積極的に情報収集を行って、受け取り損ねることがないように注意しましょう。

よくある質問

厚生年金における加給年金とは何ですか?

厚生年金保険の被保険者が、特別支給の老齢厚生年金、65歳以降の老齢厚生年金を受給できるようになったときに、被保険者に生計を維持されている配偶者や子がいて受給要件を満たしているときに支給される年金です。詳しくはこちらをご覧ください。

加給年金と振替加算の関係について教えてください。

老齢厚生年金の受給資格のある人に上乗せされる加給年金は、配偶者が65歳になると打ち切られますが、配偶者が受給の条件を満たした場合、配偶者自身の老齢基礎年金に振替加算として支給される関係にあります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:山本 務(特定社会保険労務士/AFP/2級FP技能士/日商簿記2級/第一種衛生管理者)

山本 務(特定社会保険労務士/AFP/2級FP技能士/日商簿記2級/第一種衛生管理者)
やまもと社会保険労務士事務所所長
大学卒業後、システム開発技術者、上場企業情報システム部&人事部を経て2016年に開業。
独立後も労働局の総合労働相談員として200件以上のあっせん事案に関与。労働相談は民間委託事業の電話相談も含めて1,000件以上の実績あり。
労務相談、就業規則、給与計算を中心に、各種手続きや労使問題対応など、外部人事部員として活動。システムのことも分かる社会保険労務士です。

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