• 更新日 : 2026年9月1日

育児休業給付金(育休手当)はいつ・いくらもらえる?条件や申請方法をわかりやすく解説

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Point育休手当はいくらもらえる?

育児休業給付金は、育休開始から180日間は給与の67%、181日目以降は50%が雇用保険から支給されます。

  • 受給には雇用保険加入と12ヶ月の就労実績が必要
  • 支給期間は原則子が1歳になるまで・延長も可能
  • 2025年4月から上乗せ給付金と延長手続きが変更

Q. 育休手当はいつ振り込まれる?

A. 2ヶ月分まとめて支給されるため、初回入金まで数ヶ月かかります。申請期限は育休開始から4ヶ月後の月末です。

育児休業給付金とは、育児休業を取得した従業員に雇用保険から支給されるお金のことです。育休手当とも呼ばれ、休業中の収入減を補う役割を持ちます。2025年4月からは出生後休業支援給付金など新しい給付金も加わり、制度全体が複雑になっています。本記事では、支給条件や金額の計算方法、申請の流れまでを整理して解説します。

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育児休業給付金とはどのような制度?

育児休業給付金とは、雇用保険の被保険者が1歳未満の子を養育するために育児休業を取得した際、休業中の生活を支えるために支給される給付金です。育休中は会社からの給与支払いが法律上義務付けられていないため、この給付金が実質的な収入源となります。

育児休業を取得した従業員への賃金支払いについては法律上の規定がなく、支払うかどうかは会社の裁量に委ねられています。無給になることで休業取得をためらう人が出ないよう、雇用保険から給付金を支給する仕組みが設けられました。

2025年4月に新設された関連給付金との違い

育児休業給付金以外に、出生時育児休業給付金・出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金の3つが「育児休業等給付」として整理されています。このうち出生後休業支援給付金と育児時短就業給付金は2025年4月1日に新設された制度です。

出生時育児休業給付金は産後パパ育休(後述)を取得した場合に支給される給付金で、育児休業給付金とは別枠で支給されます。出生後休業支援給付金は、両親がともに一定期間の休業を取得するなどの要件を満たした場合に、育児休業給付金・出生時育児休業給付金へ上乗せされる給付金です。育児時短就業給付金は、時短勤務によって賃金が下がった場合に支給される制度で、休業ではなく就業を続ける人が対象になる点が特徴です。

参考:育児休業等給付について|厚生労働省

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育児休業給付金の支給条件は?

育児休業給付金を受け取るには、育休前と育休中それぞれに定められた要件を満たす必要があります。パートや契約社員などの有期雇用者も、条件を満たせば対象になります。

育休前に満たすべき条件

育休開始前の条件は、雇用保険の加入実績と就労実績の2点です。

項目 内容
被保険者要件 雇用保険の被保険者で、1歳未満の子を養育する従業員であること
就労実績要件 育休開始日または産休開始日前の2年間に、11日以上働いた月が12ヶ月以上あること

2つ目の就労実績要件は、病気やけがで30日以上働けなかった期間がある場合、その分を延長して最長4年間まで遡って算定できます。

育休中に満たすべき条件

育休中は、賃金の支払状況と就業日数に関する要件があります。

項目 内容
賃金要件 育休中に支払われる賃金が休業前の8割未満であること
就業日数要件 支給単位期間(1ヶ月)ごとの就業日数が10日以下(超える場合は就業時間80時間以下)
有期雇用者の追加要件 子が1歳6ヶ月に達する日までに労働契約が満了することが明らかでないこと

賃金が8割未満かどうかは、休業開始前6ヶ月の月平均賃金と、休業後の支給単位期間(30日ごとに区切った期間)の賃金を比較して判定します。就業日数や賃金の管理は従業員自身が行う必要があるため、会社側も相談を受けた際に調整の助言をすると安心です。

支給対象とならないケース

雇用保険に未加入の自営業やフリーランスは、育児休業給付金の対象になりません。制度が雇用保険からの給付であるためです。

また、育休後に職場復帰しないことが決まっている人も対象外です。育休中に退職した場合、退職日まで育児休業給付金が支給されます。

参考:育児休業給付を受給中に離職した場合の取扱い変更及び通知について|厚生労働省

育児休業給付金はいくらもらえる?

育児休業給付金の支給額は、休業開始時賃金日額に支給日数を掛けて算出します。休業期間の前半と後半で給付率が異なる点がポイントです。

支給額の計算式

計算式は次のとおりです。

休業期間 計算式
育休開始から180日まで 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
育休開始から181日目以降 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 50%

休業開始時賃金日額は、申請時に提出する雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書をもとに、休業開始前6ヶ月の賃金合計を180日で割って算出します。この賃金には残業手当や通勤手当、住宅手当などが含まれ、手取り額ではなく総支給額で計算される点に注意してください。

支給額の上限・下限

育児休業給付金には支給額の上限額・下限額が設けられており、毎年8月に見直されます。したがって、最新の金額は厚生労働省の公表情報で都度確認するのが確実です。

参考:育児休業等給付について|厚生労働省

出生後休業支援給付金を合わせた場合の実質給付率

出生後休業支援給付金の要件を満たすと、育児休業給付金(給付率67%)に加えて賃金の13%相当が上乗せされます。これにより、休業開始から一定期間は実質的な手取り相当の給付が受けられる設計になっています。上乗せの対象となるのは、父母がともに一定日数以上の休業を取得するなどの要件を満たした場合に限られるため、詳細は厚生労働省の案内で確認するとよいでしょう。

育児休業給付金はいつからいつまでもらえる?

育児休業給付金は、審査を経てから支給されるため、休業開始後すぐには振り込まれません。支給期間は原則として子が1歳になるまでですが、要件を満たせば延長も可能です。

初回支給までの期間の目安

育児休業給付金は基本的に2ヶ月分をまとめて支給されるため、初回の入金までには数ヶ月かかると見込んでおく必要があります。母親の場合は産休期間(8週間)を経てから育休が始まるため、出産日から初回入金までの期間はさらに長くなる傾向があります。

なお、育児休業給付金の申請期限は育休開始日から4ヶ月経過後の月末までと定められており、期限を過ぎると申請が認められなくなるため注意が必要です。

支給期間と延長の条件

育児休業給付金は、原則として子が1歳になる誕生日の前日まで支給されます。子が1歳になる前に職場復帰した場合は、復帰日の前日までとなります。

一定の事由に該当する場合は、支給期間を延長できます。

延長できるケース 延長後の期間
保育所などに申し込んだが入所できない 1歳6ヶ月まで(要件継続で2歳まで再延長可)
養育予定者の死亡・けが・病気で養育が困難 1歳6ヶ月まで
離婚などで養育者と別居 1歳6ヶ月まで
新たな妊娠で産前産後休業に入る 1歳6ヶ月まで

上記の事由に該当しなくても、夫婦がともに育休を取得する「パパ・ママ育休プラス」を利用すれば、子が1歳2ヶ月になるまで育休を延長し、育児休業給付金を受け取れます。分割取得や、夫婦で別々の期間に取得することも可能です。実際に休業した日数分が支給対象となるため、休業期間を短縮した場合は支給期間も短くなります。

育児休業給付金は男性も受け取れる?

育児休業給付金は、性別に関係なく受給できます。育児休業は産前産後休業と異なり男性も取得できる制度であり、受給条件も女性と同じです。

男性の育休取得を後押しする目的で、子の出生後8週間以内に取得できる「産後パパ育休」や、育児休業を2回まで分割取得できる制度が設けられています。産後パパ育休を利用した場合は、育児休業給付金とは別に出生時育児休業給付金の対象になります。

育児休業給付金の申請方法は?

育児休業給付金の申請は、勤務先を通じてハローワークに書類を提出する流れが一般的です。申請は原則2ヶ月に1度行い、初回と2回目以降で必要書類が異なります。

STEP1:必要書類を準備する

初回申請では、受給資格の確認と支給申請を同時に行うのが一般的です。必要書類は次のとおりです。

区分 書類名
申請書類 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
申請書類 育児休業給付受給資格確認票
申請書類 育児休業給付金支給申請書
添付書類 賃金台帳・労働者名簿・出勤簿・タイムカードなど
添付書類 母子健康手帳など出産予定日・出産日を確認できるもの、振込先口座確認書類

雇用期間に定めがある場合には、上記に加えて雇用契約書が必要となります。

STEP2:ハローワークへ申請する

書類がそろったら、会社の事務所を管轄するハローワークへ提出します。申請者本人が直接申請することも可能ですが、賃金証明が必要になるため、会社が代行するケースが一般的です。

手続きの流れは、申請者が会社へ育休予定を伝え、必要資料を提出したうえで、会社がハローワークへ書類一式を提出するという順序になります。提出後は、ハローワークから受給確定通知と次回申請分の申請書が送られてきます。

STEP3:延長時に追加書類を提出する

延長を希望する場合は、初回と同じハローワークで延長申請を行います。申請時期は、延長する期間の直前の支給申請時、または1歳到達日を含む延長後の支給申請時のいずれかです。

延長理由に応じて、以下のような確認書類が追加で必要になります。

延長理由 必要な確認書類
保育所が見つからない 市区町村発行の証明書など
養育予定の配偶者の死亡 住民票の写しと母子健康手帳
養育予定の配偶者の疾病・負傷 医師の診断書
養育予定の配偶者との別居 住民票の写しと母子健康手帳
養育予定の配偶者の産前産後 産前産後に係る母子健康手帳

育児休業給付金の申請で注意すべき点は?

育児休業給付金の申請では、社会保険料の扱いや就業制限など、見落としやすいポイントがいくつかあります。担当者があらかじめ把握しておくことでトラブルを防げます。

社会保険料の取り扱い

育児休業給付金の受給中は、会社・本人負担分の社会保険料が免除されます。免除期間は保険料を納めたものとみなされるため、将来受け取る年金額には影響しません。

免除の対象となるのは、育休開始日の属する月から、育休終了日の翌日が属する月の前月までです。例えば1月20日に開始し11月5日に終了した場合、免除対象となるのは1月から10月までです。

就業日数・時間の制限

育児休業給付金を受給している間は、就業日数や時間に上限があります。支給単位期間中の就業日数が10日を超え、かつ就業時間が80時間を超えると、その期間の給付金は支給されません。

支給単位期間とは、育休開始日から起算した1ヶ月ごとの区切りを指します。就業実績は従業員本人が申告する必要があるため、育休中に一時的な就労を予定している場合は、事前に日数の上限を確認しておくと安心です。

有期雇用(パート・契約社員)の場合

パート・派遣・契約社員などの有期雇用者も、一定の要件を満たせば育児休業給付金を受給できます。有期雇用者特有の要件は「子が1歳6ヶ月に達するまでに労働契約が満了することが明らかでないこと」です。

以前は「引き続き雇用された期間が1年以上」という要件がありましたが、法改正により撤廃されています。雇用期間が1年未満の有期雇用者でも、無期雇用者と同様に育児休業や出生時育児休業を取得できる仕組みに変わっています。

2025年4月以降の延長手続きの厳格化

育児休業給付金は、2025年4月から受給延長手続きが厳格化されています。保育所への入所意思がないにもかかわらず申し込みを行うケースが増えていたことが背景にあります。

現行の確認書類(入所保留通知書・入所不承諾通知書など)に加えて、本人が記載する申告書と、市区町村への利用申込書の写しの提出が必要になりました。延長を予定している場合は、提出書類の増加を見込んで早めに準備を進めるとよいでしょう。

第一子・第二子で受給可否が変わるケース

育児休業給付金は第二子でも受給できますが、第一子の育休中に第二子を妊娠し、そのまま産休・育休へ移行する場合には、就労実績が不足して受給できないケースがある点に注意が必要です。

支給要件である「育休開始日前2年間に11日以上働いた月が12ヶ月以上」という条件は、やむを得ない事情がある場合に最長4年まで遡って算定できます。ただし、第一子の育休を2年以上取得している場合や、第一子の申請ですでに4年遡りのルールを適用している場合は、第二子の時点で就労実績が不足し、支給対象外となる可能性があります。

育児休業給付金の申請手続きで直面しやすい課題

育児休業給付金の申請には複数の書類提出や確認が必要であり、実務手続きにおいて負担を感じるケースは少なくありません。

マネーフォワード クラウドが実施した調査で、育児休業に関する一連の手続きの中で特に工数がかかる、または判断が難しい業務を尋ねたところ、最も多かったのは「育児休業給付金の申請書類作成と提出」で、43.2%でした。次いで「社会保険料免除(産休・育休中)に関する手続き」が42.3%となっています。

手続き負担を軽減するために求められる支援

また、同調査で今後の手続き負担を軽減するためにどのような支援が最も必要だと感じるか尋ねた結果、最も多かったのは「従業員への説明や個別試算にそのまま使えるテンプレート」で、35.6%でした。次いで「法改正に対応した規程改定の具体的なサンプル」が23.4%と続いています。

多くの担当者が、複雑な申請業務や従業員への説明工数を削減するために、そのまま活用できる実践的なテンプレートを求めていることがわかります。

出典:マネーフォワード クラウド、特に工数がかかる、または判断が難しい業務および手続き負担を軽減するために最も必要な支援【産休・育休に関する調査データ】(回答者:従業員の産休・育休に関する実務に主担当または管理職として携わっている674名、集計期間:2026年3月実施)

育児休業給付金の制度を理解し、正しく申請しよう

育児休業給付金は、育児休業中の収入を支える雇用保険の制度で、支給条件や金額、期間には細かなルールがあります。2025年4月からは出生後休業支援給付金などの関連給付も加わり、育休手当全体の仕組みはより複雑になっています。申請期限や必要書類を事前に確認し、延長を含めた手続きの流れを把握しておくことが、担当者にとっても従業員にとっても安心につながります。

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