• 更新日 : 2023年5月26日

休職証明書が必要なケースと書き方を解説(テンプレート付き)

従業員から休職証明書を書いてもらうよう求められたことはありませんか。どのような場面でどのように書くべきものでしょうか。この記事では、休職証明書が必要となるさまざまなケースと休職証明書の具体的な書き方について解説します。ひな型・テンプレートも用意しましたので、実際に休職証明書を作成する際にぜひこの記事を参考にしてください。

休職証明書とは?休業証明書との違い

休職証明書とは何でしょうか。休職証明書の性質や機能を明らかにして、作成の手続きの概要を見ていきます。

そもそも休職とは?

休職とは、主に従業員側の原因で従業員の就労が不可能または不適切な事由が生じた場合に、雇用契約そのものは維持しながら就労を免除または禁止することをいいます。

多くの会社では、就業規則でいくつかの種類の休職制度を定めています。業務外で負った病気やけがにより欠勤が長期に及ぶ場合の「傷病休職(病気休職)」、傷病以外で自己都合の欠勤が長期に及ぶ場合の「事故欠勤休職」、従業員の他社への出向期間中の「出向休職」、ほかに「起訴休職」「組合専従休職」などです。

休職中に給与が支払われるかどうかは就業規則次第です。しかし休職は主に従業員側に原因がある場合になされるので給与が支払われることは通常ありません。

参考:36協定とは?違反した場合の罰則や事例を解説
参考:休職制度と職場復帰|雇用関係紛争判例集|労働政策研究・研修機構

休職証明書とは?

一般的に休職証明書とは、主に私的事情により従業員が仕事を休んでいることを会社が証明する書類ということができます。

休職証明書の目的は大抵、休職中の従業員が求職中である事実を第三者に申し出ることによって、休職中の生活を助けるなどの何らかの利益を第三者の提出先から得ることにあります。

したがって休職証明書の手続きは従業員の意思によって始まるのが通常で、休職証明書を書いてもらうことを従業員が会社に対して申請するのが原則です。会社はそれに応えて会社が主体となり休職証明書を作成します。そして作成された休職証明書を従業員は受け取って、自ら第三者の提出先に提出するのが一連の手続きの流れの原則です。

休業証明書との違い

休職に似た言葉に休業があります。休職は主に従業員の個人的事情によるため、就業規則などに基づく使用者の労働者に対する処分するという性格が強いです。一方休業は会社側の都合によっていたり、従業員側の都合であっても法律に基づいて請求できるものであったりするため、労働者による権利行使としての性格が強いです。それゆえ原則給与の支払いがない休職と異なり、休業の場合には部分的であれ通常給与が支払われます。

休職と休業の違いに応じて、休職証明書と休業証明書の記載内容も違ってきます。

休職証明書・休業証明書とも労働者が当面就労できないことを証明することには変わりがありません。しかし休職証明書では従業員の個人的な理由や状況が通常記載されるのに対し、休業証明書では会社側が就労させられない理由や状況を記載することもあります。

ただし実務上「休職証明書」と「休業証明書」の範囲が厳格に区別されているとはいえません。ここでも育児休業で用いられる「休業証明書」なども休職証明書の一つとして取り上げます。

休職証明書の作成方法や提出先

休職証明書はどこで発行されるのでしょうか。また書式を準備するのはどこでしょうか。

休職証明書は、従業員の求めに応じて会社が作成する文書でした。したがって休職証明書は会社または会社の機関の名で発行される書類です。書式については、会社が準備しているものを用いる場合、会社に準備がなく従業員自身が作成する場合、提出先が準備するものを用いる場合があります。会社が持つ書式以外の場合は、通例従業員は申請の際、書式を提出する必要があります。

会社が作成した休職証明書を第三者に提出するのは原則従業員本人ですが、休職証明書の種類によっては会社が提出することもあるので注意して下さい。

提出先としては、交通事故に遭った場合の保険会社、育児休業給付を受ける場合のハローワーク、奨学金返還猶予を申請する場合の日本学生支援機構などが挙げられます。

参考:休業証明書とは?書き方や請求できる休業損害の金額について詳しく解説|アディーレ法律事務所

診断書は必要か

  1. 休職証明書を求める前提の会社への休職申請の際に診断書が必要か
  2. 休職証明書の提出先に対し診断書を添付する必要があるか

という2点が問題です。

まず会社への休職申請の際、病気やけがが原因である場合には会社は通常その証明として診断書を求めます。就業規則により義務づけていることも多いでしょう。産休や育児休暇の場合も会社は診断書で事実を確認できます。

次に休職証明書への診断書の添付の必要性です。

交通事故に遭った場合に保険会社に提出する「休業損害証明書」の提出に診断書の添付は必須ではありませんが、添付が請求に有利になることがあります。

育児休業給付金申請に休業証明書が必要になる場合がありますが、同時に診断書を求められることは通常ありません。

日本学生支援機構にけがや病気による奨学金の返還猶予を求める場合には、休職証明書とともに診断書を提出することが必要です。

参考:傷病(一般猶予の申請事由)|日本学生支援機構

休職証明書が必要な事例・ケース

すでに簡単に触れた部分もありますが、休職証明書が必要となる主な事例・ケースを取り上げます。

一般的にいって休職証明書が必要となるのは、休職証明書により休職の事実を明らかにすることで第三者から何らかの給付・利益を得られる事情がある場合です。以下具体的に見ていきます。

産休(産前産後休業)の申請自体に休職証明書は通常必要とされませんが、育児休暇取得の場合には「育児休業給付金支給申請書」などに併せ、休業証明書を会社が作成してハローワークに提出する場合があります。ここで従業員がふつう関与しません。

産休や育児休暇の間に子どもを保育園に預ける場合に産前産後または育児の「休業証明書」を自治体に提出することがあります。また産休育休期間中の奨学金返還猶予などの措置を申請する場合に、日本学生支援機構に産前産後または育児の「休業証明書」を提出します。これらは従業員の求めで会社が作成しますが、提出するのは従業員本人です。

日本学生支援機構の奨学金返還猶予などの措置は産休育休以外の休職でも申請でき、その場合には「休職証明書」を提出します。

通常の病気やけがによる休職で傷病手当金や労災休業補償給付を申請するのに休職証明書は必要とされません。しかし交通事故によるけがで加害者側の保険会社に休業損害金を請求する際「休業損害証明書」が必要です。書式は通例保険会社から従業員に送られてくるので、この書式に会社が記入し従業員が保険会社に提出します。

参考:育児休業給付の申請時の必要書類|ハローワーク飯田橋
参考:産前休業・産後休業および育児休業(一般猶予の申請事由)|日本学生支援機構

休職証明書の作成に必要な情報

休職証明書を作成するにあたって必要となる情報とは何でしょうか。日本学生支援機構に提出する休職証明書と交通事故で相手方保険会社に提出する「休業損害証明書」を例に取り、項目を挙げ解説し、必要な情報を揃えるために準備すべき書類についても触れます。これ以外の休職証明書でも項目は類似しています。

参考:休職証明書(返還期限猶予・減額返還申請用)|日本学生支援機構
参考:休業損害証明書の記載項目|三井住友海上

基本情報

交通事故の損害金請求のための「休業損害証明書」で求められる基本情報は、

  • 氏名・職名・採用日・記入日・会社名・会社所在地

です。

日本学生支援機構に提出する休職証明書の場合には、

  • 氏名・住所・生年月日・職名・記入日・会社名・会社所在地・記入者の役職と氏名

と、住所・生年月日が加わり、会社名だけでない実際の記入者の事項が加わります。

これらの記入は正確性に留意すれば、難しいことはないでしょう。

休職理由

日本学生支援機構の休職証明書では「休職理由」は重要な情報です。なぜなら、やむを得ない休職であるかどうかを基礎づけることになるからです。

休職理由は病気・けがであることがもっとも一般的ですが、その場合、休職願ととも従業員が提出した診断書が確認の資料になります。

休職期間・休職中の給与など

日本学生支援機構の休職証明書では、

  • 休職期間・休職中の給与

の記入が求められ、保険会社に対する「休業損害証明書」では、

  • 休職期間使った休暇の種類・休職中の給与・休職前の給与・休業補償給付及び傷病手当金給付の有無

と記入項目が加わっています。

休職期間・休暇の種類・休職中休職前の給与に関する事項は、従業員の提出した休職届や会社の持つ出勤簿や賃金台帳などをもとに記入することになります。

休業補償給付や傷病手当金については従業員が受け取った支給決定通知書などを確認するのがよいでしょう。

休職証明書のひな型・テンプレート

休職証明書の書式は、提出先が準備する場合と会社または従業員本人が準備する場合があります。提出先のテンプレートについては、提出先がネットで公開していることもあります。以下のリンクなどを参照してください。

参考:休職証明書(返還期限猶予・減額返還申請用)|日本学生支援機構
参考:休業損害証明書の記載項目|三井住友海上

会社または従業員が作成する場合、必要な情報を記入できれば任意の形式の書式で構いません。しかし準備がこれからの場合、一から作るのはやはり大変でしょう。「マネーフォワード クラウド給与」では、実務に適したひな型・テンプレートを無料でダウンロードできます。休職証明書を作成する際は、ぜひマネーフォワードのひな型・テンプレートをご利用ください。

休職証明書の書き方

どのような点に注意しながら会社は休職証明書を作成すればよいでしょうか。書き方と注意点を解説します。

休職証明書

_______________殿

氏名
住所
職名
休職理由
休職期間   休職開始日        年     月     日
   休職終了日        年     月     日
休職中の給与全額支給  ・  一部支給  ・  無支給

給与支払月額_________________円

                    記入日       年    月    日

会社所在地

会社名                印

まず全般にわたって何よりも正確な内容で記載することが求められます。必要な情報を確認できる資料を準備し、それに基づいて誤りなく記入をすることが重要になります。

また会社は休職証明書に記載すべき内容について不明点があれば、提出先とも直接連絡を取るなどして、不要な書類の往復のないよう従業員のスムーズな手続きをサポートできるとよいでしょう。

特に注意が必要な項目としては、休職期間と休職理由が挙げられます。

休職期間については、休職の終了日が未定の場合もあります。その場合は未定と記載してもよいですが、おおよその予定がわかる場合には「予定」と明記して予定の終了日を記載するのが従業員にとっても提出先にとっても、ある程度将来が見込めて便宜です。

記入例

休職期間   休職開始日        〇 年      〇 月     〇 日
   休職終了日        〇 年      〇 月     〇 日 予定

終了日が確定しておらず予定日である。

休職理由については具体性・説得性と従業員のプライバシーとのバランスを考慮しなければなりません。例えば奨学金返還猶予の申請で確実に返還猶予を認められるためには、会社がある程度具体的で説得的な理由な記入をした方がよいといえます。他方で病気やけがが理由の場合、病名や病状・経過まで触れるか否かは従業員のプライバシーに関わるので、事前に本人に確認するのが適切でしょう。

具体的・説得的な記入例

休職理由〇〇病により通院治療と自宅安静を必要としているため

プライバシーに配慮した記入例

休職理由病気療養中のため

休職証明書の作成は大切な従業員のため

従業員が休職をするのはけっして身勝手な都合ではなく、やむにやまれぬ事情である場合が多いでしょう。その苦しい状況で、何らかの救済手段を引き出すために休職証明書を必要とする場面があります。大切な従業員をバックアップし復職を一日でも早めるためにも、従業員の求めがあれば休職証明書を円滑に作成することが結局は会社にとっても利益になるのではないでしょうか。

正確で従業員のニーズに合う休職証明書の作成方法を知ってぜひ実務に活かしましょう。まずはマネーフォワード クラウド給与の休職証明書のテンプレートをダウンロードしてみてください。

よくある質問

休職証明書とは何ですか?

休職証明書とは、従業員が主に私的事情により仕事を休んでいることを証明するための書類で、従業員の求めに応じて会社が作成して従業員本人が第三者の提出先に提出するものです。詳しくはこちらをご覧ください。

休職証明書の作成に診断書は必要ですか?

病気やけがによる休職の場合、休職証明書の前提となる休職のために通常会社は従業員に診断書の提出を求めます。休職証明書の種類によっては、休職証明書の提出先に従業員が診断書を同時に提出することもあります。詳しくはこちらをご覧ください。


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