• 更新日 : 2024年9月6日

入社式とは?内容や開催時期および準備することを解説!

入社式は新入社員を歓迎し、新たな職場でのスタートを祝福する特別な式典です。この重要なイベントの成功には、準備と計画が欠かせません。本記事では、入社式の内容や開催時期、参加者と企業のための準備事項について詳しく解説します。

入社式とは

あらためて「入社式」とは何か、確認しておきましょう。ここでは、内定式との相違、そして入社式の目的について考えてみます。

内定式との違い

入社式と内定式は、新入社員を迎える際の異なる行事です。まず、内定式とは、内定者を祝福し、正式な入社前の儀式です。多くの場合、学生が大学や専門学校を卒業し、企業から内定をもらった際に開催され、個々の内定者に対して合格のお祝いや歓迎の言葉が贈られます。仕事へのモチベーションを高めることが期待されるとともに、企業と内定者との最初の接点を築く機会にもなっています。

一方、入社式は内定者が実際に正式な社員として入社する際に行われる儀式です。入社式は内定式とは異なり、新入社員が企業に実際に入社し、従業員としての地位を取得する瞬間を祝うものです。それまで始期付の雇用契約であった内定から、始期付が取れて正式な雇用契約が成立する重要なステップでもあります。

入社式の目的

入社式の主な目的としては、次の3つを挙げることができるでしょう。

① 歓迎と帰属感の提供

入社式は新入社員を歓迎し、組織への帰属感を醸成する場です。新入社員にとって、自分が一員として受け入れられる瞬間を経験し、組織への熱意や忠誠心を高めます。

② 企業文化の紹介

入社式は企業の文化や価値観を伝える機会でもあります。トップマネジメントや先輩社員からのスピーチやメッセージを通じて、新入社員に企業の理念や期待を説明し、共有します。

③ 社員同士の交流促進

入社式は新入社員同士が初めて顔を合わせる場でもあり、同期や上司、先輩社員とのコミュニケーションを始める契機となります。社員同士の交流促進は、今後の協力やチームワークの基盤を築くうえで重要な役割を担います。

入社式は新入社員にとって特別な日であり、企業としても大切な機会です。それゆえ、準備や実施には十分な検討が必要であり、成功に向けた計画が必要です。

入社式の一般的な内容

入社式は、どのような流れで行われるのか、ここでは一般的な事例を踏まえて、内容を詳しく紹介していきます。

代表者挨拶

入社式における代表者挨拶は、新入社員にとって重要な意味を持ちます。挨拶は通常、企業のトップマネジメントや経営陣の代表者によって行われます。代表者挨拶の一般的な内容は以下の通りです。

① 歓迎と祝福

代表者は新入社員を歓迎するとともに、組織に加わることを喜びとし、入社を祝福します。これは新入社員に対するポジティブな姿勢を伝える意味を持ちます。

② 企業のビジョンと文化

代表者は企業のビジョン、使命、および文化について説明します。これにより、新入社員に組織の方向性と価値観を伝え、共感を促します。

③ 新入社員への期待

代表者は新入社員に対して期待していることや彼らの役割を伝えます。新入社員が自分の役割を理解し、今後、目標達成に向けて努力する際の支えになります。

④ 励ましと激励

最後に、代表者は新入社員に成功への励ましの言葉を述べ、共感とモチベーションを高めます。代表者の励ましと激励は、新入社員にとって印象深い瞬間であり、組織への熱意を鼓舞する役割を果たします。

入社辞令の交付

入社式における入社辞令の交付は、新入社員が正式な社員としての地位を取得する瞬間です。入社辞令には以下の一般的な内容が含まれます。

① 名前と所属部署

入社辞令には新入社員の名前と所属部署が記載されます。これにより、新入社員は自分の役割と責任を明確に理解し、入社後、周囲とのコミュニケーションが円滑に行えるようになります。

② 契約条件と規則

入社辞令には雇用契約の条件や試用期間などの規則に関する情報が含まれます。これにより、新入社員は雇用条件や組織内でのルールについて正確な情報を持つことができます。

③ 誓約と期待

入社辞令は新入社員に対する企業側からの信頼を示すものでもあり、新入社員に対して期待される業績へのコミットメントを促します。新入社員はこの誓約を大切にし、仕事に対する責任感を高めることが期待されます。

新入社員の挨拶

入社式において、新入社員の挨拶は重要な構成要素の一つです。通常、代表者挨拶の後、新入社員代表が挨拶を行います。一般的には以下のような内容が含まれています。

① 自己紹介

新入社員代表は自己紹介を行い、自分の名前、出身大学や専門学校、配属部署などを紹介します。

② 感謝の意

新入社員代表は企業や上司、先輩社員、同期との協力に感謝の意を表現します。また、入社に対する喜びや期待を述べます。

③ 目標と決意

新入社員代表は、入社後の目標や抱負、仕事への取り組みについて語ります。これにより、新入社員同士や上司・先輩社員との共感と連帯感が生まれます。

集合写真の撮影

入社式では、新入社員と関係者が集合写真を撮影することが一般的です。この写真は会社の歴史の一部として残り、組織全体の一体感を高めるのに役立ちます。一般的な集合写真の撮影に関するポイントは以下の通りです。

① 時間と場所

集合写真は通常、入社式の終了後に行われます。撮影場所は屋内の会場や企業のエンブレムがある場所が選ばれます。

② フォーマルな構図

集合写真はフォーマルなスタイルで撮影され、新入社員や関係者は整然と並び、笑顔でポーズをとります。通常、経営陣や特別なゲストも参加し、全体の一体感を表現します。

③ 撮影の保存と利用

集合写真は企業の記録として保存され、社内報やウェブサイト、広報資料などで使用されることがあります。また、新入社員や関係者にも記念品の一つとして配布されます。

懇親会

入社式の後、通常は懇親会が開催されます。懇親会は新入社員、上司、先輩社員、関係者がリラックスし、交流を深める場としての役割を果たします。ポイントとしては、一般的に以下のようなことが挙げられるでしょう。

① 会場と食事

懇親会は外部のレストランやホテル、または企業内の食堂で開催されます。食事や飲み物が提供され、参加者は和やかな雰囲気で会話を楽しむことができます。

② 挨拶と歓談

上司や先輩社員、新入社員代表などからの挨拶が行われ、社内外の交流が促進されます。参加者はお互いに親しみを深め、チームワークを醸成する機会となります。

③ ゲームやエンターテイメント

懇親会では、ゲームやエンターテイメントが行われ、参加者が楽しむことができます。これにより、リラックスした雰囲気でコミュニケーションを図ることができます。

入社式への参加者が準備すること

入社式への参加をスムーズかつ円滑に行うためには、事前に必要な準備を行うことが大切です。提出書類を忘れず、時間通りに会場に到着して特別な日をより素晴らしいものにしましょう。

時間・場所・訪問経路の確認

入社式への参加者が準備する際、時間・場所・訪問経路の確認について注意すべきポイントは次の通りです。

① 時間の確認

参加者は入社式の日時を確認し、早めに会場に到着できるように計画します。遅刻を避けるために、交通手段や所要時間を考慮しましょう。

② 会場の場所の確認

入社式の会場の場所を確認し、地図やナビゲーションアプリを活用して、会場にスムーズにアクセスできるようにします。

③ 訪問経路のチェック

会場への訪問経路を事前にチェックし、渋滞情報も調べておきます。公共交通機関を利用する場合、電車やバスの時刻表も確認します。万が一の場合に備え、代替経路についても調べておくとよいでしょう。

④ 駐車場情報

自家用車で参加する場合、会場周辺の駐車場情報を調べ、駐車場の利用料金やスペースの有無を確認します。

各種提出書類

入社式に参加する際に必要な各種提出書類についての確認と準備をしておく必要があります。

1.一般的な提出書類

  • 健康診断書
  • 基礎年金番号通知書
  • マイナンバー
  • 雇用契約書
  • 給与振込先届出書
  • 各種手当支給届出書
  • 扶養控除等申告書
  • 健康保険被扶養者(異動)届(家族を扶養している場合のみ)

2.場合によっては必要になる書類

  • 成績証明書(新卒の場合)
  • 卒業(見込み)証明書(新卒の場合)
  • 身元保証書
  • 資格や免許などの証明書類
  • 住民票記載事項証明書

入社式について企業が準備すること

新入社員を迎える企業が入社式の開催に際し、どのような準備をしなければならないのでしょうか。その流れを詳細に確認していきます。

日程調整

入社式を成功させるために、企業は以下のステップで日程調整を行います。

① 開催日の決定

まず、入社式の開催日を決定します。通常、入社者の勤務開始日に近い日に設定されますが、企業のスケジュールやカレンダーと調整する必要があります。

② 時間の設定

入社式の開始時間と終了予定時刻を設定します。これには、参加者の通勤時間や会場の予約状況を考慮します。

③ 参加者のスケジュール調整

企業の役員、講演者、新入社員など、関係者のスケジュールを調整し、確認します。可能な限り、全員が出席可能な日程を選択します。

会場の決定・予約

入社式の成功には適切な会場の選定と予約が欠かせません。

① 会場の選定

会場は参加者数や式典の規模に合わせて選定されます。室内、屋外、ホテル、カンファレンスセンター、企業内の施設など、適切な場所を選びます。

② 会場予約

選定した会場の予約を行います。入社式の日程に関連して、会場の利用可能性を確認し、必要な手続きを進めます。

③ 会場装飾

会場の装飾やセッティングも計画します。企業のロゴやテーマに合ったデザインや装飾を考え、会場を新入社員と参加者にとって特別な場所に仕立てます。

④ 音響・映像設備

音響や映像設備の手配も重要です。プレゼンテーションやスピーチが明瞭に聞こえ、プログラムがスムーズに進行するように確保します。

プログラム表・進行表の作成

入社式のスムーズな進行を確保するために、プログラム表と進行表の作成が必要です。

① プログラム表作成

入社式のプログラム表は、イベントの流れやスケジュールを記載したものです。挨拶、入社辞令交付、新入社員の挨拶、集合写真撮影、懇親会など、すべての要素が含まれます。

② 進行表作成

進行表は詳細なスケジュールを示し、各プログラムの時間配分や担当者、特別な注記を記載します。これにより、司会者や進行役がスムーズに進行することができます。

③ スピーチやプレゼンテーションの調整

スピーチやプレゼンテーションの担当者に対して、スピーチ時間や内容、プレゼンテーションのフォーマットなどの調整を行います。

④ 最終確認

プログラム表と進行表の最終確認をします。記載されている時間のほか、役員や講演者などの氏名に誤りがないか、しっかりとチェックしておくことが大切です。

⑤ タイムキーパーの指定

プログラムの時間配分を管理するために、タイムキーパーを指定します。タイムキーパーは各プログラムの制限時間を守り、進行表通りにイベントが進行するのを確認します。

⑥ 予備プランの作成

予期せぬトラブルや遅延に備えて、予備のプランを作成します。例えば、天候による屋外イベントの中止時の代替プランや、技術的な問題に対する対応策を用意しておくことが重要です。

⑦ 司会者や進行役の準備

司会者や進行役に、プログラム表や進行表を提供し、彼らが進行をスムーズにコントロールできるようにサポートします。彼らに特に配慮してほしい事項を伝えるほか、リハーサルも行います。

配布資料の準備

入社式において、イベントの円滑な進行のほか、新入社員や関係者に大切な情報を提供するため、参加者に配布する資料を準備する必要があります。

① プログラム

入社式のプログラムには、入社式のスケジュールの詳細が記載されています。これにより、参加者はイベントの流れを把握することができます。

② 会社案内資料

企業の概要やビジョン、組織構造、福利厚生、制度、文化などを記載した会社案内は、内定式の時点ですでに新入社員には配布していると思われますが、新しい年度のものをあらためて配布するべきでしょう。

③ 会場案内図

入社式の会場案内図は、参加者が会場内を迷わずに移動できるように役立ちます。重要な場所や施設の位置を記載します。

④ 礼状やカード

参加者への感謝の意を表す礼状やカードも配布し、参加者への感謝と歓迎の気持ちを伝えます。

内定者への連絡

入社式に向けて、内定者への適切な連絡が欠かせません。以下のような事項がポイントとなります。

① 日程と詳細の通知

内定者に対して、入社式の日程、場所、時間、アクセス方法、持ち物などの詳細情報を提供します。これにより、内定者は出席の準備を進めることができます。

② 出席確認

内定者に対して出席確認を行います。予想される出席者数を確認し、会場や食事の準備を調整します。

③ 服装と持ち物の指示

内定者に適切な服装や持ち物について指示します。フォーマルな場に相応しい服装や、プログラムや身分証明書の持参を促します。

④ 参加者リストの作成

内定者の出欠状況を踏まえ、出席者リストを作成します。これにより、受付や席次表の作成、名札の準備がスムーズに行えます。

⑤ 最終確認と念押し

入社式前に内定者に最終確認と念押しのメッセージを送ります。プログラムの変更など、重要な注意事項などを伝え、情報を共有します。

オンライン入社式の場合、企業は何を準備すればよい?

新型コロナの影響によって、オンライン入社式を導入する企業が増えました。新型コロナが沈静化後は、多くの企業は対面による入社式を開催するようになりましたが、インフルエンザの流行をはじめ、他の感染症などによってオンラインによる対応が必要になるケースも想定できます。こうした場合、企業として何を準備すればよいのか、あらためて整理しておきます。

ネット環境やオンラインツールの整備

オンライン入社式を実施する場合、適切なネット環境とオンラインツールの整備が不可欠です。

① ネット環境の整備

参加者と企業双方が安定したインターネット接続を確保することが重要です。会場や自宅からの参加者がいる場合、高速で信頼性のあるインターネット接続が必要です。

② オンライン会議ツールの選定

適切なオンライン会議ツールを選びます。有名なツールにはZoom、Microsoft Teams、Google Meetなどがあります。ツールの使い方や設定について、参加者にわかりやすく指示を提供します。

③ サポート体制の整備

オンライン入社式では、技術的なトラブルが発生する可能性があるため、サポート体制を整えます。テクニカルサポート担当者を配置し、参加者からの問題に迅速に対応できるようにします。

リハーサルを行う

オンライン入社式の成功に向けて、リハーサルは欠かせません。

① プレゼンターや司会者のリハーサル

プレゼンターや司会者はスピーチやプレゼンテーションのリハーサルを行います。オンライン環境での発表方法や画面共有の操作、スムーズな進行に慣れるための練習を行います。

② 参加者のテスト

参加者にオンラインツールへのアクセスや使い方を練習する機会を提供します。参加者がスムーズに入場できるように、事前にテスト会話を行い、問題があれば解決します。

③ 進行表の確認

プログラム表や進行表をリハーサルで確認し、タイムキーパーや進行役がスケジュールを守れるように調整します。

記念品等の事前送付

オンライン入社式においては、記念品や関連資料を事前に参加者に送付することがあります。

① 記念品の送付

入社式の記念品などを参加者に事前に送付します。これにより、入社を祝福し、感謝の気持ちを伝えます。例えば、カスタム記念品、企業のロゴ入りのアイテム、お祝いのカードなどが考えられます。

② イベント関連資料

プログラムや会社案内資料など、入社式に関連する資料をオンライン形式で事前に参加者に送信します。これにより、参加者が事前に情報を確認し、イベントをより楽しむことができます。

③ オンラインツールの使い方やトラブルシューティングのガイド

技術ガイド参加者にはオンラインツールの使い方やトラブルシューティングのガイドを提供します。オンライン環境でのスムーズな参加には不可欠であり、参加者には事前にしっかり読んでもらうことを促します。

入社式の開催時期はいつ?

新卒入社式の一般的な開催時期は、日本の企業において共通の傾向があります。新卒入社式は通常、日本の学校制度に合わせて、4月に開催されることが一般的です。

しかしながら、最近では、海外の大学に留学後に入社する新入社員に配慮し、4月入社とは別に留学生が卒業する5月あるいは6月を踏まえ、10月に入社式をする企業もみられるようになりました。

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入社式を成功させよう!準備と協力が大切!

入社式は新入社員への温かい歓迎と、彼らが新しいチャプターにスムーズに移行できるようにするための重要なイベントです。企業側の適切な準備と計画が、式典の円滑な進行と参加者の満足度につながります。新入社員と企業の両者が、この特別な日の式典の成功に向けて協力することが大切です。


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