• 作成日 : 2022年4月22日

求職者給付とは?受給条件やメリットを解説!

求職者給付とは?受給条件やメリットを解説!

失業すると雇用保険から失業等給付を受けることができます。基本手当は一般的に失業手当と呼ばれる給付で、労働者が雇用保険に加入していたときの給料から計算される基本手当日額が、加入期間に応じた一定の日数分、受け取れます。コロナの影響で失業した場合には特例の対象となり、待機期間がなく受給がすぐにできるメリットがあります。

求職者給付とは?

労働者が失業したり雇用の継続が難しくなったりした場合に、雇用保険は失業等給付を行います。求職者給付は失業等給付のひとつで、ほかには就職促進給付・教育訓練給付・雇用継続給付があります。

雇用保険から受けられる給付全般については、こちらの記事を参照してください。

求職者給付の役割と目的

求職者給付は、雇用保険の失業等給付のひとつで、失業した労働者に対して行われる給付です。失業によって収入を失った雇用保険被保険者であった者の、生活の安定とできるだけ早い再就職の支援を目的とした給付金制度です。被保険者別に、以下の手当があります。

求職者給付一般被保険者に対する求職者給付基本手当
技能習得手当
1.受講手当
2.通所手当
寄宿手当
傷病手当
高年齢被保険者に対する求職者給付高年齢求職者給付金
短期雇用特例被保険者に対する求職者給付特例一時金
日雇労働被保険者に対する求職者給付日雇労働求職者給付金

求職者給付と失業手当の関係

一般保険者に対する求職者給付のなかで、基本手当はもっとも代表的な給付です。失業して休職中である人に対して、被保険者であった期間や給料額に応じた手当額が支払われます。

基本手当は一般的に失業手当と呼ばれます。そのため失業手当は求職者給付のひとつだということになります。

求職者給付と就職促進給付の違い

求職者給付も就職促進給付も雇用保険の失業等給付として、失業した求職者に対して行われる給付です。

そのなかで求職者給付は、失業者の生活の安定と再就職活動の支援を目的に行われ、一般被保険者に対する求職者給付のひとつである基本手当が、失業手当としてよく知られています。

一方、就職促進給付は、再就職を支援するために行われる給付で、基本手当(失業手当)受給期間を残して早期に再就職した場合に受給対象になる再就職手当が、就職促進給付の代表的な給付になります。

求職者給付のメリット

雇用保険は、雇用されて働く人の生活の安定と雇用の促進と目的とした、社会保険制度です。雇用保険適用事業所に働く人を被保険者とし、雇用保険料は被保険者と事業主がそれぞれの負担分を支払います。雇用保険の求職者給付は、失業した労働者が安定した生活を送ることができ、早期の再就職に向けて求職活動ができるよう、支援する制度です。求職者給付を受給することで失業者は安心して再就職に向け、安定した生活を送りながら就職活動をすることができます。

求職者給付の受給要件

一般被保険者の求職者給付として基本手当(失業手当)を受けるためには、次の受給要件を満たしていることが必要です。

1.離職の日以前の2年間に、12ヵ月以上の被保険者期間があること
離職の日から1ヵ月ごとに区切った期間のうち、賃金支払の基礎となった日が11日以上ある月を被保険者期間1ヵ月とします。通算して12ヵ月以上の被保険者期間があればよく、継続している必要はありません。また、2020年8月1日以降の離職者については、賃金支払の基礎となった時間数が80時間以上の月を1ヵ月とすることができます。

2.失業状態にあること
「失業の状態」とは、①就職しようとする意思があること、②就職できる能力があること、③仕事を探しているにもかかわらず、職業に就けないこと、のすべてを満たす状態のことです。ハローワークで情報を収集したり相談したりといった、求職活動を積極的に行う努力が求められます。病気やケガの療養中であったり、失業が出産・育児のためであったり、結婚や定年退職による失業で当分の間は働く意志がないときなどは、失業手当を受給することはできません。

ただしひとつめの「離職の日以前の2年間に、12ヵ月以上の被保険者期間があること」の条件については、倒産や解雇などを理由とする離職者は「特定受給資格者」、有期の労働契約が更改されないといったやむを得ない理由での離職者は「特定理由資格者」として、離職の日以前の1年間に6ヵ月以上の被保険者期間が通算であれば受給要件を満たすとされます。

求職者給付はいつからもらえる?

求職者給付は、ハローワークに求職の申込みをすることで、受給できるようになります。求職申込みは離職日の翌日以降に、離職時に事業主から交付された離職票を提出して行います。基本手当(失業手当)は求職申込み後の待機期間、さらに給付制限がある場合は制限期間経過後に給付されます。

求職者給付の受給までの流れは、以下の通りです。

離職

求職の申込み 離職日の翌日以降

待機期間 7日間

給付制限 2ヵ月間か3ヵ月間

受給

待機期間とは?

基本手当(失業手当)受給には、求職申込みをしてから失業状態が継続していることが必要で、その確認のために設けられているのが「待機期間」です。待機期間は7日間とされていて、この間は基本手当(失業手当)の給付は行われません。

給付制限期間とは?

「給付制限期間」は、自己都合や懲戒解雇で離職した場合に設けられている、基本手当(失業手当)が給付されない期間です。自己都合の場合は、5年間のうち2回までが2ヵ月間、3回目以降は3ヵ月が給付制限期間とされています。懲戒解雇の場合は、一律で3ヵ月間です。

求職者給付でもらえる金額は?

求職者給付のうち、基本手当は、事業主から離職前に支給されていた賃金の日額を離職時の年齢によって調整したうえで1日の基本手当日額を算定します。支給期間は、雇用保険の加入期間と年齢よって決定されます。

基本手当日額は、賃金日額に給付率をかけて求められる、1日あたりの給付額で、以下の計算式で求められます。

賃金日額=離職日以前6ヵ月の毎月一定額が支払われた賃金の合計/180
基本手当日額=賃金日額×給付率

給付率は50~80%で、賃金が多い場合は低く、賃金が少ない場合は低くなっています。

年齢・被保険者であった期間による給付日数は、以下の表の通りです。

特定受給資格者・一部の特定理由離職者

被保険者であった期間
1年未満1年以上5年未満5年以上10年未満10年以上20未満20年以上
30歳未満90日90日分120日分180日分
30歳以上35歳未満120日分180日分210日分240日分
35歳以上45歳未満150日分240日分270日分
45歳以上60歳未満180日分240日分270日分330日分
60歳以上65歳未満150日分180日分210日分240日分

自己都合退職・定年・契約期間満了による離職者

被保険者であった期間
1年未満1年以上5年未満5年以上10年未満10年以上20未満20年以上
全年齢-90日分120日分150日分

就職困難者

被保険者であった期間
1年未満1年以上5年未満5年以上10年未満10年以上20未満20年以上
45歳未満150日300日分
45歳以上65歳未満360日分

新型コロナウイルス感染症に伴う特例制度

求職者給付については、自己都合による離職でも給付制限が適用されない、新型コロナウイルス感染症に伴う特例措置が設けられています。該当する場合は自己都合離職者であっても特定理由離職者として、給付制限なしで求職者給付を受けることができます。

対象となる離職日
2020年2月25日以降

対象となる離職理由

  1. 同居の家族が新型コロナウイルス感染症に感染し、看護または介護が必要となったことから自己都合離職した場合
  2. 本人の職場で感染者が発生したこと、または本人あるいは同居の家族が基礎疾患を有すること、妊婦か高齢者であることを理由に、感染拡大防止や重症化防止の観点から自己都合離職した場合
  3. 新型コロナウイルス感染症の影響で子の養育が必要となったことから自己都合離職した場合

なお「子」は小学校、義務教育学校(小学校課程のみ)、特別支援学校(高校まで)、放課後児童クラブ、幼稚園、保育所、認定こども園などに通学、通園するものに限ります。

失業した場合に受給できる失業手当について把握しておこう

失業した場合には雇用保険の求職者給付として、基本手当を受けることができます。失業した求職者の生活を安定させ、1日も早い就職のために行われる給付です。一般的には、失業手当と呼ばれています。支払われた賃金額から計算される賃金日額が、被保険者期間や年齢などに応じた日数分、給付されます。

自己都合で離職した場合は2ヵ月、あるいは3ヵ月の給付制限期間がありますが、新型コロナウイルス感染症に伴う特例制度の対象者である場合には給付制限を受けずに、すぐに受給できます。該当するか確認して、必要に応じて申請しましょう。

よくある質問

求職者給付とはなんですか?

求職者給付は、労働者が失業したり雇用の継続が難しくなったりした場合に雇用保険から行われる給付で、失業手当がよく知られています。詳しくはこちらをご覧ください。

求職者給付の受給要件について教えてください。

離職の日以前の2年間に12ヵ月以上の被保険者期間があることと、働く意志と能力を有していることが基本手当(失業手当)の受給要件です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:坪 義生(社会保険労務士)

じんじ労務経営研究所代表(社会保険労務士登録)、労働保険事務組合 鎌ヶ谷経営労務管理協会会長、清和大学法学部非常勤講師、「月刊人事マネジメント」(㈱ビジネスパブリッシング)取材記者。社会保険診療報酬支払基金、衆議院議員秘書、㈱矢野経済研究所、等を経て、91年、じんじ労務経営研究所を開設。同年より、企業のトップ・人事担当者を中心に人事制度を取材・執筆するほか、中小企業の労働社会保険業務、自治体管理職研修の講師など広範に活動。著書に『社会保険・労働保険の実務 疑問解決マニュアル』(三修社)、『管理者のための労務管理のしくみと実務マニュアル』(三修社)、『リーダー部課長のための最新ビジネス法律常識ハンドブック』(日本実業出版社、共著)などがある。

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