- 更新日 : 2026年6月15日
ILOとは?目的や役割、活動内容をわかりやすく解説
ILOとは国際労働機関と呼ばれ、世界中のさまざまな労働問題に取り組む国際機関です。スイスのジュネーブに本部を置き、その活動の原理にILO憲章があります。
近年、ILOが提唱する労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)を導入する日本企業の動きが見られます。ここではILOの役割や活動内容についてわかりやすく紹介します。
目次
ILOとは?
ILOとは、スイス・ジュネーブに本部を置く国連の組織です。国際労働機関と呼ばれ、労働条件の改善を通じて、社会正義と人権、労働者の権利の保障などさまざまな分野で活動しています。ILOの目的は、「労働条件の改善を通じて、社会正義を基礎とする世界の恒久平和の確立に寄与すること」です。
引用:日本とILO|厚生労働省
ILOとは何の略?正式名称は?
ILOとは、 international labor organizationの略称です。正式名称を、国際労働機関といいます。国際機関として唯一の政府、労働者、使用者の三者構成機関です。なお、日本はILO加盟国の1つとして、政労使ともに総会や理事会などの各種会合に参加しています。
半導体のiLOとは表記が違う
表記に注意しましょう。国際労働機関を表す場合は、「ILO」とすべて大文字です。「iLO」のように、小文字を使用すると、半導体チップであるiLO 【integrated Lights-Out】を意味する単語になってしまいます。
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ILOの役割・目的
ILOは、世界中のさまざまな労働問題に取り組んでいます。その役割を代表するものとして、ILO憲章があります。
ILO憲章
ILO憲章(国際労働機関憲章)は、ILOの基本精神を表したものです。組織や手続き、原則について明文化し、前文では世界の恒久平和について社会正義を基礎とすること、労働条件の改善、児童と女性の保護、結社の自由の承認、職業訓練の必要性などを掲げています。
ILOの役割・目的
ILOの主な活動は以下の3つです。
- 国際労働基準の設定
- ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)実現への取り組み
- グローバル・ジョブズ・パクト(仕事に関する世界協定)
ILOでは、発展途上国で児童労働を廃止するための労働法の整備や職業訓練の提供、政策に対する調査や助言など、さまざまな範囲で専門家が活動しています。
参考:ILOで働くために|外務省 国際機関人事センター
ディーセント・ワーク|ILO駐日事務所
ILOの活動内容
ILOの活動分野は、「児童労働の撤廃」や「労働安全衛生」など多岐に渡ります。ここでは、ILOの代表的な活動内容について紹介します。
児童労働の撤廃
ILOは、2025年までに児童労働の撤廃を目指し、さまざまな活動に取り組んでいます。1992年から行っている、技術協力プログラム「児童労働撤廃国際計画(IPEC)」はその代表的なものです。政府だけではなく、労働者団体や学校などとパートナーシップを提携し活動しています。
労働安全衛生
2022年6月、国際労働会議(ILC)において、ILOの労働における基本原則及び権利に関する枠組みに「安全で健康的な労働環境」を加えることが決定されました。多くの労働者が雇用に関係する病気や怪我により命を落としています。ILOでは、そうした労働安全衛生の問題を予防するため、多様なプログラムを提供しています。
団体交渉と労使関係
団体交渉とは、労使関係を改善するために重要な労働者の手段です。公平な賃金と労働条件の確立のため、ILO憲章においても団体交渉は基本的権利とされています。ILOは団体交渉や労働協約の促進を目指し、労働者を保護する活動を行っています。
ジェンダー平等
ILOは創設以来、男女問わずすべての働く人々の権利の促進や男女平等の達成のために深く関わり活動してきた歴史があります。国際労働基準の設定とその適用推進のほか、さまざまなプログラムを今もなお展開しています。ジェンダーや民族、人種、障害による差別の撤廃など、ジェンダー・平等・多様性にかかわるさまざまな問題に焦点を当て幅広く活動しています。
ILOが推奨する「労働安全衛生マネジメントシステム」とは
労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)とは、仕事場や組織の安全衛生水準を高めるために、自主的に行う継続的な安全衛生管理の仕組みのことです。OSHMSは、労働災害の防止、労働者すべてが健康かつ安全に働ける職場を実現することを目指しています。
ILOでは、労働安全衛生マネジメントシステムの普及のため、国際基準として「OSHMSに関するガイドライン」を策定しています。また、厚生労働省の「OSHMSに関する指針」はILOのガイドラインに基づいたものです。
ILOが日本企業労務に関わるケースはある?
国際機関というと、日本の企業実務とは遠い存在に思えるかもしれませんが、日本でもさまざまな企業が、ILOの取り組みを導入しています。たとえば、リコーグループが自社の安全労働衛生を向上するために、労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針(OSHMS指針)を参考に自社の体制を構築したのは、その事例の一つといえます。
具体的には、リコーグループでは、2000年から生産拠点を中心に中央労働災害防止協会(JISHA)方式OSHMS認証を取得。2011年以降は、ILOの「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針(OSHMS指針)」を参考に、現場の実践を主眼においた社内認証制度を構築。グループでも水平展開を実施しており、リスクアセスメントによる危険箇所の抽出と改善、安全についての教育強化など、現在の実態に合わせた安全活動を行っています。
ILOが発信する取り組みは、このように企業の労働安全衛生の意識向上や体制構築に活用できます。
参考:労働安全衛生 | リコーグループ 企業・IR | RICOH
労働者の安全を守るためILOの取り組みを理解しよう
ILOの主な目的は、社会正義を基礎とする世界平和を確立することです。世界中のあらゆる労働問題に取り組んでいます。児童労働の撲滅から、ジェンダー平等、労働者の権利の保護、安全衛生の確率など、その範囲は多岐にわたります。ILOの提唱する労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針(OSHMS指針)は、日本企業の実務にも導入できるものです。理解を深め、自社の労働者の安全衛生の向上に役立てましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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