• 更新日 : 2024年10月8日

建設業許可の始末書の書き方は?記載例・無料テンプレートつき

建設業の許可を取得後、許可申請時に提出した内容に変更があった場合や事業年度の終了後には変更内容を届け出なければなりません。こうした変更届や更新申請には提出期限が定められており、期限を守らなかったときは始末書の提出を求められることがあります。

本記事では、建設業許可の始末書の書き方の詳細とポイントを中心に解説します。

建設業許可の始末書を求められた場合の対応は?

建設業の許可に関して始末書を提出する必要があるのは、ほとんどが建設業法で定められた提出期限に遅れた場合です。反省をしながら、再発防止策も提示しましょう。

失敗を繰り返さない対策を講じる

建設業の許可に関わる内容に関する変更届が提出されていなければ、更新手続きができません。始末書の提出は、提出が遅れたことの反省だけでなく、二度と同じような失敗を犯さないための対策を求めているものと考えることができます。速やかに届出を行うとともに、提出できなかった原因を確認し、今後の対策を講じることが必要です。

許可更新の期限には要注意!

建設業許可の更新申請は「有効期間満了する日の90日前から30日前まで」に行うこととされています。建設業法第3条第3項により、5年の許可期間が経過すれば許可は失効するのです。

更新期限を経過してしまった場合でも、許可の失効日までは始末書を提出することによって申請書は受理される場合がありますが、許可期間が満了すれば許可は失効し、新たに許可を取り直す必要があります。

当然ですが、失効後は新たに許可をもらえるまでの期間は500万円(消費税込み)以上の工事を行うことはできません。許可期間が満了したらもはや始末書の問題ではないことに注意してください。

建設業許可の始末書を作成するときのポイントは?

始末書は、書類の提出期限を遅滞したことに関する報告ですから、①提出が遅れたという事実、②遅滞の理由と当事者としての反省、③再発防止に関する措置という3つの柱で構成するのが一般的です。

それぞれの柱の書き方のポイントをまとめておきましょう。

状況・内容

報告すべき事案が発生した日付、規程や手引きで定められている提出期限、実際に提出した日付を正確に記載しましょう。遅滞について特筆すべき事情があれば簡潔に記載するのが妥当です。ただし、言い訳をしないように心がけましょう。

反省など

仕事のスケジュール管理の失敗など、提出が遅れた理由を端的に記載します。また、自社の事業における建設業許可の重要性に触れ、率直な反省の気持ちを表しましょう。

今後の防止策

始末書の一番のポイントは、今後の防止策です。法令や手引きなどに定められているルールを再確認し、事務のスケジュール管理を徹底するなど、今後の再発防止策を明確に説明しましょう。

建設業許可の始末書の無料テンプレート

建設業許可の始末書を作成する際、テンプレートを利用すれば文章のトーンも把握できるだけでなく、提出先である行政機関が納得してもらえる始末書を効率的に作成することが可能です。

下記からダウンロードして是非ご利用ください。

建設業許可の始末書の記載例は?

建設業の許可が下りたあとも、①許可更新申請、②決算変更届(決算期終了届、事業年度終了報告)、③役員、経営業務の管理者、専任技術者などの変更届を提出する必要があります。ここでは、上のテンプレートを使った記載例を紹介します。

許可更新申請の遅滞

※提出期限:通常「許可の有効期間が満了する日の30日前まで」

  1. 状況・内容
    弊社の建設業許可の有効期間満了日は令和○年○月○日ですので、本来は同年△月△日までに許可更新申請を行うべきところでしたが、書類の提出日が10日経過後の□月□日となってしまいました。
  2. 反省など
    このたびの遅滞は、業務の繁忙に追われ更新申請に必要な添付書類の手配や書類作成などのスケジュール管理を適切に行うことができなかったことに起因するものです。建設業の許可更新は、弊社の事業継続において極めて重要な手続きであるにもかかわらず、このような事態となったこと、また許可の継続に関してご迷惑をおかけしましたことを深く反省しております。
  3. 今後の防止策
    今後はこのような遅滞を繰り返さないよう、次の措置を講じることといたしますので、このたびの更新申請書類をご受理のうえ、ご審査くださいますようお願い申し上げます。
  • 更新申請に関する専任担当者を指定します
  • 重要な手続きのスケジュールを管理するためリマインド機能を持つシステムを導入します
  • 繁忙期であっても重要な手続きの提出に遅れのないよう、適時に業務の見直しを行います

決算変更届の遅滞

※提出期限:毎事業年度経過後4カ月以内(建設業法第11条第2項)

  1. 状況・内容
    弊社は、令和○年○月○日に事業年度が終了し、本来は△月△日までに決算変更届を提出すべきところでしたが、当該期日までに提出することができませんでした。
  2. 反省など
    このたびの遅滞は、当該届出の担当者が業務多忙のため他の社員が代わって書類を作成することとしたところ、不慣れのため工事経歴書の作成に手間取ったことが原因でした。このような事態となったことにつきまして厳しく反省するとともに、深くお詫び申し上げます。
  3. 今後の防止策
    こうした遅滞の再発を防止するため、今後は、決算変更届の作成に関する業務を正確かつ迅速に遂行できる社員を育成し3名体制とすることといたします。

役員変更届などの遅滞

※提出期限:その事実が発生してから30日以内(建設業法第11条第1項)

  1. 状況・内容
    弊社は令和○年○月○日に取締役の辞任および就任があり、この日から30日以内に変更届を提出すべきであったにもかかわらず、その提出が遅れてしまいました。
  2. 反省など
    これは、建設業法第11条第1項の規定に反するものであり、深く反省しております。
  3. 今後の防止策
    今後はこうした事態が二度と生じないよう、関係部門において建設業法をはじめとする関係法令などの規定を再確認するための研修を実施することといたします。

届出は建設業許可の要件を満たしていることの確認

建設業の許可を得るためには、次の要件を満たさなくてはなりません。

  1. 経営業務の管理責任者・専任の技術者の配置
  2. 請負契約に関する誠実性(役員などについて)
  3. 請負契約を履行できる財産的基盤・信用の保持
  4. 欠格要件に非該当

そして、変更届はこうした要件を常にクリアしていることを届出る手続きとなります。許可の要件に関する届出は許可を継続するための重要な手続きであることを忘れないでください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

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