- 更新日 : 2025年11月13日
ブルーカラーとは?ホワイトカラーとの違いや仕事内容
ブルーカラーは、工場や建設現場などで働く労働者を指します。かつて、業場で働く従業員が青い襟のついた作業着を着用していたことから、肉体労働者をブルーカラーと呼ぶようになりました。決して差別用語ではなく、派生語にはゴールドカラーやメタルカラー、グリーンカラーなどがあります。
目次
ブルーカラーとは?
ブルーカラーとは、工場や建設現場などで働く労働者を指す言葉です。実際に作業を行う肉体労働者の他に、技術を有して特殊な作業を行う作業者もブルーカラーに含まれます。英語の「blue collar」が由来で、色という意味の「color」ではありません。「collar」は襟という意味であり、現場で作業員が青襟の作業服を着用していたことから、現場で働く労働者がブルーカラーと呼ばれるようになりました。
ホワイトカラーとの違い
ホワイトカラーは一般事務や営業事務、経理など、デスクワークに従事する労働者を指す言葉です。こういった業務に従事する労働者は白いワイシャツを着用していることから、「ホワイトカラー」と呼ばれています。ホワイトカラーに分類される職種には先述の一般事務や営業事務の他に、総務事務や経理事務、エンジニア、弁護士、税理士などがあります。また、特定分野に関する専門的研究などが、ホワイトカラーに分類される場合もあります。
ブルーカラーが作業員や技術者として現場で働くのに対し、ホワイトカラーはデスクワークを中心に、事務室などで仕事をします。頭脳労働であることから、昔はブルーカラーよりもホワイトカラーの方が優秀であると認識されていました。しかし、現在は職業に貴賤はなく、どちらかが優れているということもないです。
グレーカラーとの違い
グレーカラーは、ブルーカラーとホワイトカラーの中間の職業を指す言葉です。職業の多様化により、ブルーカラーとホライトカラーのどちらにも分類できない仕事が多くなったことから使われるようになりました。工場での生産管理者や保安職業従事者などが、グレーカラーに該当します。
ゴールドカラーとの違い
ゴールドカラーとは企業に所属しているものの、独立性の高い働き方をしている人を指す言葉です。高いマネジメント能力を有し、自らキャリアを形成でき、組織に依存することなく働けることが特徴です。研究職や技術開発職、コンサルタントなどがゴールドカラーに該当します。
メタルカラーとの違い
メタルカラーとはAIなど、最先端技術に関わる職業に就く人を指します。AIを搭載したロボットや自動車などの研究・開発を始め、半導体関連・医療・宇宙分野などで高度な技術を要する仕事に就いている人がメタルカラーと呼ばれます。
ブルーカラーは差別用語?
ブルーカラーは職業を指す言葉で、職業に貴賤はありません。よって、ブルーカラーは差別用語ではありませんが、ブルーカラーは肉体労働者、ホワイトカラーは頭脳労働者を指すことから差別的な意味で使われることもあります。
ブルーカラー職業の社会的意義と重要性
ブルーカラーは、主に工場や建設現場で直接的にものづくりに携わる職業に就く人を指す言葉です。建設現場には、インフラに関わるものもたくさんあります。ブルーカラーが存在しなければ、人々が当たり前のように消費している製品は製造されず、水道やガス、電気といった生活の根幹であるライフラインもストップしてしまいます。
ブルーカラーは人々の生活に必要な物資を生み出したり、ライフラインを支えたりしている、社会的意義がある職業です。なくなると多くの人の生活に重大な影響を及ぼす、非常に重要な職業であるといえます。
ブルーカラーとして扱われる職種および業種
具体的には、以下の職業の人がブルーカラーに該当します。
- 製造業製品を製造する業務に従事する工場スタッフ
組み立て工
溶接工 - 建設業土木作業員
建設作業員
塗装工 - 鉱業掘削作業者
- 運輸業トラック運転手
配達ドライバー
クレーン操作者
重機オペレーター
旅客機運転者 - 農林水産業農業(畜産業含む)や林業、水産業といった自然を相手にした仕事をする者
- サービス業修理や整備、清掃、警備などを行う者
ブルーカラーの職業に向いている人の特徴
ブルーカラーの職業に向いている人は、性格や体力の面で以下のような特徴があります。
- 真面目であることブルーカラーは与えられた作業を黙々と続けなければならないことが多いため、真面目な人の方が向いています。同じことを長時間にわたって、集中して取り組めることがブルーカラーには求められます。
- 体力があることブルーカラーのうち、特に肉体を使う仕事に就く場合は、体力があることが求められます。肉体労働ではないにしても、作業で同じ姿勢でいなければならないことがブルーカラーの仕事では多いため、体力が必要です。
- 人の話をよく聞けること一人で行動するイメージがあるブルーカラーですが、実際の仕事の多くはチームで行います。そのため、指示をよく聞き、また他のメンバーとしっかりコミュニケーションを取りながら作業を行わなければなりません。また、上司や先輩のアドバイスもきちんと聞き入れる素直さも求められます。
ブルーカラーの方に関わる人事・労務制度
ブルーカラーに関連する制度として近年注目されているのが、特定技能制度です。ブルーカラーは社会的意義のある、非常に重要な職業である反面、過酷・低賃金であるといったマイナス面が取り上げられることが多く、人手が足りない状況が長く続いていました。この状況を打破するために創設されたのが特定技能制度で、外国人の雇用によって労働力不足に陥っている業種に対して人材確保を図ろうとする制度です。
同様に外国人労働力によってブルーカラーの働き手不足を改善しようとするものに、外国人技能実習制度の見直しがあります。本来、外国人技能実習制度は外国人に技術を習得させて自国の発展に役立ててもらおうとする制度ですが、不適切な運用の是正を目的に見直しが行われています。「監理団体の許可制と技能実習計画の認定制」「優良な監理団体や実習実施者への実習期間の延長や受入れ人数枠の拡大」といった手厚い制度が導入され、ブルーカラーの労働力不足対策としても活用できるようになりました。
ブルーカラーにまつわる制度を理解し、活用しよう
ブルーカラーは、工場や建設現場などで働く人を指す言葉です。作業員が青い襟の作業服を着ていたことから、青(blue)と襟(collar)を合わせてブルーカラーと呼ばれるようになりました。ブルーカラーが主に肉体労働者を指すのに対し、ホワイトカラーは頭脳労働者を指しますが、どちらの方が優れているということはありません。最近ではメタルカラーやゴールドカラー、グリーンカラーといった言葉も使われています。
ブルーカラーの職業は労働力不足が顕著で、不足している労働力をカバーするために外国人の活用が期待されています。こうした現状とブルーカラーに関わる制度を理解して、活用できるようになりましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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