• 更新日 : 2023年12月15日

衛生管理者とは?仕事内容や資格取得について解説!

衛生管理者は、労働安全衛生法によって定められた国家資格です。就労中の労働災害や、労働者の健康障害を防止する役割を担います。本記事では、衛生管理者の役割や仕事内容、資格取得によって得られるメリットなどをお伝えします。衛生管理者試験の難易度や合格率なども解説するので、ぜひ参考にしてください。

衛生管理者とは?

衛生管理者とは衛生管理の専門家であり、労働安全衛生法という法律によって定められた国家資格です。衛生管理者が担う主な役割は、就労中の労働災害や労働者の健康障害の防止です。

常時50人以上の労働者を使用する事業場では、原則、その事業場専属の衛生管理者の専任が求められます。なお、衛生管理者になるためには「第一種衛生管理者」か「第二種衛生管理者」の資格を取得しなければなりません。第一種衛生管理者と第二種衛生管理者のそれぞれの特徴、衛生管理者の仕事内容を解説します。

第一種の特徴

第一種衛生管理者は、有害業務に携わる業務も含め、すべての業種において衛生管理者として働くことが可能です。第一種と第二種の違いは、専任できる業種の範囲です。「農林畜産業」や「鉱業」、「建設業」をはじめとするいくつかの業種については、第二種衛生管理者では対応できません。

そのため、業種によっては第一種衛生管理者試験を受ける必要があるでしょう。ただし、基本的な業務内容については、第一種と第二種では、大きな違いはありません。

第二種の特徴

第二種衛生管理者は、基本的に有害業務の業務には携わりません。そのため、一般的なオフィスや店舗での業務に限定されることが特徴です。

詳しくは後述しますが、第二種衛生管理者試験の合格率のほうが第一種衛生管理者試験よりも高いため、挑戦しやすいといえます。勤務先で第一種衛生管理者が必要とされなければ、第二種衛生管理者のみの取得でも十分でしょう。

衛生管理者の仕事内容

衛生管理者の主な役割は、職場の労働者の健康を守ることです。そのため、職場の安全対策を講じたり、労働者に対して安全や衛生に関する教育を行ったりします。主な仕事内容は、以下をご参照ください。

  • 原則週1回以上の職場巡視
  • メンタル不調を含む、体調不良の労働者の発見と処置
  • 労働者の健康診断の管理
  • 労働者に対する衛生教育
  • 救急用品などのチェックや管理

特に重要な仕事は、週1回以上の職場巡視です。定期的にチェックを行うことで、職場の問題点を早期に発見し、対策を講じられます。そのほか、衛生委員会の運営や健康診断の受診率向上に向けた取り組みなども、衛生管理者の仕事です。なお、衛生委員会とは、労働者の健康障害の防止や健康の保持増進の取り組みなどの重要事項について、労使で調査審議を行う場です。

参考:衛生管理者について教えてください|厚生労働省

衛生管理者の合格率

ここからは、第一種衛生管理者と第二種衛生管理者、それぞれの合格率を解説します。

第一種の合格率

安全衛生技術試験協会によると、2022年の第一種衛生管理者試験の合格率は、45.8%でした。受験者数は68,066人で、そのうち合格者数は31,207人です。過去5年間の合格率は、以下のように推移しています。

2018年2019年2020年2021年2022年
合格率44.2%46.8%43.8%42.7%45.8%
受験者数67,080名68,498名43,157名68,210名68,066名
合格者数29,631名32,026名18,916名29,113名31,207名

第二種の合格率

第二種衛生管理者試験の合格率は51.4%で過半数が合格しており、第一種衛生管理者試験の合格率を5%以上、上回っていることがわかります。なお、受験者数は35,199人、合格者数は18,089人でした。第二種衛生管理者試験の過去5年間の合格率の推移は、以下をご参照ください。

2018年2019年2020年2021年2022年
合格率52.4%55.2%52.8%49.7%51.4%
受験者数32,985名33,559名22,220名36,057名35,199名
合格者数17,271名18,511名11,729名17,922名18,089名

参考:労働安全衛生法・作業環境測定法に基づく試験|安全衛生技術試験協会

衛生管理者の試験難易度

衛生管理者の試験難易度は、他の国家資格と比べると決して高いわけではありません。合格率も、第一種衛生管理者は45%程度、第二種衛生管理者は50%程度であり、しっかり勉強をすれば誰でも合格は可能です。ただし、一定以上の勉強時間を確保しなければ、合格は難しいでしょう。知識を丸暗記するのではなく、その理由や背景まで理解する必要があります。

衛生管理者の試験内容

第一種衛生管理者の試験では、関係法令2科目と労働衛生2科目、労働生理1科目の計5科目が問われます。試験の形式は5つの選択肢から正解を選ぶ選択問題であり、44問を3時間で解答しなければなりません。合格基準は、それぞれの試験科目ごとの得点が40%以上、かつ全科目の合計点が満点の60%以上必要です。

第二種衛生管理者の試験範囲は、関係法令と労働衛生労働生理の計3科目です。第一種衛生管理者の試験と同様に五肢択一式で、30問を3時間で解答する必要があります。合格基準は、第一種衛生管理者試験と同じです。

衛生管理者に合格するための勉強方法

衛生管理者試験に合格するためには、独学で勉強する方法と、資格取得の講座に通う方法があります。衛生管理者試験に合格するための勉強方法と、必要とされる勉強時間をご紹介します。

独学で勉強する

独学でも十分に合格できる可能性があるのが、衛生管理者の試験です。過去の試験問題はインターネットなどでもダウンロードでき、参考書も販売されています。

ただし、独学では試験のポイントがわからなかったり、勉強を続けるモチベーションを保てなかったりする場合もあるでしょう。そのような場合は、講習会やセミナーを活用するのも選択肢の1つです。労働基準協会やコンサルタント会社、資格スクールなどさまざまな団体で開催されています。

セミナーや講習会は、1~2日間で開催されるものがほとんどで、仕事をしながらでも受講が可能です。費用相場は、1万5,000円~3万円です。

資格取得の講座に通う

独学や単発のセミナーのみでは不安な場合は、民間の資格取得の講座に通ったり、通信講座を受講したりする方法もあります。わからない箇所は質問できるコースも用意されているため、独学では学習に不安がある場合は、民間の講座を検討してもよいでしょう。

必要な勉強時間

衛生管理者の試験に合格するために必要な勉強時間は、第一種衛生管理者が100時間、第二種衛生管理者が60時間といわれています。 第一種衛生管理者試験の合格までの勉強期間は、4~6ヶ月程度を見込んでおきましょう。

ただし、上記の時間はあくまでも目安です。労働安全衛生法などの勉強経験があればさらに少なくて済む可能性があります。人によって予備知識や経験は異なるため、参考程度に捉えてください。

衛生管理者を取得するメリット

衛生管理者は、難易度はそれほど高くないことに対し、常時50人以上の労働者が働く事業場では1人以上の衛生管理者の選任が必須であるため、一定の需要がある資格です。衛生管理者を取得する主なメリットは、主に以下の2つです。

転職に有利になる

衛生管理者の資格を取得していると、転職に有利になります。常時50人以上の労働者が働く事業場では、1人以上の衛生管理者を専任しなければなりません。そのため、多くの企業が衛生管理者の求人を出しており、資格を取得していることが、転職に有利に働く可能性があります。

キャリアアップに繋がる

特に人事・総務系の仕事においては、衛生管理者の資格取得がキャリアアップに繋がる場合があります。管理職昇進の条件に、衛生管理者の資格取得を掲げている企業も珍しくありません。実際、昇進に有利に働くかどうかは職種によるものの、少なからずチャンスは増えるでしょう。

衛生管理者の仕事や資格取得について理解を深めよう

衛生管理者は、労働安全衛生法という法律によって定められた国家資格です。就労中の労働災害や、労働者の健康障害を防止する役割を担います。

衛生管理者には、「第一種衛生管理者」と「第二種衛生管理者」があり、専任できる業種の範囲が異なります。資格取得によって転職に有利になるほか、特に人事・総務系の仕事において、キャリアアップに繋がる可能性があるでしょう。衛生管理者の仕事や資格取得に関する、理解を深めておきましょう。


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