- 作成日 : 2022年9月16日
外国人にもマイナンバーは付番される?在日の方向け
日本国内でのマイナンバーは在日外国人にも付番されて、付番後は帰国しても変更されません。マイナンバーカードも発行可能で、氏名表記もあり本人確認書類として利用できます。マイナンバーやカードを活用できれば複数のメリットを享受できるでしょう。この記事では在日外国人のマイナンバー付番とマイナンバーカード発行について解説します。
在日外国人にもマイナンバーは付番される?
在日外国人に対するマイナンバーの付番は、外国人が住民登録がされているか否かによって決まります。マイナンバーは日本国内に住民登録されている外国人に付番されるため、観光目的など短期間で来日した外国人には付番されません。就職や留学など、ある程度長期間の目的で来日した場合に付番されます。
在日外国人がマイナンバーの付番を受けるためには住民登録をする必要があり、住民登録のためには『中長期在留者』と認められなくてはなりません。中長期在留者の認定には3ヶ月以上の日本在住など複数の条件を満たす必要があります。逆説的に、マイナンバーを付番されている外国人は中長期在留者としての条件を満たしている人物です。
マイナンバーの有無は事業主が在日外国人を雇用する際に判断材料として役立ちます。日本に来て就労しようとしている外国人は本来中長期在留者認定を受けているため、マイナンバーの付番も受けています。求人に応募してきた外国人がもしもマイナンバーを持っていなかった場合、その人物は中長期在留者認定を受けていない可能性があります。中長期在留者であると認定されていない外国人は不法就労の疑いがあるため、採用・不採用の判断は可能な限り慎重におこないましょう。不法就労者を雇用している会社は、従業員が不法就労であると知らなくても処罰の対象になります。同様に在日外国人が日本で就労する場合、余計なトラブルを避けるためにも在留カードやマイナンバーを提示できるよう注意を払いましょう。
中長期在留者に認定された外国人でも、マイナンバーの付番を受けるためには手続きが必要です。在日外国人が中長期在留者として認定されると、先に『在留カード』が交付されます。在留カード交付後に住民登録をして、住民票に登録された住所あてに届くマイナンバー通知書を受け取ります。マイナンバー通知書を受け取れば、在日外国人でも自分のマイナンバーを使用できるようになります。
住民登録手続きは日本国内に住所を定めてから14日以内におこなわなくてはなりません。居住する市町村役場に在留カードを持参して転入手続き(住民登録手続き)を済ませましょう。入国した空港によってはすぐに在留カードを受け取れない可能性があります。在留カードが手元にない場合はパスポートでも構いません。入国後すぐに在留カードを受け取れる空港は以下の7ヶ所です。
- 新千歳空港(北海道)
- 成田国際空港(千葉県)
- 東京国際空港(東京都)
- 中部国際空港(愛知県)
- 関西国際空港(大阪府)
- 広島空港(広島県)
- 福岡空港(福岡県)
付番後のマイナンバーは変更できません。マイナンバーの付番を受けた外国人が一度日本を離れて、再来日してからもう一度住民登録をする可能性もあります。住民登録を再度する際もマイナンバーは変更されず、最初に付番されたマイナンバーを使用します。離日しても再来日する可能性を考えて、付番されたマイナンバーを忘れないように工夫しましょう。マイナンバーカードを作成したり、マイナンバー記載の住民票を取得して保管しておけば手軽かつ確実です。
マイナンバーの付番を受けられる中長期在留者は、住居地の届け出や在留カードの記載事項変更、有効期間更新など各種手続きをおこなう必要があります。何らかの理由により中長期在留者でなくなった場合には在留カードの返納も必要です。正当な理由なく必要な手続きをおこなわなかったり虚偽申請をしたりすると、罰則や在留資格取り消しなどの処分が発生する可能性もあるため注意しましょう。
参考:
外国人住民の方へ マイナンバー制度について|総務省
転入・転出|総務省
知っておきたい!!在留管理制度あれこれ|出入国在留管理庁
在日外国人もマイナンバーカードを発行できる?
マイナンバーの付番を受けた人は、自分専用の『マイナンバーカード』を発行できます。マイナンバーカードはマイナンバーと一緒に顔写真や氏名・生年月日などが記載されているカードで、マイナンバー確認以外に本人確認書類としても利用可能です。その他、電子申請やコンビニでの証明書付番などにも利用できます。マイナンバーカードはマイナンバーが付番されていれば発行可能なため、在日外国人であっても関係なく発行してもらえます。
日本に居住し始めた時期によっては『住基カード』を交付されている可能性があります。住基カードはマイナンバーカードと入れ替わりで発行終了しているため、マイナンバーカードを発行してもらう際に住基カードの返却も必要です。期限内であれば住基カードの使用自体は可能で、顔写真付きのものならばマイナンバーカード発行時の本人確認書類としても活用できます。
マイナンバーカードの発行申請は複数の方法があります。以下で主な方法を紹介します。
スマートフォンを使用する
各自で所有しているスマートフォンから申請する方法です。最初にスマートフォンのカメラで自分の顔写真を撮影して、交付申請書に記載されたQRコードから申請用Webサイトを開きます。必要事項を入力して顔写真データを添付しましょう。送信すれば手続き完了です。手元で簡単におこなえる方法のため、最も手軽に実行できるでしょう。
パソコンを使用する
パソコンで専用Webサイトにアクセスする方法です。あらかじめデジタルカメラで自分の顔写真を撮影してパソコンに保存しておき、申請用Webサイトにアクセスします。必要事項を入力して顔写真のデータを添付すれば、送信して手続き完了です。交付申請書に記載されている半角数字23桁の申請書IDを正しく入力する必要があります。
郵送を使用する
マイナンバー通知カードと同時に郵送されてくる交付申請書を使用する方法です。必要事項を記入して自分の顔写真を貼りつけて、送付用の封筒に入れてポストに投かんしましょう。交付申請書や送付用封筒はマイナンバー公式サイトでもPDFファイルが提供されているため、自分で印刷して使用できます。
証明写真機を使用する
街なかに設置されている証明写真機で申請する方法です。写真機のタッチパネルから『個人番号カード申請』を選択して、お金を入れたら交付申請書のQRコードをバーコードリーダーにかざします。各種必要事項を入力してから顔写真を撮影して、送信すれば手続きが完了します。利用したい写真機の対応可否を調べておきましょう。
マイナンバーカードの申請は複数方法が利用できますが、カードを受け取る際は市町村役場に行って受け取らなくてはなりません。発行の準備が完了すると『交付通知書』『個人番号カード交付のご案内』が郵送されます。窓口に行って暗証番号を設定するとマイナンバーカードを受け取れます。暗証番号は数字4桁です。事前に考えておきましょう。
在日外国人は、マイナンバーカードを持っていると在留手続きをおこないやすくなるというメリットもあります。マイナンバーカードを利用してオンライン上での申請が可能になるため、自宅や職場から24時間いつでも在留手続きをおこなえます。
オンライン申請の際にはパソコンやICカードリーダライタ、JPKIクライアントソフトなどを用意しましょう。スマートフォンでの申請には対応していないため要注意です。JPKIクライアントソフトは公的個人認証サービスのポータルサイトから無料でダウンロードできます。申請前の利用者情報登録も忘れてはいけません。日本国外からはシステムにアクセスできないため、海外からのオンライン申請はできない点も注意が必要です。
参考:
マイナンバーカード交付申請|マイナンバーカード総合サイト
マイナンバーカードの受け取り|マイナンバーカード総合サイト
マイナンバーカードがあれば外国人本人の方は在留手続をオンラインで申請できます!|総務省
在日外国人にもマイナンバーは重要
在日外国人におけるマイナンバーの付番とマイナンバーカードの発行について解説しました。マイナンバーは日本国内に住んでいる人全員に付番されるため、外国人であっても関係なく付番対象に含まれます。
マイナンバーの付番を受けていると、特に日本で就労する際にスムーズな手続きが可能です。マイナンバーカードも発行してもらえば本人確認や電子申請など幅広く活用できるため、日本での生活を便利にしていけるでしょう。マイナンバーの付番条件やマイナンバーカードの発行手続き方法などを把握しておき、なるべく早めに各種手続きを進めていくことをおすすめします。
よくある質問
在日外国人にもマイナンバーは付番されますか?
日本国内で住民登録手続きをしていれば、外国人でも関係なく付番されます。詳しくはこちらをご覧ください。
在日外国人もマイナンバーカードを発行できますか?
マイナンバーが付番されていればマイナンバーカードも発行可能です。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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