• 更新日 : 2026年5月25日

バーチャルオフィスとは?費用の目安や選び方、開業・法人登記時の注意点

バーチャルオフィスとは、住所を借りて郵便物の受け取りを代行してもらうような、会社運営に必要なオフィス機能を利用できるサービスをいいます。法人登記や法人口座開設の際に住所を利用できるケースもあり、ビジネスの規模・目的に合わせて選ぶことが可能です。本記事ではバーチャルオフィスのサービス内容や相場、メリットについて解説します。

バーチャルオフィスとは?

バーチャルオフィスとは、オフィスに実際に入居せずとも、住所や電話番号といった会社の運営に必要なオフィス機能を利用できるサービスをいいます。実際のオフィスを借りるのと比べて、コストを安く抑えつつ、郵便物の受け取りや銀行口座の開設等に活用できる「場」を確保できる点が特徴です。シェアオフィスやレンタルオフィスとは異なり、物理的なスペースを貸し出すわけではないため、実際の仕事場は自身で別途用意する必要があります。

バーチャルオフィスの種類

バーチャルオフィスにはいくつかの種類があります。

  • 住所だけを貸すバーチャルオフィス

住所が利用可能であり、銀行口座開設や法人登記の際に活用できます。低コストでサービスを利用でき、プランによっては、郵便物の受け取りや電話の転送に対応している場合もあります。

    • シェアオフィスのサービスも兼ねているもの

    住所貸しや電話転送サービスのほかに、会議室利用などもサービスに含まれています。プランに合わせて利用できるサービスの範囲を選ぶことが可能です。

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    バーチャルオフィスの主なサービス

    ここでは、バーチャルオフィスが展開する主なサービス内容について解説します。

    住所の貸出し

    事業用に使用する住所を貸し出すサービスです。名刺、ホームページ、パンフレットなどに貸し出された住所を記載することができます。

    法人登記住所の利用

    貸し出された住所を法人登記の本店所在地として利用することができます。また、借りた住所で事業所が社会保険に加入することも可能です。

    電話番号の貸与

    会社として、信用度を高めるために固定電話が欲しいというニーズがあります。バーチャルオフィスの電話番号貸与のサービスは、そのようなニーズに応えたものです。自動転送や受付の代行を行ってくれるサービスもあります。

    郵便物の受取・保管・転送

    バーチャルオフィスの住所に届いた郵便物を受け取り、保管や転送を行ってくれるサービスがあります。

    会議室・打ち合わせスペース

    バーチャルオフィスのなかには、住所の貸し出しだけではなく、実際の会議室を貸し出しているところもあります。会議室スペースは社内の打ち合わせだけではなく、取引先や金融機関との商談の際にも活用できます。

    バーチャルオフィスの費用の目安

    現在では、バーチャルオフィスサービスを展開している事業が多くあります。費用の目安はプランによって異なりますが、多くのバーチャルオフィスは月額制プランを採用しています。

    たとえば、一番安く抑えられるのは「住所貸し」のみのサービスです。月額500〜1,000円程度で利用可能であり、住所のみが必要な場合は安価な価格で利用できます。その際、サービスの内容に法人登記への利用や郵便物受け取りのサービスが含まれているかどうかの確認が必要です。

    電話の転送や郵便受け取りなどのサービスも利用する場合、月額で1,500円~4,000円程度が目安となり、転送や受け取りの頻度が設定されているものもあります。月額が5,000円~1万円を超えるプランの場合は、会議室利用などが含まれていることがあります。サービスの種類やプランの内容によって費用の目安が異なるため、費用に何が含まれるのかをチェックすることが大切です。

    バーチャルオフィスの利用目的

    バーチャルオフィスは、多様な目的で活用されています。

    副業・週末起業のため

    一つは、副業や週末起業で小さくビジネスをはじめたい人々です。本業ではないため、売上に対して設備費、事務所の家賃、水道光熱費などの固定費を抑える必要があります。そのような人々にとって、安価な価格で必要なサービスだけを利用できるバーチャルオフィスは魅力的なサービスといえます。

    独立・開業のため

    副業ではなく、本業として独立したい人々にもバーチャルオフィスは適しています。ベンチャー企業やスタートアップの立ち上げの際も、オフィスの賃料などの固定費は抑えたいものです。郵送受け取りや電話対応代行などのサービスを利用すれば、そのための従業員を雇う必要がなくなり、オフィスの賃料だけではなく、人件費も抑えることができます。

    支社・支店を作るため

    地方進出や東京進出など、サービスを拡大するためには拠点が必要です。
    バーチャルオフィスによっては支店登記も可能なため、事業拡大にあわせてバーチャルオフィスが活用されることもあります。

    ブランディングのため

    コロナ禍をきっかけに、リモートワークが広がりました。WEB業界など、オフィスにいなくても業務ができる業種や業態では、バーチャルオフィスを活用することで多様な働き方を実現することが可能です。

    自宅住所を知られたくないため

    フリーランスで働く個人事業主やひとり法人などの企業にも、バーチャルオフィスはメリットがあります。
    住所を借りることで、名刺やホームページなどに事業所の住所を載せる際、自宅住所を使わずに済みます。

    現在は代表者住所非表示措置が始まっているため、代表者の現住所を伏せることはできますが、本店所在地は引き続き公開されています。
    自宅住所で登記されているなどプライバシーを守りたい人にとってメリットのあるサービスです。

    バーチャルオフィスのメリット

    バーチャルオフィスには、固定費を抑えられる、短期間でも活用できるなど、いくつかのメリットがあります。

    固定費を削減できる

    オフィスを借りるには賃料が発生します。バーチャルオフィスの場合、住所だけを借りるなら月額1,000円以下、会議室利用やその他サービスを含めても月額1万円程度で利用することが可能です。数万円〜数十万円のオフィスを借りることと比較したら、大幅に固定費を抑えることができます。

    短期間で借りることもできる

    賃貸契約を結ぶ際、多くの場合1年などまとまった期間契約しなければなりません。バーチャルオフィスによっては月額での利用が可能な場合もあるため、副業など「まずはじめたい」というケースに適しています。

    都心など目的に応じた住所を利用できる

    バーチャルオフィスを提供する企業が貸し出す住所は、都心をはじめさまざまな都市部のものがあります。東京や大阪、名古屋、地方都市など、事業の目的に合わせて住所を利用できます。

    バーチャルオフィスのデメリット

    バーチャルオフィスを利用する際、デメリットとなることもあります。

    WEB検索でバーチャルオフィスとわかってしまう可能性がある

    クライアントや取引先が住所を検索した際、同じ住所に数多くの企業が出てきて、バーチャルオフィスだとわかってしまうことがあります。今でこそ少なくなったものの、実態がない企業と判断されて信用が得られないというケースもあるので、注意しなければなりません。

    バーチャルオフィスは比較的新しいサービスであるため、取引先からも「本当のオフィスではない」という点を懸念され、信用が得られないことがあるかもしれません。バーチャルオフィスであっても銀行口座の作成は可能です。

    自社の事業内容、事業実態や実績がある企業であることをよく説明し、金融機関や取引先からの理解を得ることが重要です。

    バーチャルオフィスを利用する業種・業界

    バーチャルオフィスの利用が適している職種や業種について解説します。

    プログラマー、WEBデザイナー

    プログラマーやWEBデザイナーといった、パソコンがあれば仕事ができる職種の人が事業を立ち上げる際に、バーチャルオフィスは適しています。自宅で行える、法人個人を問わず仕事ができるといったことから、バーチャルオフィスを利用している例が多くみられます。

    ネットショップ・ECサイト運営

    楽天やAmazon等で販売を行うなど、実店舗を持たずに販売ができるネットショップ・ECサイト運営もバーチャルオフィスは適しています。ショップサイトでは「特定商取引法に基づく表記」により住所記載が義務付けられており、その関係からバーチャルオフィスを利用するケースがみられます。

    インフルエンサー、ライバーなど

    SNSや配信などで活躍されているインフルエンサーやライバーの方にもバーチャルオフィスは適しています。
    自宅住所を伏せてファンからの手紙やプレゼントを受け取ることができるため、プライバシーを重視するかたがバーチャルオフィスを利用するケースは多いです。

    コンサルティング業

    顧客先への訪問、常駐がメインのコンサルティング業務でもバーチャルオフィスが活用されています。ただし、国家資格を持っている一部の士業では、法律で業務を行う事務所を登録することが定められているケースがあります。この場合、実際には自宅など他の場所で業務を行っているのにもかかわらずバーチャルオフィスを事務所登録することは、法律に反する可能性があります。また、その他許認可が必要な業種でもバーチャルオフィスが認められないことがあるため、事前によく調べてから利用しましょう。

    カウンセラー・オンラインサロン

    事務所スペースを必要としないカウンセラーやオンラインサロンといった業種にもバーチャルオフィスは人気です。自宅住所を使用しないため、プライベートを守りつつ事業を展開することができます。

    バーチャルオフィスで開業するには?

    バーチャルオフィスで開業するには、まずは使用するバーチャルオフィスを決定します。法人を設立して事業を行う際は、登記に活用できるバーチャルオフィスであることを確認しましょう。その後、法人化するのに必要な情報を取りまとめ、定款の作成、資本金の払込、法務省での登記申請を行います。

    なお、資本金の払込について、登記前は法人口座の開設ができないため、発起人の個人口座に振り込みます。登記が完了したのち、銀行で法人口座を開設します。銀行口座を開設する前に、口座開設にあたって必要な書類や条件を銀行でよく確認しておきましょう。

    バーチャルオフィスの法人登記が可能か判断する方法

    バーチャルオフィスによっては、法人登記を受け付けていないところもあります。また、同一住所に同一商号(社名)がある場合、法人登記はできません。まったく同じ社名でなくても、過去に同じような社名の登録があった場合、法人登記が認められないケースがあります。同一・類似した社名の登録がないか確認しておくことが重要です。

    さらに、バーチャルオフィスでは認められない事業もあります。税理士や弁護士といった士業、人材派遣業、建設業、不動産業などは事業所の確保が認可の要件となることから、認められないケースがあります。

    事前に管轄機関に確認しておいたほうが良いでしょう。

    バーチャルオフィスの選び方

    バーチャルオフィスといっても、提供する企業によってサービス内容に様々な違いがあることから、自分に合ったサービスを選ぶことが重要です。法人登記にも利用したい、住所だけ借りられればよいなど、目的を明確にしたうえでバーチャルオフィスを提供する企業やサービス内容を検討しましょう。

    また、サービスを選ぶ際には、以下のポイントをもとに検討するとよいでしょう。

    • 法人登記の可否
    • 住所がビジネス形態に合っている場所か
    • 月額費用とプラン内容
    • 契約形態

    バーチャルオフィスを利用する際の注意点

    バーチャルオフィスを利用する場合、会議室込みのプラン等ではない限り、実際の作業場を用意する必要があります。また、上述のとおり業種によってはバーチャルオフィスの利用が認められないため注意が必要です。郵便物の受け取りや電話受付けの代行など、自分が望むサービスに対応しているかも必ず確認しましょう。

    自分に適したバーチャルオフィスを賢く利用する

    バーチャルオフィスは、目的に応じて利用できれば、固定費を抑えることができる魅力的なサービスです。個人で活動していたり、副業で利用したりと、ビジネスの規模に合わせてサービスを活用することもできます。サービスの内容やプランをよく確認し、自分に適したバーチャルオフィスを選びましょう。


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