- 更新日 : 2025年1月14日
異動したいのはわがまま?希望を通すコツや気まずくならないポイントも解説
部署異動を希望しているものの「自分のわがままではないか」と不安になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、異動希望を通すためのコツや言いづらい場合の対処法、異動後に気まずくならないポイントまでわかりやすく解説しています。異動希望を出すべきか悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
異動したいのはわがままではない理由
異動を希望する背景には、さまざまな理由があります。単なるわがままというより、自分自身と企業にとってプラスになる選択肢の一つと考えると、前向きな行動につなげやすくなります。ここでは、異動したいのはわがままではないと考えられる理由をわかりやすく解説します。
異動はキャリア形成の一環として考えられる
異動は自身のスキルアップややりたい仕事に近づくための手段の一つです。キャリア形成の視点から見れば、新しい部署での業務経験や新たな人間関係によって、成長の幅が広がる可能性があります。特に、新しい仕事を学びたい、明確なキャリア目標を見据えて業務内容を変更したいと考えている場合は、会社全体にとってもメリットのある行動といえます。
ストレスの軽減やモチベーションの向上につながる
異動を希望する理由として、人間関係や業務内容によるストレスが大きい場合もあります。自分に合わない環境で仕事を続けるとパフォーマンスが下がってしまい、結果として会社に損失をもたらすこともあります。
一方、自分に適した部署へ異動することでストレスが軽減され、モチベーションの向上につながるケースも少なくありません。これにより、新しい職場でより大きな成果を上げられるようになれば、会社の利益にもつながります。
異動希望を通すコツ
ここでは、異動希望をスムーズに通すために押さえておきたいポイントを紹介します。
自己分析をしっかり行う
異動希望を通す上で最も重要なのが、自己分析です。自分の強みや弱み、キャリアの目標を明確にすることで、説得力のある異動の根拠を示すことができます。まずは、「現在の業務のどこが合わないのか」「どのような業務ならモチベーションが高まるのか」を具体的に言語化してみてください。そして、履歴書や職務経歴書を見直し、スキルを客観的に評価してみしましょう。これにより、異動を希望する部署で求められるスキルとの比較がしやすくなります。
異動先でできることをアピールする
異動を希望していても、会社の利益につながらない場合は実現しない可能性があります。そのため、異動先の部署でどのような力を発揮できるかを具体的にアピールするとよいでしょう。例えば「自分の◯◯のスキルを活かして、新部署では△△の業務を改善できる」といったように、具体的な成果予測を示すと説得力が上がります。また、売上アップやコスト削減、業務効率化など、今までの成果や実績を数字で表すと、説得材料として効果的です。
異動希望を出すタイミングを検討する
会社の人事異動が行われる時期を把握し、異動希望を伝えるタイミングを選ぶことも重要です。社内で人事異動の動きが活発になる前に準備を進めておくとよいでしょう。また、大きなプロジェクト中や繁忙期は、上司にゆっくり話を聞いてもらいにくい場合があります。落ち着いた時期に話をすることで、前向きに検討してもらいやすくなります。
上司や人事と相談しやすい関係を築いておく
人事異動はデリケートな話題のため、上司や人事と相談しやすい関係を築いておくことで、いざというときに希望を出しやすくなります。また、自分の希望が会社にメリットをもたらすと感じてくれる協力者がいれば、上司や人事への説得もスムーズに進む可能性が高まります。
異動希望が通る人の特徴
異動希望がすぐに希望が通る人もいれば、なかなか希望が通らない人もいます。どのような点に気をつければ、希望が通りやすくなるのでしょうか。ここでは、異動希望が通りやすい人に見られる共通点を紹介します。
現在の部署で成果を出している
まず大切なのは、現在所属している部署で一定の成果を上げているかどうかです。業績や評価が高いほど、会社から「今後も活躍してくれそうだ」という期待を持たれやすくなります。また、「もうやりたくないから」といった理由で突然異動を申し出るのではなく、普段から与えられた役割はしっかりこなしていることが重要です。こうした姿勢を見せることで、「この人になら新しい部署でも任せられそう」という会社側の安心感につながります。
コミュニケーション力と柔軟性がある
異動先の上司や同僚とのコミュニケーションは、業務を円滑に進めるうえで欠かせません。特に、すでに確立されているチームに飛び込む場合、新人としての柔軟な姿勢が必要です。また、直属の上司や人事だけでなく、周辺部署への説明や折衝も大切です。「自分はやりたいことだけやる」といった一方的な姿勢ではなく、周囲と連携を取りながらプロジェクトを進められる人材であることをアピールできると良いでしょう。
異動希望を言いづらい場合の対処法
異動の希望があっても、上司や人事にどう切り出せばよいか悩む人も多いでしょう。言い出しづらい雰囲気を感じると、心理的なハードルが高くなってしまいます。ここでは、そんなときの対処法をいくつか紹介します。
話しやすい相手に相談する
直属の上司に直接相談しづらい場合は、信頼できる先輩や人事担当者など、比較的話しやすい相手に先に相談してみましょう。自分の希望や状況を整理する手助けになるだけでなく、どのように上司へ伝えればよいかアドバイスを得られるかもしれません。
いきなり本題に入らない
いきなり本題に入ると、相手を驚かせたり身構えさせたりする可能性があります。そこで、「キャリアについて相談したいことがあります」といった言い回しを選ぶと、相手も構えずに話を聞きやすくなります。また「こういう理由で悩んでおり、将来について考え始めました」など、自分の状況や考えを少しずつ伝えながら、相手の反応を見て話を進めるのもよいでしょう。
事前に情報を整理しておく
いざ異動の希望を伝えようとしても、頭が混乱して話をうまくまとめられない場合があります。事前にポイントを整理しておくことで、冷静かつ具体的に話を進めやすくなります。その際は「なぜ今の部署ではなく、別の部署を希望するのか」という理由や、「新しい部署でどのように活躍したいのか」「何を学びたいのか」という目標を事前に考えておくとよいでしょう。
異動したいと言われた場合の対応
部下や社員から異動の希望を出された場合、上司や人事担当者はどのように対応するのがベストなのでしょうか。引き留めるのか、別の選択肢を提案するのか、判断に迷うケースも多いはずです。ここでは、異動希望を受けた側のポイントをいくつか紹介します。
優秀な部下が異動希望を出した場合
異動を希望する部下が優秀であればあるほど、「今の部署で活躍してほしい」と感じる上司は少なくありません。しかし、個人のキャリアやモチベーション、そして会社全体の成長を考慮したうえで判断することが大切です。
まずは、「なぜ異動したいのか」を部下からしっかりと聞き出しましょう。スキルアップを狙いたいのか、業務内容が合わないのか、人間関係によるストレスなのかによって、会社としての対応方法は異なります。
そして、部下の強みが新しい部署で活かせるのであれば、長期的には会社にとって大きなメリットとなる可能性があります。「もう少し今の部署で頑張ってほしい」と考える場合は、部下が欲している経験やスキルを得られるような機会を提示し、納得感を得てもらえるように努力しましょう。
1年目の新人が異動希望を出した場合
まだ実績の少ない1年目の新人に異動希望を出されると、上司や人事として戸惑うこともあるでしょう。本人がどこまで適性を理解しているのか、また企業として新人をどのように育成したいのかを踏まえて話を進める必要があります。
新人は職場環境や仕事のイメージとのギャップでストレスを感じているケースもあるため、まずはその背景を丁寧に聞きましょう。新人にとっては、目の前の辛さから「部署を変えたい」と思うだけかもしれません。しかし、異動先での目標やどのように成長したいのかを一緒に考えることで、よりよい方向性が見つかる場合があります。
また、新人が早期に異動しても、また同じような悩みにぶつかる可能性があります。現部署で学ぶべき基礎的なスキルや知識があれば、それを明示し、適切な学習期間を設けることも検討しましょう。
異動できないなら辞めると言われた場合
「希望が通らないなら退職を検討する」という切実な申し出を受けると、上司や人事にとっては大きなプレッシャーになります。相手の気持ちを尊重しつつ、会社の方針や制度との兼ね合いをバランス良く考慮する姿勢が大切です。
退職をちらつかせる場合、本人は相当なストレスや不満を抱えている可能性が高いです。まずは感情的な部分をしっかり受け止め、相手の感情面に配慮しながら対話することが大切です。そして、異動以外に会社として提供できるサポートや別の選択肢を提示するようにしましょう。
退職を迫られると焦りがちですが、短期的な判断で異動を認めると、今後の組織運営に悪影響を及ぼす可能性もあります。きちんと時間をかけて話し合い、双方が納得できる結論を目指しましょう。
異動後の部署で気まずくならないポイント
異動の希望が実現しても、新しい環境でどう振る舞えばよいか、前の部署との関係は気まずくならないかなど、不安を抱える方が多いでしょう。新しい部署で周囲と良好な関係を築き、スムーズに仕事を進めるために押さえておきたいポイントを紹介します。
新しい部署の仕事の進め方を理解する
まずは新しい部署の仕事の進め方を理解することが大切です。今までのやり方をそのまま持ち込むと、部署特有の流れを乱してしまうかもしれません。周りに確認しながら少しずつ馴染むようにしましょう。また、部署ごとに異なる価値観や慣習が存在します。まずは「教えてもらう」というスタンスで歩み寄り、相手をリスペクトしながら素直に学ぶことを意識してください。
積極的なコミュニケーションを心がける
コミュニケーション不足は、職場での気まずさやトラブルの原因になりやすいものです。異動直後は、名前を覚えてもらうだけでなく、自分も相手の名前や業務内容を把握するように積極的に声をかけるようにしましょう。また、わからないことを抱え込まず、定期的に相談や報告をすることで、周囲との関係性を構築しやすくなります。チーム内での情報共有を意識して行動しましょう。
移動前の部署との関係も継続する
異動後は前の部署の人にどう思われているか心配で会話を避けてしまいがちですが、挨拶や近況報告など最低限のコミュニケーションを継続することも重要です。特に、異動前にお世話になった上司や同僚には、できる範囲で感謝の気持ちを伝えておきましょう。引き継ぎなどをスムーズに行った上で、新たな環境での頑張りを報告すると好印象を持たれやすいです。
異動希望で会社に貢献できる可能性もある
異動希望は、必ずしもわがままではなく、キャリア形成や組織への貢献につながる可能性があります。大切なのは、自分の強みや目標を客観的に把握し、会社や周囲にとってもメリットがある形で行動することです。また、上司や人事が異動希望を受け止める際は、本人の意向だけでなく組織全体のバランスや人材育成の視点を踏まえて検討する姿勢が求められます。自分のキャリアを前向きに切り拓くためにも、ぜひ本記事のポイントを参考にしながら、納得のいく異動を実現していただければと思います。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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