• 更新日 : 2021年12月16日

知っておきたい「マイナンバー制度」2015年10月から運用開始!

いよいよ、2015年「マイナンバー制度」が日本でもはじまります。実際の運用はもう少し先からとなりますが、10月には全国民にマイナンバーの通知が予定されていることもあり、実質的には2015年スタートだといえるでしょう。
「なんとなく聞いたことはあるけどよく知らない」「そもそも聞いたことすらない」という人もいるかもしれませんが、これは誰しもに関係のある制度なので、今のうちにポイントを押さえておきましょう。

マイナンバー制度とは

そもそもマイナンバー制度とはいったい何なのでしょうか?
マイナンバー制度とは、いわゆる「国民総背番号制」のことです。野球やサッカーを観戦するとき、背番号を見れば顔がわからなくても選手を見分けることができます。それと同じように、全国民に固有の番号(マイナンバー)を振り当てることで、国民ひとりひとりの識別や管理をしやすくしようという制度なのです。
社員番号や学籍番号などと似たような考え方ですが、大きく違うのは、もっと幅広い範囲に適用されるという点です。
マイナンバーには、あらゆる個人情報がひも付けされます。氏名・住所・生年月日といった基本的な情報はもちろんのこと、納税情報・社会保障費納付状況などもひとつの番号で一括管理されるようになります。

マイナンバー制度設立の経緯

マイナンバー制度の考え方自体は古いものです。アメリカでは約80年前、イギリスでも約70年前から導入されていますので、むしろ日本は遅すぎたくらいかもしれません。
導入のきっかけは、2007年に起きた年金記録問題でした。社会保険庁の管理する年金記録に大量のミスがあると発覚して大問題となったものですが、実はこれは、個人情報の管理方法が原因だったのです。それまでは分野ごとに別々の番号が使われていたせいで、データの混乱が起きやすい状態となっていました。
そこで、さまざまな個人情報を一元管理できる制度が必要となり、2013年にマイナンバー法(正式名:行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)が制定されたというわけです。

今後のスケジュールは?

冒頭でも触れたように、2015年10月からいきなりマイナンバーの運用が本格化するわけではありません。ここで、マイナンバー制度が今後どのように展開していくのか、スケジュールを確認しておきましょう。

2015年10月

国民に対してマイナンバーが通知されます。国民に周知するための準備期間だといえるでしょう。

2016年1月

マイナンバーの使用が実際にスタートします。マイナンバーが記載されたICカードの無料交付もそれまでに開始されます。

2017年1月

国の各機関での情報連携がはじまる予定です。

2017年7月

情報連携が地方自治体レベルにまで広がる予定です。

2018年10月以降

マイナンバーの民間利用開始が検討されています。

マイナンバー制度の「メリット」は?

新しい制度が導入されるのは、もちろんメリットがあるからです。それでは、マイナンバー制度のメリットはどういった部分なのでしょうか?
いちばんに挙げられるのは、各組織間での個人情報の共有がスムーズに行われるようになるという点です。「お役所仕事」というと時間がかかるというイメージがありますが、マイナンバーの情報連携がはじまれば従来より手間もコストも削減できるでしょう。
また、手間が少ないということはそれだけミスの発生するリスクが下がるということでもあります。万一情報に間違いがあったとしても、一元管理されているため訂正が簡単です。つまり、情報管理がシンプルかつ効率的になるという利点があるわけです。

マイナンバー制度の「デメリット」は?

一方、マイナンバー制度にはデメリットもあります。現在までマイナンバーが導入されてこなかったのは、デメリットを懸念して反対する人も多かったからです。
個人情報を一括管理されるということは、国や自治体が簡単に情報を手に入れられるということです。いわば監視されているような状態になりやすいため、国民のプライバシーが侵害されるおそれも出てきます。また、本来必要ではない情報まで不正に入手しようとする者もいるかもしれませんし、そうした情報が流出する危険性だってあるでしょう。
マイナンバー制度のメリットを最大限に生かすためには、悪用を防ぎ正しく利用されるよう、国民の側が注視しておくことも大切です。

企業にも関係する?

「制度のことはなんとなくわかったけど、対応や整備をするのはお役所なんだから国民はただ待っていればいいんでしょ?」……こんなふうに考えている人もいるかもしれません。ところがこれは大きな誤解です。
マイナンバー制度の目的には、国民の所得を正確に把握して社会保障を充実させようというねらいもあります。そのため、民間企業の給与事務などにはマイナンバーと密接な関係があるのです。
企業は、制度運用開始までにマイナンバーの取り扱いについてルールやシステムを整備しておかなければなりません。その上で従業員への理解を徹底させる必要もあります。直前になって慌てて対応すると大きな負担になりかねませんので、今のうちから準備を進めておきたいところです。

まとめ

あらためてマイナンバー制度についてポイントを確認しておきましょう。

・マイナンバー制度はすべての国民に深く関係している制度です。
・2015年10月に番号が通知され、2016年1月から運用開始されます。
・マイナンバー導入によって個人情報の管理が効率化されます。
・情報が悪用される危険性があることにも注意しましょう。
・民間企業もマイナンバーへの対応が必要です。

備えあれば憂いなし。今からマイナンバーへの理解をしっかりと深めておきましょう。

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よくある質問

マイナンバー制度とは何ですか?

いわゆる「国民総背番号制」のことです。詳しくはこちらをご覧ください。

マイナンバー制度の「メリット」は何ですか?

各組織間での個人情報の共有がスムーズに行われるようになるという点点などがあげられます。詳しくはこちらをご覧ください。


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