• 更新日 : 2024年2月29日

セルフマネジメントとは?構成要素やスキルを高める方法を解説!

セルフマネジメントとは?構成要素やスキルを高める方法を解説!

セルフマネジメントは、自己管理能力を表す言葉です。生活習慣を自分で律するという意味だけではなく、ストレスに対処することや、ネガティブな感情をコントロールするスキルも含まれます。

セルフマネジメントに長けた人は、安定したメンタルでモチベーション高く仕事ができます。ここでは、セルフマネジメントを高める方法について解説します。

セルフマネジメントとは?

セルフマネジメントとは、目標の達成や自己実現のための「自己管理能力」を意味する言葉です。自分の感情や思考、行動などを生産的な方法でコントロールする能力のことを指します。従業員がセルフマネジメントを通じて自ら能動的に行動できるようになれば、モチベーションを高い状態で維持することや、能力を最大限に発揮することが可能となり、個々のパフォーマンスを高めることが可能になります。

セルフマネジメントの方法には、目標の設定、ストレスの軽減、感情のコントロール、心身の健康状態の管理などがあり、個人の効率性やパフォーマンスの向上に貢献します。また、個人の成果が高まることで、チームや組織の成果が高まることも期待できます。

セルフマネジメントが注目される理由は?

マネジメントというと、管理職が部下に行う業績管理や目標管理、チームや組織の運営など、仕事上で成果を上げるための方法が一般的な考えでした。セルフマネジメントが注目される背景には、リモートワークなどの普及で個人で働く際の裁量が拡大したことや、企業の自律型人材の需要の拡大があります。

リモートワークの普及

リモートワークが普及した際、企業の懸念として挙げられたのは、従業員のマネジメント能力の問題です。リモートワークでは、離れた場所で仕事をする従業員に対して、業務を遂行させつつも長時間労働を発生させないといった、適切な労務管理が求められます。

しかし労務管理では、勤怠時間を守る以外にも、適度に休息を取らせることやストレスを抱えさせないなど、細かな点にも目を配る必要があります。従業員が心身ともに健康であり、高いモチベーションを維持することは、業務の生産性を左右するのです。なかには、一人で仕事をすることから、ストレスを抱えたままにしてしまい、パフォーマンスが低下してしまうケースもあります。

セルフマネジメントは個人の管理能力を向上させます。タイムマネジメントのスキルが向上すれば、生産的な働き方ができるようになります。ストレスマネジメント、セルフモチベーションなどのスキルも、個としての働く力を助けるでしょう。

企業の生産性向上と自律型人材

働き方改革により長時間労働の是正が掲げられてから、生産性の向上が企業にとって大きな課題となっています。生産性を上げるには、働く時間を長くするのではなく、限られた時間のなかで求められる成果を出す必要があります。そのためには、一人ひとりが高い能力を発揮できるようにならなければなりません。その際に注目されているのが、自分で考え判断し、行動ができる自律型人材です。

自律型人材は、いわゆる指示待ちの人材とは異なり、自ら考え行動する能力に優れています。上司からの指示を全て待たなくても、状況に応じた適切な行動をとることが可能です。セルフマネジメントに長けた自律型人材を採用すること、または自社で育成することは、企業の生産性向上を実現させる大きな鍵といえます。

セルフマネジメントの構成要素は?

セルフマネジメントにはいくつかの種類があります。ここでは、代表的なセルフマネジメントの種類についてご紹介します。

メンタルヘルスケア

メンタルヘルスケアでは、自分自身が受けているネガティブな感情に気づき、受け流す方法や解消させる方法を身につけます。周りからは、大きなストレスを抱えていたり、疲れていたりする状態に見えても、本人が気づいていないというケースは珍しくありません。「頑張ろう」と本人が思っていると、心身が無理をしている状態にあることに気づけないこともあるでしょう。

研修などで、セルフケアについての知識や、自らストレスやモチベーションの低下に対処する方法を学ぶことは大切です。

レジリエンス

レジリエンスとは、困難な状況等に直面した際、すばやく回復する力のことをいいます。レジリエンスの高い人は、プロジェクトで失敗をした際や、仕事でトラブルがあった際、気持ちを切り替えることや立ち直るのが早く、適切な対応をすることができます。

ストレスや困難な状況に対して、前向きな姿勢で取り組むことができるため、安定して成果を出し続けることができるのも特徴です。

アンガーマネジメント

アンガーマネジメントとは、怒りといったネガティブな感情に支配されることなく、自らの感情をコントロールするマネジメント方法です。怒りの裏側には、不安や恐れといった感情が隠されていることがあります。自ら、ネガティブな感情の原因を客観的に判断することで、感情に振り回されずに適切な対応を行うことが可能になります。

変化のスピードが激しく日々さまざまなことが発生する職場では、アンガーマネジメントは、周囲との人間関係を良好に保つ上で必要なセルフマネジメントの一つです。

キャリアデザイン

キャリアデザインとは、自分のなりたい姿を描くことです。ただ昇給や昇進だけを目指すのではなく、仕事へのやりがいを見出し、自己実現を達成するためのキャリアを自律的に考えます。

キャリアデザインを描くことによって仕事の目標が明確になるため、モチベーションが向上します。

セルフマネジメントができない人の特徴は?

セルフマネジメントができていない……そのような場合、以下のような特徴があるかもしれません。セルフマネジメントの能力をを高めることで、状況を変えることができます。

人に任せることが苦手

人に仕事を任せることが苦手な人は、ときにたくさんの仕事を抱え込んでしまいます。個人の能力を超えた仕事量を受けてしまうと、本人がパンクしてしまい、かえってチームや職場に迷惑をかけてしまうことになりかねません。人に任せることが苦手な人は、「任せ方が分からない」「頼んで断られたらいやだ」「自分でやったほうが早い」などとさまざまな思いを抱えています。そのため、主観と状況を切り離すことがうまくできず、結果として自分でやるという状態に膠着してしまうのです。

自分で全てをやることが、知らず知らずのうちに大きなストレスになっていることもあります。ストレスマネジメントやタイムマネジメントなどで、状況が変わることが望ましいといえるでしょう。

完璧にこだわる

完璧にこだわる人は、高い成果を出せる一方、大きな失敗をする可能性もあります。「決められた納期に提出できない」「すべて自分でやろうとする」というのは、チームでの働きを阻害してしまうこともあるのです。

完璧にこだわるがゆえに、ミスが発生したときの落ち込みも大きくなります。セルフマネジメントによりレジリエンスを高めることで、問題となる傾向を改善できるでしょう。

責任感が強い

責任感は、仕事上重要な要素です。しかし、責任感が強い人は、同時に大きなストレスを抱えてしまうことがあります。「自分がやらなければ」と働いているうちに、なかなか休めなくなったり、四六時中仕事のことを考えていたりすると、結果として心身の調子を崩してしまうこともあるのです。

責任感が強い人ほど、メンタルヘルスケアを学び、ストレスに対処する方法を身につける必要があるでしょう。

セルフマネジメントのスキルを高める方法は?

セルフマネジメントは、研修などで手法を学ぶことができます。また、日々の仕事を通じて、スキルを高めることも可能です。ここでは、日頃から意識してできる取組みを紹介します。

時間を意識して仕事をこなす

細かいタスクを設定し、どれくらいの時間がかかるのかを意識して業務を行うことが大切です。一つひとつの業務にかかる時間を把握することができるようになれば、全体像をイメージすることができるようになります。業務効率を普段から意識することで、セルフマネジメントのスキルが向上します。

フィードバックで自分の行動を振り返る

自分の行動について、フィードバックを得ることで、客観的な判断ができるようになります。他者からのフィードバックはもちろん、自分自身で振り返ることも効果があるでしょう。行動を振り返ることで、「モチベーションが下がっていた」「ストレスを感じている」など、自身の状態に気づくことができます。

細かい目標設定でモチベーションを維持する

モチベーションを常に高く維持しながら仕事をするのが難しいという場合は、細かい目標設定を行うのがよいでしょう。スモールステップで達成感を得ることはモチベーション向上にもつながるばかりか、同時にゴールまでの道筋をイメージすることも可能にします。前向きな姿勢で仕事に取り組むことができ、生産性が向上します。

セルフマネジメントは生産性向上の鍵

個人のセルフマネジメントの能力が高まれば、組織のパフォーマンスも向上します。ネガティブな感情や困難な状況に対応するためには、セルフマネジメントは欠かせないスキルです。

セルフマネジメントは、研修のほか、日頃の習慣を通じて高めることが可能です。企業としても、従業員がセルフマネジメントを身につけることは多くのメリットをもたらします。従業員一人ひとりが高いモチベーションを維持し、能力を最大限に発揮することができれば、個々だけではなく組織としてのパフォーマンスを高めることが可能です。セルフマネジメントは生産性向上の鍵となるでしょう。


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