• 更新日 : 2026年10月5日

年末調整で個人年金保険料控除はいくら戻る?対象条件と申告方法を徹底解説

Point個人年金保険料控除でいくら戻る?

個人年金保険料控除は3つの条件を満たせば、所得税・住民税の両方で控除を受けられます。

  • 所得税の控除上限は新契約4万円・旧契約5万円
  • 年金受取人・払込10年以上・60歳以降受取が条件
  • 年末調整は控除証明書を添付して勤務先に提出

Q. 個人年金保険料控除の対象になる条件は?

A. 年金受取人が本人か配偶者、払込期間10年以上、60歳以降に10年以上受取の3条件をすべて満たす契約が対象です。

個人年金保険は、条件を満たすと年末調整や確定申告で生命保険料控除の対象となり、所得税・住民税の負担を軽くできます。本記事では、年末調整における個人年金保険料控除の適用条件、新契約・旧契約による控除額の違い、実際にいくら戻るのかの目安、そして申告に必要な手続きまで、企業のバックオフィス担当者にも分かりやすく整理して解説します。

個人年金保険料控除とは?年末調整でどう扱われる?

個人年金保険料控除とは、民間の保険会社が取り扱う個人年金保険の保険料を支払った場合に、一定額を所得から差し引ける制度です。年末調整や確定申告の際に、生命保険料控除の一区分として申告できます。

生命保険料控除は「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3区分に分かれており、個人年金保険料控除はこのうちの一つです。任意加入である個人年金保険は、老後資金の準備を後押しする制度として位置づけられており、条件を満たしているにもかかわらず申告し忘れているケースも少なくありません。バックオフィス担当者としては、従業員から提出される保険料控除申告書の記載内容が、個人年金保険料控除の要件を満たしているかどうかを正しく確認できることが重要です。

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個人年金保険料控除の対象条件は?満たすべき3つの要件

個人年金保険料控除を受けるには、契約に個人年金保険料税制適格特約が付加されていることに加え、3つの条件をすべて満たす必要があります。いずれか一つでも欠けると、生命保険料控除のうち一般生命保険料控除の枠での申告となり、個人年金保険料控除としては認められません。

条件1:年金受取人が保険料負担者本人か配偶者であること

年金受取人は、保険料を支払う契約者本人か、その配偶者でなければなりません。子どもなど契約者・配偶者以外の家族を受取人としている契約は、個人年金保険料控除の対象外となります。

条件2:保険料の払込期間が10年以上であること

年金の支払いが始まるまで、10年以上にわたって定期的に保険料を払い込む契約であることが必要です。一時払いなど短期間で保険料を払い終える契約は、この条件を満たさないため対象になりません。

条件3:年金の受取開始が60歳以降であり、受取期間の条件も満たすこと

年金の受取開始年齢は原則60歳以降で、かつ受取方法が10年以上の定期年金・確定年金・有期年金、または終身年金である必要があります。終身年金であれば期間の制限はありませんが、確定年金や有期年金の場合は受取期間が10年以上であることが条件です。

参考:No.1141 生命保険料控除の対象となる保険契約等|国税庁

新契約と旧契約で個人年金保険料控除はどう違う?

平成24年(2012年)1月1日以後に契約した個人年金保険は新契約、平成23年(2011年)12月31日以前に契約したものは旧契約に区分され、所得税の控除上限額が異なります。新契約は最大4万円、旧契約は最大5万円が個人年金保険料控除の上限です。

平成22年度税制改正により、それまでの一般・個人年金の2区分に介護医療保険料控除が加わり、3区分合計の控除上限は12万円に拡充されました。新契約・旧契約の両方に加入している場合、次の3通りで計算し、最も有利な金額を選択できます。

  1. 新契約分のみで計算する
  2. 旧契約分のみで計算する
  3. 新契約分と旧契約分の合計で計算する(ただしその区分の上限は4万円)
区分 新契約の上限(所得税) 旧契約の上限(所得税)
一般生命保険料控除 4万円 5万円
個人年金保険料控除 4万円 5万円
介護医療保険料控除 4万円 ー
3区分合計の上限 12万円 10万円

参考:旧生命保険料と新生命保険料の支払がある場合の生命保険料控除額|国税庁

令和8年分の税制改正で個人年金保険料控除は変わる?

結論として、令和7年度税制改正による控除額の拡充対象は一般生命保険料控除のみであり、個人年金保険料控除の上限額自体は変更されません。この点は混同しやすいため、正確に押さえておく必要があります。

対象は「一般生命保険料控除」のみ、個人年金保険料控除は据え置き

令和7年度税制改正では、23歳未満の扶養親族がいる場合に限り、新契約の一般生命保険料控除の所得税上限が4万円から6万円に引き上げられます。ただし、これは一般区分のみの措置であり、介護医療保険料控除・個人年金保険料控除の上限(各4万円)や、3区分合計の上限12万円には変更がありません。複数の情報源では、この特例が令和8年分・令和9年分の2年間の時限措置とされていますが、今後の税制改正大綱で扱いが変わる可能性もあるため、最新情報は国税庁の発表で確認することをおすすめします。

対象となる場合の新契約・一般生命保険料控除の計算式は以下のとおりです。

年間の新生命保険料 控除額(特例適用時)
3万円以下 新生命保険料の全額
3万円超6万円以下 新生命保険料×1/2+1万5,000円
6万円超12万円以下 新生命保険料×1/4+3万円
12万円超 一律6万円

参考:生命保険料控除とは?新旧制度の違いや計算方法をわかりやすく解説|ソニー生命保険

個人年金保険料控除の手続き方法は?年末調整と確定申告の流れ

個人年金保険料控除を受けるには、会社員は年末調整で、個人事業主は確定申告で手続きを行います。いずれの場合も、生命保険料控除証明書などを利用して、支払った保険料を申告します。年末調整では、書面の控除証明書を提出する方法のほか、電子データを給与の支払者に提供する方法もあります。

STEP1:給与所得者は「保険料控除申告書」に記入する

会社員の場合、勤務先から配布される「給与所得者の保険料控除申告書」に、契約している保険会社名や年間の支払保険料額を記入します。この申告書は、生命保険料控除・地震保険料控除・社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除の4種類の控除をまとめて申告するための書類です。

STEP2:生命保険料控除証明書を添付して勤務先へ提出する

記入した申告書に、保険会社から送付された生命保険料控除証明書を添付し、勤務先に提出します。年間の収入が2,000万円を超える場合や、年末調整の期限に間に合わなかった場合は、確定申告での申告が必要です。

参考:A2-3 給与所得者の保険料控除の申告|国税庁

個人事業主・フリーランスは確定申告で控除証明書を提出する

個人事業主やフリーランスなど、年末調整を受けない人の場合、確定申告書に生命保険料控除証明書を添付して提出することで、個人年金保険料控除を含む各種所得控除の適用を受けられます。

電子的控除証明書を利用する場合の注意点

2019年1月以降、保険会社から電子データで生命保険料控除証明書を受け取る「電子的控除証明書」の利用が認められています。e-Taxで確定申告を行う場合はそのまま添付でき、紙の書類と併せて提出する場合は「QRコード付証明書等作成システム」を利用します。

参考:控除証明書等の電子的交付について|国税庁

個人年金保険料控除はいくら戻る?所得税・住民税の控除額一覧

個人年金保険料控除でいくら戻るかは、本人の課税所得や適用税率によって異なりますが、控除される上限額を把握しておくことで、還付や減税の効果をイメージしやすくなります。

所得税の控除上限は新契約4万円・旧契約5万円

新契約は一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除を合わせて最大12万円、旧契約は一般生命保険料控除と個人年金保険料控除を合わせて最大10万円の所得税控除が受けられます。

新契約:年間の支払保険料等 控除額
2万円以下 支払保険料等の全額
2万円超4万円以下 支払保険料等×1/2+1万円
4万円超8万円以下 支払保険料等×1/4+2万円
8万円超 一律4万円
旧契約:年間の支払保険料等 控除額
2万5,000円以下 支払保険料等の全額
2万5,000円超5万円以下 支払保険料等×1/2+1万2,500円
5万円超10万円以下 支払保険料等×1/4+2万5,000円
10万円超 一律5万円

住民税の控除上限は新旧ともに合計7万円

住民税では、新契約の個人年金保険料控除は上限2万8,000円、旧契約は上限3万5,000円です。ただし新契約は3区分合計で7万円、旧契約は2区分合計で7万円が上限となります。

新契約:年間の支払保険料等 控除額
1万2,000円以下 支払保険料等の全額
1万2,000円超3万2,000円以下 支払保険料等×1/2+6,000円
3万2,000円超5万6,000円以下 支払保険料等×1/4+1万4,000円
5万6,000円超 一律2万8,000円
旧契約:年間の支払保険料等 控除額
1万5,000円以下 支払保険料等の全額
1万5,000円超4万円以下 支払保険料等×1/2+7,500円
4万円超7万円以下 支払保険料等×1/4+1万7,500円
7万円超 一律3万5,000円

参考:住民税の所得から差し引かれる金額|調布市

年末調整で個人年金保険料控除を漏れなく申告しよう

個人年金保険料控除は、一般生命保険料控除や介護医療保険料控除に比べて見落とされがちですが、受取人・払込期間・受取開始年齢の3条件を満たせば、所得税・住民税の両方で控除を受けられます。年末調整の際は、契約している保険が新契約・旧契約のどちらに該当するかを確認し、生命保険料控除証明書を忘れずに添付して、個人年金保険料控除を漏れなく活用しましょう。

よくある質問

年末調整において、個人年金保険料は控除されますか?

控除の対象です。ただし、個人年金保険料税制適格特約が付加されていて、保険金の受取人、保険料の払込期間や保険金の受取期間について、定められた条件の全てを満たす必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。

個人年金保険料控除に必要な手続きについて教えてください

会社員の場合は年末調整で「給与所得者の保険料控除申告書」を記入するとともに、保険会社から送られてきた生命保険料控除証明書を勤務先に提出します。個人事業主やフリーランスは確定申告で控除します。詳しくはこちらをご覧ください。


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