• 更新日 : 2022年8月30日

解雇予告とは?手続きや注意点について解説!

解雇予告とは?手続きや注意点について解説!

「解雇予告」とは、会社による従業員解雇で前もって行わなければならない告知のことです。30日前までに行う必要があり、ないと労働基準法違反になります。期間が不足する場合は解雇予告手当を支払わなくてはならず、きちんとした手続きも求められます。解雇を告げられた労働者は解雇理由の書面での明示や、解雇予告手当の支払いが請求できます。

解雇予告とは?即時解雇との違い

「解雇」とは、会社が従業員を辞めさせることです。会社と従業員の間には労働契約が結ばれていますが、この契約はどちらかの申し出により、終了させることができます。都合により会社から労働契約終了の申し出が行われる場合が解雇になります。しかし、解雇は労働者の生活を著しく脅かす行為であるため、厳しく制限されています。

会社が労働者を解雇する場合には、解雇予告が必要です。解雇を行う少なくとも30日前までに、会社は労働者に対して解雇を通告しなければなりません。解雇予告は、労働者が生活を安定させるために必要な猶予期間とされています。

即時解雇とは、解雇予告しない解雇のことです。会社は30日分の賃金(解雇予告手当)を支払えば、予告なく解雇を言い渡した当日に解雇することができます(労働基準法第20条)。しかし、解雇予告手当の支払いもせずに即日解雇するには、労働基準監督署の除外認定が必要になります。除外認定のためには、「天災事変その他やむを得ない事由のため事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合」(労基法20条1項ただし書)に該当しなければなりません

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会社が従業員の解雇を行う場合の手続き

解雇は、労働者にとって非常に重大な出来事となるため、安易に実施することは認められません。法律に定められた手続きを、しっかりと行う必要があります。

① 30日前には解雇の予告を行う

会社が従業員を解雇するためには、解雇予告を行う必要があります。解雇予告は、解雇日の少なくとも30日前までにしなくてはなりません。30日前を数える際は、解雇予告をした日はカウントしないことに注意が必要です。

解雇予告日の数え方

  • 11月30日に解雇する場合:10月31日までに解雇予告をしなければならない
  • 12月31日に解雇する場合:12月1日までに解雇予告をしなければならない

➁ 解雇理由証明書・解雇予告通知書を作成し従業員に渡す

労働者は解雇された場合、解雇理由についての証明書を受け取ることができます。退職後や解雇予告期間中に請求でき、労働者から求めを受けた会社は速やかに交付しなければなりません。解雇理由証明書については、労働基準法第22条に定められています。

解雇理由証明書については、以下のページから無料でダウンロードできます。
状況に合わせて適宜変更し、実務でご利用いただけます。

▶ 解雇理由証明書をダウンロード(ダウンロードのためのフォーム入力画面に遷移します)

解雇予告通知書は、会社が労働者に対して行った解雇予告の内容を記した書面です。解雇予告は口頭で行っても有効ですが、記録は残りません。トラブルを避けるためには書面での通知が望ましく、解雇予告通知書がこれに該当します。

③ 解雇予告をしていない場合、解雇の際に30日分以上の解雇予告手当を支払う

解雇をするには30日前までの解雇予告が必要ですが、解雇予告手当の支払いで代替とすることも認められています。会社は、労働者を解雇する際、解雇予告の代わりを解雇手当金支払いとすることができます。解雇予告手当金を支払えば30日の期間は必要なくなり、前述のように即日解雇が可能になります。

解雇予告手当の金額は、平均賃金×30日分です。解雇予告の期間が30日に満たない場合に、その日数分だけ解雇予告手当を支払うこともできます。

解雇予告手当の金額

  • 1日あたりの解雇予告手当額:直近3ヵ月間の平均賃金
  • (例1)解雇予告なしの場合:平均賃金×30日分
  • (例2)解雇予告が20日前の場合:平均賃金×10(30-20)日分
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解雇予告の適用除外。解雇不可の期間

労働基準法は第19条において、解雇禁止期間を定めています。次の期間にある労働者に対して、会社は解雇を行うことはできません。

・業務上のケガや病気の療養のために休業する期間と、その後の30日間
・産前産後休暇期間と、その後の30日間

ただし業務上のケガや病気で休業している労働者については、治療開始から3年が経過しても治療が完了しない場合、平均賃金の1,200日分の打切補償を支払えば解雇することができます。

また、労働基準法第21条は解雇予告適用除外の規定となっていて、次の労働者については解雇予告が適用されないと定められています。

  • 日々雇い入れられる者
  • 2ヵ月以内の期間で雇用される労働者
  • 季節的業務に4ヵ月以内で雇用される労働者
  • 試みの使用期間中の労働者

しかし解雇予告が適用除外であってもそれぞれが次のような場合は、解雇予告の対象になります。

  • 日々雇い入れられる者が1ヵ月を超えて引き続き働く場合
  • 2ヵ月以内の期間で雇用される労働者が期間を超えて引き続き働く場合
  • 季節的業務に4ヵ月以内で雇用される労働者が期間を超えて引き続き働く場合
  • 試みの使用期間中の労働者が14日を超えて引き続き働く場合
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解雇予告を行う上での注意点

会社が従業員を解雇するには、天災事変や即時解雇の場合を除いては解雇予告をする必要があります。解雇予告をするにあたっては、以下のような注意点があります。

解雇予告を行わない会社は、刑事罰の可能性も

解雇予告は、会社が授業員を解雇する際には必ず行わなければならない手続きです。労働基準法第20条に定められている手続きであるため、解雇予告を行わない解雇は労働基準法違反として6ヵ月以下の懲役、または30万円以下の罰金が科せられます。解雇予告は違反すると刑事罰が科せられる可能性があることを認識し、しっかりと行わなければなりません。

口頭での解雇予告はトラブルの原因になるため行わない

解雇予告について、手段はとくに定められていません。そのため口頭で行うことが認められ、効力も発生します。しかし口頭での解雇予告は記録が残らず、あとからトラブルに発展する恐れがあります。解雇予告がいつ行われたか、解雇日はいつか、解雇理由はなにか、といったことが問題となってトラブルが引き起こされることがよくあるため、口頭での解雇予告は避けるようにしましょう。

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【従業員向け】会社から解雇を伝えられたら?

従業員が会社から解雇を通告された場合、どのような対応が必要になるのでしょうか?不当な解雇を防いだり、支払われるべき解雇予告手当を受け損ねたりしないためには、適切な対応方法を身につけておくことが必要です。

正当な理由がある解雇かを確認する

会社から解雇を通告されたら、まず不当な解雇ではないかを確認しなくてはなりません。承諾できる解雇理由であるかどうかを判断するため、会社に解雇理由の明示を求めます。

会社が労働者を解雇する際には解雇予告をしなければならず、労働者は解雇予告期間中や退職後に解雇理由についての証明を書面で受け取ることができます。解雇理由について納得できずに申し立てをする場合、証拠としてこの証明書が必要です。また、雇用保険の失業給付等を受ける上でも解雇理由証明書がないと自己都合での退職とされ、給付期間が短くなったり待機期間が設けられたりします。解雇を告げられたら必ず解雇理由証明書の交付を受け、理由を確認するようにしましょう。

即時解雇の場合には、解雇予告手当を請求する

解雇予告手当の支払いもせずに即日解雇するには、労働基準監督署の除外認定が必要になりますが、「天災事変その他やむを得ない事由のため事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合」という基準は、かなり厳格に適用されます。

労働者を保護する必要がないという重大かつ悪質な非違行為があった場合に限られると考えるべきです。即日解雇された場合でも、解雇予告手当を請求しましょう。

解雇予告手当がもらえない場合は?

解雇予告手当の支払いは、労働基準法第20条第2項に明記されています。支払われない場合は法律違反となり、請求の訴えを起こすことが可能です。

訴えを起こすためには、解雇の内容が明らかになる証拠が必要になります。記録として解雇予告通知書や解雇理由証明書の交付を受けるようにしましょう。

解雇で法律違反とならないよう解雇予告をきちんと理解しよう

解雇は労働者の生活に大きな影響を与える出来事です。安易に行うことは認められず、労働基準法は解雇に対して厳しく制限しています。やむを得ないとして認められる場合でも、ルールや手続きについての定めが設けられています。

解雇予告は労働生基準法に規定されている解雇ルールの一つで、少なくとも30日前までの予告を必要とするものです。30日の予告期間が確保できないときは、解雇予告手当を支払わなくてはなりません。また解雇には、解雇理由証明書や解雇通知書の交付も必要です。

会社が従業員を解雇しようとする場合には、労働基準法の定めるとおりに行う必要があります。不備があると労働基準法違反となり、罰則が適用される可能性があります。また民事訴訟や刑事事件に発展することも考えられます。解雇を行う際は労働基準法の規定をよく理解し、違反とならないようにすることが必要です。

よくある質問

解雇予告とはなんですか?

会社が従業員を解雇する際には、解雇日の少なくとも30日前に従業員に告げる必要があり、この告知のことです。詳しくはこちらをご覧ください。

解雇予告に適用除外はありますか?

日々雇い入れられる者、2ヵ月以内の期間で雇用される労働者、季節的業務に4ヵ月以内で雇用される労働者、試みの使用期間中の労働者が解雇予告適用除外となります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:坪 義生(社会保険労務士)

じんじ労務経営研究所代表(社会保険労務士登録)、労働保険事務組合 鎌ヶ谷経営労務管理協会会長、清和大学法学部非常勤講師、「月刊人事マネジメント」(㈱ビジネスパブリッシング)取材記者。社会保険診療報酬支払基金、衆議院議員秘書、㈱矢野経済研究所、等を経て、91年、じんじ労務経営研究所を開設。同年より、企業のトップ・人事担当者を中心に人事制度を取材・執筆するほか、中小企業の労働社会保険業務、自治体管理職研修の講師など広範に活動。著書に『社会保険・労働保険の実務 疑問解決マニュアル』(三修社)、『管理者のための労務管理のしくみと実務マニュアル』(三修社)、『リーダー部課長のための最新ビジネス法律常識ハンドブック』(日本実業出版社、共著)などがある。

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