• 更新日 : 2026年10月5日

源泉徴収税額表の見方とは?会社員・個人事業主の源泉徴収税額をわかりやすく解説

Point源泉徴収税額表の正しい見方は?

源泉徴収税額は、社会保険料控除後の給与額と扶養親族等の数を税額表に当てはめて求めます。

  • 甲欄・乙欄は申告書の提出有無で決まる
  • 令和8年分から税額表の内容が変更された
  • 個人事業主が受け取る一定の報酬・料金には、原則10.21%の源泉徴収が必要

Q. 令和8年分で何が変わった?

A. 扶養親族等の算定方法が見直され、源泉徴収不要となる給与のラインが88,000円未満から105,000円未満に引き上げられました。

会社員の給与から毎月天引きされる所得税は、国税庁が公表する源泉徴収税額表を使って決まります。本記事では、源泉徴収税額表の見方や源泉徴収税額の求め方を、令和8年分の最新情報をもとに、会社員と個人事業主それぞれのケースで解説します。

会社員の源泉徴収税額表の見方は?

会社員の源泉徴収税額は、給与から社会保険料を控除した金額と扶養親族等の数を、国税庁の源泉徴収税額表に当てはめて求めます。会社は従業員を雇う限り「源泉徴収義務者」となり、所得税を給与から天引きして国に納付する義務を負います。

通常、個人事業主は1年間の所得について確定申告が必要ですが、勤務先以外の収入がない会社員は、年末調整で完結するため原則として確定申告は不要です。

源泉徴収税額表の甲欄・乙欄・丙欄の使い分け

月給や半月給などの給与は月額表の甲欄・乙欄、日給や週給の給与は日額表の甲欄・乙欄を使い、日雇賃金は丙欄で源泉徴収します。どの表を使うかは給与の支給方法、どの欄を使うかは「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出有無で決まります。

申告書を勤務先に提出している人は甲欄、提出していない人は乙欄が適用されます。乙欄は扶養親族等の数にかかわらず、給与等の金額に応じて税額が決まります。一般的に、同じ給与額であれば甲欄よりも税額が高くなります。

【計算例】社会保険料控除後30万円・扶養親族等1人の場合の源泉徴収税額

令和8年分の源泉徴収税額表では、社会保険料控除後の給与が30万円、扶養親族等の数が1人の会社員の甲欄税額は6,320円です。国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」の月額表で、299,000円以上302,000円未満の行と「1人」の列が交わる金額を確認することで求められます。

条件は次のとおりです。

  • 会社員
  • 扶養親族等の数は1人
  • その月(1回支給)の社会保険料控除後の給与額が30万円

この条件で月額表を確認すると、甲欄(扶養控除等申告書を提出している場合)の税額は6,320円です。乙欄(申告書を提出していない場合)は扶養親族等の数に関係なく一律53,600円になります。

その月の社会保険料等控除後の給与等の金額 甲欄0人 甲欄1人 甲欄2人 甲欄3人 乙欄
299,000円以上 302,000円未満 7,930円 6,320円 4,700円 3,080円 53,600円

参考:令和8年分 源泉徴収税額表|国税庁

賞与や退職金については、給与と異なる計算方法になります。賞与は原則として前月の社会保険料控除後の給与額をもとに、賞与用の算出率表を使って計算します。退職金については、勤続年数が長いほど源泉徴収税額の負担が軽くなる仕組みです。

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令和8年分の源泉徴収税額表で何が変わった?

令和7年度税制改正により所得税の基礎控除が見直され、扶養親族等の数の算定方法や、源泉徴収が不要となる給与のラインが変更されました。国税庁は令和8年分の税額表について「令和7年分以前の給与等には使用できない」と明記しており、前年までの表をそのまま使い回すと誤った税額になります。

扶養親族等の数の算定方法が変わった

令和8年分からは「源泉控除対象配偶者」と「源泉控除対象親族」の合計人数に、本人や親族の障害者該当などを加味して扶養親族等の数を数えます。これは令和7年度税制改正で基礎控除等が見直されたことに合わせて、算定ルールが整理されたためです。

令和8年分からは、所得58万円以下(16歳以上)の親族に加え、19歳以上23歳未満で所得58万円超100万円以下の親族(特定親族)も新たに「源泉控除対象親族」として1人に数えられるようになりました。所得が100万円超123万円以下の場合は「特定親族」に該当するものの、毎月の源泉徴収では数に含めず、年末調整時の特定親族特別控除で精算する扱いです。

参考:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|国税庁

源泉徴収が不要になる給与のラインが引き上げられた

甲欄で源泉徴収税額が0円となる社会保険料控除後の給与ラインは、令和7年までの88,000円未満から、令和8年分は105,000円未満に引き上げられました。基礎控除・給与所得控除の引き上げにより、月額表全体の税額が見直されたことが背景にあります。

小規模な事業所では、このラインを踏まえて給与額の設計を見直す動きも見られます。

令和9年分の源泉徴収税額表も改正される

いわゆる「年収の壁」については178万円への引き上げが議論されており、令和8年度税制改正により、所得税の基礎控除の引上げなどが行われ、令和9年分の源泉徴収税額表も改正されます。国税庁は令和9年分の源泉徴収税額表を2026年8月31日に公表しており、令和9年1月1日以後に支払うべき給与等について使用します。

給与計算担当者は、年が替わるたびに最新の源泉徴収税額表がリリースされているかを確認する習慣をつけておくと安心です。

給与所得者の扶養控除等申告書の注意事項は?

給与所得者の扶養控除等申告書は、毎年最初の給与支給日(新入社員の場合は就職後最初の給与の支払を受ける日)より前に、従業員から提出してもらう必要があります。提出がない場合、その従業員は甲欄ではなく税額の高い乙欄で源泉徴収されることになります。

よくある事例は、新入社員から申告書の提出を受けていないにもかかわらず、甲欄の税額で源泉徴収してしまっているケースです。この場合は乙欄で正しく源泉徴収し直す必要があります。令和8年分からは申告書の様式にも「源泉控除対象親族」欄などが加わっているため、記載漏れがないか確認しましょう。また、年末調整の対象となる給与所得者については、原則として「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している必要があります。

副業した場合の源泉徴収税はどうなる?

副業先の給与が雇用契約に基づくものであれば、原則として乙欄が適用され、甲欄より高い税率で源泉徴収されます。扶養控除等申告書は1か所にしか提出できないため、2か所目の勤務先は必然的に乙欄になるためです。

一方、業務委託などの形態で支払われる報酬・料金であっても、所得税法で定められた一定の報酬・料金に該当する場合は、源泉徴収が必要です。該当しない報酬・料金については、原則として源泉徴収は必要ありません。業務委託などによって得た収入は、その実態に応じて事業所得または雑所得などに区分されます。単に副業であることや収入金額が少ないことだけで、雑所得になるわけではありません。会社員は勤務先の年末調整で完結するため確定申告は不要ですが、副業をしている場合は一定の条件で確定申告をしなければなりません。乙欄で源泉徴収されている場合には、確定申告により所得税が還付されることもあります。確定申告の時期になったら、まず自分の所得税額を計算してみましょう。

個人事業主の場合の源泉徴収税の計算方法は?

個人事業主は毎月の給与という概念がないため、生活費として自分の口座にお金を振り込んでも、その金額に対して源泉徴収の対象にはなりません。所得税は、売上(収入)から必要経費を差し引いた利益(所得)に対して課されるためです。

ただし、原稿料や講演料、デザイン料など一定の報酬・料金については、支払う側が原則として10.21%(復興特別所得税を含む税率)で源泉徴収します。個人事業主が副業などで給与を受け取っている場合は、その勤務先が発行する源泉徴収票をもとに確定申告することになります。なお、配偶者に青色事業専従者給与を支払っている場合は、会社員と同様に源泉徴収および年末調整を行います。

源泉徴収税額表の見方を理解して正しく源泉徴収しよう

会社員は給与から、令和8年分の源泉徴収税額表をもとに所得税が天引きされます。令和7年度税制改正により扶養親族等の算定方法や源泉徴収が不要となる給与のラインが変わったため、最新の税額表と申告書の記載内容を必ず確認しましょう。個人事業主は原則として源泉徴収は不要ですが、一定の報酬には10.21%が源泉徴収されます。源泉徴収税額表の見方を正しく理解し、適切な源泉徴収を行いましょう。

よくある質問

会社員の場合の源泉徴収税額はどのように計算しますか?

源泉徴収税額表を用いて計算します。詳しくはこちらをご覧ください。

個人事業主は源泉徴収が必要ですか?

原則、必要ありません。詳しくはこちらをご覧ください。

副業した場合の源泉徴収税はどうなりますか?

雇用契約に基づいて支払われるのであれば、原則として乙欄の課税となります。詳しくはこちらをご覧ください。


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