• 作成日 : 2022年11月11日

退職時の社会保険資格喪失日はいつ?社会保険喪失届の書き方も解説!

退職時の社会保険資格喪失日はいつ?社会保険喪失届の書き方も解説!

従業員の退職にあたっては、社会保険資格喪失の手続きをしなければなりません。5日以内に「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」を提出する必要があります。退職日の属する月の社会保険料はかかりませんが、月末である場合は保険料が発生します。喪失届には保険証も添付して提出するので、従業員から返却を受けておくことが必要です。

退職・死亡による社会保険の資格喪失日はいつ?

被保険者資格喪失届には、被保険者が社会保険被保険者資格を喪失する日付の記入が必要です。退職により社会保険資格を喪失する場合、死亡により社会保険資格を喪失する場合など資格喪失の理由はいくつかありますが、当日が資格喪失日になるものと翌日が資格喪失日になるものがあるため、気を付ける必要があります。

当日が資格喪失日の場合

退職の事実があった当日に社会保険の資格を喪失するのは、以下のような場合です。

定年退職後に再雇用される場合

定年により退職した従業員を再雇用する場合、給料が大きく下がることがよくあります。このような場合に社会保険に継続して加入していると、給料は減っているにも関わらず社会保険料が多く、不均衡が生じるといったデメリットが生じます。このような事態になることを防ぐために行うのが、事実があった当日に被保険者資格を喪失し、同日に社会保険資格を取得するという手続きです。この手続きは「同日得喪」と呼ばれます。同日得喪は60歳以上の被保険者を対象に行います。

75歳に到達した場合

被保険者は、75歳に到達すると後期高齢者医療制度に移行するため、被保険者資格を喪失します。後期高齢者医療制度に移行する場合の被保険者資格喪失日は、75歳の誕生日の当日です。

65~75歳の被保険者が障害認定を受ける場合

後期高齢者医療制度は、75歳に到達した被保険者が移行する健康保険制度ですが、65~75歳の被保険者が一定の障害状態にあると認定される場合も、後期高齢者医療制度に移行します。65~75歳の被保険者が障害認定を受けて後期高齢者医療制度に移行する場合の被保険者資格喪失日は、障害認定日当日です。

翌日が資格喪失日の場合

退職の事実があった翌日に社会保険の資格を喪失するのは、以下のような場合です。

  • 退職により社会保険の被保険者資格を喪失する場合
  • 死亡により借金被保険者資格を喪失する場合

退職の場合の被保険者資格喪失日は退職日の翌日、死亡の場合の被保険者資格喪失日は死亡日の翌日です。

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従業員が社会保険の資格を喪失した際の事業主側の手続きは?

退職したり死亡したりすると、その従業員は社会保険の被保険者資格を失います。事業者(会社など)は被保険者資格喪失届を提出すると行った手続きを行わなければなりません。

保険証を返却してもらう

従業員が社会保険資格を喪失するにあたって、会社が行わなければならない手続きの1つが保険証(健康保険被保険者証)を従業員から返してもらうことです。被保険者資格喪失届を提出する際には、保険証を一緒に返却する必要があります。このため従業員から保険証を回収しなければなりません。被扶養者に交付していた保険証もすべて回収して、被保険者資格喪失届と一緒に返却することが求められます。

保険証が回収できない場合は「健康保険被保険者証回収不能届」を提出します。健康保険被保険者証回収不能届は保険証が従業員から回収できないため、返却できない旨を申し出る届です。

健康保険被保険者証回収不能届の用紙は、以下の日本年金機構ホームページからダウンロードできます。

健康保険被保険者証回収不能届|日本年金機構

被保険者資格喪失届を作成する

従業員が社会保険資格を喪失する際、会社は資格喪失届を提出しなければなりません。期限までに提出できるよう、用紙を準備して作成する必要があります。

被保険者資格喪失届の用紙は、以下の日本年金機構ホームページからダウンロードできます。

健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届|日本年金機構

上記はPDF版です。直接入力できるExcel版もダウンロードできます。

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被保険者資格喪失届とは?

被保険者資格喪失届は、従業員が社会保険資格を喪失する旨を届け出る手続きで、非常に重要です。期限内に、しっかり提出する必要があります。

被保険者資格喪失届の書き方は?

被保険者資格喪失届は、下記のように記入します。

被保険者資格喪失届

  1. 事業者の名称・住所など
    事業所整理番号・事業所番号は新規適用時、または名称・所在地変更時に付与された記号・番号を記入します。
  2. 被保険者番号
    資格を喪失する従業員について、資格取得時に付与された番号を記入します。
  3. 氏名
    資格を喪失する従業員について、住民票に登録されている氏名を記入します。
  4. 生年月日
    資格を喪失する従業員について、生年月日を記入します。
  5. 個人番号・基礎年金番号
    資格を喪失する従業員について、個人番号を本人に確認して正確に記入します。基礎年金番号は左詰で記入します。
  6. 資格喪失年月日
    資格喪失理由により次の日付を記入します。

    • 退職の場合:退職日の翌日
    • 転勤の場合:転勤日の当日
    • 雇用契約変更の場合:雇用契約変更の当日
    • 死亡の場合:死亡日の翌日
    • 75歳到達の場合:誕生日の当日
    • 障害認定の場合:移行日の当日
  7. 資格喪失の原因
    資格喪失理由により次の番号に○を付けます。

    • 退職等の場合:4
    • 死亡の場合:5
    • 75歳到達の場合:7
    • 障害認定の場合:9
  8. 保険証の枚数
    保険証回収の項目には資格喪失届に添付して返却する保険証枚数と、回収できなかった保険証枚数を記入します。
  9. 70歳不該当
    70歳以上の被保険者が退職・死亡により資格を喪失する場合にチェックを記入します。

被保険者資格喪失届の提出先・期限は?

被保険者資格喪失届は、次の通りに提出しなければなりません。

  • 提出方法
    窓口への持参・郵送・電子申請のいずれか
  • 提出先
    窓口へする場合は管轄する年金事務所。郵送する場合は年金事務センター
  • 提出期限
    事実発生の日から5日以内
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資格喪失日と保険料との関係は?

社会保険被保険者資格を喪失した場合、保険料の納付は不要になります。資格喪失日によって社会保険料の計算に違いがあるため、注意が必要です。

月末に退職する場合

月末に退職する場合の社会保険被保険者資格喪失日は、翌月1日です。退職日の属する月末日には、会社に在籍して被保険者資格を有しているため、社会保険料を納付する必要があります。

月末に退職する場合

月末以外に退職する場合

月末以外に退職する場合の社会保険被保険者資格喪失日は、月末までの日です。月末には被保険者資格を喪失していることになるため、その月の社会保険料は納付が不要です。
月末以外に退職する場合

資格取得日と資格喪失日が同一月の場合

被保険者資格を取得し、同一月内に喪失した場合は、その月について社会保険料納付が必要です。
資格取得日と資格喪失日が同一月の場合

賞与等の支給があった場合

賞与等の支給があった月に退職する場合の社会保険被保険者料納付は、次のようになります。

  1. 月末に退職する場合
    被保険者資格喪失日は翌月1日になるため、賞与にも社会保険料がかかります。
  2. 月末以外に退職する場合
    月末には被保険者資格を喪失しているため、賞与にも社会保険料はかかりません。
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被扶養者の資格喪失日はいつ?

社会保険被保険者が資格を喪失する際は、被扶養者もその資格を喪失します。被扶養者の資格喪失日は、被保険者資格喪失日と同日です。

資格喪失日に注意して被保険者資格喪失届はしっかり作成・提出しよう

退職する従業員は、社会保険被保険者資格を喪失するため、被保険者資格喪失届の提出が必要になります。被保険者資格喪失届に記入する資格喪失日は、退職日の翌日です。被保険者資格の喪失が従業員の死亡による場合も、資格喪失日は死亡日の翌日になります。

定年退職後に再雇用される場合、75歳に到達した場合、65~75歳の被保険者が障害認定を受ける場合の資格喪失日は、事実があった日の当日、75歳の誕生日の当日、障害認定日の当日です。

資格喪失届は、被保険者が資格を喪失してから5日以内に提出しなければなりません。用紙は日本年金機構ホームページからダウンロードできるため、前もって用意しておくことができます。

従業員から健康保険証の返却も受けなければならないため、早めの準備が必要です。正確な被保険者資格喪失届を作成し、しっかり期限内に提出しましょう。

よくある質問

退職・死亡による社会保険の資格喪失日はいつ?

退職の場合は、退職日の翌日、死亡の場合は死亡日の翌日です。詳しくはこちらをご覧ください。

従業員が社会保険の資格を喪失した際の事業主側の手続きは?

資格喪失届(健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届)を、資格喪失日から5日以内に提出する必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:坪 義生(社会保険労務士)

じんじ労務経営研究所代表(社会保険労務士登録)、労働保険事務組合 鎌ヶ谷経営労務管理協会会長、清和大学法学部非常勤講師、「月刊人事マネジメント」(㈱ビジネスパブリッシング)取材記者。社会保険診療報酬支払基金、衆議院議員秘書、㈱矢野経済研究所、等を経て、91年、じんじ労務経営研究所を開設。同年より、企業のトップ・人事担当者を中心に人事制度を取材・執筆するほか、中小企業の労働社会保険業務、自治体管理職研修の講師など広範に活動。著書に『社会保険・労働保険の実務 疑問解決マニュアル』(三修社)、『管理者のための労務管理のしくみと実務マニュアル』(三修社)、『リーダー部課長のための最新ビジネス法律常識ハンドブック』(日本実業出版社、共著)などがある。

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