- 更新日 : 2024年12月24日
マイナンバー制度のメリットを徹底解説
マイナンバー制度がはじまり、「マイポータル」や「マイナンバーカード」など次々と新しいものが登場するものの、何が便利になるのかいまいちわからない……そんな風に感じるかたもいるのではないでしょうか。
ここでは、マイナンバー制度とは何か、マイナンバーがあることで何が便利になるかについて、メリットをわかりやすくまとめました。
マイナンバー制度とは?
マイナンバー制度とは、国内に住民票を持つすべての人に、12桁の番号を割り振ることで、税金や社会保障などの手続きで個人情報をより簡単・便利に管理できるようにするものです。
割り振られたマイナンバー(個人番号)は、生涯変わることはなく使用できます。以下に、マイナンバー制度のメリットを紹介します。
メリット1:手続きの簡略化
日本で暮らしている人々には、住民票の「住民登録番号」や年金の「基礎番号」、健康保険の「被保険者番号」など、実にさまざまな番号が割り振られています。これまでは、税金や社会保障のそれぞれの手続きごとに個人番号が異なっていたため、役所での手続きに時間がかかるなど、不便な面が多くありました。
マイナンバー制度は、そうした手続き上の煩雑さをなくし、人々の生活の利便性の向上、行政の効率化を狙いとしています。
たとえば、20歳になった人が、学生であることを理由に年金の保険料免除申請を行う際、これまでは税務署や市区町村の窓口で所得を証明する書類を取得したり、失業したことによって免除を申請する場合は、ハローワークで必要な書類を申請・取得したりするなどをした後、年金事務所に提出する必要がありました。
この場合の、役所での手続き回数は最低でも3回です。マイナンバー導入によって、保険料免除申請書にマイナンバーを記載できるようになったため、所得証明書などの必要書類を省略することができるようになり、年金事務所での手続きが簡略化されています。
また、マイナンバー制度で発行される「マイナンバーカード」があれば、コンビニで住民票の写しや印鑑登録証明書を取得できます。マイナンバーカードは、健康保険証としての利用もできるようになり、転職や引っ越し等で保険証の切り替えにより新たな保険証の発行を待つ必要はありません。
このように行政手続きが簡略化され、これまでのさまざまな煩わしさが軽減されます。
メリット2:個人に合った情報が受け取れる
マイナンバー制度では、個人の情報をマイナンバーに紐づけて管理できる「マイナポータル」が開設されています。マイナポータルは、マイナンバーカードを持っている人なら利用者登録を行うことで、行政の手続きや自分の税金の管理をより簡単に行うことができます。
【マイナポータルでできること】
- 行政の手続き
マイナポータルでは、お住まいの市区町村が行っている行政手続きに対応しています。「子育て」「引っ越し・住まい」「戸籍・住民票」などの項目ごとに検索して必要な手続きの内容を確認できるほか、電子申請に対応しているものは、そのまま申請が可能です。
- 行政の手続き
- 所得や個人住民税などの確認
世帯情報や所得税、年金などの特定個人情報を確認できます。また、医療機関での診療・薬剤情報や特定健診情報の確認も可能です。
- 所得や個人住民税などの確認
- 外部サイトとの連携が可能
国税庁の「e-tax」、日本年金機構の「ねんきんネット」、厚生労働省の「ハローワークインターネットサービス」との連携が可能です。マイナポータルから連携サイトにスムーズにログインすることができ、お知らせの確認などもできます。
メリット3:災害時にも?
東日本大震災では、被災3県で15,786人(2012年3月11日時点)の死者が発生しました。そのうち60歳以上の高齢者は10,085人と、死者数の65.8%を占めています。この教訓から学べることは、災害時における正確な要支援者情報の重要性であり、その前提となる要支援者リストの整備・維持の重要性です。
マイナンバー制度は、災害時の活用も想定されています。自然災害時の被災者への国からの給付金支給や、住民の安否確認など、個人番号として付与されるマイナンバーであれば、よりスムーズに効率的に行えるというのが政府の構想です。
2020年からはじまった新型コロナウイルス感染症の拡大では、ワクチンの接種証明書発行のためにマイナンバーを活用しています。今後、さまざまな場面でマイナンバーの活用が期待されます。
マイナンバー制度で生活がより便利に
マイナンバー制度が社会のなかで効率的に機能すれば、各種証明書の発行など、さまざまな行政手続きが簡略化されるでしょう。企業が行う年末調整や社会保険の手続きなど、実務面での効率化にも良い影響があるかもしれません。
コンビニでの住民票発行など、利便性を実感できる施策は、2022年時点の現在ではまだまだ発展途上といえます。マイナンバー制度が広がることで、税分野や社会保障の手続きにおいて、さらなる簡略化・効率化が期待できるでしょう。
よくある質問
マイナンバー制度とは何ですか?
マイナンバー制度とは、国内に住民票を持つすべての人に12桁の番号を割り振ることで、税金や社会保障などの手続きを簡略化するとともに、個人情報をより簡単・便利に管理できるようにするものです。詳しくはこちらをご覧ください。
マイナンバー制度のメリットについて教えてください。
行政手続きの簡略化の助けになるとともに、所得税や住民税・年金などの個人に関わる情報を簡単に自身で確認できるようになります。コンビニでの住民票発行やマイナンバーカードの健康保険証への活用はその一例です。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
マイナ保険証の作り方とは?マイナンバーカードがない場合の対応も紹介
2025年12月2日以降マイナ保険証への完全移行が予定されており、従来の健康保険証が利用できなくなります。 「まだマイナ保険証を作っていない」「どうやって登録すればいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。 この記事では、マイナ…
詳しくみるマイナンバー制度で就業規則が変わる!担当者が知っておくべきこと
平成28年(2016年)からスタートしたマイナンバー制度。事業者はマイナンバーを社会保障や税などの各種手続きに使用するため、この制度についてよく理解しておかなくてはいけません。 ここではマイナンバー制度の導入に伴って、就業規則に追加するべき…
詳しくみるマイナンバーカードと住基カードの違いは?有効期限後の使用可否も解説
身分証明書として利用することができるマイナンバーカードは、政府が積極的に普及を進めていることもあり、国民の取得率は急速に上がっています。 一方、身分証明書としては、住民基本台帳カード(住基カード)がありましたが、発行はすでに終了しています。…
詳しくみるマイナンバー制度で経理担当者がすることは?
2015年からはじまったマイナンバー制度。企業では、社会保障や税の手続きで、マイナンバーを取り扱う必要があります。従業員のマイナンバー収集には決められたルールがあり、さらにマイナンバーを利用できる範囲も法律で定められています。 今回は、マイ…
詳しくみるマイナンバーのチェックリストを公開!スムーズな運用のための事前準備
マイナンバーの導入が始まったらどんなことが必要になるのか。会社の経理担当者や事業者にとっては、不明な点も多く、いざ、運用が始まった後のことを考えると、不安だらけという人もいることでしょう。 ここでは、マイナンバー導入にあたっての事前準備とし…
詳しくみるマイナンバーの収集方法 担当者が知っておくべき3つのポイント
マイナンバーを取り扱う業務(個人番号関係事務または個人番号利用事務。以下「個人番号事務」)には様々なルールがあり、これをよく理解しておかなければ無用なトラブルにつながるリスクがあります。 ここではマイナンバーの「収集方法」をキーワードに、マ…
詳しくみる