• 作成日 : 2015年9月15日

マイナンバーをQ&A形式で一気に理解しよう

事業者がマイナンバーを具体的に取り扱うための運用方法をQ&A形式で解説します。

データベースやシステム、クラウドサービスに関するQ&A

Q.個人番号を分解して別の数字に置き換えれば個人番号にはならないと解釈し、安全管理措置を講じる必要はなくなりますか?

A.個人番号を分解して別の数字に変換したとしても、構成する数字そのものは変わらず分解前の個人番号になることが考えられるため、分解後の数字に関しても個人番号として安全管理措置を講じる必要があります。

Q.既に運用している人事管理ソフト等に個人番号を追加して運用することはできますか?

A.既存のデータベースに個人番号を追加して運用することができます。ただし内部資料を作成する際に個人番号も含めてしまったということのないように、適切に取り扱う必要があります。

Q.事業所に関するすべてのデータが保存されているサーバーに個人番号データを追加した場合、サーバー上のデータは特定個人情報ファイルに該当しますか?

A.個人番号関係事務を取り扱う場合においてのみ、個人番号データにアクセスできるようにしてある状態であれば、特定個人情報ファイルには該当しません。

たとえば個人番号関係事務を取り扱うためだけのユーザーIDを作成し、それ以外のIDでログインしても個人番号にアクセスできないようにする場合などが挙げられます。

Q.クラウドサービスでマイナンバーを管理するとはどういうことですか?

A.クラウドサービスを使用せずにマイナンバーを運用するには、
 1.従業員から会社へマイナンバーを提供してもらう
 2.会社は提供されたマイナンバーを基に各種書類作成
 3.個人番号利用事務事業者へ提出
という流れになります。

従業員からマイナンバーの提供を受けた会社は、安全管理措置を講じたり、基本方針の策定を行なったり、利用目的を明示したりといった義務を果たす必要があります。

そこでクラウドサービスがそれらの安全管理措置の義務を引き受けることによって、企業が負担しなければならないマイナンバー導入に関する手間やコストをかけずに済むということになります。

Q.マイナンバーに関するクラウドサービスを提供する事業者は、クラウドサービス利用事業者の委託先となりますか?

A.クラウドサービス提供事業者が個人番号を取り扱わないと契約事項で定め、適切なアクセス制御を行なっている場合は、委託に該当しません。

つまり、マイナンバーに関するクラウドサービス提供事業者が個人番号関係事務(個人番号を使用して書類を作成したりするなど)を行なえば、委託元と同等の処理をすることになるため委託に該当しますが、個人番号関係事務を行なわない旨を定めた場合は、委託を受けたことにはならないということになります。

従業員や顧客に関わるマイナンバーQ&A

Q.取引先が個人番号の提供を拒否した場合はどのように対応すればよいですか?

A.特定個人情報利用事務や特定個人情報関係事務において、本人に対して利用目的の範囲内で特定個人情報の提供を要求することができ、本人は番号法で利用目的が明記されている場合において特定個人情報を提供することができます(番号法第15条、第19条)。

番号法に基づき特定個人情報の提供を求めたにも関わらず拒否された場合は、義務違反ではないことを証するために一連の経緯を記録しておきます。事業者として適切な対応をした事実を書面で添付することによって、個人番号が空欄のまま提出することになったとしても不受理とはなりません。

Q.内定者の個人番号は入社前に収集することは可能ですか?

A.入社することが確実である場合に限り、個人番号を収集することが可能です。

Q.給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の扶養親族に関しても、事業者が本人確認を行なう必要がありますか?

A. 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の扶養親族は給与所得者が扶養親族の本人確認を行なうため、事業者は本人確認を行なう必要はありません。

給与所得者の扶養控除等申告書

(出典:給与所得者の扶養控除等の(異動)申告|国税庁

Q.特定個人情報が記載された通知カードを離れてくらす家族に郵送する場合、配送業者は委託業者に該当しますか?

A.特定個人情報を取り扱う配送業者は特定個人情報を配送するだけにすぎず、特定個人情報としても個人番号を使った事務に従事することにはならないため、委託業者には該当しないことになります。

ただし特定個人情報関係実施者には安全管理措置を講じる義務が発生するため、安全な配送手段を選択する等の配慮は必要となります。

まとめ

マイナンバーに関するさまざまな疑問をQ&A方式でまとめました。

特にデータやクラウドサービスに関することは、個人情報保護法とは異なる観点から語られるため、戸惑うことがあると思います。

さらに個人情報保護法とは異なり、個人番号や法人番号を書類に記載するという具体的な実務が入ってくるため、運用後に想定外の問題に直面することもあるかもしれませんが、行政機関の問い合わせ窓口を有効に活用しましょう。

マイナンバー制度のお問合せは「0570-20-0178(全国共通ナビダイヤル)/050-3816-6405(左記ダイヤルにつながらない場合)」平日9:30から17:30(土日祝日年末年始を除く)
(参考:お問い合わせ|マイナンバー社会保障・税番号制度|内閣官房ホームページ

photo by Chris Potter


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