- 更新日 : 2025年11月6日
社会保険の証明書発行手続きについて解説!健康保険被保険者資格証明書など
日本では国民皆保険・国民皆年金が実現しており、すべての国民は何らかの公的医療保険と公的年金に加入しています。
適切に加入手続きがなされていれば、各種の社会保険の被保険者資格が与えられますが、所得・喪失の現況について、証明書によって確認を求められることがあります。
本稿では社会保険の証明書の種類や、発行手続きについて解説します。
目次
社会保険における証明書にはどんなものがある?
社会保険の証明書にはさまざまな種類がありますが、ここでは3つの証明書を紹介します。
健康保険被保険者資格証明書
「健康保険被保険者資格証明書」は、退職後すぐに転職するような場合に必要になることがある書類です。
発行手続きなどの詳細は、後述します。
社会保険等加入証明書
会社員など雇用される人が健康保険や厚生年金保険などの被保険者となるには、勤務先の事業所が社会保険の適用事業所となる手続きを適切に行う必要があります。
政府の社会保険未加入対策によって、事業所の加入状況はかなり改善しましたが、未だ100%にも達していません。
社会保険未加入対策は継続的に行われており、国、都道府県、市区町村などの公共事業の入札への参加は、事業者が社会保険に加入していることが条件となっています。
入札に参加する場合は入札参加資格審査申請をすることになりますが、その際に「社会保険等加入証明書」の提出が求められます。
社会保険には健康保険以外に厚生年金保険や雇用保険もあるため、「社会保険等加入証明書」には次のような種類があります。
-
- 健康保険
- 直近の納入告知兼領収書(写)または保険料納入証明書
- 健康保険適用事業所関係事項確認(申請)書等保険加入を証明する書類(新規加入のため保険料の納入実績がない場合)
これらの証明書などは、健康保険組合、日本年金機構または事業者が所在する地域を管轄する年金事務所が発行します。
- 厚生年金保険
- 直近の納入告知兼領収書(写)または保険料納入証明書
- 厚生年金保険適用事業所関係事項確認(申請)書等保険加入を証明する書類(新規加入のため保険料の納入実績がない場合)
これらの証明書などは、日本年金機構または事業者が所在する地域を管轄する年金事務所などが発行します。
- 雇用保険
- 直近の雇用保険領収書及び労働保険概算確定保険料申告書(写)または保険料納入証明書
- 雇用保険適用事業所設置届事業主控(写)等保険加入を証明する書類(新規加入のため保険料の納入実績がない場合)
これらの証明書などは、都道府県労働局または雇用保険の手続きを行った公共職業安定所などが発行します。
- 健康保険
雇用保険については、事業所が個別に労働保険料の申告納付を行う他、厚生労働大臣認可の労働保険事務組合に委託しているケースもあります。
この場合は、次の書類が必要です。
-
- 労働保険事務組合が発行する加入証明書の写し
- 労働保険事務組合が発行する保険料領収書等の写し
社会保険は強制加入が原則ですが、一部の事業は任意加入とされています。加入義務がない場合は、その旨を記した届出書を提出することになります。
社会保険喪失証明書
公的医療保険は国民皆保険となっているため、会社を退職して自営業を営む場合、健康保険の被保険者資格は喪失しますが、新たに自治体が運営する国民健康保険の被保険者となります。
国民健康保険の被保険者となるには、健康保険の被保険者資格の喪失日または被扶養者でなくなった日などを証明する書類が必要です。これが「社会保険喪失証明書」です。
住所地を管轄する年金事務所に「健康保険・厚生年金保険資格取得・資格喪失等確認請求書」を提出し、発行してもらいます。
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従業員への健康保険被保険者資格証明書を発行する手続き
健康保険は、最も身近な社会保険といえます。健康保険に加入していると、医療機関で受診した際、医療費は原則3割のみで、7割は保険給付が行われます。扶養されている家族も同様です。
退職後すぐに転職した場合はその恩恵を受けられないケースがあり、その場合は「健康保険被保険者資格証明書」が必要です。
健康保険被保険者資格証明書はどういった時に必要?
通常、医療機関の窓口では、健康保険の被保険者であることを証明する健康保険証(被保険者証)の提示が求められます。
退職後すぐに転職した場合は、転職先で健康保険の被保険者資格の取得手続きが行われますが、新しい健康保険証が発行されるまで1週間以上かかるのが一般的です。
健康保険証がなければ医療費の全額を一旦負担し、健康保険証が交付されてから7割分の還付手続きを行うことになります。
ただし「健康保険被保険者資格証明書」を発行してもらい、医療機関に提出すれば健康保険証の提示に代えることができます。
年金事務所に申請書を提出する
「健康保険被保険者資格証明書」は、事業所の所在地を管轄する年金事務所に申請して発行してもらいます。申請者は、事業主でも本人でも構いません。
ただし、事業主または被保険者ではなく、事業所の人事労務担当者などが窓口で申請する場合は、「健康保険被保険者資格証明書」の受領を委任されていることを証明する委任状の提出が求められます。
提出方法は窓口での提出の他、郵送でも可能ですが、いずれも「健康保険被保険者資格証明書交付申請書」とともに、新たに被保険者、被扶養者となる人の「被保険者資格取得届」、「被扶養者(異動)届」を紙媒体で提出します。

健康保険資格取得証明書のテンプレート(無料)
以下より無料のテンプレートをダウンロードしていただけますので、ご活用ください。
社会保険の加入を証明する書類について知っておこう!
社会保険の証明書の種類や、発行手続きについて解説しました。
社会保険の証明書は事業主だけでなく、被保険者本人による提出が必要になることもあります。
「健康保険被保険者資格証明書」はいざというときに健康保険証に代わる書類なので、申請手続きを含めて知っておきましょう。
よくある質問
社会保険関連の証明書にはどういったものがありますか?
健康保険被保険者資格証明書、社会保険等加入証明書、社会保険喪失証明書などがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
証明書の発行手続きの概要を教えてください。
健康保険被保険者資格証明書の場合は、事業所を管轄する年金事務所に健康保険被保険者資格証明書交付申請書を提出します。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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