• 更新日 : 2025年1月17日

有休はいつ増える?増え方の条件や日数、パートアルバイトの場合も解説

有休(年次有給休暇)は、入社後6ヶ月継続勤務し、出勤率が8割以上であれば付与されます。

その後は勤続年数に応じて増えていき、最大で年間20日付与されます。

パートやアルバイトの方も、労働日数や時間に応じて有休の取得が可能です。

本記事では、有休の増え方について、正社員だけでなくパート・アルバイトの場合も含めて、有休が増えるタイミングや付与日数について詳しく解説します。

有休はいつ増える?

有休(年次有給休暇)は、一定の条件を満たす労働者に対して、心身のリフレッシュを目的として与えられる休暇です。

次項で、有休が増えるタイミングについて詳しく解説します。

入社日から半年後に有給休暇が発生

有休は、入社日から起算して6ヶ月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合に、最初の付与が行われます。

つまり、入社後すぐに有休が発生するわけではなく、半年間の勤務実績が必要です。

たとえば、4月1日に入社した場合、10月1日に最初の有休(10日間)が付与されます。

その後は、1年ごとに付与される日数が増えていきます。

ただし、8割以上出勤という要件は、病気や育児休業などで欠勤した場合でも、一定の配慮がなされる場合があるため、詳細は勤務先の就業規則を確認してください。

有休(有給休暇)の増え方

有休(有給休暇)の増え方は、下記の表の通りです。

勤続年数付与日数
0.5年10日
1.5年11日
2.5年12日
3.5年14日
4.5年16日
5.5年18日
6.5年以上20日

参考:厚生労働省|年次年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています

入社後6ヶ月で10日の有休が付与され、その後1年ごとに付与日数が増加し、最大で20日まで増加します。

有休の日数に上限はあるか

有休の日数には上限があり、最大で20日(勤続年数6年6ヶ月以上の場合)です。

勤続年数がどれだけ長くなっても、1年間に付与される有休の日数が20日を超えることはありません。

ただし、これはあくまで年間の付与日数の上限であり、前年度に繰り越された有休がある場合は、その日数と合算した日数を取得できます。

たとえば、前年度に5日の有休を繰り越した場合、最大で25日の有休を取得可能です。

しかし、繰り越しできる期間最大で2年間までなので、取得から2年を経過した有休日数は消滅します。

有休(有給休暇)の増え方の条件

有休(年次有給休暇)が付与されるためには、下記2つの条件を満たす必要があります。

  • 6か月継続で働いている
  • 労働日の8割以上出勤している

次項で、それぞれの条件について詳しく解説します。

①6か月継続で働いている

有休が付与されるための条件は、入社日から起算して6ヶ月間継続して勤務していることです。

たとえば、4月1日に入社した場合、10月1日に最初の有休が付与されます。

なお、育児休業や介護休業などで休業していた期間は、継続勤務として扱われます。

②労働日の8割以上出勤している

有休が付与されるためのもう1つの条件は、労働日の8割以上出勤していることです。

たとえば、6ヶ月間の労働日が100日だった場合、80日以上出勤していなければ有休は付与されません。

ただし、下記の日は労働日から除外され、出勤率の計算には含まれません。

  • 会社が定めた休日
  • 有休を取得した日
  • 業務上の負傷や疾病による休業日
  • 育児・介護休業法に基づく休業日

また、下記の日は出勤日として扱われます。

  • 年次有給休暇を取得した日
  • 使用者の責めに帰すべき事由による休業日(例:会社都合による休業)

上記の出勤日は、労働者が不利益を被らないよう配慮された措置です。

パート・アルバイトの有休の増え方

パート・アルバイトなどの短時間労働者にも、有休(年次有給休暇)は付与されます。

所定労働時間が週30時間未満で、かつ週所定労働日数が4日以下または1年間の所定労働日数が216日以下の労働者が対象です。

週の所定労働日数に応じた有休付与日数は、下記の表の通りです。

週所定労働日数1年間の所定労働日数勤続年数付与日数
4日169~216日0.5年7日
1.5年8日
2.5年9日
3.5年10日
4.5年12日
5.5年13日
6.5年以上15日
3日121~168日0.5年5日
1.5年6日
2.5年6日
3.5年8日
4.5年9日
5.5年10日
6.5年以上11日
2日73~120日0.5年3日
1.5年4日
2.5年4日
3.5年5日
4.5年6日
5.5年6日
6.5年以上7日
1日48~72日0.5年1日
1.5年2日
2.5年2日
3.5年3日
4.5年3日
5.5年3日
6.5年以上4日

次項で、労働日数ごとに有給が発生する労働時間の具体例を解説します。

週所定労働日数4日の場合

週の所定労働日数が4日の場合、入社後6ヶ月で7日間の有休が付与されます。また、週所定労働日数が定められていない場合は1年間の所定労働日数169日〜216日として判断します。

1年間の所定労働日数の計算方法は、週4日、1日6時間勤務の場合、1週間の労働時間は24時間となり、1年間の所定労働日数は約208日です。

そのため、上記の条件に照らし合わせると、入社後6ヶ月で7日の有休が付与されます。

その後、勤続年数に応じて日数が増加し、最大で15日間付与されます。

週所定労働日数3日の場合

週の所定労働日数が3日の場合、入社後6ヶ月で5日の有休が付与されます。また、週所定労働日数が定められていない場合は1年間の所定労働日数121日〜168日として判断します。

1年間の所定労働日数の計算方法は、週3日、1日7時間勤務の場合、1週間の労働時間は21時間となり、1年間の所定労働日数は約156日です。

そのため、上記の条件に照らし合わせると、入社後6ヶ月で5日の有休が付与されます。

その後、勤続年数に応じて日数が増加し、最大で11日間付与されます。

週所定労働日数2日の場合

週の所定労働日数が2日の場合、入社後6ヶ月で3日の有休が付与されます。また、週所定労働日数が定められていない場合は1年間の所定労働日数73日〜120日として判断します。

1年間の所定労働日数の計算方法は週2日、1日8時間勤務の場合、1週間の労働時間は16時間となり、1年間の所定労働日数は約104日です。

そのため、上記の条件に照らし合わせると、入社後6ヶ月で3日の有休が付与されます。

その後、勤続年数に応じて日数が増加し、最大で7日間付与されます。

労働日数1日の場合

週の所定労働日数が1日の場合、入社後6ヶ月で1日の有休が付与されます。また、週所定労働日数が定められていない場合は1年間の所定労働日数48日〜72日として判断します。

1年間の所定労働日数の計算方法は、週1日、1日8時間勤務の場合、1週間の労働時間は8時間となり、1年間の所定労働日数は約52日です。

そのため、上記の条件に照らし合わせると、入社後6ヶ月で1日の有休が付与されます。

その後、勤続年数に応じて日数が増加し、最大で4日間付与されます。

増えた有休はいつまでに消化すればよい?

有休は、付与された日から2年をすぎると消滅するため、有休は2年以内に使用するのがおすすめです。

なお、前年度に未使用の有休がある場合は、翌年度に繰り越せます。

ただし、繰り越せる日数には上限があり、最大で前年度に付与された日数分までとなります。

具体例として、2023年4月1日に10日の有休が付与された場合、時効は2025年3月31日までです。

もし2023年度に3日間の有休を未使用だった場合、その3日は2024年度に繰り越せます。

つまり、2024年度に新たに付与される有休と合わせて、最大で20日(通常の付与日数)+3日(繰越分)=23日の有休日数を持つことになります。

有休の5日分は消化しなければならない

2019年4月の労働基準法改正により、企業は労働者に対して、年10日以上の有休が付与されている場合、そのうち5日を確実に取得させることが義務付けられました。

これは、労働者の健康確保やワークライフバランスの推進を目的としています。

企業は、労働者の意見を聴き、その意見を尊重しつつ、計画的に有給を取得させるよう努めなければなりません

もし企業がこの義務を怠った場合、罰則が科される可能性があります。

増えた有休は買取ができる?

原則として、有休(年次有給休暇)の買取は法律で禁止されています。

これは、有休が労働者の心身のリフレッシュを目的としており、金銭で代替することを避けるためです。

しかし、下記のように例外的に買取が認められるケースが3つあります。

  • 退職時に未使用の有休が残っている場合
  • 時効によって消滅する有休がある場合
  • 法定日数を超えて付与されている有休がある場合

たとえば、退職日が決まっており、それまでに消化しきれない有休がある場合、企業はその残日数を買い取れます。

また、2年間の時効によって消滅してしまう有休についても、企業が買い取ることは違法ではありません。

さらに、企業が法定日数(たとえば勤続6年6ヶ月以上で20日)を超えて有休を付与している場合、その超過分は買い取りが可能です。

増えた有休を計画的に利用するために

増えた有休を有効に活用するためには、企業が心がけるべきこととして、まず有休を取得しやすい雰囲気作りが大切です。

たとえば、管理職が率先して有休を取得したり、部署内で有休取得を推奨するなどの取り組みがおすすめです。

合わせて、業務の偏りをなくし、誰かが休んでも業務が滞らない体制を作りましょう。

従業員ができることとしては、自身の業務状況を把握し、早めに有休取得の計画を立てることが大切です。

繁忙期を避け、業務の調整を行えば、スムーズに有休を取得できます。

また、上司や同僚とコミュニケーションを取り、業務の引継ぎなどを円滑に行えば、周囲に迷惑をかけずに有休を取得できるでしょう。

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有休(年次有給休暇)を取得する際には、会社に申請書を提出するのが一般的です。

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有休の取得理由については、具体的に記載する必要はなく、「私用のため」と記載するのが一般的です。

ただし、会社によっては詳細な理由の記載を求められる場合もありますので、事前に就業規則等を確認しておきましょう。

有休を効果的に活用して働きやすい環境を整えよう!

本記事では、有休(年次有給休暇)の増え方や取得に関するさまざまな情報について解説してきました。

有休の取得を促進することは、従業員の心身のリフレッシュを促し、モチベーションの維持や向上に繋がります。

また、計画的な有休取得は、業務の効率化や属人化の解消にも繋がり、組織全体のパフォーマンス向上に寄与します。

従業員が安心して有休を取得できる環境を整備し、働きがいのある職場作りを目指していきましょう。


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