• 作成日 : 2022年10月28日

失業手当の受給条件は?対象期間や申請手続きを解説!

失業手当の受給条件は?対象期間や申請手続きを解説!

雇用保険は、受給資格を満たした方が退職した場合一定期間失業手当を受給できる制度です。いつからもらえるかは退職理由が自己都合か会社都合かによって異なります。もらうには毎月認定を受ける必要があり、受給期間や金額は加入期間が要件です。この記事では申し込み方法やいつまでに申請すればよいのか、ネット申請は可能かなどを紹介します。

失業手当とは?

失業手当とは、雇用保険の被保険者が退職した際に受け取ることができる公的な給付金です。雇用保険は、退職や傷病等によって就労の継続が困難になった労働者を対象に、必要な給付を行い生活および雇用の安定を図ります。失業給付は「求職者給付」「就職促進給付」「教育訓練給付」「雇用継続給付」に分けられ、雇用を維持・促進するための総合的な保険制度です。

失業手当とは

雇用保険は政府が管掌する強制保険制度なので、加入条件を満たした労働者を1名でも雇用した場合、事業主は公共職業安定所(ハローワーク)に届け出なければなりません。
雇用保険の加入条件は下記の通りです。

  • 31日以上引き続き雇用されることが見込まれる
  • 1週間の所定労働時間が20時間以上である
  • 学生ではない(定時制学校や通信制学校の生徒は加入可能です)

保険料率や労使負担割合は事業ごとに異なり、厚生労働省から「雇用保険料率表」が毎年提示されています。

引用:雇用保険制度の概要|ハローワークインターネットサービス
参考:雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!|厚生労働省

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失業保険の受給条件

失業保険は生活等の心配をすることなく再就職活動に専念するための給付制度なので、就労する積極的な意思がないと受給できません。基本手当、いわゆる失業手当は、下記の要件をすべて満たした場合に受給可能です。

  1. ハローワークに来所して求職の申し込みを行い、再就職に対する積極的な意思や能力を有しているにもかかわらず、本人ならびにハローワークの努力によっても就職できない「失業の状態」にあること。
  2. 離職日以前の2年間に「被保険者期間」が通算して12ヵ月以上あること。ただし、後述する「特定受給資格者」または「特定理由離職者」は離職日以前の1年間に被保険者期間が通算して6ヵ月以上あれば受給可能です。

いつから受給できるのかは、離職理由によって異なります。まず、失業手当は離職票の提出ならびに求職の申し込みを行った日、すなわち「受給資格決定日」から通算して7日間の「待期期間」は支給されません。会社都合退職等の場合は、待機期間満了後、直ちに失業手当を受給することが可能です。一方、自己都合退職等の場合は一定の「給付制限」が課されることがあります。給付制限の主な理由は下記の通りです。

  1. 離職理由による給付制限
    自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇、いわゆる「重責解雇」された場合および、令和2年10月1日以前に正当な理由なく「自己都合退職」した場合は、待期期間終了後3ヵ月間の給付制限が課されます。なお、令和2年10月1日以降に正当な理由なく自己都合で退職した場合、5年間のうち2回まで給付制限期間は2ヵ月です。
  2. 紹介拒否等による給付制限
    ハローワークからの職業紹介や指示された公共職業訓練等を正当な理由なく拒んだ場合、拒否した日から起算して1ヵ月間は給付制限が課されます。再就職を促進するために必要な職業指導を正当な理由なく拒んだ場合も同様です。

失業手当が何ヵ月間もらえるかは、離職理由、雇用保険への加入期間、離職時の年齢によって異なります。離職者は「一般の離職者」「障害者等の就職困難者」「特定受給資格者」「特定理由離職者」などに分類可能です。

特定受給資格者は倒産または解雇により離職した方を指します。条件は下記の通りです。

  1. 期間労働者の労働契約が満了し、更新がないことにより離職した者(契約更新を希望したにもかかわらず合意に至らなかった場合に限ります)
  2. 体力の衰えや傷病等、正当な理由により自己都合退職した者

最後に、離職者ごとの所定給付日数を紹介します。

  1. 一般の離職者
    被保険者であった期間
    10年未満10年以上
    20年未満
    20年以上
    離職時の年齢全年齢90日120日150日
  2. 障害者等の就職困難者
    被保険者であった期間
    1年未満1年以上
    離職時の年齢45歳未満150日300日
    45歳以上
    65歳未満
    150日360日
  3. 特定受給資格者
    被保険者であった期間
    1年未満1年以上
    5年未満
    5年以上
    10年未満
    10年以上
    20年未満
    20年以上
    離職時の年齢30歳未満90日90日120日180日
    30歳以上
    35歳未満
    90日120日180日210日240日
    35歳以上
    45歳未満
    90日150日180日240日270日
    45歳以上
    60歳未満
    90日180日240日270日330日
    60歳以上
    65歳未満
    90日150日180日210日240日
  4. 特定理由離職者
    特定理由離職者の条件1に該当する離職者、いわゆる雇い止めをされた期間労働者のうち、平成21年3月31日から令和7年3月31日までの間に離職した方は、所定給付日数が特定受給資格者と同様となります。

参考:よくあるご質問(雇用保険について)|ハローワークインターネットサービス
参考:特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要|ハローワークインターネットサービス

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失業保険の受給金額 – 計算方法

失業保険の1日当たりの支給額は「基本手当日額」といいます。基本手当日額は、離職日直前6ヵ月間における給与の合計を180で除した「賃金日額」のおおよそ50~80%です。基本的に、給与の低い方ほど高い支給率となっています。なお、60~64歳の方の基本手当日額は、賃金日額の45~80%です。

給与に賞与は含まれませんが、通勤手当や役職手当などの各種手当は含まれるため気を付けましょう。基本手当日額ならびに賃金日額は、離職時の年齢ごとに上限額が設定されています。下限額については一律です。

賃金日額 = 離職日直前6ヵ月間の給与の合計 ÷ 180

離職時の年齢賃金日額の上限額賃金日額の下限額
29歳以下13,670円2,657円
30~44歳15,190円
45~59歳16,710円
60~64歳15,950円
基本手当日額 = 賃金日額 × 50~80%

離職時の年齢基本手当日額の上限額基本手当日額の下限額
29歳以下6,835円2,125円
30~44歳7,595円
45~59歳8,355円
60~64歳7,177円

基本手当日額に所定給付日数を乗じた金額が支給総額です。所定給付日数は、前章で紹介した通り離職理由・加入期間・離職時の年齢によって決まります。

支給総額 = 基本手当日額 × 所定給付日数

上記の計算式によって、失業保険がいくら受給できるのかを計算することが可能です。

参考:基本手当について|ハローワークインターネットサービス
参考:令和4年8月1日からの基本手当日額等の適用について|厚生労働省

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失業保険のもらい方は?申請方法と受け取り方について

失業保険を受給するには、まず退職した職場から「雇用保険被保険者離職票」を受け取りましょう。続いて、所管のハローワークに離職票を提出し、求職の申し込みを行ってください。
申し込みに必要な書類は下記の通りです。

  • 雇用保険被保険者離職票
  • マイナンバー確認書類
  • 身分証明書
  • 写真2枚(正面上三分身、縦3.0cm×横2.4cm)
  • 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
  • 求職申込書

離職票を提出し求職の申し込みを行った日が受給資格決定日となります。「雇用保険受給説明会」の案内とともに「雇用保険受給資格者のしおり」が渡されるので受け取りましょう。

受給資格決定日から通算して7日間の待機期間の後、雇用保険受給説明会に必ず出席してください。説明会では雇用保険の仕組みや受給の流れ、求職方法等が説明されます。終了後に「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が渡され、第1回目の「失業認定日」が伝えられるため、忘れないようにしましょう。

失業認定日までに求職活動等の条件を満たし「失業認定」されると、認定日の5営業日後に失業手当が振り込まれます。受給期間中は原則4週に一度、失業認定を受けなければならないので気を付けましょう。

参考:雇用保険の具体的な手続き|ハローワークインターネットサービス

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失業保険に関する注意点

失業保険は申請後すぐに受け取れるものではありません。会社都合の離職で給付制限を受けない場合でも、待機期間については離職の理由等に関わらず一律適用されます。この章では、失業保険の受給時期や注意点などを解説しましょう。

失業保険は申し込んだあと、いつ振り込まれる?

失業保険の振り込み時期は、退職理由によって異なります。

まず、冒頭でも説明した通り、待機期間の7日間については一律の適用です。待機期間満了後、初回の失業認定は申し込みの約4週間後になります。失業手当が振り込まれるのは認定日の5営業日後程度なので、会社都合で離職された方が実際に失業手当を手にできるのは、早くて1ヵ月後です。

自己都合で離職した場合は、待機期間後2ヵ月間の給付制限があるため、2回目の失業認定を受けて初めて失業手当が振り込まれます。そのため、申し込み後最低でも2ヵ月以上は待たなければなりません。給付制限期間が3ヵ月の場合は、3回目の失業認定後に初回の失業手当が振り込まれるため、最低3ヵ月以上必要です。

失業保険は申し込んだあと、いつ振り込まれる?

失業保険はオンラインで申請できる?

事業主が作成する資格取得届・資格喪失届・離職証明書については、オンラインで提出できます。離職票についても、令和6年度から電子的に直接交付可能となる予定です。

しかし、被保険者が失業保険を受給するための各種手続きは、ハローワークに来所し行わなければなりません。新型コロナウイルス感染防止の観点から、雇用保険受給説明会については厚生労働省が公開している動画の視聴を案内しているハローワークもありますが、失業認定日には必ず来所し職業相談を行う必要があります。求職登録や申請書類等の作成はインターネット上で可能ですが、失業認定を受け失業手当を受給するにはハローワークへの来所が必要なので気を付けましょう。

参考:雇用保険手続きのご案内|ハローワークインターネットサービス
参考:申請等をご利用の方へ|ハローワークインターネットサービス
参考:雇用保険手続におけるオンライン化の状況(現状)|内閣府

受給条件を把握し確実に失業保険を受け取ろう

失業保険の概要と受給条件等を紹介しました。失業手当は、一定期間雇用保険に加入し受給要件を満たした方が退職した際に受け取ることができる給付金です。受給期間や金額は離職理由・加入期間・離職時の年齢によって異なります。また、退職後いつから受給できるかも離職理由によって異なるため注意が必要です。待機期間等もあるため、会社都合退職の場合でも最短1ヵ月程度かかります。自己都合退職等の場合はさらに給付制限期間もあるため、失業手当を受給できるのは申請後2~3ヵ月後です。この記事を参考に受給条件等を把握し、確実に失業保険を受け取りましょう。

よくある質問

失業保険とはなんですか?

失業保険は正式には雇用保険といい、退職や傷病等によって就労の継続が困難になった労働者を対象に必要な給付を行い、生活および雇用の安定を図るための雇用に関する総合的な保険制度です。詳しくはこちらをご覧ください。

失業保険の受給資格について教えてください。

まず、再就職に対する積極的な意思がなければなりません。さらに、離職日以前の2年間に加入期間が通算12ヵ月以上必要です。ただし、一定の要件を満たした離職者は1年間に通算6ヵ月以上あれば受給可能です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

【監修】マネーフォワード クラウド給与

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