• 更新日 : 2023年11月17日

社内ニートとは?辛いそれとも楽しい?特徴や生まれる原因

企業に勤めていれば、営業や経理、総務など様々な仕事を行っているでしょう。しかし、勤めているにも関わらず、何の仕事も行っていない社員も存在します。

当記事では、社内ニートについて、その特徴や発生原因、必要となる対策などを解説します。興味をお持ちの方はぜひ参考にしてください。

目次

社内ニートとは

ニートとは、家事や就学、就業をせず、職業訓練も受けていない若年者を指します。そのため、企業に勤めている以上はニートとはならないはずです。しかし、社内において何ら仕事を行わない、あたかもニートであるような社員も存在します。そのような社員は、「社内ニート」と呼ばれ、問題視されることになります。

窓際族との違い

出世コースから外れ、閑職に追いやられた社員を「窓際族」と呼ぶ場合があります。窓際族は、重要な仕事を任されることが少なくなっています。しかし、社内ニートのように何ら仕事を行っていないわけではありません。重要度はともかく、社内において仕事をしているか否かという点で、両者は異なった存在といえるでしょう。

社内ニートの特徴

ニートと呼称されることからわかるように、社内ニートは仕事を行いません。このことが通常の社員との大きな違いですが、他にも社内ニートには、多くの特徴があります。

仕事を任せてもらえない・仕事がない

社内ニートは、能力や経験等の不足から仕事を任せてもらえません。また、自身が行うべき仕事自体が存在しない場合もあります。行うべき仕事がなければ、否応なしに社内ニートにならざるを得ないでしょう。

業務時間内に仕事以外のことをしている

社内ニートには、行うべき仕事がありません。そのため、就業時間中であっても、仕事以外に時間を費やしています。このような行動は、問題視されて当然です。

トイレやタバコ休憩などが多い

仕事を任されず、手持ち無沙汰になりがちな社内ニートは、トイレやタバコ休憩を頻繁に取ります。これは、職場に居づらいという理由も影響しているでしょう。

雑務・雑用を任されがち

どのような経緯で社内ニートになったにせよ、社内ニートに重要な仕事が任されないことに違いはありません。しかし、遊ばせておくわけにもいかないことから、誰でもできる雑務や雑用を行わせている場合もあります。

入社してから日が浅い(一時的な社内ニート)

入社してから日が浅い新入社員は、経験不足から行える仕事も少なくなっています。そのため、一時的に社内ニートのような状態になっていることもあり得ます。

社内ニートがやっている暇つぶしの例

就業時間中であれば、割り当てられた仕事に従事していることが通常です。しかし、行うべき仕事のない社内ニートは、就業時間中に何をしているのでしょうか。

資格の勉強

仕事をせずに給与が支払われる社内ニートのままで良いと考えている社員も確かにいるでしょう。しかし、状況を変えたいと考えていても不思議はありません。そのような社内ニートは、キャリアアップや転職に備えた資格の勉強に、時間を費やしている場合もあります。

副業

副業が禁止されていない企業では、豊富な自由時間を使って、副業に勤しむ社内ニートも珍しくありません。暇をつぶせるうえに収入も増加する副業は、社内ニートにとって打ってつけの時間の過ごし方になるでしょう。

SNSなどの閲覧

情報が頻繁に更新されるSNSは、コミュニケーションの手段としてだけでなく、暇つぶしにも適したツールです。社内ニートにとっても、それは変わらず、就業時間中ずっとSNSに張り付いているような社員も存在します。

社内ニートが生まれる原因

社内ニートは、会社にとって利益を生まない存在です。そのため、会社が望んで生み出したわけではありません。では、どのような原因で社内ニートは、生まれるのでしょうか。

【会社側】 コミュニケーション不足で仕事が割り振れていない

会社で働くうえでは、コミュニケーションが大切です。会社側が社員と密なコミュニケーションを図ることで、本人の適正や資質の把握にもつながるでしょう。適正に応じた仕事を割り振れば、社員は十分に能力を発揮し、会社に貢献してくれます。

しかし、社内ニートになる社員は、会社側とのコミュニケーションが不足している場合が多く見られます。コミュニケーション不足から来る適正のミスマッチによって、社内ニートが発生する場合もありでしょう。

【会社側】 教育・オンボーディング制度が不十分

社内ニートは、職場における教育不足からも生み出されます。オンボーディング制度を整備し、新入社員に適切な研修を施さなければ、職場に馴染むことも仕事の進め方を覚えることもできないでしょう。

また、配置転換の際に適切な教育を行わなければ、ベテラン社員であっても新しい仕事に対応できません。企業内における教育やオンボーディング制度が不十分な場合には、社内ニートを生みだす原因となってしまうでしょう。

【従業員側】仕事に対する熱意・スキルが足りていない

会社側が十分なコミュニケーションを取れる体制や、万全の教育環境を整えていても、本人に熱意ややる気がなければ、効果を発揮できません。また、熱意があっても能力やスキルが不足していれば、仕事を割り振ることはできないでしょう。このような場合には、会社側の配慮も効果を発揮せず、結果的に社内ニートが生まれてしまいます。

【従業員側】ケアレスミスが多く仕事を任せられない

仕事を行ううえで、ミスは付き物です。ミスを犯すことは誰でもあり得るため、次につなげ再発させないことが重要です。

しかし、あまりにもミスが多く、改善が見られない場合には、仕事を任せられないと判断されてしまってもおかしくありません。ミスをサポートし、改善を図る環境がなければ、社員を社内ニート化させる原因ともなってしまいます。

社内ニートは辛い?楽しい?

社内ニートは、仕事をせずに給与を受け取れます。一見すると羨ましい境遇ですが、当の本人はどのように感じているのでしょうか。

社内ニートは基本的に辛い

基本的に社内ニートは、辛い境遇であるといえます。休暇はたまにあるからこそ、満喫できるのであって、常に暇な状態は人間にとって大きな苦痛となります。そのため、常に暇を持て余している社内ニートは、基本として苦痛を感じているでしょう。

辛い理由①:仕事が苦痛

社内ニートには、出社しても行うべき仕事がありません。しかし、企業に勤めている以上は、出社する義務があります。毎日、何もすることのない職場へ通勤することは、決して愉快なものではなく、たまに与えられる仕事も雑用では、仕事が苦痛になっても不思議はないでしょう。

辛い理由➁:スキルアップを感じられない

通常の社員は、日々の仕事をこなすことでスキルアップをし、昇進や昇格など次の段階へと進みます。しかし、社内ニートは行うべき仕事がないため、スキルアップも望めません。同年代の社員や、後輩が自分を置いて、どんどんスキルアップする様を見せつけられることは、大変な苦痛となるでしょう。

辛い理由③:孤独感を感じる

困難なミッションには、部署やチーム全体で取り組むことが必要です。ミッションが困難であればあるほど、達成感や一体感を感じることができるでしょう。しかし、社内ニートは、部署やチームが一丸となっている状況でも、輪に入ることができません。このような状況は、大きな孤独感や疎外感を生み出すことになります。

社内ニートを生まないための対策

社内ニートは、会社の利益にはならないため、まず生み出さない環境作りが大切です。では、どのような対策を行えば、社内ニートを生まない環境を作れるのでしょうか。

オンボーディング・教育環境を整える

本人の意志ではなく、スキルや能力の不足から、社内ニート化する場合もあります。そのため、新入社員に対して適切な新人研修を行えるオンボーディング体制や、業務遂行に必要なスキルや知識をしっかりと伝えられる教育環境を整えることが必要です。

1on1などのコミュニケーション制度を整備する

社員と十分なコミュニケーションを取って、本人の適性や資質を把握すれば、能力を発揮できる部署へ配属可能です。そのためには、上司との1on1ミーティングやメンターの配置などが有効です。十分なコミュニケーションを取れる環境が整備されていれば、自ずと社内ニートも減少するでしょう。

スキルアップ研修・指摘を行う

スキルや能力の不足から社内ニート化しているのであれば、スキルアップ研修を実施することで状況を脱することも可能です。また、本人が不足している部分に気付けない場合もあるため、問題点を指摘し、改善を促すことも効果的な施策となります。

人材の適切なアサインを行う

本人の適性にあった仕事を割り当てなければ、社内ニートになるのもやむを得ないことでしょう。そのようなミスマッチを減らすためには、人材の適切なアサインが必要です。適切な部署に配属されなかったことで、社内ニートになった場合には、配置転換を行うことで、状況の改善が望めるでしょう。

社内ニートに将来性はある?

社内ニートになってしまった場合、その後どのような扱いになるのでしょうか。本項では、社内ニートの将来性について解説します。

社内ニートの将来性は低い

社内ニートの状態になっている社員を高く評価する企業は存在しないでしょう。そのため、社内ニートの将来性は低く、未来は明るいものではありません。また、一度社内ニートになってしまえば、仮に状況を脱したとしても、同期に比べて出世は遅れてしまうことになります。

理由①:キャリアアップの機会がない

昇進や昇格、あるいはより好条件な他社への転職など、キャリアアップを望むのであれば、仕事を通して経験を積むことが必要です。しかし、社内ニートには、経験を積むべき仕事自体が存在せず、キャリアアップも当然望めません。キャリアアップを望めない社内ニートの将来は、暗いものとなってしまうでしょう。

理由➁:リストラ・人員削減の対象になる可能性が高い

仕事を行っていない社内ニートは、企業における完全な余剰人員です。業績が好調なうちはまだしも、悪化した場合には、真っ先に人員削減の対象としてリストアップされてしまうでしょう。また、業績如何を問わず、不要な人材として切り捨てられる可能性も十分にあります。常に失業と隣り合わせの社内ニートの将来性が高いとはとてもいえません。

社内ニートから抜け出すための方法

社内ニートを生み出さない対策が重要なのは、当然のことです。しかし、十分な対策を施しても、社内ニートになってしまう場合があるでしょう。では、社内ニートとなってしまった場合には、どのようにすれば抜け出せるのでしょうか。

仕事に活かせる資格を取得する

社内ニートには、仕事が割り振られません。そのような状況を脱するために、自分は仕事を任されても十分にこなせると証明する必要があります。

能力の証明には、資格を取得することが効果的です。経理であれば、簿記やFPなど現在の仕事に関係する資格を取得することで、周りの評価も変わる可能性があります。また、資格取得においては、いきなり難易度の高いものには挑まず、段階を踏んで挑戦することも大切です。

自らプロジェクトを立ち上げる・仕事を取ってくる

会社が仕事を与えてくれないのであれば、自分で仕事を生み出すことにより解決可能です。豊富にある時間を使って、周到なプロジェクトを立ち上げれば、社内ニートから脱することもできるでしょう。また、待ちの姿勢ではなく、自分から仕事を取ってくることも大切です。どうせ何をしても仕事を与えてくれないと諦めるのではなく、自分の熱意を示すことで状況が改善されることもあります。

社内ニートを生まない環境整備を

満足に仕事を行っていない社内ニートに対する低評価は、当然ともいえる結果です。しかし、ミスマッチなどにより社内ニートになった場合であれば、会社側の責任も大きく、本人のみを責めるわけにはいかないでしょう。

社内ニートは、会社にとっても本人にとっても、不幸な状態です。そのような不幸を生まないためにも、当記事を参考に対策を行ってください。


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