• 更新日 : 2018年9月3日

雇用保険とそれ以外の社会保険との違いとは

社会保険にはいくつかの種類があります。雇用保険は社会保険と区別して考えられがちですが、雇用保険も社会保険のひとつです。雇用される方や、独立して事業を始める方にとって、雇用保険とそれ以外の社会保険との違いやそれぞれの特徴を知っておくと、加入や受給の時に役立ちます。

ここでは雇用保険とそれ以外の社会保険との基本的な違いや、雇用する側とされる側による違いなどを、わかりやすく説明します。

社会保険の概要

社会保険とは、国民が安心して老後まで生活するための社会保障制度です。国で強制的に加入するもので、規定の金額を保険料として支払う事により、医療費や老齢期の生活費などの一部を補償するものです。

社会保険には、以下の種類があります。

1.健康保険
2.介護保険
3.年金保険
4.雇用保険
5.労災保険

上記のうち、1~3の保険はすべての国民に適用されるものですが、4の雇用保険と5の労災保険は、原則として会社などに雇用されている被用者に適用されるもので、あわせて労働保険と呼ばれています。

雇用保険の概要

雇用保険には2つの目的があります。1つ目は雇用の安定化をはかり、労働環境を整えることです。2つ目は再就職を促進し、未就業者をサポートすることです。国の強制保険として、農林水産業の一部を除き、ほとんどすべての事業者に適用されます。

最も一般的なのは、失業した際にハローワークで手続きをする求職者給付(基本手当)です。雇用保険はその名の通り、雇用される側の立場、つまり、従業員のみが対象で法人・個人にかかわらず、事業主は被保険者にはなれません。

社会保険の加入手続きと支払方法

社会保険の加入手続きは従業員か事業主か、または、被扶養者かなど立場によって異なります。

従業員または従業員の被扶養者や法人事業主(役員)の場合

従業員として継続的に勤務している人や、法人事業主などの場合、社会保険の加入手続きはすべて勤務先が行います。健康保険と介護保険であれば「協会けんぽ」や各業界の健康保険組合へ、年金保険であれば、厚生年金として管轄の年金事務所へ、雇用保険は管轄のハローワークへ、労災保険は労働基準監督署へ加入手続きを行います。

従業員の被扶養者は必要事項を記入すれば、健康・介護・年金保険について従業員とともに加入したことになり、個人での手続きは必要ありません。

健康保険料や介護保険料は、毎年4~6月の給与月平均支給額である「標準報酬月額」によって金額が決定されます。また、年金保険料についても同様です。各保険料は本人と勤務先が折半して、労働者負担分が毎月の給与から天引きされます。

雇用保険料は毎月、一般の業種の場合、従業員給与の賃金総額に1,000分の3をかけた金額を労働者が負担、1,000分の6をかけた金額を勤務先が負担します。健康保険料と同じで、労働者負担分は毎月の給与から天引きされます。労災保険料は勤務先のみが負担します。

いずれも勤務先が従業員の負担分を一旦預かり、健康保険料・介護保険料・年金保険料は毎月、雇用保険・労災保険は、1年分をまとめて勤務先が納付します。

社会保険の受給手続き

社会保険を受給する時は、保険の種類によって受給手続きが異なります。

健康保険・介護保険の場合

通院や入院の治療費、および、病院で処方された薬代などの医療費は、保険証を提示することにより、すでに支払時に適用されて1~3割負担となっています。

また、高額な医療費を支払った場合は、健康保険の高額療養費制度を利用することにより負担額が上限を超えた場合に、限度額までの支払いで済む、もしくは限度額を超えた分が後日払い戻されます。その他、私傷病により会社を休んだ場合は、傷病手当金を受給することもできます。

年金保険の場合

受給開始年齢65才以上の人が、年金を受給する場合は、厚生年金・国民年金にかかわらず、管轄の年金事務所での手続きが必要です。

雇用保険の場合

退職して基本手当を受給するためには、退社後に郵送される「雇用保険被保険者離職票」のほか、本人確認書類をハローワークに持参して手続きをします。
その後、失業認定を受け、求職活動をしながら決められた期間まで補償を受けられます。

また、基本手当のほか、育児休業中に受給できる「育児休業給付金」や60歳から65歳までの再雇用等による賃金低下を補うための「高年齢雇用継続給付金」などもあり、これらは会社を通して受給手続きを行います。

労災保険の場合

事故や怪我が発生した場所や状態、原因、結果などを説明する決められた様式の請求書を作成し、合わせて病院の診断書、交通事故の場合は警察の証明書類などを、管轄の労働基準監督署に提出します。認定された後、直接本人に給付されます。

雇用保険は雇用される人のための保険

国民が安心して生活できるための社会保険は、雇用される側はもちろん、雇用する側も負担するしくみになっています。社会保険料の負担も少しずつ大きくなってくるなか、基本的な特徴を理解したうえで、自分の社会保険をあらためて見直してみましょう。

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

HRプラス社会保険労務士法人 監修

HRプラス社会保険労務士法人
東京都渋谷区恵比寿を拠点に、HR(人事部)に安心、情報、ソリューションをプラスしていくというコンセプトのもと、全国の顧問先に対し、人事労務に関するコンサルティングを行っている。企業が元気にならないと雇用は生まれない、賃上げはできないとの思いから「人事労務で疲弊する日本中の経営者・人事マンを元気にする!」をミッションに掲げ、人事労務担当者の立場に立った人事労務相談、就業規則や諸規程の整備、IPO支援、海外進出支援、社会保険事務のアウトソーシングなどを展開。

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