• 更新日 : 2018年8月6日

医療費の限度額とは

重症の病気やけがによる長期入院や療養が必要となった場合、自己負担すべき医療費が高額になってしまいます。そのため、個人の負担を軽くできるように、健康保険には「高額療養費制度」が設けられています。

この制度を利用すると、高額な医療費を支払った場合には、所得の水準に応じて、払い戻しを受けることが可能です。ここでは、高額療養費の内容について紹介し、所得基準や限度額について解説します。さらに、医療費が高額になることが分かっている70歳未満の方のための「限度額適用認定証」の利用方法についても説明します。

高額療養費制度とは

健康保険には、高額な医療費を支払った被保険者に対して、払い戻しを行う「高額療養費」という制度があります。この制度は、その月に支払った医療費が自己負担限度額を超えると、後に払い戻しされるという仕組みです。

健康保険の自己負担額の計算は、医療機関ごとに行われます。さらに、同一の医療機関の場合でも、外来と入院を、医科と歯科とに分けて計算します(例:医科外来、医科入院、歯科外来、歯科入院)。

また、医療機関から発行された処方せんの薬を、薬局で調剤してもらったときには、その代金も自己負担額に含めることができます。

払い戻しの申請方法この制度による払い戻しを受けるためには、「健康保険高額療養費支給申請書」を提出する必要があります。申請書は、協会けんぽ都道府県支部でも配布していますが、協会けんぽホームページからダウンロードすることも可能です。申請書には、以下のようなことを記入します。

・被保険者(申請者)情報
・振込先指定口座
・申請内容(診療月、受診者、療養を受けた医療機関・薬局、療養内容、療養にかかった費用など)

払い戻しの時期について

医療費の払い戻しには、診療を受けた月から3カ月以上の期間を要します。医療機関や薬局から提出される診療報酬明細書の審査が必要だからです。

この期間に医療費を支払う金銭的余裕がない方に向けて、健康保険には、高額療養費として払い戻しされる額の8割程度の医療費を無利子で借りることができる「高額医療費貸付制度」も設けられています。利用したい場合には、協会けんぽ都道府県支部に詳細を問い合わせましょう。

自己負担額は「合算」できる

健康保険の高額療養費制度における「自己負担額」は、ひと月分を合算することができます。たとえば、以下のような場合は、合算することが認められています。

・同じ月に、一世帯で複数名が医療機関を受診した場合(世帯とは、健康保険に加入している被保険者とその被扶養者のことを指します。)
・同じ月に、一人で二カ所以上の医療機関を受診した場合
・同じ月に、同一の医療機関において、外来と入院で受診した場合

ただし、気を付けるべきことがあります。70歳以上では、自己負担した金額は全部合算できますが、70歳未満の場合、合算が認められている自己負担額は、ひと月あたり21,000円以上のものに限られます。

自己負担限度額について

健康保険の高度療養費制度における自己負担限度額は、年齢や所得額などによって定められています。年齢は「70歳未満」「70歳以上75歳未満」に区分されており、所得が多ければ自己負担限度額が高くなるように設定されています。

低所得者の場合は、自己負担限度額が低くなりますから、申請書を提出するときには、貼付台紙兼マイナンバー情報関連申告書等を添付する必要があります。所得区分が変わることもありますから、協会けんぽのホームページなどで確認しましょう。

また、医療費の高額負担が続き、1年に3カ月以上、払い戻しを受けた場合には、4カ月目以降の自己負担限度額が下がります。これを「多数該当高額療養費」といいます。

限度額適用認定証の利用について

70歳未満の方で、医療費が高額になると前もって把握できている場合は、「限度額適用認定証」を利用しましょう。医療機関の窓口で保険証と一緒に、この認定証を見せると、その月の窓口での支払い分が自己負担限度額までとなります。自己負担限度額の決め方や多数該当高額療養費の扱いについては、高額療養費制度に準じています。

「限度額適用認定証」の交付には、「健康保険限度額適用認定申請書」の提出が必要です。申請書は、協会けんぽ都道府県支部でも配布していますが、協会けんぽホームページからダウンロードすることもできます。

まとめ

このように、医療費が高額になる場合には、家計を圧迫する可能性もあるでしょう。しかし、健康保険の高額療養費制度を利用すれば、所得に見合った限度額内に収めることができます。

制度を利用するためには、必要書類を揃え、手続きをする必要があります。健康保険のさまざまな制度について正しい知識を持ち、いざというときに備えましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:川本 祐介 (社会保険労務士)

税理士法人ゆびすい
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