• 更新日 : 2024年10月25日

農地の無断転用で必要な始末書の書き方は?無料テンプレートつき

農地の無断転用が発覚した場合には、どのような手続きが必要となるのでしょうか。当記事では、農地の無断転用に対して必要となる始末書について、書き方や記載事項などを解説します。無断転用には、罰則も予定されており正しい知識が必要です。無料で使えるテンプレートも紹介しますので、ぜひご活用ください。

農地の無断転用とは?

農地を農地以外の用途で利用するためには、許可が必要です。たとえば、農地に住宅を建てたいのであれば、市区町村に置かれた農業委員会に申請しなければなりません。許可を得ることなく転用を行えば、無断転用となってしまいます。

無断で農地の転用を行った場合には、農地法違反となり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金、法人の場合であれば1億円以下の罰金が科せられる恐れもあるため、注意してください。罰則の適用は、違反転用者だけでなく、転用事業を請け負った者や、下請事業者も対象です。日本の農業を守るために、このような重い罰則が定められています。

参考:農地法|e-Gov法令検索

農地の無断転用で必要な始末書とは?

農地法はあまり知名度のない法律であり、悪気なく無断転用を行っているケースも多々あります。しかし、必要となる許可を得ずに転用していることは事実であり、原状回復せず、そのまま利用したいのであれば、追認的に許可を受けることが必要です。この場合に必要となる書類が「始末書」です。

始末書とは、反省文のようなものを指します。民間企業でもミスがあった従業員に対して、始末書の提出を求めることがあります。

農地の無断転用の始末書に記載すべき内容は?

農地の無断転用において、必要となる始末書は、長文で書くことも可能ですが、簡単なものであってもかまいません。しかし、記載すべき事項があるため、解説します。

状況・内容

無断転用を行った農地について、その状況と内容を記載します。農地であるにもかかわらず、別の用途で使っていることが分かるように記載しましょう。

記載例としては、以下のようなものが挙げられます。

下記の土地は、農地であるにもかかわらず、住宅の敷地として無断転用し、利用しております。

下記土地は、農地ではありますが、農地法の理解が足りず、駐車場敷地として利用しております。

反省等

無断転用を行ったことに対して、反省している姿勢を示すために記載します。深く真摯に反省していることを示さなければなりません。

記載例としては、以下のようになります。

不勉強により、農地法に違反する結果となったことを深く反省しております。

農地法の知識がなく、今回の行為により法違反となってしまったことを反省しております。

今後の防止策

無断転用を行ってしまったが、今後は行わないことを示すために防止策を記載します。農地法を遵守する姿勢を示すとよいでしょう。また、併せて受理や審議をお願いします。

記載例は、以下の通りです。

今後は、このようなことがないように、ルールの整備を図り、農地法を遵守してまいりますので、受理してくださいますようお願いいたします。

以後、同じような違法行為を行うことがないように、申請にあたり十分な調査を行い、農地法を遵守いたしますので、何卒ご審議のほど、よろしくお願いいたします。

備考

反省や防止策を受けたうえで、改めて法令を遵守する姿勢を示すとともに、関係者への謝罪を述べます。

記載例は以下のようになります。

今回の事態を重く受け止め、再発防止を図ります。また、関係各位には改めてお詫び申し上げます。

今後二度と今回のような法令違反を犯さぬために、法令遵守の徹底を図ってまいります。関係者の皆様には重ねてお詫びいたします。

農地の無断転用の始末書の無料テンプレート

農地法の知識がある方は少なく、意図はないにもかかわらず違反している場合も少なくありません。そのため、無断転用の指摘を受けても、始末書についてどう書いてよいか分からないのではないでしょうか。

そのような場合には、テンプレートの利用が便利です。空欄を埋めるだけで利用できるので、知識は不要で手間も掛かりません。以下のリンクから無料でダウンロードできるため、ぜひご活用ください。

参考:農地転用の始末書(ワード)|マネーフォワード クラウド給与

農地の無断転用の始末書を書く時のポイントは?

無断転用の始末書を書く際には、氏名の自署と押印が必要な点に注意しましょう。委任状などであれば記名押印も可能ですが、始末書においては自署が必要です。これは、法違反を犯したという事実を自覚させ、今後の法令遵守を促すためであると推測されます。

提出前に誤字脱字等がないかチェックすることも、もちろん重要です。誤字や脱字などがあれば、いい加減な態度で始末書が作成されており、反省の色が見られないと判断されるかもしれません。自署と併せて誤字脱字も確認しておきましょう。もちろん、記載事項に漏れがあってはなりません。

農地の無断転用には速やかな対応を

農地法の知識がなく、思いがけず無断転用を行うケースも多いようです。しかし、無断転用のままでよいはずはありません。始末書を作成し、速やかに追認的許可を受けるようにしましょう。農地の無断転用には、懲役や罰金といった罰則が予定されているため、そもそも違反をしないようなルール作りがもっとも大切です。


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