• 作成日 : 2022年11月4日

経費精算を担当する部署は?労務それとも経理?

経費精算を担当する部署は?労務それとも経理?

働き方改革に伴い、経費精算の簡素化が求められています。特に、事業活動の際に従業員が一時的に立て替えた「立替経費」は払い戻すための手続きに手間や時間がかかり、大きな負担となっているのが現状です。この記事では、経費精算の概要や担当部署、労務部門が経費精算に関わる業務についてわかりやすく紹介します。

経費精算とは?

経費精算は、事業活動を行う際に従業員が一時的に立て替えた金銭を精算して払い戻すことを指します。経費精算にはいくつか種類がありますが、一般的なものは以下の3つです。

  • 小口精算
    立て替えた経費の証明となる領収書やレシートと引き換えに現金で精算する方法です。
  • 交通費精算
    従業員が会社に通勤する際の通勤費や、営業の外回りで移動した際の交通費の精算が該当します。
  • 旅費精算
    出張で発生した交通費や宿泊費、日当代が対象です。

経費の対象となる費用は以下が挙げられます。

プライベートの旅行や友人との会食など、社長や役員、従業員の個人的な支出は経費精算の対象外となります。企業の利益に伴う法人税住民税、事業税に関しても経費精算の対象外なので注意しましょう。

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経費精算を担当する部署は?

経費精算は、経理部が主な担当部署となります。経費精算業務の流れは以下のとおりです。

  1. 従業員が立替払いを行う
    交通費や宿泊費、接待飲食代、備品の購入など従業員が会社の費用を現金で立て替えて支払います。
  2. 領収書を受け取る
    支出の証明として紙の領収書を受け取ります。宛名は会社名を書いてもらうことが一般的です。従業員は領収書をなくさないように保管します。
  3. 従業員が申請手続きを行う
    領収書を会社指定の申請書に添付し、経費精算所書を作成します。交通費の場合は交通機関を利用した日付や路線情報を調べてエクセルや会社のシステムへの入力も必要です。
  4. 上長が内容を確認し承認する
    経費精算書に伝票番号やその他必要事項を記入し、上長に提出します。上長は経費精算書の内容を確認し承認しますが、このためだけにオフィスに出社しなければないことも少なくありません。承認した経費精算書は経理部に渡します。
  5. 経理が内容を確認し承認する
    経理が内容を確認して、不備がなければ承認を行います。
  6. 従業員に払い戻しを行う
    給与日など会社規定の日に払い戻しを行います。

経理部は経費精算書に張り付けられた領収書をファイリングして保管しましょう。領収書は7年間保存することが義務付けられているためなくさないように注意しなければなりません。

参考:No.5930 帳簿書類等の保存期間|国税庁

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労務部門が経費精算に関わる業務

経費精算を担当する主な部署は経理部ですが、労務部門も経費精算に関わる業務を担う場合があります。労務は労働環境を整備する幅広い業務を担当しますが、経費精算に関わるのは、以下の3つの業務です。

  • 給与計算
  • 勤怠管理
  • 立替経費

ここでは、各業務内容について見ていきましょう。

給与計算

給与計算とは、名前のとおり、従業員の給与額を計算する業務のことです。給与計算の基本的な流れは以下のようになります。

  1. 従業員の勤怠データを締め、総労働時間を集計する
    従業員の勤怠データに記録の漏れや実態との乖離がないかを確認します。必要に応じて上長や本人に事実を確認し、全従業員の正しい勤怠データを用意する作業です。勤怠を締めた後は、遅刻・早退・欠勤や時間外労働、休日労働など項目ごとに労働時間を集計し、総労働時間を割り出す必要があります。
  2. 総労働時間から総支給額を計算する
    雇用契約書や就業規則で定めている基本給と各種手当の総額から欠勤控除を差し引いた額を算出します。
  3. 各種保険料・税金を計算する
    雇用保険や健康保険、厚生年金保険などの社会保険料、所得税、住民税を計算します。40歳に達した従業員は介護保険料も発生するため、従業員の生年月日をもとに毎月40歳になる人のチェックも必要です。
  4. 総支給額から各種保険料と税金を控除する
    計算した各種保険料と税金を総支給額から控除し、手取り額を算出します。
  5. 労使協定の控除項目を控除
    従業員に貸した金銭の返済金や、会社で加入する生命保険料、会社で行う財形貯蓄費など労使協定によって給与から控除する項目があれば、総支給額から控除します。控除項目は就業規則に明記しておくことが重要です。
  6. 給料を振り込み、保険料と税金を納付する
    総支給額から保険料と税金、労使協定で定めた項目などの控除額を引いた手取り額を決定し、金融機関を通じて従業員の口座に振り込みます。振り込みを終えたら、保険料・税金を納付して完了です。

通勤に伴う交通費や、出張に伴う経費が発生した場合は、この手取り額に加算して振り込みます。会社の信用を損なわないためにも、労務部は以下の点に注意しましょう。

  • ダブルチェックなどを行い給与計算のミスを防ぐ
  • 個人情報の保護を徹底する
  • 最新の法令に則った給与計算を行う

難しいようであれば専門家に代行を依頼したり、給与計算システムを導入したりすることも検討しましょう。

勤怠管理

勤怠管理とは、労務管理の一部であり、従業員の労働時間を管理するものです。具体的には、各従業員の以下の項目を把握して、就業規則や労働基準法に則っているかを確認します。

  • 出退勤時間
  • 休家時間
  • 時間外労働時間
  • 出欠勤日数
  • 休日出勤回数
  • 有給取得状況

勤怠管理の方法として、タイムカードやタイムレコーダー、勤怠管理クラウドサービスを利用することが一般的です。特に勤怠管理クラウドサービスは、勤務状況を把握できるだけでなく、集計や給与計算業務の手間も省けるため業務効率化も図れるでしょう。

出張の場合、「事業場外のみなし労働時間制」として所定労働時間勤務したものとして一律に処理する会社が多いようです。勤怠管理クラウドサービスで管理すれば、出張時の労働時間を明確に示すことができます。企業は外勤・出張時の労働時間の扱いについて就業規則への明記が必要です。労務担当の方は就業規則を確認したうえで外勤や出張をした従業員の労働時間を管理しましょう。

立替経費

立替経費の処理は経理部が担当しますが、会社によっては労務部が行う場合もあります。ここでは、ただでさえ業務量が多い労務部で立替経費の処理を行う場合の負担を軽減する方法を見ていきましょう。

  • 法人用クレジットカードを導入する
    立替払いが多くなる営業担当などには、法人用クレジットカードを渡します。そうすることで、経費精算の負担を軽減できるでしょう。クレジットカードはアプリから明細を確認できるため、経費の使用用途をすぐに把握できるうえ、悪用も防げます。
  • 経費精算システムを導入する
    交通費の計算や必要事項の入力が自動化される経費精算システムを導入することで、手続きの負担を大幅に減らせます。クレジットカードや各種交通系IC、既存システムと連携できる経費精算システムもあるため、自社に合うものを選びましょう。また、申請者はいつでもどこからでも申請できるため、申請者自身の負担も軽減できます。
  • アウトソーシングを活用する
    労務部がコア業務に集中できるようにするために、アウトソーシング会社に経理業務の代行を依頼することも1つの方法です。経費精算のみの依頼から経理全般まで企業のニーズに応じてさまざまなサービスを展開しているアウトソーシング会社は数多く存在します。本来の労務部の業務でなければ、アウトソーシング会社に依頼したい旨を勤務先に掛け合ってみても良いかもしれません。
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経費精算は主に経理が担当。労務は給与計算や勤怠管理など経費精算に関わる業務を担当する

経費精算は主に経理部が担当します。しかし、会社によっては労務が担当する場合もあるようです。いずれにせよ、経費精算業務は手続きが煩雑で担当部署の大きな負担になります。業務効率化を図るためにも、システムの導入やアウトソーシングの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

よくある質問

経費精算を主に担当する部署はどこですか?

経理部です。詳しくはこちらをご覧ください。

労務が経費精算に関わる業務について教えてください。

給与明細・勤怠管理・立替経費これら3つの業務です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:加治 直樹(経営労務コンサルタント)

銀行に20年以上勤務し、融資融資から資産運用、年金相談まで幅広く相談業務の経験あり。中小企業の決算書の財務内容のアドバイス、資金調達における銀行対応までできるコンサルタント。退職後、かじ社会保険労務士事務所として独立。現在は行政で企業及び労働者の労働相談業務を行いながら、セミナー講師など幅広く活動中。

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