• 更新日 : 2021年10月22日

年末調整で受けることのできる控除まとめ

年末調整で受けることのできる控除まとめ

給与所得者が納税額を低く抑えるために適用できる控除は、全部で14種類あります。

これら14種類の控除は、

  • 年末調整時に適用される控除
  • 年末調整後に適用される控除

の2つに分類されます。
今回は、年末調整時と年末調整後に適用される控除をそれぞれに分けて紹介します。

年末調整時に受けることのできる控除

給与所得は、その他の所得と同様に「所得税」が課税されます。
計算方法は、給与収入に直接税率を乗じるのではなく、それぞれの家庭の事情を考慮した様々な控除、いわゆる「所得控除」を差し引きした後の金額が課税標準となります。

基礎控除

基礎控除は、誰でも受けることのできる控除です。基礎控除額は所得が2,400万円以下の場合、48万円(2019年分以前は一律38万円)となっており、「給与所得者の基礎控除申告書」を提出することによって控除が受けられます。
なお、年末調整においては、基礎控除、配偶者控除、所得金額調整控除を受けるための申告書は1枚にまとめられています。

令和2年分以降の基礎控除

納税者本人の合計所得金額基礎控除額
2,400万円以下48万円
2,400万円超2,450万円以下32万円
2,450万円超2,500万円以下16万円
2,500万円超0円

配偶者控除・配偶者特別控除

配偶者控除は、年間の合計所得金額が48万円以下(2019年分以前は38万円以下)の配偶者がいる場合に受けることができる控除です。
例えば、給与収入が103万円以下の配偶者がいれば、所得金額は48万円以下ですので配偶者控除を受けることができます。
また、配偶者の給与収入が103万円を超えてしまった場合でも、収入が201.6万円までであれば、給与者の所得金額に応じた配偶者特別控除を受けることができます。
配偶者特別控除額の幅は1万円から38万円まであり、納税者本人の所得や配偶者の所得金額が多いほど控除額が低くなります。
例えば、配偶者の給与収入が104万円(所得49万円)だった場合の配偶者特別控除額は38万円となり、配偶者の給与収入が200万円(所得132万円)だった場合の配偶者特別控除額は3万円となります。

配偶者控除

 控除額
控除を受ける人の所得金額
一般の控除対象配偶者老人控除対象配偶者
(70歳以上)
900万円以下38万円48万円
900万円超950万円以下26万円32万円
950万円超1,000万円以下13万円16万円

配偶者特別控除

配偶者の所得控除を受ける人の所得金額
900万円以下900万円超
950万円以下
950万円超
1,000万円以下
48万円超95万円以下38万26万13万
95万円超100万円以下36万24万12万
100万円超105万円以下31万21万11万
105万円超110万円以下26万18万9万
110万円超115万円以下21万14万7万
115万円超120万円以下16万11万6万
120万円超125万円以下11万8万4万
125万円超130万円以下6万4万2万
130万円超133万円以下3万2万1万

扶養控除

扶養控除は、年間の合計所得金額が48万円以下(2019年分以前は38万円)の扶養親族がいる場合に受けることができる控除です。
例えば、給与収入が103万円以下である16歳以上の扶養親族がいれば、扶養控除を受けることができます。控除額は1人あたり38万円です。
扶養親族のなかでも、特定の要件に該当すれば控除額の上乗せがあります。19歳以上23歳未満の特定扶養親族に該当すれば扶養控除額は63万円、同居している扶養親族が70歳以上であれば58万円、同居していない70歳以上の扶養親族がいれば48万円となります。

生命保険料控除

支払った生命保険料に基づき適用される控除です。

  • 一般の生命保険料
  • 介護医療保険料
  • 個人年金保険料

保険契約の区分ごとに上限控除額が設定されており、平成24年以降に締結した保険契約の場合はすべての保険料を合わせると最大で12万円まで生命保険料控除を受けることができます。

地震保険料控除

支払った地震保険料や、経過措置対象となる長期損害保険料が控除対象となります。最大控除上限額は5万円となっています。

小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除は、小規模企業共済法で定められた掛金を支払った場合に受けることのできる控除です。
該当する掛金には、以下の3種類があります。

  • 小規模企業共済法の規定により独立行政法人中小企業基盤整備機構と締結した共済契約の掛金
  • 確定拠出年金法で規定されている企業型年金加入者掛金や個人型年金加入者掛金
  • 地方公共団体が実施する心身障害者扶養共済制度の掛金

小規模企業共済等掛金控除に上限額はなく、その年に支払った金額すべてが控除されます。

社会保険料控除

1年間に支払った健康保険料や介護保険料、国民年金保険料、厚生年金保険料などが社会保険料控除として適用されます。自分の保険料だけでなく、扶養している家族の分も合計して控除されます。
ただし、配偶者の年金から天引きされている社会保険料(介護保険料や後期高齢者医療保険料など)を納税者本人の社会保険料控除とすることはできませんので、注意してください。

障害者控除

納税者本人に障害がある場合だけでなく、配偶者や扶養親族に障害がある場合に適用される控除となります。
障害者控除額は原則として27万円となりますが、特別障害に該当した場合は40万円、特別障害者が同居している場合は75万円となっています。特別障害に該当するかどうかの基準は、障害等級や指定医の判定などによります。
障害者控除には年齢制限がありませんので、例えば16歳未満の扶養親族がいた場合にも控除対象となります。

ひとり親控除、寡婦控除

一定の要件のもと、ひとり親、いわゆる「シングルマザー」が受けられる控除です。ただし、事実婚により住民票の続柄が未届の夫又は妻となっている場合は対象外となります。
一律35万円の控除額となっていますが、寡婦に該当する場合は27万円となります。
寡婦の要件は次のいずれかとなります。

  • 子以外の扶養親族を持つ寡婦で所得500万円以下の人
  • ひとり親以外の寡婦で所得500万円以下の人

ひとり親控除と寡婦控除の違う部分を表にしてみます。

控除区分性別要件扶養要件控除額
ひとり親控除男女を問わない生計をーにする子供がいる35万円
寡婦控除女性のみ扶養親族がいる27万円

勤労学生控除

年間の合計所得金額が75万円以下(2019年分以前は65万円)の勤労学生が受けることができる控除です。
給与収入が130万円以下の勤労学生控除の要件に該当する学生で、なおかつ給与所得以外の所得が10万円以下であれば受けることができます。控除額は一律27万円です。

年末調整時に適用される控除

控除名控除額
基礎控除48万円など
(納税者本人の所得により変動)
配偶者控除38万円など
(納税者本人及び配偶者の所得により変動)
配偶者特別控除1万円~38万円
(納税者本人及び配偶者の所得により変動)
扶養控除38万円~63万円
(親族の年齢や同居有無などによって変動)
生命保険料控除最高控除額12万円
地震保険料最大控除額5万円
小規模企業共済等掛金控除該当する掛金全額が控除額となる
社会保険料控除該当する社会保険料全額が控除額となる
障害者控除27万円~75万円
(障害の程度や同居有無によって変動)
ひとり親控除、寡婦控除寡婦は27万円、ひとり親は35万円
勤労学生控除一律27万円

年末調整後に受けることのできる控除

年末調整後に適用される控除には、

があります。
年末調整を終えたあとに確定申告することによって、納め過ぎた所得税を取り戻すことができます。
所得控除は本来、納税者それぞれの家庭の事情を考慮し、税負担を公平にするための制度です。しかし、医療費や寄附金などは支払えば必ず控除できるものではありません。支払の内容によっては控除できないものがあります。控除できるかどうかは、確定申告の際に税務署に判断を求めて下さい。
また、住宅ローン控除は所得控除の14種類には該当しませんが、上記14種類の所得控除を適用したあとでさらに差し引くことのできる税額控除となっています。住宅ローン控除を受けるために初年度は確定申告が必要となりますが、2年目以降は年末調整と一緒に適用させることができます。

所得控除は忘れず正しく控除しましょう

所得控除を受けるためには、それぞれの要件を満たす必要があります。
特に、妻や子どものアルバイト収入が適用基準額を上回ってしまうと、配偶者控除や扶養控除が適用されなくなり、所得税が増額する可能性が出てきます。これらの控除を上手に活用して、賢く節税しましょう。

よくある質問

年末調整時に受けることのできる控除は?

基礎控除、配偶者控除・配偶者特別控除、扶養控除、生命保険料控除、地震保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、社会保険料控除、障害者控除、ひとり親控除・寡婦控除、勤労学生控除です。詳しくはこちらをご覧ください。

年末調整後に受けることのできる控除は?

ふるさと納税などの寄附金控除、医療費控除、雑損控除です。詳しくはこちらをご覧ください。

所得控除以外の控除はある?

住宅ローン控除といって、14種類の所得控除を適用したあとでさらに差し引くことのできる税額控除があります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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