• 更新日 : 2022年3月18日

入社手続きに必要な書類一覧と添え状の書き方

入社手続きに必要な書類一覧と添え状の書き方

入社の際はさまざまな書類の提出が求められます。その際、書類への押印はどのハンコを押すのか、郵送の場合は添え状がいるのかなどと悩んでしまうこともあるでしょう。中途入社であれば、前職退職時に受け取った書類を忘れずに用意することも重要です。今回はチェックリストを用いながら、新卒・中途で必要な入社書類について解説します。

入社手続きに必要な書類のチェックリスト

入社時の提出書類には、多くの会社で共通して提出を求められる書類と、その会社独自の制度や規定によって提出の必要がある書類があります。入社書類の詳しい内容について、チェックリストを用いながら見てみましょう。

基本的に提出が必要となる書類一覧

多くの会社で共通している入社書類は、社会保険や給与振込の手続きに必要となるものです。源泉徴収票は、新卒社員は基本的に必要ありませんが、入社年にアルバイトなどで給与の支払いを受けていた場合は提出が必要になる場合もあります。

 
内容
新卒中途
雇用保険被保険証雇用保険の加入手続きで必要
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(扶養控除申告書)所得税などの税金手続きで必要(扶養家族や配偶者控除の確認)
年金手帳厚生年金の手続きで必要※
源泉徴収票入社年の収入を確認する年末調整時に必要
マイナンバー(個人番号)が確認できる書類社会保険や雇用保険、税金関係で必要(被扶養者がいる場合には被扶養者分も必要)
給与振込届出書給与の振込手続きで必要
健康保険被扶養者(異動)届・国民年金第3号被保険者関係届健康保険や厚生年金保険の手続きで利用(扶養家族がいる従業員のみ)

※年金手帳は、健康保険・厚生年金保険の手続きをマイナンバーで行うことも可能ですので、必ずしも提出しなければいけないというものではありません。

雇用保険被保険証(中途入社のみ)

雇用保険の「雇用保険被保険者番号」を確認するために必要な書類です。新卒入社の場合は、基本的にその会社で雇用保険の加入手続きを行うため必要はありません。前職で雇用保険に加入していた中途入社の人は、退職時に雇用保険被保険証を会社から受け取っているはずですので、新しい勤務先に提出しましょう。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(扶養控除申告書)

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」(以下、扶養控除申告書)は、新卒・中途入社を問わず、原則として提出が必要となる書類です。所得税の有無や扶養控除、配偶者控除を確認するために必要となります。

注意点としては、扶養する家族や配偶者の有無に関わらず提出が必要となる点です。この書類を提出していない場合は、給与から所得税を天引きする源泉徴収および所得税の過不足を清算する年末調整の対象になりませんので、忘れずに提出しましょう。

年金手帳

厚生年金の加入手続きに必要な「基礎年金番号」を確認します。年金手帳は、通常本人保管ですが、会社によっては勤務先で保管するケースもあります。もし勤務先が保管している場合は、中途入社の人は退職時に忘れずに受け取りましょう。

本人保管の会社の場合は、原本ではなく年金手帳のコピーを勤務先に提出します。

源泉徴収票(原則中途入社のみ)

前職での給与収入額および源泉徴収額を確認するために必要な書類です。年末調整時に利用します。

中途入社の場合は、前職退職時に受け取った源泉徴収票を提出します。新卒入社の場合は、アルバイトや副業でその年に給与収入があった場合は、アルバイト先から源泉徴収票が発行されているはずですので、そちらを勤務先に提出します。

マイナンバー(個人番号)が確認できる書類

厚生年金、健康保険、雇用保険の手続きでは本人のマイナンバーを記載します。年末調整など税金関係の手続きにもマイナンバーが必要です。このとき、本人であることを証明するため、会社は本人確認を行う必要があります。番号が正しいものであると証明する書類として、認められているのは以下の3点です。

  • マイナンバーカード
  • 通知カードと運転免許証など
  • マイナンバーの記載された住民票の写しと運転免許証など

参考:よくある質問(FAQ) : マイナンバー(社会保障・税番号制度)| 内閣府

給与振込届出書

給与の振込手続きをするために必要な書類です。「口座振込依頼書」という別の名前の場合もあります。給与振込先として指定する口座の詳細を記載します。なかには、通帳のコピーの添付を求める会社もあります。

健康保険被扶養者(異動)届・国民年金第3号被保険者関係届

健康保険、厚生年金保険に扶養家族を入れる従業員のみ提出が必要となる書類です。扶養家族が「配偶者」「子」「父母・兄弟姉妹など」によって確認する書類の種類が異なります。あわせて、住民票や扶養する家族本人の所得証明書などの添付が必要です。

会社によっては提出が必要となる書類一覧

以下にあげる入社書類は、会社によって提出が求められるケースもあれば、求められないケースもあります。

【会社によって提出が必要な書類】

  • 入社誓約書、雇用契約書
  • 健康診断書
  • 身元保証書
  • 卒業証明書、免許や資格があることを証明する書類
  • 住民票記載事項証明書

入社誓約書、雇用契約書

入社誓約書(承諾書)は、入社の意思を確認するものです。守秘義務や秘密保持に関することが記載されていることがあります。

雇用契約書には、勤務場所や勤務時間、給与といった労働条件が記載されます。内定時に送付し入社前に回収する会社と、入社時に提出を求める会社があります。なお、労働基準法では、契約期間や賃金、労働時間などの一定事項の明示を義務としているのみで、契約書のようにサインを必要とするとは限りません。書面交付が原則ですが、現在は電子メールなどの電子交付も増えています。雇用契約書、労働契約書、労働条件通知書など名称は会社によってさまざまです。

健康診断書

労働衛生安全法上、会社は常時使用する労働者を雇い入れたタイミングで、健康診断を実施しなければなりません。対象となる従業員が、直近3か月以内に受けた雇入れ時の健康診断の要件を備えた健康診断結果を提出した場合は、この雇い入れ時の健康診断を省略することが可能です。

参考:労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう

身元保証書

入社後、なにか損害賠償が必要な事態が発生した場合に、従業員と連帯して賠償責任を負う身元保証人についての書類です。本人の押印とともに、身元保証人の署名・押印をするのが一般的です。

卒業証明書・免許や資格があることを証明する書類

学歴の証明として提出が求められます。主に新卒で入社した従業員が対象です。免許や資格が必要な業務の場合には、免許や資格があることを証明する書類の提出が必要になります。

住民票記載事項証明書

住民票記載事項証明書とは、住所・氏名・生年月日といった住民票に記載されている情報に誤りがないことを証明する書類です。労働者名簿の作成のため、従業員の情報を正確に管理するために提出を求める会社があります。

入社書類の送付方法

必要な入社書類を揃えたら、会社に提出します。書類の送り方は、「入社時に担当者に手渡し」「封筒に入れ郵送で送る」の二通りが一般的です。最近では、メールで完結する電子契約の方法もあります。

入社時に手渡しする

入社オリエンテーション時などに、担当部署または担当者に手渡しします。必要書類を忘れないよう、チェックリストなどを用いて前日のうちに確認しておきましょう。また、入社書類には多くの個人情報が含まれているため、通勤時に鞄を置き忘れるといった紛失・盗難リスクに気を配りましょう。

郵送で送る

管理部が別の事業所にいる場合などは、郵送での送付を指示される場合があります。入社書類は重要書類ですので、追跡番号がわかる送り方を選びましょう。雨が降った際に封筒が濡れても中身に影響がないよう、クリアファイルなどに入れるといった配慮も必要です。

メール添付で送る

近年では電子契約書のサービスが発展しており、雇用契約書や入社誓約書といった書類を、メール経由で結ぶことがあります。電子契約では、ハンコが不要となるためスムーズに締結できます。ただし、ハンコ代わりとなる署名や住所の入力では間違わないよう正しく入力することが大切です。

また、メールで送付された電子契約の手続きを見落とさずに対応しましょう。締結した雇用契約書はダウンロードし別途保管しておくことをおすすめします。

添え状の書き方

入社書類に限らず、社会人として何か書類を郵送でやり取りする場合、書類だけを封入するのではなく「添え状」も同封しましょう。添え状は、社会人マナーとして必須といわれます。しかも、決して形式的なものではなく、封入した書類がすべてそろっているかを「確認」する役割もあるのです。また、提出書類に補足事項がある場合にも添え状で一言添えることができます。

添え状は手書きでなければいけない?

添え状は、手書き、パソコンのどちらでも問題ありません。「書類の送付先(会社名、部署名、担当者名)」「書類の内容」「自分の連絡先・氏名」などを記載します。

書き方がわからない場合は、テンプレートを活用するのがいいでしょう。

入社書類に関するいくつかの注意点

入社書類を準備するときは、適切なハンコ(印鑑)を用いること。また、送付の際に紛失リスクに備えることを注意しましょう。

入社書類への押印は認印でも大丈夫?

入社書類への押印は、基本的には実印以外の「認印」でも問題ありません。ただし、身元保証書については、身元保証人の「実印」および「印鑑証明」を求められるケースがあります。なぜなら、身元保証書が何か損害があった場合の連帯保証を証明する書類であり、そこへの押印は本人のものであるという確実性が重要だからです。

身元保証書自体の提出を求めない会社もありますが、提出や印鑑証明の添付を求めること自体は不自然なことではありません。内容をよく確認した上で、準備しましょう。

入社書類が届かない場合はどうする?

入社書類を郵送した場合に考えられるのが、「書類が届かない」という郵送トラブルです。届かないリスクに備えるには、必ず郵送方法を「追跡番号つき」のサービスで指定しましょう。

もし期日を過ぎても届いていない場合、追跡番号を利用すれば郵送物がどこにあるのかの確認が容易になります。もし見つからない場合は、速やかに書類の再記入、再発行の手続きが必要です。

「年金手帳」「マイナンバーカード」といった重要な書類や再発行が容易でないものは、郵送で送らずに写しを添付する、直接手渡しにより確認してもらうといった方法が可能かを確認するのがいいでしょう。

入社書類は余裕をもって準備をしよう

会社から指定された入社書類は、どれも保険関係や税金関係の手続きに必要な重要なものです。中には手続きの期限が決まっているものもあるため、期日に遅れないように準備しましょう。住民票記載事項証明書や印鑑証明のように、手続きに時間がかかるものもあります。入社書類の案内を受け取ったら、何が必要か速やかに確認し、早めに準備するとスムーズに提出することが可能です。

よくある質問

入社手続きに必要な書類には、どういったものがありますか?

社会保険や雇用保険の手続きに必要な情報を確認するもの、税金手続きに必要な情報を確認するものがあります。ただし源泉徴収票のように全員が提出する必要のないものもあるため、担当者に確認しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。

入社書類への押印は認印でも問題ないですか?

基本的には、実印登録をしていない認印を使用することは、入社書類の準備では問題ありません。ただし、本人が実在することの証明として、身元保証書への押印には、実印と印鑑証明が求められる場合があります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:加治 直樹(経営労務コンサルタント)

銀行に20年以上勤務し、融資融資から資産運用、年金相談まで幅広く相談業務の経験あり。中小企業の決算書の財務内容のアドバイス、資金調達における銀行対応までできるコンサルタント。退職後、かじ社会保険労務士事務所として独立。現在は行政で企業及び労働者の労働相談業務を行いながら、セミナー講師など幅広く活動中。

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