• 更新日 : 2024年4月5日

健康保険・厚生年金保険資格喪失証明書とは?どこで発行?いつ届く?

会社退職後、国民健康保険へ加入するには健康保険資格喪失証明書(社会保険資格喪失証明書)が必要です。しかし、会社の手続きが遅れ、すぐに発行してもらえないこともあるでしょう。

この記事では、退職後国民健康保険加入手続きをスムーズに行えるように、証明書がいつどこで発行してもらえるのかを解説するとともに、発行してもらえない場合の対処法について紹介します。

▽健康保険・厚生年金保険資格喪失証明書のフォーマットをお探しの方は、以下より無料でダウンロードできます。

健康保険資格喪失証明書(社会保険資格喪失証明書)とは

健康保険・厚生年金保険資格喪失証明書

画像;健康保険・厚生年金保険資格喪失証明書(ワード)のテンプレート

健康保険資格喪失証明書とは、健康保険の被保険者や被扶養者であった方が、会社の退職などにより社会保険の資格を喪失して脱退した日付を証明するための書類です。

日本年金機構では、「健康保険・厚生年金保険 資格取得・資格喪失等確認請求書(通知書)」と示しています。

国民健康保険の手続きを市区町村の窓口でする際、市区町村の窓口ではいつ退職して社会保険の資格を喪失したのかがわからないため、健康保険資格喪失証明書の提出を求められます。

健康保険資格喪失証明書の記載内容

健康保険資格喪失証明書の主な記載内容は次の通りです。

    • 退職者の基本情報(氏名・生年月日・住所など)
    • 被扶養者の基本情報
    • 社会保険の資格取得日と資格喪失日
    • 勤務先または健康保険組合等の証明

など

退職後に新たな社会保険に加入するために、直前の社会保険の加入状況などがわかる内容が記載されています。

健康保険資格喪失証明書はどこで発行する?

健康保険資格喪失証明書はどこで発行してもらえばよいのでしょうか。2つの発行方法について説明します。

健康保険資格喪失証明書の発行は、原則次のどちらかで行います。
  • 会社が厚生年金と健康保険の資格喪失証明を発行
  • 健康保険組合(または協会けんぽ)が健康保険のみの資格喪失証明(「健康保険資格喪失証明書」という)を発行

どちらが発行するかは、企業によって異なります。また、扶養家族がいない場合、失業保険の申請などで使用する離職票などで代用することも可能です。

また、健康保険資格喪失証明書をいつ発行してくれるかは、勤務先によって異なります。
退職の際に証明書の発行希望を聞いてくれる会社もあれば、自分から発行を依頼しなければ発行してくれない会社もあります。また、社会保険の資格喪失の手続き(資格喪失日から5日以内)が終わらなければ発行してくれない会社もあるため注意が必要です。

国民健康保険や国民年金の加入手続きの期限は、退職日の翌日から14日以内。特に病院に通院する予定がある方は、国民健康保険の手続きは早目に行いたいものです。そのためには、退職前に会社にいつ健康保険資格喪失証明書が発行されるかについて確認しておくことが大切です。

健康保険資格喪失証明書のフォーマットはこちら

健康保険・厚生年金保険資格喪失証明書

なお、健康保険・厚生年金保険資格喪失証明書の雛形は、以下のページから無料でダウンロードできます。業務に合わせて適宜変更も可能ですので、ぜひご活用ください。

協会けんぽの場合は 年金事務所でも発行

全国健康保険協会(協会けんぽ)の健康保険に加入していた場合には、日本年金機構(年金事務所)に「健康保険・厚生年金保険資格取得・資格喪失等確認請求書」を提出して「健康保険・厚生年金保険資格取得・資格喪失等確認通知書 」を交付してもらう方法があります。

マイナンバーが確認できるものと身分証明書を準備すれば、年金事務所の窓口で発行してもらうことも、郵送で申請することも可能です。

ただし、退職直後で会社の社会保険資格喪失の手続きが遅れ、届出が済んでいない場合には、発行してもらうことができません。会社に社会保険の資格喪失届の手続きが済んでいるかどうかを確認してから、交付手続きをする必要があります。

参考:健康保険の資格喪失証明等が必要になったときの詳細説明|日本年金機構

健康保険資格喪失証明書はいつ届く?

健康保険資格喪失証明書は、資格喪失の手続きが完了した後に発行されます。具体的には、「被保険者喪失日証明願」または「被扶養者削除日証明願」を健康保険組合に提出してから約3日以内に発行されることが一般的です。健康保険資格喪失証明書の発行は、資格喪失手続きが完了した後であるため、退職日を含めると、実際にはおよそ1週間後になる場合が多いです。

もし社会保険の資格喪失証明書がすぐに用意できない場合は、前勤務先に確認を取ることも1つの手段です。この際、前勤務先の連絡先や名称、そして健康保険の記号番号などが必要になることがあります。これらの情報をもとに、健康保険組合や社会保険事務所に問い合わせることを検討しましょう。

また、他の手段で資格喪失の証明を行う必要があります。この証明書は、国民健康保険への加入時にも重要であり、「社会保険の資格喪失日」や「退職証明書」が必要とされることもあるため、手続きの際には適切な書類の準備が必要です。

健康保険資格喪失証明書が必要なケース

健康保険資格喪失証明書が必要になるのは、退職後に国民健康保険に加入するときです。国民健康保険の加入手続きのとき、資格喪失日を確認するために提出を求められます。

国民健康保険への加入手続きは退職日の翌日から14日以内と定められているため、忘れずに手続きをしましょう。

健康保険資格喪失証明書が不要なケース

退職後に新たな社会保険に加入するとき、次のケースでは健康保険資格喪失証明書は不要です。

  • 再就職して転職先の健康保険や協会けんぽに加入する場合
  • 勤務先の健康保険に任意継続加入する場合
  • 家族の健康保険に加入する場合
  • 年金制度(国民年金や厚生年金)に加入する場合

転職先や家族の勤務先の健康保険組合や協会けんぽに加入する場合などは、健康保険資格喪失証明書は必要ありません。会社が加入手続きをしてくれるためです。

また、国民年金や厚生年金など新たな年金制度に加入する場合も、健康保険資格喪失証明書は必要ありません。厚生年金の加入手続きは会社が対応してくれます。国民年金は、基礎年金番号通知書や年金手帳など基礎年金番号がわかる書類があれば加入手続きが可能です。

証明書の要・不要と退職後に加入する社会保険制度

健康保険資格喪失証明書が必要なケースと不要なケースを解説しましたが、退職後の進路によって加入する社会保険制度が異なるため、わかりにくいと感じる人もいるでしょう。証明書の要・不要と加入する社会保険制度、手続き先を一覧にしますので参考にしてください。

(証明書の要・不要と退職後に加入する社会保険制度)

退職後の進路資格喪失
証明書
健康保険制度手続き先
年金制度
再就職しない
(自営、無職)
国民健康保険市区町村の国民健康保険担当課
国民年金第1号市区町村の国民年金担当課、年金事務所
再就職する不要健康保険(※)再就職先の担当課
厚生年金再就職先の担当課
退職する会社で

任意継続加入

不要健康保険退職する会社の担当課
国民年金第1号市区町村の国民年金担当課、年金事務所
配偶者に
扶養になる
不要健康保険配偶者の勤務先担当課
国民年金第3号配偶者の勤務先担当課

※健康保険組合や協会けんぽ

健康保険組合や協会けんぽ Web画面

国民健康保険への切り替え手続き

再就職した場合は勤務先が手続きしてくれますが、国民健康保険に切り替える場合は自分で手続きしなければなりません。切り替え手続きと手続きに必要な書類について解説します。

国民健康保険の加入手続き

国民健康保険の加入手続きは、居住地の市区町村の国民健康保険担当課で行います。提出期限は社会保険喪失日(退職日の翌日)から14日以内となっているため、忘れずに手続きしましょう。

なお、扶養家族が退職前の勤務先の健康保険に加入していた場合、家族の国民健康保険加入手続きも必要です。退職により扶養家族の健康保険も資格喪失するためです。国民健康保険には扶養家族という制度はないため、一人ひとりが加入し人数分の保険料が必要になります。

国民健康保険加入の必要書類

国民健康保険の加入手続きに必要な書類は次の通りです。

  • 本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)
  • 健康保険資格喪失証明書
  • 世帯主や本人のマイナンバーがわかるもの

退職前に扶養家族だった家族も同時に加入する場合、加入者全員のマイナンバー確認資料が必要です。

健康保険資格喪失証明書に関する注意点

会社で健康保険資格喪失証明書を発行してもらえれば、退職後の手続きもスムーズに進むことでしょう。しかし、証明書をなくしてしまった場合や証明書がもらえないケースなども考えられます。それぞれの対処法について解説します。

証明書をなくした場合

健康保険資格喪失証明書をなくしてしまった場合には、勤務していた会社に連絡して再発行の依頼をしましょう。

健康保険法施行規則34条では、健康保険に関する書類をその完結の日(退職・解雇・死亡)から2年間保存しなければならないことが定められています。退職してから2年以内であれば会社には記録が保存されているため、健康保険資格喪失証明書の再発行は可能です。

ただし、証明書の発行は法律で義務付けられたものではありません。会社が再発行をしてくれない場合には、全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入していた方は、日本年金機構(年金事務所)で「健康保険・厚生年金保険資格取得・資格喪失等確認通知書 」を発行してもらう方法があります。会社が健康保険組合に加入していた場合には、健康保険組合に手続きの方法を確認しましょう。

証明書がもらえない場合

退職後勤務先が倒産した場合のように、勤務していた会社がなくなっている場合や連絡が取れなくなってしまい、健康保険資格喪失証明書を発行してもらえないケースも考えられます。

健康保険に加入していた保険者(全国健康保険協会(協会けんぽ))の場合は日本年金機構や健康保険組合に相談して発行してもらいます。また、市区町村によっては、健康保険資格喪失証明書を会社が発行してくれない場合、退職日が確認できるものであれば離職票や退職証明書、雇用保険受給資格者証などの他の書類で国民年金保険の加入の手続きを受け付けてくれることもあります。会社に証明書を発行してもらえない場合には、加入する市区町村窓口で相談してみてください。

退職しなくても健康保険資格喪失証明書が必要な場合

同じ会社に勤めていても、雇用形態が変わった場合などで健康保険資格喪失証明書が必要になるケースがあります。雇用形態の変更などによって勤務先の社会保険から外れ、国民健康保険に加入しなければならなくなる場合があるからです。

該当するのは次のようなケースです。

    • 正社員から短時間の契約社員になる
    • 定年後再雇用で嘱託やアルバイトになる

など

社会保険に加入するのは、原則「1週間の所定労働時間と1ヶ月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上」に該当する場合ですが、「厚生年金保険の被保険者数が101人以上の企業(※)」の場合、次のすべてに該当すれば社会保険の加入要件を満たします。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上あること
  • 賃金の月額が8.8万円以上であること
  • 学生でないこと

※2024年10月からは51人以上の企業など

退職日によって保険料が異なる場合

健康保険資格喪失証明書に記載された退職日によって、退職した月の社会保険料が変わることがあるので覚えておきましょう。

月末日に退職した場合、退職月分の社会保険料は給与天引き(退職月または退職月翌月の給与から控除)されます。転職したり自営業者になって新しく加入した社会保険の保険料は、退職した翌月分から発生します。

一方、月末日以外に退職した場合、退職月分の社会保険料は退職した会社から給与天引きされません。退職月分の社会保険料は、新しく加入した社会保険制度で支払うことになります。

3月に退職して4月から自営業になる場合、退職日によって3月分の社会保険料は次の通りです。

  • 退職日が3月31日:健康保険料と厚生年金保険料
  • 退職日が3月1日~30日:国民健康保険料と国民健康保険料

転職で空白期間ができる場合

転職する場合でも、前勤務先の社会保険資格喪失日と転職先の資格取得日が空いている場合は、空白期間は国民健康保険に加入する必要があります。そのため、転職でも健康保険資格喪失証明書が必要です。

国民健康保険に加入しなければ、空白期間の医療費は全額自己負担となり、遡って健康保険料を徴収されるケースもあります。

退職後の国健康保険の手続きをスムーズに進めるには退職前の準備が必要

健康保険資格喪失証明書とは、健康保険の被保険者や被扶養者であった方が社会保険の資格を喪失して脱退した日付を証明するための書類です。会社退職後に国民健康保険に加入する場合には、健康保険資格喪失証明書が必要になります。

健康保険資格喪失証明書の書式に決まりはないため、会社独自の書式がなければ、各市区町村が作成したフォーマットを利用して作成してもらうのも1つの方法です。また、全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入していた場合には、日本年金機構(年金事務所)で「健康保険・厚生年金保険資格取得・資格喪失等確認通知書 」を交付してもらう方法もあります。

国民健康保険や国民年金の加入手続きの期限は、退職日の翌日から14日以内。短い期間で退職後の国民健康保険の手続きをスムーズに進めるには、退職前にいつ健康保険資格喪失証明書が発行されるかについてよく確認し、発行が遅くなる場合も考慮して事前に準備しておくことが大切です。

よくある質問

社会保険資格喪失証明書とはなんですか?

社会保険資格喪失証明書とは、健康保険の被保険者や被扶養者であった方が社会保険の資格を喪失した日付を証明する重要な書類です。会社退職後など、国民健康保険に加入する際に必要となります。詳しくはこちらをご覧ください。

社会保険資格喪失証明書はいつもらえますか?

退職後に会社からもらうのが一般的ですが、いつ作成してくれるかは会社の対応によって異なります。依頼しなければ発行してくれない会社もあるため、退職前にいつ発行されるかを確認しておくことが大切です。詳しくはこちらをご覧ください。


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