- 更新日 : 2024年2月16日
ダイアローグとは?意味や実施方法を解説!
ダイアローグとは、深いコミュニケーションを求める際に行われるコミュニケーション手法です。ファシリテーターを置き、設定したテーマで対話を行います。相手に対する理解が深まるだけでなく、自分の意見や主張の根拠も明らかにできます。対話を有意義で実のあるものにするだけでなく、チームワークも良くなります。
目次
ダイアローグとは?
ダイアローグとは、ビジネスで注目されているコミュニケーション手法の一つです。1対1や複数で行う、相手の意見を深く知るための対話のことを指します。同じようなコミュニケーションに「ディスカッション」がありますが、ディスカッションとダイアローグでは結論を出す必要性に違いがあります。
ディスカッションは課題に対して解決策を出すために行う話し合いや討論であるため、参加者の意見をまとめた答えを出す必要があります。これに対して、ダイアローグは参加者の意見や本音を聞いて、お互いのことを知ることを目的に行うため、必ずしも結論・答えを出す必要はありません。
ダイアローグを導入するメリットは?
ダイアローグは組織に何をもたらすのでしょうか?企業がダイアローグを導入するメリットを説明します。
相手を理解できる
ダイアローグを実践すると、まず参加している相手のことをよく知ることができます。ダイアローグでは、テーマについて真摯に意見をお互いに語るため、普段語られない本音や考えを聞くことができるでしょう。
自己理解が深まる
ダイアローグのメリットには、自分のことも理解できるようになる点も挙げられます。自分の意見をしっかりと言うためには、考える過程をしっかりと認識して思考を深めていかなければなりません。なぜそのような考えに至ったのかに注意を払うようになり、自己理解を深めることができます。
チームワークが良くなる
ダイアローグにはチームワークが良くなるというメリットもあります。相手のことが理解できるようになり、親密度がアップするためです。ダイアローグによってチームメンバーの趣味などがわかることも多く、プライベートな会話ができるようになり、活発なコミュニケーションが行われるようになることも期待できます。それにより、職場の雰囲気も良くなり、業務において良い影響が期待できます。
ダイアローグの実施方法は?
ダイアローグ導入でメリットを実感するには、正しい方法で行う必要があります。どのようなやり方で行うのが正しいのでしょうか?ダイアローグの具体的な実施方法を紹介します。
ファシリテーターを置く
ダイアローグではファシリテーターを置くことが非常に重要です。ファシリテーターとは話し合いを進める人を意味し、内容がテーマから逸脱してしまったときに軌道修正したり、活発な発言を促したり、対立が起こった場合には仲介したりする役割を担います。ファシリテーターが十分にその役割を果たすことで、スムーズで活発な対話ができるようになります。
テーマを設定する
テーマが決まっていると、参加者は話しやすくなります。テーマが決められていないと参加者は各々の話したい内容を話し、収拾がつかなくなる可能性がありますが、設定テーマがあると脱線も起こりにくく、スムーズな対話が可能になります。
傾聴する
ダイアローグでは参加者がそれぞれ相手の話をきちんと聞きます。結論を出すために実施するディスカッションとは異なり、ダイアローグは話し合いによって何らかの答えを導き出す必要はありません。他者を理解することが重要とされ、参加者の意見をきちんと聞くことが求められます。
ダイアローグを効果的に実施するポイントは?
前段ではダイアローグの基本的な実施方法を説明しました。それでは、より実のあるものとするためには、どのようにすればよいのでしょうか?ダイアローグを効果的に実施する方法を解説します。
全員に発言させる
ダイアローグの効果的な実施には、まず全員に発言させることが必要です。参加者が発言する人と発言しない人に分かれてしまうと、相手への理解度に偏りが生じ、きちんとした相互理解ができなくなります。話さない参加者がいた場合は、ファシリテーターが発言を促し、全員に発言させるようにしましょう。全員に発言させるだけでなく、回数や時間なども平等にするとなおよいでしょう。
自分の意見を述べる
効果的なダイアローグを実施するためには、参加者に自分の意見を述べさせることも重要です。自分の意見は「アイメッセージ」を使うと、容易に述べられるようになります。アイメッセージとは主語に「私」を用いる会話技術です。私を意味する英単語の「I」を使用することから、アイメッセージと呼ばれています。「私は~」と話し出すことで自然に「私は〇〇です」「私は〇〇だと思います」という話し方になり、自分の意見が述べられるようになります。日本人は一般的に自己主張を苦手とするため、アイメッセージを活用するなどして積極的に自分の意見を言うようにするとよいでしょう。
アイスブレイクを設ける
ダイアローグでは本格的な対話を始める前にアイスブレイクを設けるとよいとされています。アイスブレイクとは本題に入る前の雑談を意味します。ダイアローグで開始とともに積極的に発言する参加者は少ないでしょう。そのため、アイスブレイクを設け、参加者同士を和ませたり場の雰囲気を和ませたりして、発言しやすい空気にすることが必要とされます。
他人の主張を尊重する
ダイアローグで十分な効果を得るためには、他人の主張を尊重することも大切です。メンバーの関係を良好にすることがダイアローグの実施メリットとの一つとされており、そのためには他の参加者の意見を十分に効かなければなりません。他人の主張にきちんと耳を傾け、真摯に受け止め、その主張を尊重することが必要です。
効果的なダイアローグを行ってチームワークをよくしよう
ダイアローグは相互理解を目的に行う、コミュニケーション手法の一つです。相手をよく知るとともに自己理解を深め、チームワーク向上が図れます。設定したテーマで話し合いますが、必ずしも結論を出す必要はありません。ファシリテーターを置き、傾聴を心がけましょう。
本題に入る前にアイスブレイクを行うと、話しやすくなります。また、アイメッセージで自分を主語にして話し出し、きちんと自分の意見を言うことも大切です。ファシリテーターは全員に話す機会を与えると、ムラなく理解を深められます。ダイアローグを効果的に行い、チームワークを良くし、効率や生産性の向上を図りましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
外国人雇用に人数制限はある?特定技能の受け入れ上限や雇用時の注意点を解説
外国人労働者の雇用を考えている企業は、受け入れ人数に制限はあるのか気になる方も多いでしょう。 原則として外国人労働者の雇用に人数制限はありません。しかし、特定技能や技能実習制度においては受け入れ可能な人数が定められているケースがあります。 …
詳しくみる実務経験証明書の依頼文の書き方!トラブルを避ける発行依頼のコツ
実務経験証明書は、転職活動や研修受講などにおいて、自身の職務経験を証明するために必要不可欠な書類です。療育分野では、児童指導員やサービス管理責任者、児童発達支援管理責任者、相談支援専門員として働いた期間を示す書類の提出が求められることがあり…
詳しくみる中小企業の人手不足にどう対応する?経営者が知っておくべき3つの道
景気回復に伴って浮き彫りになってきた中小企業の人手不足問題。 ここではその現状を解説するとともに、企業が取るべき3つの対応策、すなわち「攻め」の採用活動、女性雇用促進、外国人雇用促進について考えます。 人手不足している中小企業は50.2% …
詳しくみる社宅の退去費用を負担するのは企業?入居者?相場やトラブルの対応策を解説
社宅は従業員の住環境を支援する制度です。しかし、退去時の費用負担をめぐってトラブルが起こるケースも少なくありません。 本記事では、社宅退去時にかかる費用の種類や相場、企業と入居者の負担区分、トラブルを避けるための対策を解説します。ぜひ参考に…
詳しくみる注意書き・注意事項の書き方は?テンプレートを基に例文、違反時の対応を紹介
注意書きや注意事項を書く場合は、具体的かつ明確に書くことが重要です。例えば、商品の取扱説明書などには、利用にあたっての注意事項を明示する必要があります。注意喚起が足りずにトラブルが発生した場合は、法的責任を負う恐れもあるため注意しましょう。…
詳しくみる雇用保険料の端数処理とは?具体例や切り捨て、切り上げルールを解説
雇用保険料の計算において生じる端数処理は、経理や給与計算を担当する方にとって、常に正確さが求められる作業です。ここでは、雇用保険料の端数処理に関するルールや具体的な計算方法をわかりやすく解説します。 雇用保険料の計算で端数が生じる理由 雇用…
詳しくみる